「C列車で行こう!」

なるべく「ネタバレなし」で作品レビューやってます。※ 現在、中国駐在中。しばらく更新できません。。。。

第79回アカデミー賞授賞式!

2007-02-26 | トピックス

第79回アカデミー賞授賞式が25日(現地時間)に行われました。久しぶりにLIVEで授賞式を見ましたが、さすが「世界最大の映画の祭典」だけあって、賞レースがどうこうよりも、一堂に会した東西南北&老若男女の映画人が互いを讃え合い、また、過去の作品や物故者に対して敬意を表する姿がとても感動的でした。やっぱり映画っていいですねー。WOWOWで授賞式を生放送していたわけですが、パーソナリティと同時通訳はちょっと・・・って感じでしたね。明日の夜は字幕ノーカット版が放送されるそうなので、落ち着いて復習することにします。

★主な受賞作&受賞者は次のとおり。(その他の詳細は公式サイトで)

   【作品賞】        「ディパーテッド」
   【監督賞】        マーティン・スコセッシ(「ディパーテッド」)
   【主演女優賞】     ヘレン・ミレン(「クィーン」)
   【主演男優賞】     フォレスト・ウィテカー(「ラスト・キング・オブ・スコットランド」)
   【助演女優賞】     ジェニファー・ハドソン(「ドリームガールズ」)
   【助演男優賞】     アラン・アーキン(「リトル・ミス・サンシャイン」)
   【オリジナル脚本賞】 「リトル・ミス・サンシャイン」
   【脚色賞】        「ディパーテッド」
   【歌曲賞】        「I Need to Wake Up」(「不都合な真実」)
   【作曲賞】        「バベル」
   【長編アニメ賞】     「ハッピーフィート」
   【外国語映画賞】     「善き人のためのソナタ」
   【長編ドキュメンタリー賞】 「不都合な真実」
   【音響編集賞】     「硫黄島からの手紙」

作品賞の「ディパーテッド」には驚かされましたが、その他の主要部門では割と予想どおりの結果だったと思います(ちなみにKUNSANの予想は、主要6部門のうち4部門が正解でした)。歌曲賞は、「ドリームガールズ」が5つのうち3つもノミネートされていたにもかかわらず受賞ならず。。。多分、票が割れてしまったんだろうと思いますが、そこらへんの選考基準は見直した方がいいんじゃないかな(1つの作品につき1曲にするとか)。でも、ビヨンセ(グラミー賞)、アニカ・ノニ・ローズ(トニー賞)、そしてアカデミー助演女優賞に輝いたジェニファー・ハドソンという、各Awadsで頂点に立った、まさに”ドリームガールズ”によるパフォーマンスは楽しませていただきました。やっぱ、サントラ買おうっと(笑)。

監督賞に輝いたマーティン・スコセッシ。名前が読み上げられた瞬間、会場全体がスタンディング・オベーションで沸いた場面はとても感動的でした。しかし、何よりも衝撃的&威圧的だったのが(笑)、プレゼンターだったフランシス・F・コッポラ、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグとの4ショット!しかも、袖ではJ・ニコルソンが控えていたし・・・いやはや貴重なシーンを見せていただきました・・・。

主演女優賞は、納得のヘレン・ミレン。KUNSANは、「ゴスフォード・パーク」の時の彼女が印象的です。一見怖そうなイメージがありますが、イギリス女優だけあって(?)独特のユーモアも持ち合わせていて、「カレンダー・ガールズ」とか、今はトム・クルーズ夫人となったケイティ・ホームズ共演の「鬼教師ミス・ティングル」といった作品で、時折ハジけた演技を見せてくれるのが、すごく好ましいです。受賞スピーチでの彼女も、とてもかっこよくて素敵でした。主演男優賞のフォレスト・ウィテカー。とても理知的で善人のイメージがあります。俳優だけではなく、サンドラ・ブロック主演「微笑みをもう一度」や、またもやケイティ・ホームズ主演「ホワイト・プリンセス」では監督をつとめるなど多才な人でもあります。8度目のノミネートでも受賞ならなかったチップス先生ことピーター・オトゥール。たとえオスカーが獲れなくても、彼の映画界における功績は誰もが認めるところです。

助演女優賞は、やっぱりジェニファー・ハドソン。今回ベテランの受賞が多かった中で、ビヨンセも思わずもらい泣きした、彼女の感極まり方は初々しくて可愛らしかったです。ただ若いときにオスカーをもらうと人生変わっちゃう人も多いので、これからの女優人生もあせらず、着実に進んでいって欲しいな。あの歌の上手さを埋もれさせるのは勿体ないので、シンガーとして、またはブロードウェイでの活躍を期待しています。これからキャリアをスタートさせる彼女とは対照的に助演男優賞に輝いたのは、ベテランのアラン・アーキン。アカデミー賞のノミネートは実に約40年ぶりにして、今回が初受賞。エディ・マーフィーは残念でしたが、「ドリームガールズ」で俳優としての新たな魅力が見出されたということで、コメディ以外の活躍も今後期待されます。

作品賞では毎年サプライズがありますが、なんと「ディパーテッド」でしたか。レオナルド・ディカプリオマーク・ウォルバーグも自身の受賞はなりませんでしたが、スコセッシ監督の受賞とこの作品賞で悔しさも半減したのでは?個人的には、「インファナル・アフェア」の方が出来がよかった気がしますが、オリジナルよりもリメイクの方が世界的に広く認知されてしまったことに対して、香港の人たちはどう思っているんだろう?しかも、日本がオリジナルだと間違われて紹介されてしまっていたし・・・。KUNSANが予想していた「リトル・ミス・サンシャイン」は残念ながら受賞できませんでしたが、紹介の映像を見ていたら(「オリジナル脚本賞も獲ったし)、すごく観たくなりました。意外だったのは、前評判が高かった「バベル」が振るわなかったこと。内容的に、昨年の「クラッシュ」とかぶるところがあったのが敬遠されたのかな?

その他、受賞者以外で気になったことをいくつかあげると、キムタクにも突っ込まれていましたが、「リトル・ミス・サンシャイン」で助演女優賞にノミネートされていたアビゲイル・ブレスリンちゃん。10歳とはとても思えないほどの落ち着きぶりで、ウィル・スミスの息子ジェイデンくんと一緒につとめたプレゼンター(すごく可愛かった!)でもさりげなくジェイデンくんをフォローしてたし、発表の時も頬杖付いたり終始リラックス。きっと大人のドロドロとした物欲には無縁なんですね(というか、夜遅かったので眠かっただけかもしれませんが)。ちなみに、アビゲイルちゃんは、シャマラン監督の「サイン」でもおしゃまな女の子を演じていましたね。それから、衣装デザイナー賞の発表の時に、プレゼンターのアン・ハサウェイからのフリで、咄嗟に「プラダを着た悪魔」の役のような怒った表情を見せたメリル・ストリープ。脚本家&作家を描いた作品の紹介のあとでカメラに映った時に、咄嗟に物を書いている演技をしたジャック・ニコルソン。さすが名優は、どんな時でもエチュード演技(即興演技)を忘れません(笑)。会場内の主演男優&女優賞はこの二人で決まり!って感じでした(笑)。司会のエレン・デジュネレスは、初めての司会ということもあって、やはりイマイチだったかな。でも、「ゲイと人種問題がなければ、アカデミー賞は成り立たない!」発言や、クリント・イーストウッドとのツーショット写真をスピルバーグに撮らせるという暴挙には思わず笑ってしまいました。

期待されていた助演女優賞ノミネートの菊池凛子ちゃん、それから監督賞・作品賞にノミネートの「硫黄島からの手紙」は残念ながら受賞ならず。それでも、レッドカーペットで堂々と英語で応じる凛子ちゃんや、世界的大女優カトリーヌ・ドヌーブをエスコートする渡辺謙さんを見るにつけ、こういう場でも日本人が浮いて見えなくなったことがすごいなーと素直に嬉しく思います。それから、今年のアカデミー賞の傾向としては、様々な国から様々な作品&俳優がノミネートされ、とても国際色豊かだったこと。カトリーヌ・ドヌーブが言っていたように、国籍は違えども「映画」という言語でつながっている、という気がします。それから、アル・ゴア「不都合な真実」を通して訴えた「地球の環境を守る」ことに対して、ハリウッドが真剣に取り組もうとし始めたことがとても印象的でした。


今年もやっぞ!アカデミー賞大予想!

2007-02-24 | トピックス

第79回アカデミー賞授賞式まであとわずか!ということで、今年もアカデミー賞の大予想(主要6部門)にチャレンジしてみたいと思います。(ノミネートはこちら

(参考)昨年の予想(ちなみに昨年は5割の正解率でした。)
【助演女優・男優部門】【主演女優・男優部門】【監督賞・作品賞部門】

予想にあたっては、①国・年齢・人種のバランス、②これまでのキャリア・貢献度、③アカデミー会員のウケのよさetc.を考慮。あとは「勘」かな(笑)。だって、まだ見てない作品もあるし。

 KUNSANのアカデミー賞大予想!
   【作品賞】     「リトル・ミス・サンシャイン」
   【監督賞】     マーティン・スコセッシ(「ディパーテッド」)
   【主演男優賞】  レオナルド・ディカプリオ(「ブラッド・ダイアモンド」)
   【主演女優賞】  ヘレン・ミレン(「クィーン」)
   【助演男優賞】  アラン・アーキン(「リトル・ミス・サンシャイン」)
   【助演女優賞】  ジェニファー・ハドソン(「ドリームガールズ」)


助演女優賞は、「ドリームガールズ」ジェニファー・ハドソンで決まりでしょう!ゴールデン・グローブ賞をはじめ、数々の映画賞を総ナメ状態。今年は”彼女の年”のような気がします。菊池凜子ちゃんは、アカデミー会員に対する知名度がねー・・・。でもノミネートされるだけでもすごい快挙です!助演男優賞は、迷いましたがアラン・アーキン。エディ・マーフィーもいい演技をしたし、これまでの彼のハリウッド映画に対する貢献度を考えると、獲らせてあげたい感じもしますが、「ドリームガールズ」から演技部門での2部門受賞はさすがに難しいのでは?

主演女優賞は、下馬評通りヘレン・ミレン。このカテゴリーはノミネート5名のうち、実に3名が英国女優なんですね。唯一のアメリカ人女優はメリル・ストリープ。誰が獲ってもおかしくない実力派揃い(一番若いケイト・ウィンスレットでも既に5度目のノミネート)ですが、昨年のリース・ウィザースプーンといい、ヒラリー・スワンクといい、若い時にオスカーを獲ると私生活が・・・となってしまうので、今年は何事にも動じない(笑)ベテラン女優に獲ってもらいましょう!コメディではオスカーが獲れないというジンクスに、名女優メリル・ストリープに打ち破って欲しいという気持ちが少しありますが・・・。

監督賞は、マーティン・スコセッシ。不思議なことに、これまでオスカーとは縁がないスコセッシ監督ですが、これまでの功労を讃える意味で監督賞をあげてもいいかな。プレゼンターでロバート・デ・ニーロが出てくればいいのに(笑)。主演男優賞は、スコセッシ監督と同じ理由でレオナルド・ディカプリオを押します。「タイタニック」「アビエイター」と、これまで惜しいところでオスカーを逃してきたレオ様ですが、そろそろあげてもいいかな?とアカデミー会員も思っているはず。そして、ノミネートは「ブラッド・ダイアモンド」でしたが、「ディパーテッド」との合わせ技ということも考えられますね。最有力のフォレスト・ウィテカーが受賞すると、シドニー・ポワチエ、デンゼル・ワシントン、ジェイミー・フォックスに続く4人目の黒人俳優の受賞となります。

作品賞は、意表をついて「リトル・ミス・サンシャイン」。昨年のサプライズ(=「クラッシュ)がまだ尾を引いているようで(笑)、今年も伏兵がくるのではないかと。「バベル」「硫黄島からの手紙」は、賞レース向けのいかにもっていう作品なのがどうもねぇ・・・。余談ですが、長編アニメ部門にノミネートされている「カーズ」、KUNSANは感動で泣いてしまったほど好きだったので、作品賞にノミネートされなかったのは(しようがないけど・・・)ちょっぴり残念でした。


ドリームガールズ

2007-02-18 | レビュー(欧米・その他) サ・タ行

製作=2006年 アメリカ 130分
監督=ビル・コンドン
脚本=ビル・コンドン
出演=ジェイミー・フォックス ビヨンセ・ノウルズ エディ・マーフィー ジェニファー・ハドソン アニカ・ノニ・ローズ ダニー・グローバー キース・ロビンソン
公式HP=http://www.dreamgirls-movie.jp/ 

キャッチコピー=夢は永遠に生き続ける

【レビュー】
本年度アカデミー賞最多8ノミネート。授賞式(現地時間2/25)の前に是非チェックしておかなければ!と、初日レイトで観てきました。25年前にブロードウェイで上演され、82年のトニー賞では13部門ノミネート、6部門受賞した伝説のミュージカル「ドリームガールズ」の映画化です。最近、この手のミュージカル映画は多いですが、ブラック・ミュージック&カルチャーの歴史、変遷を描いたという点が、あまりそこらへんに詳しくないKUNSANにとっては、すごく新鮮でかっこよく感じました。監督&脚本は、「シカゴ」の脚本を手がけたビル・コンドン。ショービズ界の華やかな「表」と、賄賂や裏切りがはびこる「裏」を同時に描いてみせる感じが「シカゴ」とよく似ていましたね。

「夢→サクセス→破綻・挫折→再生」という、言ってみれば、ありがちなストーリーライン(なんせ25年前の作品ですから・・)ではあるんですが、人物描写の巧みさとキャストの歌の上手さで130分という上映時間もあっという間に感じました。中でも、圧倒的な歌唱力を見せつけてくれたのがジェニファー・ハドソン。先のゴールデン・グローブ賞では助演女優賞に輝いたほか、その他の映画賞も総ナメ状態。この勢いだとオスカーの方も獲ってしまいそうですねー。てっきり、既にブロードウェイで活躍している人だろうと思っていましたが、「アメリカン・アイドル」出身で本作がスクリーン・デビューの新人さん。しかも、普段の彼女は役のエフィとは正反対で、シャイで優しい性格だそうで、監督から「ディーバ(=ワガママ)トレーニング初級コース」を受けて、わざと「遅刻する、無礼に振る舞う」ように言われたとか・・・。

日本では、人気者ビヨンセがさも主役のように宣伝されちゃっていますが、むしろ助演といってもいいぐらいの存在感でした。でも、裏を返せば、”デスチャのビヨンセ”のオーラを消した演技だっともいえ(一部PV?みたいなシーンもありましたが・・)、そういう意味ではビヨンセも好演していたと思います。やり手マネージャー、カーティスを演じたジェイミー・フォックス。オスカーを獲った「Ray」で既に歌唱力は証明していますが、今回はジコチューな野心家を貫禄たっぷりに演じました。あのウェービーな髪型には、一瞬笑いそうになったけど(笑)。エディ・マーフィーは、普段のコメディ演技を封印し、時代に取り残されるかつてのスター歌手の悲哀を好演、アカデミー賞助演男優賞にもノミネートされています。その他、エフィの兄C.C.を演じたキース・ロビンソンのハンサムぶりが印象に残りました。

ラストの大団円からエンドロールにかけての流れは、まるで舞台を見ているかのような高揚感&充足感を感じさせてくれます。終演後、売店でサントラを買い求める人が多かったですが(KUNSANはレンタルを待ちます・・)、できれば生の舞台で、迫力の歌声を聞いてみたいなー。そういえば、ブロードウェイ版へのオマージュとして、舞台でローレルを演じたロレッタ・ディバインジャズ歌手役で特別出演しているそうです。映画のヒットを機に、是非、舞台化→日本公演して欲しいものです。


ドリームシップ エピソード1/2

2007-02-12 | レビュー(欧米・その他) サ・タ行
ドリームシップ エピソード1/2

ポニーキャニオン

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製作=2004年 ドイツ 87分
監督=ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ
脚本=ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ アルフォンス・ビーダーマン リック・カヴァニアン
出演=ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ リック・カヴァニアン クリスチャン・トラミッツ アーニャ・クリング ティル・シュバイガー
公式HP=
http://www.dreamship-ep.com/
キャッチコピー=誰もみたことない壮大なSFパニック・パロディ超大作がいよいよ日本上陸!!

【レビュー】
”ドイツ発コメディ”というと、ちょっと意外な気もしますが、本国ではドイツ映画歴代1位となるオープニング記録を打ち立てるほどの大ヒット!それにしても、かなり”おバカ”でしたねー(笑)。このバカさ加減は、「裸の銃を持つ男」とか「オースティン・パワーズ」の系統、そして、SFコメディという点では、KUNSANの大好きな「ギャラクシー・クエスト」にも通じるかも。監督、脚本、そして、スポックならぬスパックを演じていたのは、ドイツのカリスマ・コメディアン、ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ。この作品は、TVの人気コメディ番組「ブリーパレード」(「サタデー・ナイト・ライブ」とか「モンティ・パイソン」みたいな感じ?)の視聴者からの投票をもとに作られたそうです。ちなみに、ブリー監督の初監督作「マニトの靴」(01)もドイツ映画史上最高興行収入を記録したとか。出演者も本作とかなりかぶっているようなので、こっちの方も今度レンタルしてこようっと。

簡単にストーリーを説明すると、人類滅亡の危機を救うため、300年後の未来からタイムトリップしてきたオカマちゃん達の活躍、とでもいいましょうか。「スター・ウォーズ」「スター・トレック」をはじめ、「マイノリティ・リポート」「シュレック」「ロック・ユー!」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」etc.数々の映画のパロディが満載。しかも、日本語吹替版では、古谷徹氏(アムロ)と池田秀一氏(シャア)による「ガンダム」ネタも楽しむことができます(笑)。個性的なキャラの中でも、KUNSANの一番のお気に入りはジェンズ・モールかな(笑)。演じたリック・カヴァニアンは、オカマ三人組の一人、そして宇宙船の医師、という一人三役を演じたほか、共同脚本を手がけるなど、ブリーさんの右腕的存在。そして、「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」「ドリヴン」「トゥームレイダー2」など、世界的にも知られているティル・シュバイガーはハン・ソロ的キャラクターを、いたって真面目に(でも、かえって可笑しい)演じています。

エンドロールは、ジャッキーの映画のようにNG集が流れていました。ハジけた演技をしつつも、NGの時には、厳格、真面目なドイツ人(←イメージです)に戻る。そのギャップが結構ツボでした。それにしても、「スペースタクシー」の歌が耳に残るよー(笑)。


墨攻

2007-02-11 | レビュー(アジア) ナ・ハ行

製作=2006年 中国・日本・香港・韓国 133分
監督=ジェイコブ・チェン
脚本=ジェイコブ・チェン
原作=森秀樹(漫画)・酒見賢一(小説)・久保田万太郎(漫画脚本)
出演=アンディ・ラウ アン・ソンギ ワン・チーウェン ファン・ビンビン ウー・チーロン チェ・シウォン
公式HP=
http://www.bokkou.jp/
キャッチコピー=10万の敵に たった1人で挑む。

【レビュー】
日本のコミックを原作に、中国・日本・香港・韓国のスタッフとキャストが結集して作り上げた歴史アクション大作。時代は、秦の始皇帝に統一される直前の戦国時代。大国・趙の巷淹中率いる10万の大軍を前に落城寸前の小国・梁を救うべく現れた、「墨家」の天才戦術家・革離。キャッチコピーだけ見ると、10万の軍に1人で立ち向かった英雄の物語かと思いますが、この作品の一番大きなテーマは、「人間の善悪の判断を失わせる戦争の不条理さ、悲惨さ」を訴えていることだと思います。主演のアンディも「日本の側から中国の歴史を描いていること、そして反戦を訴えていること」に作品の意義を感じたそうです。

「非攻」「兼愛」を説いた墨子を祖とする「墨家」(←学生時代に世界史で習った記憶がうっすらと・・・)。なんとなく平和主義者のイメージがありましたが、「非攻」といえども身を守るための戦いは厭わない、いわば「戦闘集団」でもあったんですね。そんな「墨家」の戦術家・革離を演じたのが、アジアのトップスター、アンディ・ラウ。彼自身の持つ生真面目さやストイックなイメージが、演じる革離に重なって見えました。原作コミックの革離に比べると、アンディがかっこよすぎるという批判もあるみたいですが、せっかく映画館でみるのだから、かっこいい方がいい!とKUNSANは思います(笑)。そして、敵方の将軍・巷淹中を演じたのは、韓国の国民的俳優アン・ソンギ氏。この方は、声が素敵ですよね。長台詞のところは、さすがにアフレコだったらしいですが、中国語の発音・抑揚がとても美しかったです。若君を演じたもう一人の韓国俳優チェ・シウォンくんは吹き替えだった・・・?。そして、紅一点のファン・ビンビンちゃん。最期はちょっと可哀想だったけど、あの甲高い声でキャンキャンわめけば、ノド切られちゃうのも仕方ないかな。というか、存在自体が必要だったのか?・・・「ツインズ・エフェクトⅡ/花都大戦」にも出ていたそうですが、あんまり印象にないなー。でも、目ヂカラのあるきれいな女優さんです。その他、梁王を演じたワン・チーウェンはさすがベテラン!といった見事なバカ王っぷりでした(笑)。弓部隊の隊長・子団を演じたウー・チーロン(ニッキー・ウー)は、台湾のアイドルグループ、小虎隊の元メンバー。「フォーエバー・フレンズ」(96)では金城武とも共演していました。KUNSAN、ちょっとこの人好きかも(笑)。

一部CGに不満はありましたが、広大な大地や人(馬)海戦術を駆使した戦闘シーンはスケールが大きく、迫力がありました(ちなみに撮影監督は、日本の阪本善尚さん)。でも、アクションだけではなく、革離の迷いや弱さといった心の揺れ動きにも目を向けているなど、人間ドラマを描いているところが極めてアジア的だと思いました。ストーリーの細かい点については多少疑問点はありましたが、それは原作コミックを読めば解決するのかな?・・・


ナイロビの蜂

2007-02-07 | レビュー(欧米・その他) ナ・ハ行
ナイロビの蜂

日活

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製作=2005年 イギリス 128分
監督=フェルナンド・メイレレス
脚本=ジェフリー・ケイン
出演=レイフ・ファインズ レイチェル・ワイズ ダニー・ヒューストン ビル・ナイ ピート・ポスルスウェイト
公式HP=http://www.nairobi.jp/

キャッチコピー=地の果てで、やっと君に帰る。

【レビュー】
スパイ小説、サスペンス小説の巨匠ジョン・ル・カレの原作を、「シティ・オブ・ゴッド」フェルナンド・メイレレスが監督した社会派サスペンス。昨年のアカデミー賞では、レイチェル・ワイズが助演女優賞でオスカーを獲得しました(その他、「脚色賞」「作曲賞」「編集賞」でノミネート)。個人的には、作品賞にノミネートされてもおかしくない出来だと思いました。ある登場人物の「死」によって、物語を動き出す、社会的問題が浮き彫りになる、という展開は、ケヴィン・スペイシー主演「ライフ・オブ・ディヴィッド・ゲイル」に通じるものがあるかな。ちなみに、舞台となるケニアでは、原作「ナイロビの蜂」は発禁本扱いだったとか。ちょっと内容に生々しいところがありますからね・・・。

ガーデニングが趣味の英国外交官ジャスティンと慈善活動に熱心な妻テッサ。ある日、ジャスティンの赴任先であるケニアでテッサが不慮の死をとげる。テッサの死に疑問をもったジャスティンが自ら事件の真相を探るうち、製薬会社をめぐる世界的な陰謀に巻き込まれ、やがてジャスティンにも身の危険が迫る・・・といったストーリー。「シティ・オブ・ゴッド」にも通じるドキュメンタリー風のリアルな映像を通して、ケニア(アフリカ各国)が置かれている過酷な状況を目の前に突きつけられ、ちょっと怖くなってしまいました。それでも、志半ばで無念の死をとげた妻の遺志を継ぐ夫という、いわば”婦唱夫随”の夫婦愛を描いていたり、サスペンスとラブストーリーが絶妙なバランスでブレンドされた作品だったと思います。

ガーデニング好きの外交官ジャスティンを演じたのは、レイフ・ファインズ。線が細くてナイーブなインテリを演じさせたら、やはりうまいですね。「ハリーポッター」シリーズでヴァルデモートを演じるなど、最近は脱インテリを目指してる?そして、レイフ・ファインズとは「太陽の雫」(99)以来の共演となるレイチェル・ワイズ。自らテッサ役を監督に名乗り出ただけあって、出番は少ないですが、物語を動かす重要な役柄を情熱的に演じきりました。途中、妊婦姿のシーンがありますが、あれは合成かな?(アカデミー賞授賞式の時には、ほんとに妊娠してましたが。)そういえば、「ハムナプトラ3」製作か?の噂もちらほら出ていますが、じゃじゃ馬的な彼女もまた見てみたいものです。その他、二人を陥れる黒幕ペレグリンには、ビル・ナイ「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」では、本人と分からないぐらいの怪物メイクでしたが、こういう普通の(?)人間も演じられるんだーと変な感心をしてしまいました(笑)。


第79回アカデミー賞、ノミネート発表!

2007-01-24 | トピックス

第79回アカデミー賞のノミネーションが発表されました。「ドリームガールズ」「バベル」がそれぞれ6部門(「ドリーム~」は8候補、「バベル」は7候補)でノミネート。先日、見てきたばかりの「ディパーテッド」は作品賞、監督賞、助演男優賞(マーク・ウォールバーグ)など5部門でノミネートされています。助演女優賞部門では、「バベル」の菊池凜子がノミネートされていますね。日本人女優としては、1958年に同部門で受賞したナンシー梅木さん以来二人目の快挙。クリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」作品賞、監督賞でノミネート。こういった日本がらみの作品があると授賞式を見るのが楽しみになってきますね。授賞式は現地時間の2/25の予定。エレン・デジュネレスが初の司会をつとめます。
(主要6部門のノミネートは以下のとおりです。)

   【作品賞】
    「バベル」
    「ディパーテッド」
    「硫黄島からの手紙」
    「リトル・ミス・サンシャイン」
    「クィーン」

   【監督賞】
    アレハンドロ・ゴンザレス・イリャニトゥ(「バベル」)
    マーティン・スコセッシ(「ディパーテッド」)
    クリント・イーストウッド(「硫黄島からの手紙」)
    スティーヴン・フリアーズ(「クィーン」)
    ポール・グリーングラス(「ユナイテッド93」)

   【主演女優賞】
    ペネロペ・クルス(「ボルベール<帰郷>」)
    ジュディ・デンチ(「Notes On A Scandal」)
    ヘレン・ミレン(「クィーン」)
    メリル・ストリープ(「プラダを着た悪魔」)
    ケイト・ウィンスレット(「リトル・チルドレン」)

   【主演男優賞】
    レオナルド・ディカプリオ(「ブラッド・ダイヤモンド)」)
    ライアン・ゴスリング(「Half Nelson」)
    ピーター・オトゥール(「Venus」)
    ウィル・スミス(「幸せのちから」)
    フォレスト・ウィテカー(「ラストキング・オブ・スコットランド」)

   【助演女優賞】
    アドリアナ・バラザ(「バベル」)
    ケイト・ブランシェット(「Notes on a Scandal」)
    アビゲイル・ブレスリン(「リトル・ミス・サンシャイン」)
    ジェニファー・ハドソン(「ドリームガールズ」)
    菊池凛子(「バベル」)

   【助演男優賞】
    アラン・アーキン(「リトル・ミス・サンシャイン」)
    ジャッキー・アール・ヘイリー(「リトル・チルドレン」)
    ジャイモン・フンスー(「ブラッド・ダイヤモンド」)
    エディ・マーフィー(「ドリームガールズ」)
    マーク・ウォールバーグ(「ディパーテッド」)

は、ゴールデン・グローブ賞受賞作&受賞者
(「硫黄島~」は外国映画部門での受賞)


ディパーテッド

2007-01-21 | レビュー(欧米・その他) サ・タ行

製作=2006年 アメリカ 152分
監督=マーティン・スコセッシ
脚本=ウィリアム・モナハン
出演=レオナルド・ディカプリオ マット・デイモン マーク・ウォールバーグ ジャック・ニコルソン マーティン・シーン ヴェラ・ファーミガ アレックス・ボールドウィン
公式HP=
http://wwws.warnerbros.co.jp/thedeparted/
キャッチコピー=男は、死ぬまで正体を明かせない。

【レビュー】
トニー・レオン&アンディ・ラウという香港二大スターが共演して大ヒットした「インファナル・アフェア」のハリウッドリメイク版。ちなみにリメイク権を勝ち取ったのはブラッド・ピット。当初はブラピも出演するつもりだったようですが、最終的には製作に関わったのみ。結果的にはそれが正しかったかな(笑)。リメイクというと、どうしてもオリジナルと比べてしまうのですが、それぞれに良いところはあるし、「ん?」ってところもあるし(笑)、それは見る人の好みかなーと思います。ちなみに、KUNSANの好みはオリジナルの方です(トニー・レオン好きなもので・・・)。

今日、改めて「インファナル・アフェア」の方も見直してみましたが、ストーリーの流れはほぼ同じと言ってもいいかな。決定的に違うのはラスト。ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、作品に込められたメッセージが2作品では違うような気がします。「インファナル~」の方は、仏教思想である「無間地獄」を引っ張ってきて、「生き続けることこそが地獄」という「人生の真理」を語っているのに対し、「ディパーテッド」の方は、どんな身分(警官or犯罪者)であっても、「不実で愚かな存在」である「人間そのもの」を描いている気がします。そう考えると、これらの作品は「似て非なる」、全く違う作品だと言えるかもしれません。

オリジナルのトニー・レオンの役はレオナルド・ディカプリオ、アンディ・ラウの役はマット・デイモンが演じています。最終的なキャスティングはスコセッシ監督が決めたようですが、これで正解だと思います。特にマット・デイモンは「リプリー」でもそうでしたが、狡猾な役柄がよく似合いますね(←一応、褒めてます・・・)。撮影中は、意識して距離を取っていたという二人。その甲斐あって、死んだ警部の携帯を使って会話するシーンは緊張感がビリビリ伝わってきました。その他、
KUNSANが違う意味でドキドキしたのは、マット・デイモンとマーク・ウォールバーグのツーショット。どっちもサル顔なので、見分けがつかないかと思った(笑)。マーク・ウォールバーグは、実際にもボストンの貧民街出身ということで、柄の悪いディグナムを好演。オリジナルにはなかった役柄だけあって、色々な意味で儲け役でした。ちなみに、レオとは「バスケットボール・ダイアリーズ」(95)以来、11年ぶりの共演。二人とも歳くったよな~(笑)。ボスのコステロ役にはジャック・ニコルソン。スコセッシ監督とは30年来の友人とのことですが、意外にもスコセッシ作品には初出演。狂気じみた年寄りをやらせたら、確かに彼が一番だと思うんですが、出来ればロバート・デ・ニーロにやって欲しかったな。スコセッシ+デ・ニーロ+ディカプリオの組み合わせだったら、どんな作品でも観てみたいもん。

さて、先週発表されたばかりのゴールデン・グローブ賞では、マーティン・スコセッシ監督が監督賞に輝いたほか、作品賞、脚本賞、男優賞(レオナルド・ディカプリオ)、助演男優賞(ジャック・ニコルソン、マーク・ウォールバーグ)でノミネートされていました。アジア発「インファナル・アフェア」の世界観や緻密で複雑なプロットが、果たしてアメリカでどう理解されるか心配でしたが、この結果を見る限り、一応の評価はされているようですね。となると、いよいよ23日に発表されるアカデミー賞のノミネートにいくつ選ばれるかというのも楽しみになってきます。


ゴールデン・グローブ賞発表!

2007-01-16 | トピックス

今年度のゴールデン・グローブ賞が15日(現地時間)発表になりました。(主な部門の受賞者&作品は次のとおり)

  【作品賞(ドラマ】
    「バベル」
  【作品賞(コメディ&ミュージカル】
    「ドリームガールズ」
  【主演男優賞(ドラマ)】
    フォレスト・ウィテカー(「ザ・ラスト・キング・オブ・スコットランド」)
  【主演男優賞(コメディ&ミュージカル】
    サシャ・バロン・コーエン(「Borat」)
  【主演女優賞(ドラマ)】
    ヘレン・ミレン(「クィーン」)
  【主演女優賞(コメディ&ミュージカル】
    メリル・ストリープ(「プラダを着た悪魔」)
  【助演男優賞】
    エディ・マーフィー(「ドリームガールズ」)
  【助演女優賞】
    ジェニファー・ハドソン(「ドリームガールズ」)
  【監督賞】
    マーティン・スコセッシ(「ディパーテッド」)
  【脚本賞】
    「クィーン」
  【外国語映画賞】
    「硫黄島からの手紙」
  【アニメ作品賞】
    「カーズ」

例によって、まだ日本で公開されていない作品もありますが、パッと見た感じでは話題作が目白押しだった昨年に比べると、ちょっと寂しい印象ですね。それでも、ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊池凛子(惜しくも助演女優賞ならず!)といったワールドワイドな俳優陣が勢揃いしている「バベル」、今週20日に公開される「ディパーテッド」(インファナル・アフェア」のハリウッドリメイク版)、デスチャのビヨンセ、エディ・マーフィー(助演男優賞受賞!)、「Ray」でオスカーをとったジェイミー・フォックスらが出演する「ドリームガールズ」は早く観てみたいな。

「硫黄島からの手紙」「父親たちの星条旗」は、別の作品と見なされるんですねー。しかも、「硫黄島~」は外国語映画賞に輝きました。外国語映画という定義がよく分かりませんが、監督はクリント・イーストウッドでも、台詞は日本語だから・・ということなのでしょうか?この勢いだとアカデミー賞の最有力作品になるのかな。確かにクリント・イーストウッドは素晴らしい監督だけど、賞獲りすぎって感じもするので、オスカーにはあまり縁のないマーティン・スコセッシ(「ディパーテッド」)に今年はがんばってもらいたい!

女優賞では、ドラマ部門=ヘレン・ミレン、コメディ&ミュージカル部門=メリル・ストリープとベテラン勢が制しました。そういえば、メリル・ストリープは映画版「マンマ・ミーア!」にも出演するようですね。かつて「ミュージック・オブ・ザ・ハート」でバイオリン教師を演じていましたが、歌ったり踊ったりもするのかな?いくつになっても新しい作品、役柄にチャレンジし続ける姿勢はさすがですね!

アカデミー賞の前哨戦と言われるゴールデン・グローブ賞。そのアカデミー賞のノミネートは来週23日(現地時間)に発表されます。


サウンド・オブ・カラー 地下鉄の恋

2007-01-15 | レビュー(アジア) サ・タ行

サウンド・オブ・カラー 地下鉄の恋

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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製作=2003年 香港 97分
監督=ジョー・マ
脚本=ジョー・マ
出演=トニー・レオン ミリアム・ヨン チャン・チェン ドン・ジェ ファン・ジーウエイ グイ・ルンメイ
関連HP=http://www.jimmyspa.com/(ジミー公式サイト・中国語)

【レビュー】
台湾の絵本作家ジミー(幾米)の「地下鉄 Sound of Color」を原作(原案?)として作られた作品。アジアだけでなく欧米でも人気が高いジミーの作品は、金城武主演「ターンレフト ターンライト」、カリーナ・ラム主演「恋の風景」でも映画化されています。絵本は、小説と違って語られる言葉は少ないですが(映画のストーリーも原作をかなり膨らませています)、それがかえってイマジネーションをかき立てられるんですよね。KUNSANも、シンプルでかつ深遠な(これが両立するところがすごい!)ジミーの世界に徐々にハマりつつあります。ちょうど中国語を勉強中なので、台湾版の「地下鉄」を原語で読んでみたいな。

ストーリーの方は、香港、上海、台北を舞台に二組のカップルが、いたずらな天使のはからいでクリスマスに結ばれるというハートウォーミングなラブ・ファンタジー。途中、ジミーのアニメーションが挿入されたりして、とても可愛らしい作品です。二組のカップルを演じるのは、トニー・レオンミリアム・ヨンチャン・チェンドン・ジェ。年齢を重ねて、今でこそ苦悩する大人の男が似合うトニー・レオンですが、童顔のせいか、40過ぎても本作のような軽妙でピュアな青年役もまだまだいけますね(笑)。公開年から言って、「インファナル・アフェア」シリーズと同時期に撮影?と思われるんですが、この演じ分けはさすがに一言です。ミリアムさんは熱演&おきれいでしたね。トニーとは2作目の共演だと言っていましたが、何で共演してたんだろ?チャン・チェンは「グリーン・デスティニー」でチャン・ツィイーの相手役を演じていた俳優さんですね。端正すぎる顔立ちで冷たい印象がありましたが、今回はごく普通の会社員を自然に演じていました。相手役のドン・ジェちゃんはまだ若いですが、既に完成されたような風格が漂っています。中国四大女優の次の世代を担う存在になれるか?
ストーリーのくさび役となる天使を演じたのがファン・ジーウエイ。どこかで見た顔だと思ったら、台湾ドラマ「部屋へおいでよ」(他にF4が出ています。)のミキオくんだ(笑)。そして、「藍色夏恋」グイ・ルンメイちゃんもちょっぴりだけ出ていました。しばらく見ないうちに大人っぽくなりましたね。

個人的には、目が見えない女性と、ある日突然目が見えなくなった男性との恋を描いたトニー・レオン&ミリアム・ヨン編が好きでしたね。苦しいことや暗闇からいかにして抜け出し、新しい人生の目標や明るい未来を見出していくか・・・原作「地下鉄」のエッセンスがよく表現されていたエピソードだったと思います。