2019年9月15日 童心長岡天神句会
原爆忌俳句大会が立命館大学平和ミュージアムで開催され、出席しました。平和をテーマにした俳句大会で、毎年9月に行なわれています。
今年は青島巡紅さんと野谷真治さんが入賞されました。おめでとうございます。多くの方の平和への思いがこめられた句に出逢うすばらしい会です。
その翌日が長岡天神句会。よく晴れて暑いぐらいです。暦の上では仲秋なのですが、秋はもう一歩先のようです。さて、皆さんの作品です。
土用入り長くなる鰻屋の「う」 野谷真治
うなぎのにょろっとした感じとひらがなの「う」の字。よく似ていますね。関連性で結びつけた面白さがありますね。昔の鰻屋は、お客さんにうなぎを見せて、どれを料理するかを決めてもらっていたようですね。落語で知りました。
茄子の花千に一つのあだはなし 坪谷智恵子
茄子はそれだけ実をつけるということですが、「千に一つのあだはなし」という言い切りが効いていますね。
スイカ一つ網の鳥居に鎮座かな 三村須美子
「網の鳥居」とはよく比喩したものですね。スイカを包む網は確かに赤いし、言われてみれば・・・。
欠けた月浅瀬に映る君来ても 青島巡紅
「欠けた月」は「満たされない想い」なのでしょう。「君来ても」満たされないのですから、切なさが深いですね。
月明かり名もない草やスッと咲き 岡畠さな子
「名もない草」にも確かに生きた時間がある、そして満たされた生がある。誰にだってかけがえのないものがあるんだという強い想いを感じます。
秋の雨お地蔵さんに泣きぼくろ 金澤ひろあき
地蔵盆があったのですが、2日目が大雨。人の訪れが減り、いつもは賑わうお地蔵さんのまわりがさびしい。お地蔵さんの顔を見ると泣くのをこらえているかのような・・・。今年はそういう地蔵盆でした。