京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
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有楽斎展を見ながら

2023-05-16 07:51:07 | 俳句
有楽斎を見ながら
                  金澤ひろあき
 京都文化博物館で、織田有楽斎展を見ました。有楽斎(長益)は信長の弟で千利休の弟子。本能寺の変で、信長の息子信忠に殉ぜず逃げたので、武人としての評価は低い。ただ、茶室の如庵(今は犬山城にあり、国宝)を作ったりで、茶人としての評価は高いのです。
 晩年、建仁寺の塔頭に隠居していたので、遺品は、千利休や古田織部ほど多くなく、同時代の光悦や宗達の方が有名なせいか、展覧会は人出が少なく、ゆっくりと見ることができました。
遺品の井戸茶碗や茶入れを見ながら思ったのは、同じものを見ても、美しいと感じる人もいれば、好きでないと感じる人もいることです。
 たとえば、有楽手作りの赤茶碗があったのですが、説明も何も無しで、あれを見たら、どう思うのかなと。素朴で美しいと感じる人もいるだろうし、でも私は、同時代の志野や織部の方が美しいし楽しいと感じていました。しかし、私の感じ方に同意しない人も多いでしょう。
 美とは、見ているものの中ではなく、見ている人の内側にあるのでしょうね。
 私は、言葉で美を表現したいと思っています。言葉も茶碗と同じで、同じ言葉(表現)に、リズムや美を感じる人もいれば、そう思わない人もいるのでしょう。
 言葉で美を表現するまでに行き着くかどうか、私には解りません。ただ、言葉にならない思いを、何とか言葉にする。その創意は持ち続けたいのです。
 生活や思いの中から。
  ぬくもれる一人暮らしの井戸茶碗 ひろあき


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