ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

東急5050系5152F

2023年04月30日 00時00分00秒 | 写真

5000系シリーズの東横線版、5050系には、8両編成の5050番台と10両編成の4000番台があります。今回は8両編成の5152Fです。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

みなとみらいのクイーンズスクエア横浜にて

2023年04月29日 20時00分00秒 | まち歩き

みなとみらい駅に直結するクイーンズスクエア横浜に、みなとみらい東急スクエアがあります。そこで撮影しました。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京都交通局7700形7704

2023年04月27日 00時00分00秒 | 写真

 1954年に製造が開始され、都電荒川線で長らく活躍し続けた7000形は、その大部分が廃車となりましたが、8両がVVVF制御化されるなどの改造を受け、2016年から7700形に変わりました。これにより、都電荒川線から吊り掛け駆動車が消滅しました。

 新庚申塚電停を発車し、三ノ輪橋に向かって走ります。この電停は豊島区にありますが、次の西ヶ原四丁目電停は北区にあります。豊島区にある電停は、新庚申塚、庚申塚、巣鴨新田、大塚駅前、向原、東池袋四丁目、都電雑司ヶ谷、鬼子母神前、学習院下です。

 新庚申塚電停の位置は、三ノ輪橋方面の乗り場が白山通りの西側で豊島区西巣鴨3丁目、早稲田方面の乗り場が白山通りの東側で西巣鴨4丁目となっています。白山通りの地下を都営三田線が通っており、上の写真で言えば右側のほうに歩くと西巣鴨駅があります。新庚申塚電停と西巣鴨駅は乗換駅の扱いとなっていますが、200メートル以上離れていますので注意が必要です。

 また、新庚申塚電停から西ヶ原四丁目電停のほうに歩いて行くと妙行寺があります。ここは、鶴屋南北の東海道四谷怪談で有名なお岩さんの墓所です。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京都交通局8900形8903

2023年04月26日 18時51分00秒 | 写真

 都電荒川線は、東京都交通局が運営する路線として唯一残った路面電車です。軌道、と記したいところですが、法的には日暮里・舎人ライナーも軌道ですので(東京都日暮里・舎人ライナー条例第1条も参照)、路面電車と記しておきます(もっとも、専用軌道の区間が多いのですが)。

 上の写真は、2015年9月から営業運転に就いている8900形の8903号です。新庚申塚電停のすぐそばにある白山通りとの踏切、というより交差点を通り、早稲田に向かって走ります。

 都電荒川線というと、東急世田谷線と異なり、いつまでも吊り掛け駆動の車両が唸り声のようなモーター音を鳴らしているという印象が強かったのですが、2017年に7000形が引退したことにより、吊り掛け駆動車はなくなりました(少なくとも営業車については)。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

吉松隆:交響曲第6番「鳥と天使たち」op.113

2023年04月23日 23時21分10秒 | 音楽

 昨日(2023年4月22日)のことですが、初めて、タイトルにある曲を聴くことができました。

 作曲者の吉松隆さんの作品は、以前からNHKのEテレ「芸術劇場」やテレビ東京の東急ジルヴェスター・コンサートで、断片的ではありますが知っており、とくに吉野直子さんのコンサートで「ライラ小景」を聴き、すぐにCD「ハープ・リサイタル4」を買って、今に至るまで何度となく聴いています。

 妻と二人で聴きに行ったのですが、私は最初から交響曲第6番を狙っていました。まだ聴いたことはなかったけど、吉松さんの曲なら、と期待していたのです。結果は、見事に大当たりです。私もですが、妻がとくに気に入ったようでした。何せ、聴き終わってからこの曲のことばかり、二人で話していたほどです。

 オーケストラなのにドラムセットが二つも用意されるという編成で、実際に打楽器が大活躍する曲なのですが、私は弦楽などが奏でる、ドローンのような、Dマイナーを基調とした和音の美しさに惹かれました。3楽章のいずれにも登場し、「これなんだな」と気付かされます。そうした弦楽などによる和音の上をピアノやヴィブラフォーンなどが16分音符でオブリガートのように奏でるのです。所々で「ライラ小景」を思い起こさせるフレーズも登場しました。鳥の声を模すのは、オカリナ、バードコールなどで、これがまたスパイスのように聴いています。それにしても、演奏としてまとめあげるのはかなり難しいだろうな、と思わされる曲でもありました。あれだけ、打楽器が、ジャズのように時々裏泊を強調しながら演奏されるし、楽器間のバランスをとるのが難しいであろうからです。また、第2楽章の終わり近くでチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」の第4楽章が引用されており(ロ短調からニ短調に変えられていましたが)、思わず笑ってしまいました。

 会場には吉松さん御本人も来られていました。前半には気付かなかったのですが、客席におられたようです。後半、演奏前にオーケストラガイド役の齋藤弘美さん、指揮者の原田慶太楼さん、そして吉松さんのトークがあり、それでわかりました。トークで話された内容と実際に聴いた曲の印象とは違う部分もありましたが、これは聴く側の自由というところでしょう。

 交響曲第1番のCDを買いましたが、これから集めてみようかと考えています。

 そう言えば、前半ではジョヴァンニ・ソッリマさんの独奏チェロによるドヴォルザークのチェロ協奏曲が演奏されたのですが、第1楽章が終わってすぐに、何故かファゴット奏者がステージを離れました(一体、何があったのでしょうか? 珍しいことでしょうね)。すると、ソッリマさんのテクニカルなソロが数曲演奏されました。少しばかり、ジャズの名ベーシスト、スタンリー・クラークがダブルベースのソロをとる時を思い出します。それからチェロ協奏曲の第2楽章にすんなりと移ったのはさすがです。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

千葉県内の、鉄道敷設法別表に掲載された予定線

2023年04月21日 00時00分00秒 | 社会・経済

 このブログで何度か鉄道敷設法(大正時代の法律)について記しています。現在、一部区間の存廃問題が浮上している久留里線も、鉄道敷設法別表第48号として掲げられた予定線の一部でした。

 既に、「神奈川県内の、鉄道敷設法別表に掲載された予定線」(2014年11月29日16時40分26秒付)、「東京都内の、鉄道敷設法別表に掲載された予定線」(2018年5月23日1時4分25秒付)および「埼玉県内の、鉄道敷設法別表に掲載された予定線」(2019年3月29日7時0分0秒付)において、それぞれの都県における予定線を取り上げています。首都圏あるいは南関東でまだ記していないのが千葉県ですので、今回は千葉県を取り上げます。なお、漢字は現在のものを使うこととします(令和4年版鉄道六法を参照しているため)。

 ▲「三十九ノ二 茨城県鹿島ヨリ千葉県佐原ニ至ル鉄道」

 第39号ノ2は、枝番号が付されていることからおわかりのように後から追加された号です。令和4年版鉄道六法には何時追加されたのかについて記されていませんが、第39号にいう「茨城県水戸ヨリ鉾田ヲ経テ鹿島ニ至ル鉄道」の延長であることは明らかです。但し、第39号の予定線が国鉄の路線としては開業しなかったのに対し、第39号ノ2の予定線は1970年に成田線香取駅から鹿島サッカースタジアム駅(当時は北鹿島駅)までの鹿島線として開業しました〔第39号は鹿島臨海鉄道大洗鹿島線(水戸駅から鹿島サッカースタジアム駅までの路線)として開業しています〕。

 鹿島線と言えば、東京駅から鹿島神宮駅までの特急あやめ号が運行されていました。しかし、モータリゼイションの進行によって高速路線バスが優位に立ち、現在は特急などの優等列車は定期運行されていません。

 ▲「四十六 千葉県佐原ヨリ小見川ヲ経テ松岸ニ至ル鉄道及小見川ヨリ分岐シテ八日市場ニ至ル鉄道」

 第46号に示される予定線のうち、佐原駅から松岸駅までは成田線として開業しています。松岸駅は総武本線に所属する駅で、銚子駅の一つ手前です。

 一方、成田線小見川駅から総武本線八日市場駅までの区間は開業していません。建設もされていなかったものと思われます。1944年に休止され、1946年に廃止された成田鉄道多古線(成田駅〜八日市場駅)と、何らかの関係があるものとも思われるのですが、その点はわかりません。そもそも、小見川駅から八日市場駅までの区間を建設しようとした理由も不明です。

 ▲「四十七 千葉県八幡宿ヨリ大多喜ヲ経テ小湊ニ至ル鉄道」

 第47号は房総半島横断鉄道の構想を示しています。八幡宿は内房線八幡宿駅、小湊は外房線の安房小湊駅のことでしょう。大多喜は、いすみ鉄道いすみ線(旧国鉄木原線)の大多喜駅をいうものと考えられます。

 この予定線に近いルートと考えられるのが、内房線の五井駅からいすみ線上総中野駅までの小湊鉄道線です。五井駅は八幡宿駅の隣の駅であることなどからすれば、小湊鉄道線が第47号の予定線の一部を実現したと考えてよいでしょう。そもそも、小湊鉄道という名称そのものが、安房小湊駅までの開業を目指していたことを意味しています。

 しかし、小湊鉄道線およびいすみ線の大多喜駅を経由するとなると、安房小湊駅までは遠回りとなってしまう上に、訳のわからないルートとなります。地図を見た上で考えるならば、小湊鉄道線の上総鶴舞駅から大多喜駅までは小湊鉄道線と全く異なるルートとなるはずであったのでしょう。また、大多喜駅から安房小湊駅までの区間の一部は第48号に予定された路線と重複するのかもしれません(そのように考えるほうが自然でしょう)。

 ▲「四十八 千葉県木更津ヨリ久留里、大多喜ヲ経テ大原ニ至ル鉄道」

 この第48号については「いよいよ、久留里線の一部区間の廃線も視野に?」(2023年3月9日7時0分0秒付)において言及しました。木更津駅から上総亀山駅までの区間が久留里線、大原駅から上総中野駅までの区間がいすみ鉄道いすみ線(旧国鉄木原線)です。上総亀山駅から上総中野駅までの区間が未開業のままに終わりましたが、仮に全線が開業したとしても1980年代に特定地方交通線に選定される可能性はあったのではないでしょうか(木原線は第一次特定地方交通線に選ばれています)。

 ▲「四十九 千葉県上総湊ヨリ鴨川ニ至ル鉄道」

 第49号も房総半島横断鉄道の構想を示しています。上総湊駅は内房線にあり、かつては富津市の代表駅とされていました。そこから外房線の終点にして内房線の終点でもある安房鴨川駅までの路線であるということになります。途中の経由地が一切書かれていませんが、現在の内房線は大正時代までに部分開業を重ねていましたので、第49号に予定された路線が館山駅および千倉駅を経由しないルートの路線であることは明らかです。

 第49号の予定線は、結局、全線未開業に終わりました。おそらく建設への着手もなされていなかったのでしょう。

 ▲「四十九ノ二 千葉県船橋ヨリ小金ニ至ル鉄道」

 明らかに後から追加されたことがわかる第49号ノ2ですが、これは武蔵野線として実現しました。もっとも、第49号ノ2に示された船橋駅ではなく西船橋駅からの路線となっておりますし、黄金は松戸市にある地名で常磐線の北小金駅の所在地にして水戸街道の宿場町であった場所ですから、武蔵野線は予定よりも少しばかり違う所を走っていることになりますが、このような話は鉄道敷設法によくあるものです。ちなみに、武蔵野線の西船橋駅から新松戸駅までの区間は、当初、小金線という名称が与えられていました。

 ▲「五十 千葉県船橋ヨリ佐倉ニ至ル鉄道」

 船橋駅も佐倉駅も総武本線にありますが、明治時代に開業していますので、第50号の予定線は総武本線と全く異なる経路の路線であることは明白です。千葉駅を経由しないルートであるとするならば、まずは京成本線の京成船橋駅から京成佐倉駅までの区間が該当します。次に、佐倉駅までは届かないものの、東葉高速鉄道東葉高速線の西船橋駅から東葉勝田台駅までの区間も該当します(東葉勝田台駅は京成の勝田台駅との乗換駅でもあります)。第50号には経由地が一切書かれていないので、京成本線、東葉高速線のどちらも考えられます。

 ▲「五十ノ二 千葉県我孫子ヨリ埼玉県大宮ニ至ル鉄道」

 「埼玉県内の、鉄道敷設法別表に掲載された予定線」で述べたように、実際に我孫子駅から大宮駅まで建設された路線はありません。「埼玉県内の、鉄道敷設法別表に掲載された予定線」においては「敢えて記せば、武蔵野線の新松戸駅から南浦和駅までの区間が該当すると言えそうです」と記しましたが、これは「五十ノ三 埼玉県与野ヨリ東京府立川ニ至ル鉄道」と結びつけて考えたためです。鉄道敷設法別表には、第49号ノ2と第50条ノ3とを結びつけるような路線が示されておらず、間接的ながら結びつける路線とすれば第50号ノ2しかありません。この点について、Wikipediaの「鉄道敷設法別表一覧」には「並行して走る開業路線として」東武野田線の大宮駅から柏駅までの区間があげられており、「現在の武蔵野線より条文の我孫子 - 大宮に近い」とも書かれています。確かに、我孫子駅から新松戸駅までとなればかなり離れていますが、我孫子駅から柏駅までであれば途中に北柏駅を挟むだけです。野田線の大宮駅から柏駅までの区間は北総鉄道(後に総武鉄道に改称し、東武鉄道に吸収合併される。現在の北総鉄道とは無関係)により開業していますが、野田線の柏駅がスイッチバック構造となっていることを含めて、鉄道敷設法別表第50号ノ2と何らかの関係があるかもしれません。

 以上、多くの推測を交えて記しました。国会図書館には鉄道省による「鉄道敷設法予定線路説明」という文献が所蔵されており、少なくとも国会図書館の中であればデジタル化されたものを参照することができます。私も少しばかり読んだことがありますが、ほんの一部を目にしたにすぎません。今後、時間を見つけて読んでみようかと思っています。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

反省するくらいなら……

2023年04月20日 07時00分00秒 | 社会・経済

 朝日新聞社のサイトに、2023年4月19日9時30分付で「若者たたきに使われた『草食男子』 生みの親・深澤真紀さんの反省」(https://digital.asahi.com/articles/ASR4K4FD6R4KUPQJ008.html)という記事が掲載されていました。

 この見出しを目にした瞬間に、申し訳ない表現で炎上を覚悟しておきますが「波平女子」という言葉が浮かびました。あるいは「波平男子」でもよいでしょう。波平とは、いうまでもなく、長谷川町子さんが生みだした名作漫画「サザエさん」の登場人物です。オリジナルの四コマ漫画ではどうであったか知りませんが、アニメ版では「今の若い者は……」というようなフレーズを口にする親父さんです。少し気の強い人であれば、「そんなことを言っちゃってるけど、あんたはそんなに立派だったのかい?」と問い返したくなりますね。簡単に、自分の印象だけでレッテルを貼るところが浅はかですから。後に示すように、深澤さんには若者論を語る意思はなく、むしろ若者論に対する嫌悪があったのでしょう。その意味では「波平女子」とは対極的な位置にあります。しかし、結果的にはレッテル貼りと変わりがなくなってしまいました。従って、「草食男子」という言葉は世にはびこる「波平女子」や「波平男子」の増殖などを助けたものと評価することができるでしょう。

 今年の半分を少しすぎた時に55歳となる私は、ますます若者から遠くなる世代に属していますし、波平になってもおかしくないのかもしれませんが、そうなりたくないと思っています。このブログでも時々登場する植草甚一氏のエッセイなどからの影響かも知れません。「植草甚一スクラップ・ブック」に掲載されている文章には、植草氏が若者論を語ることを嫌っていたことが明確に記されています(何巻のどの文章かを覚えていませんので、御教示いただければ幸いです)。何せ、年寄りは若者に学ぶべきであるという趣旨のことを書かれていたくらいです。

 そもそも、草食男子という言葉は、私が最初に聞いた時から意味がわからないものでしたし、あまりにも軽い感じでした。草食、肉食と対比されていましたが、動物と比較するにしても単純にすぎて非科学的にすぎます(これは「残念すぎる……」という表現にも妥当します。科学的思考が身についていないのでは?)。NHKの動物番組でもよく見ておかれたほうがよいでしょう。

 深澤真紀さんについては、私と(ほぼ)同世代であるということ以外によく存じ上げませんが、自分が発した言葉がどのように理解されるかということをよく考えておられなかったのではないでしょうか。「草食男子」は、数ある政治家の失言以上に、否、それをはるかに超えて、世に悪影響をもたらした言葉でもあり、最初に「草食男子」という言葉を発した人が、言葉の重さを自覚されていなかったということです。

 私自身も新聞や雑誌のコメントを求められたことがあり、そこで私が込めた意味の何割かしか取り入れられなかったことがあることを記憶しています。そのことをわかった上で書きましょう。あまりに軽い、と。

 上記朝日新聞社記事には「褒め言葉であったはずが・・」という中見出しが付された上で「『草食男子』という言葉の生みの親は私です。女性をもののように扱うのではなく、リスペクトし、対等な関係を結べる下の世代の男性たちに向けた褒め言葉でした。しかし、結果的には若者たたきに使われてしまった。そのことを、今も申し訳なく思っています」、「きっかけは、2006年のウェブメディアでの連載でした。その頃、高度経済成長やバブルの追い風で成功できた世代が、『若者はけしからん』と言い始めた。この世代の人たちは『俺たちに比べて、今の若者は』と言うけれど、下の世代の人たちは氷河期もあり、社会が守ってくれなかった。『何を言っちゃってるんだろう』と思って始めた若い世代の男性を分析する連載の中で、『草食男子』を書きました。軽い気持ちで、最初のうちは大して話題にもなりませんでした」と書かれています。

 深澤さんも、軽さについて或る程度は自覚していたのでしょう。しかし、草食という言葉から容易に「女性をもののように扱うのではなく、リスペクトし、対等な関係を結べる」と連想できるでしょうか。洒落なり捻りなりが効いている訳でもなく、説明されなければ意味がわからないからです。私自身の経験からすれば、「説明されなければわからない」ことは、往々にして「説明されてもわからない」ということにつながります(悲しい現実ですが)。

 そういう言葉であれば、御本人が込めた意味とは全く違うように理解されるようになるのは時間の問題であったことでしょう。上記朝日新聞社記事には「草食男子」が「『モテない原因』のような文脈で、女性誌にとりあげられました」、「『酒も飲まない、車も買わない若い男たち』ということにも使われ、少子化まで『草食のせい』。モテない、物が売れないといったことへの腹いせのような『だれかをたたきたい』というニーズに、草食男子はぴったりはまってしまったんです」と書かれています。単純に、軽さの故でしょう。いかに御本人が「草食男子」の本来の意味を説明されようとも、イメージが湧かないような言葉では無駄であったはずです。軽いから、若者論にこそピッタリな言葉であるということにつながりました。

 おそらくは悔悟の念からでしょう、記事には「メディアの中の『こういうのが喜ばれる』という先入観は、視聴者や読者をなめているように私には見えます。分かりやすい言葉に飛びついたり、若者だけでなく『被災者とはこういうものだ』という一面的な描き方をしたりする傾向が強まっているのではないでしょうか。メディアは社会が抱える複雑さに目を向け、声を聞き続けなければいけない。複雑さを諦めてはいけないんです」と書かれています。その通りではありますが、仮にも言論の仕事に従事するという者であれば、最初から踏まえていなければならない心構えでしょう。この態度がなければ覚悟がないことにもなりますから、そのような人が先入観だの何だのとメディアを批判する資格はありません。世の多くの人は、勿論、この文章を記している私もですが、言葉を聞けば複雑さを避けて単純なほうに向かいます。例えば、最近では使われなくなっていますが、優性遺伝、劣性遺伝という用語も、少なくとも日本では、本来の意味とは全く異なるものとして人口に膾炙しました(大袈裟な表現かもしれません)。論語に由来する豹変もそうです。意味は異なるかもしれませんが、日本でしか通用しない似非科学(?)である血液型性格判断(あるいは占い)にも、本来の科学的意味からかけ離れた言葉の使い方として理解することもできます。草食、肉食という言葉と共通する点がうかがわれるのです。また、「草食男子」という言葉の不幸は、21世紀に入ってから顕著になったワンフレーズ政治の経験なり反省なりを踏まえていなかったことにも由来するのでしょう。

 或る意味で救われるのは、深澤さんが「ラベルを付けるというのは、たとえ褒め言葉だったとしても、他者を制圧し、社会を支配する行為です。自分がつくった世界に、他者を押し込めてしまう。草食男子は、私の中の雑な支配欲の表れでもあった」と述べている点です。ここが、「コメントプラス」として付されているマライ・メントラインさん、田中俊之さん、辛酸なめ子さんのコメントが評価するところでしょう。しかし、私には、いずれも、的外れと言える点もあり、全体的に甘いコメントと言わざるをえません。一度口に出された、あるいは書かれた言葉が多くの人にとってどのように捉えられることになるのかという視点が稀薄である(少なくとも、不十分である)とも感じられるからであり、言葉の軽さについての言及が必要であったからです。勿論、言葉の重さと軽さは永遠の問題でもありますが、深澤さん自身の言葉からも受け取られるように、単純なレッテル貼りにつながりかねない言葉を安易に使用することの問題点が浮かび上がります。

 以上のようなことを記したのは、私が法学者の端くれであるからでしょう。大学院時代の恩師である新井隆一先生から、私は何度となく「法律学は言葉の学問である」という指導を受けました。大学で法律学の講義を担当し、研究を重ねる毎に、言葉の意味なり使い方なりの重要性を実感するようになっています。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

都営三田線で相鉄21000系を

2023年04月18日 23時16分00秒 | 写真

 本務校に行く際に都営三田線を利用します。主に神保町駅から西台駅までの区間です。2023年3月18日のダイヤ改正から、都営三田線には相模鉄道、略して相鉄の車両も入るようになっています。今回は、都営三田線を走行する相鉄21000系です。

 神保町駅に、各駅停車西高島平行きとして21000系の21006Fが入線してきました。時刻表などを調べた訳ではないので、この電車が相鉄いずみ野線の湘南台駅始発であるのかそうでないのかはわかりません。東京都交通局6500形がスタイリッシュとは真逆の存在であるだけに、このスタイルと色彩の良さは目立ちます。

 車内のステッカーです。少し前ならプラスティックか何かで作られたプレートを付けたものですが、最近は御覧のようにステッカーが貼られていることが多くなっています。このステッカーに限らず、21000系の車内は、車体のデザインとは対照的に簡素であるという印象を受けます。

 西台駅を発車し、次の高島平駅に向かいます。左側に106と書かれていますが、8号車のこの車両の番号は21806です。

 また、運行番号が39Gとなっています。都営三田線を走行する車両の運行番号は全て奇数で、Kが東急、Tが東京都交通局、Gが相模鉄道、つまり相鉄を意味しています。相鉄ならSとなりそうですが、Sは既に東京メトロを意味すると決まっていますので、重複を避けるためにG(saGami)としたのでしょう。

 同じような例が西武鉄道で、東京メトロ有楽町線および副都心線を走行する西武鉄道の車両の運行番号にはMが付されています。西武池袋線は元々が武蔵野鉄道であったため、Mとしたらしいとのことです。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京メトロ9000系9106F

2023年04月16日 00時00分00秒 | 写真

 日吉駅で各駅停車赤羽岩淵行き(日吉駅始発)の東京メトロ9000系9106Fを撮影しました。6両編成のため、相鉄新横浜線には乗り入れません。つまり、東急新横浜線の新横浜駅までしか走らないということです。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8両編成化された東急3000系3101F(続)

2023年04月15日 00時00分00秒 | 写真

 東急目黒線用として登場した東急の2代目3000系は、長らく6両編成で運用されてきましたが、東急新横浜線の開通を前にして、順次8両編成化され、現在は全ての編成が8両化されました。今回は、日吉駅で撮影した急行西高島平行きの3101Fです。6両編成時代は3001Fでした。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする