上野オンライン将棋教室ブログ(横浜西口大人将棋教室)

平成31年1月から開講している横浜西口大人将棋教室のブログです。現在は上野オンライン将棋教室も併せて開講中です。

理詰めの世界

2008年02月03日 | 対局
竜王戦 対 中村(太)四段戦

おかしい。
この手順ならこちらが簡単に勝ちのはず・・・。
そう思って改めて読み直して、僕は真っ青になった。

際どい終盤戦で、第1図。
(僕は後手番です)



今、僕が△7七歩と打った場面。

後手玉ももちろん危ないが、
ギリギリで詰まないことは読み切っている。
そして、先手玉は詰めろ。
8三の飛車を取られても、5五の銀を取られても、
詰み手順に影響はない。

訝しげに局面を眺めていると、
ふと、ある手に気が付いた。

▲6八玉と上がる手がある!!



攻め駒から遠ざかる早逃げの手筋なら、僕もうっかりしない。
でも、△7八歩成や△7八銀に対して、それほど効果があるとは思えない、
この▲6八玉。
詳しい手順は複雑なのでエントリーの最後に書くが、
とにかく▲6八玉なら先手が勝ちだった。
(今冷静な目で見ても、非常に指しにくい一手である)
 
実戦は▲4二と。
この瞬間先手の勝ちが消えて、
僕は勝つことができた。


久々に終盤のスリルを味わった一局。
序盤の駆け引きも好きだけれど、
僕はこうした難解な終盤を読んでいるのが、
一番「将棋を指している」という実感がある。



(参考1図以下の補足)

参考図で、△7八歩成は精算されて次に手がない。
8三の飛車が当たりになっているのが痛い。

本命は△7八銀。
しかし、

▲7七桂△同と ▲同金 △6九銀成
▲同玉△8九飛成▲7九歩△3九飛
▲4九歩△同飛成▲5九金打

で先手勝ち。
この時、先手の持ち駒が「銀」なので、
次に▲6三銀打から簡単に詰んでしまう。
第1図以外の局面だと、
金銀を入れ替えても詰めろにならないのが、
第1図しか▲6八玉が成立しない理由。

なお、先手が第1図で▲4二とと指したのは、
以下、

△同玉▲3三角成△5二玉▲3四馬の「合駒請求」で、
△4三桂と受けさせる意味。

終盤では、合駒を使わせることで自陣の危険を緩和させることが、
好手になることが多いので、
実戦心理としてはこう指したいという気持ちが強い。
これが、第1図で▲6八玉と指しにくい理由。
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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
凄い。。。v^^v (kojikasanndake)
2008-02-04 02:06:40
流石(ながれいし)と読むのでしょうか?

先生。。。かっこいいでそ。。。v^^v
やりました。。。

次の天彦戦本当に楽しみです。。。

プレッシャーにならない程度に応援しております。。。
返信する
やったね(^ー^)ノ (桃桜 花音)
2008-02-04 12:38:17
相手の読みを将棋の指し方から読んでいく・・・・だんだんコマが移動していくからチャンスがうまれたり危機を感じたりするんじゃろうね(^-^)
勝てて良かったねぇ(*^o^*)
これからも応援してるよ!!頑張ってね(o^∇^o)ノ
返信する
流石(さすが)・・・ (kibitunohikonomikoto)
2008-02-05 08:59:30
(こじかさん、「流石」は「さすが」と読みます)
・・・は置いといて、流石・・・
▲6八玉は思い浮かびませんでした。
私をはじめ、アマチュア全般に言える事かもしれませんが、
相手の詰みやヨセは見えても自玉のこういった手が
見えないのですよね・・・。

上野先生、大変勉強になりました。
次も頑張って下さい。

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ありがとぉ。。。 (kojikasanndake)
2008-02-06 22:02:44
きびつさん。。。
ありがとうございます。。。v^^v
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ありがとうございます (ちゅう太)
2008-02-07 23:40:49
こじかさん、花音さん、
kibitunohikonomikotoさん、
コメントありがとうございます☆

今回も似たコメントになるので、
まとめてお返事いたします。

次の順位戦(対富岡戦)もベストを尽くしていきます。いつも応援ありがとうございます☆


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