京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
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「あまのがわ」278を読んで

2024-05-09 08:09:20 | 俳句
「あまのがわ」278を読んで
            金澤ひろあき
空に黄砂 海の底には地震の巣  ひろあき
 1月の能登に続き、4月には四国と九州に大きな地震。御地、大事はありませんでしたか。
 次々と起こるので心配です。大きな地震の起こるたびに、「南海トラフ」という語も出て不安です。地震に限らず、戦争も起こり、私達が生きていくことがしだいに困難になっている気がしてなりません。天地の災いは止められませんが、人が起こした災いは止められると信じています。
 さて、いつも「あまのがわ」をお送り頂きありがとうございます。NO、278、表紙絵の中にも「あまのがわ」が描かれていて、配色と被写体のバランス、奥行き、本当に芸術の扉という感じがします。
  星も月も叩くと氷の音がするかな   裏文子
 もしも、この句の情景を絵で表現すれば、どんな絵になるのでしょう。空想して楽しんでいます。
 冬の夜のしんと澄んだ空。氷の色をした星と月。その静けさ。その下には何が広がっているのでしょう。
  元日を命日と記す朝市の街      志手順子
 能登の震災、まさかの元日でした。お正月の料理が散乱し、燃えてしまった朝市の映像、今も心に突き刺さっています。事実から目をそらさずに書き残すこと。辛いことが多いですが、そうしなければならないという思いがあります。
  青春は目玉焼き ポップコーン 伸びたうどん  おゆいくら
 この句のように、「青春」を食べ物で表現すると、私の場合どうなるのかなと思い、楽しくなりました。「伸びたうどん」、後悔もちょっぴり入った味がしそうですね。
  思い出せないところは我流にてまり唄 内橋多真
 人に見せて褒めてもらうわけでもない。自分だけの楽しみ。これぐらいの大らかな気持ちで楽しむほうが、心の健康に良いかも。俳句も同じなのかもしれませんね。