ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

平成20年度 研修医マッチングの結果

2008年10月18日 | 医療全般

コメント(私見):

今年度の研修医マッチングの結果が10月16日に発表されました。

都道府県別マッチ結果
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/10/dl/h1016-2c.pdf

研修プログラム別マッチ結果
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/10/dl/h1016-2e.pdf

長野県内の研修希望者(計111人)の内訳
 信州大病院:44人
 佐久総合病院:15人
 相澤病院:12人
 長野赤十字病院:8人
 長野松代総合病院:5人
 飯田市立病院:4人
 諏訪赤十字病院:4人
 諏訪中央病院:4人
 長野市民病院:4人
 篠ノ井総合病院:3人
 長野中央病院:3人
 小諸厚生病院:2人
 安曇野赤十字病院:1人
 富士見高原病院:1人
 北信総合病院:1人 

研修医マッチングは、国家試験に合格して医師免許を取得した後の最初の2年間の臨床研修(初期研修)をどの病院で受けるのかを学生と病院双方の希望を基に決める方式で、学生は研修を受けたい病院を第1希望から順位を付けて登録し、病院側も面接などを基に受け入れたい学生を登録し、コンピューターで双方の希望を合致させて決定します。

2004年から臨床研修が義務化された時に導入されました。毎年10月に、翌春の国家試験受験予定者を対象に実施され、今回で5回目です。

研修医を受け入れる病院の動向は、今回も前回までの傾向とほぼ同じ傾向でした。すなわち、都会の病院に研修医が集まる傾向にあり、地方の病院の苦戦が目立ちました。今回も大学病院は半数を割り込みました。

また、現在2年間の初期研修期間を1年間に短縮する案が検討されているようです。初期研修期間を終了してから専門医研修(後期研修)を開始するわけですから、制度切り替えの年には同時に2学年分の医師(16000人)が専門医研修を開始することになります。従って計算上は、医療現場の実働医師が確実に8000人増員されることになり、医師不足の緩和には即効的かつ絶大な効果が期待できます。ただし、その効果は制度切り替え時の1回限りのものです。

参考記事:臨床研修制度の見直し

****** 読売新聞、長野、2008年10月18日

臨床研修ゼロ 13病院

充足率は微増

 来春医師になる医学生の臨床研修先を決める「マッチング」の結果が発表され、県内では、28病院が計204人を募集したのに対し111人が集まり、充足率は昨年を1・9ポイント上回る54・4%だった。

 マッチングは、医学生の研修先の希望順位と、病院側の受け入れ希望などをコンピューターシステムでかけあわせ、研修先病院を決めるもの。

 医師臨床研修マッチング協議会(事務局・東京)の発表によると、県内最多の90人を募集した信州大病院(松本市)には44人が集まり、充足率は48・9%。昨年の39人(充足率43・3%)を上回ったものの、依然として厳しい状況だ。44人のうち、信大医学部からは24人だけだった。

 地域医療などで全国的に人気のある県厚生連佐久総合病院(佐久市)が15人の定員を満たしたほか、相沢病院(松本市)、諏訪中央病院(茅野市)など5病院も充足率100%。一方、1人も集まらなかった病院も13あり、県内でも格差が目立った。

(以下略)

(読売新聞、長野、2008年10月18日)