ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『プロデューサーズ』

2006-02-15 23:50:54 | 新作映画
----これってミュージカルの映画化なんだって?
「うん。でもそのまた元をたどれば、
68年にメル・ブルックスが手がけた映画。
それがブルックス自身の脚本と作詞・作曲で
ブロードウェイ・ミュージカルに。
2001年にトニー賞12部門受賞という
華々しい記録を作り、
そして今またスクリーンに帰ってきたわけだ」

----ふうん。メル・ブルックスって
作曲までできたんだ。
「彼の作曲の才能を最初に見いだしたのは
ブルックス婦人のアン・バンクロフト。
映画『卒業』のミセス・ロビンソンで知られる彼女も、
昨年他界してしまったけどね」

----メル・ブルックスってコメディってイメージあるよね。
と言うことは、この映画もミュージカル・コメディ?
「うん。物語自体もふざけている。
ただ、ミュージカルとしてはかなり本格的。
オープニングのニューヨーク44丁目の華麗なセットを観ただけで、
『あっ、これはブルックス本気だな』というのが
ひしひしと伝わってくる。
しかも映像のタッチは50年代のテクニカラー風味。
ノスタルジーと笑いが絶妙に絡み合って、
何度声を出して笑ったか分からない」

---へえ~っ。で、お話は?
「舞台は1959年。
落ち目のプロデューサー、マックス(ネイサン・レイン)と、
小心者の会計士レオ(マシュー・ブロデリック)は
一晩で大コケする史上最低なミュージカルを作ろうとする。
コケれば、出資者に配当金を払わなくてすむため、
プロデューサーが儲かると考えたわけだ。
そこで彼らは、史上最低の脚本、最低の演出者、
最低の出演者を探すことに。
かくして彼らが見つけた脚本が
ナチス信奉者のドイツ移民フランツ(ウィル・フェレル)による
『春の日のヒトラー』(笑)」

----アブナいアブナい(笑)
「さらに、それを演出するロジャー(ゲイリー・ビーチ)の仲間たちは、
どう見てもゲイばかり。
カースティング(キャスティング)にやってきた
スウェーデン娘ウーラ(ユマ・サーマン)も
男を挑発するような妖しい魅力を振りまく。
ほんと、ブルックスならではの下ネタ&ヤバいネタが多くて、
よくこれがブロードウェイで上演されたものだと
正直、少し驚いたね」

----ブルックスと言えば、パロディ映画が多いよね。
「そうだね。
日本では『ヤング・フランケンシュタイン』(怪奇映画)、
『ブレージング・サドル』(西部劇)
『サイレント・ムービー』(サイレント映画)など、
ジャンル・ムービーをパロディ化した彼の映画が次々と紹介された。
でも、パロディと言ってもその根底にあるのはそれら映画への愛。
この『プロデューサーズ』も、
ミュージカルのパロディであると同時に、オマージュにもなっている」

----でも、ミュージカルで完結しているのに
映画として観る楽しみってあるの?
「これはミュージカルに限らず、
お芝居全体に言えることだけど、
俳優の顔をアップできると言うのが映画ならではの特徴。
今回もネイサン・レイン、ウィル・フェレルと
顔の演技ができる俳優が勢揃い。
これは期待していいと思うよ。
後、やはり映画ならではのロケーションを生かした撮影だろうね。
舞台ミュージカル版では
マックスのオフィスの中でだけ繰り広げられる
『We Can Do It』のシーンが、
マックスのオフィスを飛び出し、
44丁目のサーディズの前、タクシーの中、
セントラル・パークの噴水の前へと移動してゆく。
パークに足を踏み入れるシーンは
俯瞰で捉えることで空間的広がりを出しているし、
最後には噴水の中でバシャバシャ。
ここなんて『雨に唄えば』を思い出したね」

----ブルックス自身は出ていないの?
「カーテンコールで姿を見せ、一発かますよ。
エンディング・クレジットが始まっても席を立たないようにね」



 (byえいwithフォーン)

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22 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
楽しみです (yuu)
2006-02-16 11:59:39
何より心待ちにしてるのは

ゴールデン・グローブ賞 助演に候補が上がった

ウィルです♪ さ~~てどんな面白いこと見せてくれるのかな?
返信する
■yuuさん (えい)
2006-02-16 18:38:45
こんばんは。

ウィル・フェレルの人気の理由が分かりました。

『奥さまは魔女』は彼の本領はまったく発揮されていません。

ナチのヘルメットを被って半ズボンをはいて

小鳥相手に(あっ、ここまでにしましょう)。

もう、顔だけで笑えます。
返信する
TBいただきます^^ (りょう)
2006-03-30 22:32:08
アブナイし、シモネタは多いし、

ひやひやと笑わせてもらいました^^



歌もダンスも素晴らしかった!

サントラ欲しいです~
返信する
■りょうさん (えい)
2006-03-31 22:56:35
こんばんは。



下ネタ満載でしたね。

さすがメル・ブルックスって感じ。

枯れない人ですね……って、もともとこれは昔の作品か。
返信する
映画版は、 (KUNSAN)
2006-04-09 21:46:44
こんばんは。TBさせていただきました。(勢い余って2度押ししてしまった

ようで、一つ削除して下さい。)



そうそう、映画版のよかったところは、屋内から屋外へのダイナミックな展開があったところですね。

ただ、おばあちゃん軍団の歩行器ダンスは、ステージの方が音響的に迫力があったのかも?

とにかく、メル・ブルックス、おもろいジイちゃんです(笑)。
返信する
■KUNSANさん (えい)
2006-04-09 23:28:15
こんばんは。



あの歩行器ダンス、

ステージでもやれるのかな?

スゴい迫力でしょうね。

機会があったら観てみたいです。
返信する
雨に唄えば (JEFF)
2006-04-10 13:28:37
そう言えば、恋する囚人のシーンで雨に唄えばが分かり易くオマージュされていましたね。

オマージュと言えば、コーラスラインのオマージュシーンが好きなのですが、そのシーンよりカルメン・ギアの顔のインパクトで笑えるようになっていて、可笑しかったです。



歩行器のシーンは、トニー賞にノミネートされた時に幕間で上演していたと言う記憶があります。

ミュージカル版も見たのですが、すごい迫力ですよね。
返信する
映画ならでは (メビウス)
2006-04-10 15:38:45
こんばわでっす♪



確かにミュージカルの舞台だと、オフィスを飛び出して、噴水の場所まで逃げるといったシーンは難しいですね。そこら辺はやっぱり映画ならではだと思いますね♪
返信する
はじめまして。 (女工ミミ)
2006-04-10 22:17:38
TBさせて頂きました。



『雨に唄えば』のパロディといえば、『That Face』のダンスの箸休めに出てくる、

ソファーの陰から物を投げたり顔を出したり引っ込めたりしてのドタバタ

(=『Make 'Em Laugh』)も要チェックですよね。個人的には

『ヒトラーの春』中の、幕の閉まった舞台の前で足崩して座って、

昔語りを始めるヒトラーがまんま『スタア誕生』の『Born In A Trunk』で、

それ観るまでこらえてたのについに吹いてしまったんですよここで。

こーゆーのをちまちま探すの大好きなんで、もう一度観に行きたい所ですが…
返信する
■JEFFさん (えい)
2006-04-11 23:42:01
ミュージカル版もご覧になったのですか?

ぼくはセリフが分からないので、

おそらくダメかも。

いや、ミュージカルってあんまりセリフの問題は関係ないのかな?



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