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第三の覇者(2)

2009-02-14 23:06:48 | 読書録
第三の覇者〈2〉

学習研究社

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徳川家康と石田三成の東西両軍のにらみ合いの虚を突くようにして、直江兼続は上杉家と前田家との同盟を成立させます。
三成より前田・上杉連合を危険視する家康は西軍との対峙を後回しにして川中島で決戦を試みますが、真田昌幸の暗躍もあって敗退、作戦の練り直しを迫られることなります。
しかし兼続の野心に気づいた前田利長は勝利を得たにもかかわらず加賀に帰国をし、家康の策に乗った三成はその加賀に攻め込むことで上杉家は上野に孤立することになり、そこに再び攻め寄せる家康の大軍をどう兼続は撃退をするのか、ここに正念場を迎えます。

兼続の鬼才が踊りすぎることを懸念していましたので、自らの野心を気づかれることで一気に苦境に立たされる展開は望むところです。
三成が政事には明るいものの政治にはとことん無能という人物設定で、家康と一時的にも手を結ぶという流れには感心はできませんし、合戦の描写と言いますか数の論理を無視しすぎているという問題はありますが、山場があることで読む者を知らず知らずのうちに引き寄せてくれます。
武田家再興を目指す真田昌幸や、東軍に身を投じている大谷吉継、そしてここまで描かれていない黒田如水や加藤清正らの九州での動向が今後の鍵を握ると思われますし、忘れかけられている佐竹義重や伊達政宗の躍動にも期待をしたいところです。


2009年2月14日 読破  ★★★★☆(4点)

【関連図書】 第三の覇者(1) 第三の覇者(3) 第三の覇者(4)

 

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