フリー句（自由連句）「忘れ傘」の巻

フリー句（自由連句）「忘れ傘」の巻
忘れ傘夏の始まる虹の立つ　　　　金澤ひろあき
青空や向日葵畑のかくれんぼ　　　青島巡紅
親友にだけは教える秘密基地　　　ひろあき
しなやかに燕飛び交う朝の釣り　　巡紅
横顔に日焼けの跡の休日は　　　　ひろあき
襟のタイで欠伸を殺す月曜日　　　巡紅
得意の演目欠伸指南と酢豆腐と　　ひろあき
※共に古典落語です。
深呼吸朝日昇れば影伸びる　　　　巡紅
風心地良い睡蓮の池　　　　　　　ひろあき
放生池の主の貫禄甲羅ぼしのミドリガメ　巡紅
竜宮の思い出話始まるよ　　　　　ひろあき
珈琲を軍隊の飲み物に選んだ皇帝　巡紅
＊「体を暖め勇気を引き出してくれるこの珈琲を兵士に与えよう」とナポレオン。
瞑想の薬であったイスラム寺院　　ひろあき
本国では食べないが日本では牛肉も食べるとタゴールのお孫さん　巡紅
＊ヒンドゥ教やバラモン教では牛を神聖視しているため。外大生の頃、彼の授業(英会話)で聞いたお話。
牛丼屋発掘バイトの帰り道　　　　ひろあき
※金がない学生時代、発掘バイトでも食いつなぎました。帰り道の安い牛丼の旨かったこと！
時越えて秘密ぽつぽつ電波望遠鏡　巡紅
天地(あめつち)のひらけき初めくらげなす　ひろあき
レジ通すまで分からない幼な子の素早さ　巡紅
お菓子のおまけプレミアになる　 　ひろあき
満月やライトアップに耐える金閣寺　巡紅
ぜんざいとたっぷり砂糖入りコーヒー　ひろあき
ピンクに染まった波打ち際珊瑚の一斉産卵　巡紅
※蓮の花。暑いこの時期、ほっとしますね。