THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

DIALOGUE(PART1&2)EP

2014-10-24 04:18:28 | CHICAGO

大ヒットアルバム、シカゴⅤからの第2弾シングルは「ダイアログ」(5:07)

アナログ盤のA面ラストを豪快に飾っています。

パート1&2に分かれていて、タイトルどおり会話形式で曲は進行。

シカゴらしく「サタディ・イン・ザ・パーク」ではアメリカ独立記念日に経験したセントラル・パークでの人々の幸せそうな情景を取り上げていましたが、今回はなんとテリー・キャスが過激派、ピーター・セテラがノンポリ学生に扮して熱く歌いつないでいます。

イントロのギターのみによるカッティングから(私はこの頃発表されたポール・サイモンの「僕とフリオと校庭で」をつい思い出しちゃいました。両曲とも名曲)徐々にリズムセクションが加わっていき、序盤は控えめだったブラス隊も歌詞の内容とともにヒート・アップ。

しかしよくできた構成ですね。

ボーカル2人のキャラなんてピッタリじゃあないですか。上手いなあ。当時、シカゴは打倒ニクソン!とばかりに名指しで歌なんかも作っちゃってライブで演奏していました。

「リチャードと彼の友人達に捧げる歌」がそれ(曲中、ベトナム戦争の戦闘シーンを各楽器で不気味に再現もしています)。

もちろんリチャードはニクソン、友人達は周囲の政治家達です。シカゴは反体制派ジョージ・マクガバンを指示。ボビーは2度目の来日時、ハモンドオルガンとレスリー・スピーカーにはマクガバンのステッカーを一面に貼り付けて(EPジャケでも一部確認できます)アピール。インタビューにおいても腐敗しきったアメリカの政界の実情を熱弁していました。

そしてこの「ダイアログ」はアメリカ大統領選挙直前に発売されたのです。

1972年、10月のこと。全米最高チャート24位を記録。

で、パート1が会話ならばパート2ではシカゴ宣言ともとれる純粋なる訴えをコーラスで演じています。

「俺達はやる。俺達は子供達を救う。俺達はより良く世界を変える」

この繰り返し中、バックの演奏がどんどん退いて最後にはアカペラ状態。そしていきなり歌詞「HAPPEN」の「ハッ!!」で音が止まります。

LP解説では「ビートルズのアビー・ロードLPのA面ラストに収録されているジョン・レノン作アイ・ウォント・ユーのようだ」と書かれています。

「ダイアログ」の解説でもピーターの鮮やかなベース・ラインが絶賛されています。ポール・マッカートニーと並び世界でもトップクラスのベーシストだとも絶賛されていますから誇らしい事ですね。

シングル・ジャケットにはボーカル2人が上段左右に、作者のボビーが下段中央。2度目の来日公演のフォトを採用。

バックのイラストには「ダイアログ」の歌詞が無造作にデザインされています。

とてもカッコイイジャケットですね。数あるシカゴのシングル中でもトップクラスでしょう。

ちなみにこの曲は2度目の来日公演のオープニングで披露されています。「ライブ・イン・ジャパン」でもそのサウンドを堪能できます。

その時にはまだ未発表曲だったのですが大歓声で迎え入れられています。

LPでは2部構成ゆえにそうとうな長尺ソング。この曲がシングルになるという情報を得た時にはもちろん編集されるのだろうなあ・・・と思っていましたがラジオのベスト10にシングル発売前にランクインした「ダイアログ」を初めて聞いた際には想像通りの内容でした。せめてイントロ導入部はじっくりとまとめて欲しかったですね。

3度目の来日でこの曲を初めて生で聞いた時にはスタジオ・バージョンどおりにエンディングをばっさりとストップしていました。その瞬間に暗転までするという演出効果が心憎い。2度目の時にはこのバージョンではなかったのです。

その後は両方のテイクをその都度再演。現在はしっかりとしたエンディングで無難に締めくくっています。

 

B面は「お前が去って(NOW THAT YOU’VE GONE)」

ジェームス・パンコウ作の5:00にわたるスリリングなアレンジが光る佳曲。LPでは「ダイアログ」の前に収録されています。

シングル向きではありませんがコロコロと変わり続けるリズム、複雑なコード進行と聞き所満載。

イントロのダニー・セラフィンによるドラム・ワークのバリエーション。テリーと何とピーターまでもがワウワウ・ペダルを使用してテクニカルでドラマティックな効果を発揮しています。

もちろんブラスセクションも決め所でバッチリ見事なフレーズを吹きまくっていますが、最後にウォルター・パラザイダーが吠え狂うサックス・ソロは圧巻です。この曲も3度目の来日でマサ&ケン&シンによるSTA3人衆は生で体験しています。

 添付写真のEPは国内通常盤と見本盤。

グレーのレーベルはアメリカ盤。

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