京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

2024年4月 京都童心の会 通信句会結果

2024-05-22 13:03:41 | 俳句
2024年4月 京都童心の会 通信句会結果

お水とりの音
     金澤輝
 奈良東大寺二月堂のお水とり。お松明で有名ですが、「音」も心ひかれます。
 芭蕉さんが、
 水とりや氷の僧の沓(くつ)の音
と詠まれたぐらい。
 今年は三月、少しあたたかい日に、お松明を見たのです。
 平日なのですが、二月堂の前には人がいっぱい。警備の人も出ています。夜七時に電灯が消され、二月堂は闇の中に浮かび上がります。
 遠くから鐘の音が。鐘に合わせて二月堂の回廊を松明と練行衆と呼ばれる僧侶が上堂します。僧侶の沓音も響いて来ます。
 二月堂から松明を突き出すと、観衆の歓声。上堂した僧侶が二月堂に飛び込む激しい音。懺悔行で板に体を打ち付けるそうですが、その音も激しい。
 松明十一本が全て済むと、やがて静寂へ。参道の暗がりの中へ観衆は吸い込まれて行きました。
 水とりの氷の僧の沓聴きに 輝
※輝(かがやき)は、ひろあきのペンネームです。社寺を訪れた時の文は、輝を使おうと思っています。

皆さんの選です。
 選者 真・・野谷真治  白・・白松いちろう 康・・暉峻康瑞
    修・・遠藤修司  辰・・蔭山辰子  ひ・・金澤ひろあき
    硯・・中野硯池  照・・佐久間照三 須・・三村須美子
    さ・・岡畠さな子 加・・野原加代子 真理・・岡畠真理子
    芳・・松村芳子  す・・塩見すず子

○野谷真治
1 自転車倒す草の上の春眠 ひ 照 芳
2 ひとりごと食べる虫の余寒
3 亡き女(ひと)おいとま庭先の雪間
4 ゆららゆれおちる街灯の初蝶 修 加 芳
5 糸桜応じる公衆電話 (特 修)芳

○遠藤修司
6 穴のあいた財布をポイ!おニューにしたら福が残った 加 ひ
7 コンビニトイレ一目散扉に手をかけ引いたなら「入ってます」とオナラで返事
8 良い友人とつきあいたいならばなれよ自分が先に良き友人に
9 果物はクサる前が一番おいしいって 自分も頑張れ!クサる手前で
10 「私人間卒業します」一同大爆笑!
11 中学卒業金ぱつ頭 今2児のお父さんで光ってる 加 ひ 照
12 手をさすり土たがやして種まき桜
○松村芳子
13 舞う雪にゴルフボールの吸われゆく 辰 照
14 道たづね上ガル下ガルに京余寒 真 辰 照 真理
15 話す役聞く児のありて日向ぼっこ 加 ひ 辰
○蔭山辰子
16 花見ごろ小学生は来週入学
17 急に暖かく次の日満開 せわしなく
18 小雀のチューンチューン春を引っぱって 修 加 ひ 真
19 のぼり龍 これから良い日がきっと来る 真理
20 家の中足を動かしスポーツ放送  真理
21 老人もタクワン刻みお茶漬けし
22 生きてれば八十才 若い人死なないで 修 照
23 自然相手は仕方ないけど戦争はダメ 照
24 インチキプーチンインチキセンキョ
25 ロシアには閻魔大王いないのか   照
26 ドジャースもアレもがんばれ幕開け日
○野原加代子
27 風が吹く春一番に希望込め 辰
28 たんぽぽや地面から伸びし力強く 真理
29 うららかに木に止まりして鳥来る 修
30 聞こえるや鶯鳴き心地良し 芳
31 春の雪父の手見えプラットフォーム ひ 真 芳 真理
32 青菜食べ生きてる証季節かな 芳
33 春彼岸墓に手合わし故郷や
34 初桜川面に見えしまだ蕾
35 白木蓮駅前に咲き青空や  芳
○岡畠真理子
36 早咲きの桜揺らす小鳥一羽 真
37 ぽかぽか陽気に雪やこんこんのメロディまだ要る日来るかも ひ 辰
38 春近し住宅街もカラフルに
39 リュックにはマフラー手袋でも今日は日傘がほしい 修 辰 照
40 直売所ひときわ輝くいちごコーナー ひ
41 ユキヤナギ桜に先駆け存在アピール 加
○金澤ひろあき
42 そろそろお役御免か木守柿 照 芳
43 風が戸を叩く年金のお知らせばかり来る 真
44 飲み薬三つ 食後の一大事   芳
45 桜に向かって見せびらかすお弁当 修 真理
46 でこぼこのクロスワードパズル第二の定年 真
47 雨の中の花がうつむく一周忌  真 照
48 父の墓風景後ろに飛び去って行く 加
49 逢い別れ 雨の乗換駅ホーム (特 加)(特 真理)芳
50 春の雪 こんなまさかが続くとは 芳
51 春の雪 さびしい音だ未練だな  芳
52 手術跡時々チクリまだ厚着  修 真
53 入学祝の新しい靴第一歩
54 鴨去ってお城の堀の花騒ぐ
55 春の海どこかに地震の巣がひそむ (特 辰)(特 照)修 真理
56 鐘響きやまず花降りやまず   照 
○佐久間照三(青島巡紅改めて)
57 茜雲犬と駆ける子の息の雲 加
58 自転車をネットにテニスするカップル ひ
59 蕾の枝に一つ花咲く昼下がり 真 辰
60 穴馬の春一番に紙吹雪
61 群れる鳶弧を描き飛ぶ春の午後 真理
62 川遊び一人濡れたら皆同じ  修 ひ 真理
63 微風に柳と桜のデュエット  加
64 冷房や膝のカイロは色あせず
65 花開く一瞬逃すなカメラマン 辰
66 雨上がり虹を仰いでペダル漕ぐ (特 ひ)(特 真)修 加 辰 真理
67 蒲公英の種は皆んな行こうぜ  修
〇三村須美子
68 春待ちの造花の桜商店街  加 真
69 カラスつがい餌場巡回春うらら
70 青柳や聞き返せずに生返事 照 芳
71 坂道の廃家賑わす桃の花  ひ 真 芳 真理
72 食めずして菜花満開雨しきり
73 御仏の笑みと憤怒や寺の花 (特 芳)
74 寒暖のアップダウンに迷う服 辰
75 弁当に花びらの散る堤かな  ひ 真 芳
76 腹出して追っかけられて花吹雪 真
77 退院の歩き初めの花見かな  (特 ひ)修 加 照 真理
78 花の裏方腰にホカロンサロンパス
79 乗り越して家路遠のき月おぼろ 修 加 辰 真理
○塩見すず子
80 桜ふぶきに守られ 人のお世話になりたくない(特 ひ)
81 さくらのスケッチに色をさす  ひ 真
82 さくらの道 ふいにかけ出すランドセル 修 辰
○松村芳子
83 鳥翔ちて桜の小枝弾みけり 真理
84 春風邪や亡母みたいな子犬いて 加
85 つばめ舞う空は自在の初舞台 真 辰 照 真理
86 髪染めし亡母に似て来し花鏡 修 ひ 照
87 電線はシャープフラット初つばめ ひ 辰

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