京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

2023年4月 京都童心の会 通信句会結果

2023-05-02 08:02:06 | 俳句
2023年4月 京都童心の会 通信句会結果

句で慰められるとき
         金澤ひろあき
  転勤と桜便りと父訃報      ひろあき
 四月初めに、父の葬儀で福岡へ。京都に帰ってから、生活に戻るきっかけのように、句会に出ました。句はこんな時、心を慰めてくれます。句の友っていいなとも。
 会の後、長岡天満宮へ行ったところ、キリシマツツジがもう満開。今年は早いなとつくづく感じます。花の早さが過ぎ去ってゆく時の早さのようにも。
  花済みて活ける桜の幹ひろう   ひろあき
 桜は早くも葉桜。同好の三村さんが、「桜を活けるには、苔がついた幹がよい」と言われたのですが、言った通りの桜の幹が切ってあって・・・。
  つつじの橋 再び聞こえる中国語 ひろあき
 コロナが下火になっているのでしょうか。海外からのお客さんが復活しています。
 長岡天満宮には、細川忠興寄進の石の橋が池に架かっているのですが、沢山の人。中国からのお客さんも来ています。
 境内の広場では、猿回しの芸をやっていました。猿回しの人は若い女性。一生懸命演じています。
  かけ声で逆立ちする猿風薫る   ひろあき
 こんなゆったりとした時間、ほっこりしましたよ。

皆さんの選です。
 選者 真・・野谷真治  白・・白松いちろう 康・・暉峻康瑞
    修・・遠藤修司  辰・・蔭山辰子  ひ・・金澤ひろあき
    硯・・中野硯池  巡・・青島巡紅  須・・三村須美子
    さ・・岡畠さな子 加・・野原加代子 真理・・岡畠真理子

○岡畠真理子
1 ぽかぽか陽気に誘われて梅見散策 加
2 花粉症まだ大丈夫だと信じたい
3 ただ待つだけの時の歩みが遅すぎて (特 ひ)巡
4 値上げなしでも量が減ってダイエット
5 島と春霞と海のミルフィーユ  加 辰 巡
6 春霞中身は花粉時々黄砂混じり 須
○金澤ひろあき
7 花盛りに来た花盛りに去る職場 真
8 新入部員歓迎会や若葉の輪   須 硯
9 花を尋ねて夢の中まで入りそう 辰
10 自問自答のぶらんこを漕ぐ (特 真) 須 康 真理 硯 巡
11 長き日のゆっくり上がるエレベーター 加 真理 硯
12 花疲れ異動疲れと重なりぬ  真理 硯
13 引越しを終えて一息花明かり 辰 康 真理 巡
14 コロナ時代終わったか古マスク捨てる
15 道幅いっぱい花見客私らは引越し
16 夜逃げみたいな引越し肩の力抜けよ
17 煩悩ですかいや引越し荷物です  康 真理 巡
18 コロナは終わりそうかウクライナは? 須 康
19 徘徊は元気な証拠老いの花  (特 巡)須 加 硯
○野谷真治
20 卵ひとつ豆電球の呪文
21 古井戸の底太陽落下    巡
22 わきあがる雲蝶々ちぐはぐ ひ 須 加
23 廊下からっぽ抱き上げる影
24 地図ひろげた平泳ぎする旗
〇青島巡紅
25 大欠伸天頂の星輝けり  辰 康 真理
26 川沿いの並ぶ灯誘う朧星 加 辰
27 狼の遠吠えいずこ朧月  須 康 真理 硯
28 四年ぶりはねず踊りの随心院 辰 硯
29 春雷やワクチンの是非再浮上 真 康 硯
30 自堕落の夢に親出て春彼岸 須  辰 康 硯
31 若葉陰若い二人のラブソング
32 湯煙や星まで届け酒交わす ひ
33 庭の池鷺にやられた鯉金魚
34 班ごとにカレーを作る春暑し
35 群青の刹那の直線雉翔る  須 真 加
36 春の海着艦歓声米無人機  ひ
〇三村須美子
37 植えし種孫の代には旨し実に
38 安心してマスク取りたや花満開 (特 真理)辰 康
39 人も花も老いてしまう空き家かな (特 ひ)加 康 巡
40 瓦屋根空に描くや灌仏会  加
41 たこ焼きの行列を待つ花屋台 硯
42 春彼岸歩幅大きく歩む僧侶  真
43 進級や名札を腕に入室す   ひ
44 阿吽と構える獅子の屋根に花
45 花満開引き締め役の松の青 辰 真理 巡
46 薮椿蜜吸う幼き飢えの頃 (特 加)ひ 巡 
47 春泥の戦況いかにウクライナ 辰 硯 巡  
48 いちじくの苗木いろいろ凝りはじむ 加
49 遅がけに来たウグイスや歌うまし  加 辰 真理
○野原加代子
50 春一番父母の命日に花供え  辰
51 桜散り来年会えると願い込め ひ 康
52 桜便り今か今かと心待ちて 真理
53 春の朝生きていると目を開けし 須 真 康 巡
54 木蓮や木漏れ日浴びて美しき 辰 康 真理
○蔭山辰子
55 マスクなし新一年生新社員 (特 硯) ひ 真
56 お田植祭平和な国の豊かさを 須 康 硯
57 卯月のどか桜の花は短かくて
58 春行きて毛布干すエイプリルフール 真
59 わからないアニメのうたよりビートルズ ひ 須
60 新緑の香りに目覚め手をかざし   加 真理
61 チューリップわが家のベランダ一輪笑み
62 物価高トンカツ半分づつ食べよう (特 ひ)真 硯
63 晴れて夏曇ってつめたい足のさき 須 巡
○暉峻康瑞
64 わが孤独枯野の上に天を置き  辰
65 人間は国盗り鶴は落穂を拾いをり 硯
66 充分に老いてパット桜になりたいわ ひ 加 巡
67 冬も百姓団結の歌などなし
68 握りしめたものみな零れゆく実南天 ひ
69 貴方はあなたであればいい山茶花は散った 真
70 男に愚痴なしリンリンと冬
○遠藤修司
71 先生の「会いましょう」のメッセージ私の短詩と人生につきあいますよって本当?
72 柄違うペアの手袋暖かしタネを明かせばプレゼントです
73 かあちゃんと共に働き絹さやを摘む嬉しさに蝶々舞う (特 須)真理 巡
74 長所〝まじめ〟と書いて働きし50年を母なら叱る  康 硯
75 おい!オマエ財布ケイタイ身につけよ!!そっと差し出す釣り用ベスト
76 嬉しいな手を握りしめ老夫婦信号青にポンと飛び出す (特 康)
77 対面で話しないとボケますよテレビ相手じゃあなたも私も  ひ 加
78 これ対話?(イヌとサル)ケンカ相手とがボケ防止   辰
79 パートです数え間違い叱られるその数10十々(とうとう)ぼける ひ
80 孤独のリスク17本のタバコ吸い続ける人と同じリスク
81 ミカン名がわからへんから聞いてみた湘南ゴールド「しょうなんや」 真
○中野硯池
82 コンニャクに刺すほどもなく針供養 真
83 プーチンの侵攻止まぬ四月馬鹿
84 哲学の道に寄りそひ桜蕊    ひ 真 真理 
85 嵐山に浮かぶ舟なく霾(つちふ)れる
86 霾れる店に叩きをかけにけり  巡
87 担任は英語の教師ライラック
88 茹であげて眼玉飛び出す蛍烏賊 ひ 真 須
89 豆ご飯デーの会話のなごみけり ひ
90 行春やコロナ下火になにぬねの ひ 真
91 牡丹をワイングラスに活けにけり (特 辰) 須