平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

9デイズ

2008年02月12日 | 洋画
 ケビン・ポープ(クリス・ロック)はチケットブローカーで賭けチェスの名人。
 そんな彼がCIAの諜報員だった双子の兄(兄は亡くなってしまった)の代わりに小型ポータブル核爆弾P.N.Bを国際テロリストから奪う。

★キャラクターの描き方について

 この作品はキャラクターの描き方について参考になる。
 ケビンはどこにでもいるちょっと調子のいい男だが、実は頭の回転が速い。
 それを行動で描いてみせる。

・賭けチェス。
 ガールフレンドとのデートがあると言って、熟考する相手の手を差してしまう。チェスや将棋、囲碁はいかに展開を読むかというゲームだが、ケビンにはチェックメイトするまで先の手が読めてしまう。
 頭がいいからだ。

・諜報員として仕事を受ける時の交渉。
 CIAの提示額は2万5千ドル。CIAはケビンが金に困っていることを調べて知っている。
 弱みにつけ込んできたわけだが、ケビンはひるまない。
 5千ドルにつり上げる。こういう交渉は最低金額から言ってくることを知っているからだ。
 CIAが5千ドルをのむと、ケビンは前金2万50千ドルを主張する。
 CIAが渋ると「前金4千999ドル、後金1ドルにするぜ」と返す。
 この交渉術。

・諜報員としての訓練。
 4人の覆面の人間がケビンを拉致する。
 ケビンはこれが非常事態が起きた時の対処能力を養う訓練であることを知らない。
 諜報員のオークス(アンソニー・ホプキンス)が訓練であったことを告げると、ケビンは覆面の人間たちを見ながら言ってのける。
「拉致された時、背中に女の胸が当たっていたから、あんたは○○だ。
 口のにおいがきつかったから、あんたは○○だ。
 ポケットにコンドームが入っていたから、あんたは○○だ」
 ケビンは拉致された時、パニックにならず冷静に状況を把握していたのだ。
 
 人物のキャラクターは、具体的な行動で描く。
 そのお手本のようなキャラクター描写だ。


コメント
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