秋の深まりを感じさせる柿。
日曜日に何となく東京の空気に触れてみたくなり、10年振りに電車で上野まで向かった。北への出
発点であり同時に北からの終着駅でもあった上野駅に降りたのは20年振りか?
この駅は武蔵丘陵が東に果てる場所にあり、上のホームと下のホームとが長い階段で繋がっている。
60年前の大学へは電車で通っていた。上州からの普通電車は下のホームに滑り込む。線路の終点の構
造が当時と変わったがしっかりあった。山手線への階段を登るか地下鉄に乗るために地下に続く階段を
降りるか、その日の気分で替えた。東京駅や新宿駅とは何か異質なものを感じる駅の雰囲気は今も残っ
ている。改札口上のどなたの作か大きな壁画は懐かしい。
東京国立博物館に入館した。なんとお年寄りは無料でした。展示内容に特別目を引くものはなかったの
で早々に退館し、谷中墓地の中を散策しながら日暮里駅まで歩く。多くの文学作品に登場した街中の雰
囲気を感じながらの散歩はなかなか味なもの。途中で駅までの道を訊ねるも教えようがありません、と
の返事が返ってくる。方角を確かめGooglmapも参考にしながら歩き通した。
戦災に会わなかった街中の道は複雑に曲がりくねる。地形に合わせて曲がる山の道とも違う。地図好き
にはこんな探検も面白いものだった。
機会があれば、次回は千駄木あるいは駒込や巣鴨当たりを歩き回るのも面白いかもしれない。