オリンピックの在宅観戦といっても、途中で飽きてしまう。午後から涼を求めて小渓谷に分け
行ってはみたものの、標高400mでは暑さは変わらず。風変りな堰堤だが昨夜の夕立で豪快
な滝が見られた。見ている間は多少の涼感を感じる。
ブラジル人と思しき家族が河原でBBQを楽しんでいた。長男だろうか、落差3mほどの滝の上
から飛び込みに挑戦していた。中学生くらいか? 立ち姿勢で飛び込む。
現代の平和な光景なのだが、この少年の姿にサイパン島陥落時に一部の日本婦人が取った行動
が重なってしまう。いわゆるバンザイクリフから海に飛び込むあのご婦人の姿。少年は水を、
ご婦人は藪をかき分けながら落ち口に近づく・・
私の年代はほんの少しだが戦時の実体験を語ることができる最後の世代。3歳とはいえ少なく
とも戦時の空気を大人と共に吸っていた。
私の戦争の実体験は、近くに落ちた爆弾の破片が家の窓ガラスを全部割ってしまった、庭先の
防空壕にもあたりが天井の土砂が落ちてきて目に入って泣いた、空襲警報におびえた、前橋空
襲時の真っ赤に染まった北の空、東の空を編隊飛行するアメリカ軍機などなど。
米軍のジープが我が家の前に止まり、父親が連行された。理由は戦時軍需工場の技師だったか
らだと後に亡父から聞いた。幸い間もなく釈放されたようだが。
郡上八幡の町中の橋上から下を流れる吉田川に飛び込む少年たち。今年も挑戦する少年たちは
健在なのだろうか?
7.30 記す