上野オンライン将棋教室ブログ(横浜西口大人将棋教室)

平成31年1月から開講している横浜西口大人将棋教室のブログです。現在は上野オンライン将棋教室も併せて開講中です。

先を見据えて

2015年08月27日 | 対局
朝日杯 対甲斐倉敷藤花

先手の石田流。序盤からお互いに居玉で馬と竜を作り合う大乱戦になった。

こちらの読みと大局観が甘く、終盤ははっきり負けの変化があった。
しかし、秒読みの中でお互いに盲点に入って気づかず、
際どく勝ちを収めることができた。

朝日杯 対田村七段

横歩取りの最新形。
思いきった踏み込みが功を奏して、優勢から勝勢を築くことができた。

終盤、歩を打つか、香を打つか。
迷った挙句歩を打ち、さらに迷って直後に成り捨て、香を打った。
この一歩損が致命傷となり、最後は歩を合い駒できずにトン死をくらってしまった。
そもそも詰み筋が全く見えておらず、実力負けである。


前に進まないもどかしさを感じる中で、
この日はほんの少し、手ごたえを感じることができた。
先を見据えて、毎日を過ごしていきたい。



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盤上この一手

2015年08月20日 | 対局
王位戦 対宮田利八段

ノーマル三間対居飛車穴熊。
昭和60年代に流行した古い戦型になる。

順調に指し進めて、これで良しと思った局面で、
全く予想もつかない一手を指された。
そこから感覚が狂い、自滅するように負けてしまった。

これが現状の自分だということを受け入れ、
また一歩ずつ進んでいく。
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グロービス・トライボーディアン選手権出場記

2015年08月03日 | 将棋関係
囲碁、将棋、リバース(オセロ)。
この3種で知を競うという一風変わった大会が行われました。
(ボードゲームの3種競技であり、
トライアスロンとかけ、トライボーディアンと命名したそうです)

この大会の告知自体は知っていたのですが、
自分には縁がないなあ…と思い、スルーしていたところ、
マイナビ女子オープンの就位式でマイナビ出版部のSさんから、

「上野先生出て頂けませんか?囲碁の棋士は2名出場してもらえることになったのですが、将棋の棋士の先生が一人もいないんですよ」

と意外な打診が。
まあ確かに、その大会で将棋の棋士が一人も出ないのもどうかと思い、
自分が出場したら、どれだけやれるのかを小考。

うちの父は囲碁も少しやっていたので、
実家には囲碁の本が30冊くらいありました。
私はそれを子供の頃に少し読んでいたので、
一応基本だけは分かります。

また、リバーシについては、
小学1年の時、地元の児童館で行われた「新春ゲーム大会」の「オセロの部」で、
並みいる(?)高学年の子を倒して優勝した輝かしい実績があります。
(ちなみに将棋の部は決勝で負けて大泣きしました・笑)

以上を思い出し、2週間の間で鍛えればなんとかなるのではないか、
という淡い期待を抱き、出場を決めました。

まずは書籍を検索してそれぞれの本を数冊購入。
特にリバーシの本は新鮮でした。
リバーシは、

「隅を取れば勝ち」
「少なく取る方が良い」
 (多く取っても後でひっくり返される)

という概念しかなかったので、

「自分の手の選択肢を常に多く持つことが大事」
「隅を取られても、もう一つの隅を取り返す手筋がある」
「中央を自分の石で固めて相手に囲ませる戦い方が良い」
等は、なるほど! という感じでした。
リバーシの強い方にとっては基本である、
中割り、ウイングと山、偶数理論、連打、ブラックラインとホワイトライン等々、
一通り学ぶことは楽しかったです。
また、リバーシは「うさぎ定石」や「ねずみ定石」等、
かわいい名前の定石があります。

囲碁は9路盤の定跡を扱った本を見つけることができず、
関連するサイトで知識を学び、後はひたすら実戦で鍛えました。

こうした努力の結果、
囲碁クエストとリバーシ大戦では両方2級まで昇級し、
これならなんとか勝負になるのではないか、
という状態で当日を迎えました。

結果は運も味方して、15戦して10勝5敗で7位入賞。
上出来でした。


ところで、囲碁の棋士の三村先生や、その他様々な方とお話していて、
囲碁、将棋、リバーシのゲーム性に関して、新鮮だった事項をいくつか挙げます。
(私の勘違いがあるかもしれません。その場合はご指摘ください)

<1>
囲碁の強い方にとっては、リバーシは石が増えていく点が似ており、読みやすい。
しかし、将棋は駒が動くので読みにくいそうです(確かにそうかも)。
ちなみに私は、リバーシが一番読みにくいと感じました。
しょっちゅうひっくり返るので(笑)

<2>
今の将棋の定跡は、昔の定跡と大きく変化していて戸惑うことが多い。
確かに、従来は「振り飛車は角道を止めることが基本」だったのに対して、
今は「振り飛車側から角交換することも当たり前」ですから。
ちなみに囲碁でもこうした常識の変化はあるそうで、
今の40代以上の棋士と10代、20代の棋士では感覚が大きく異なるそうです。

<3>
リバーシはコンピューターがとても強いので、
自分の実戦を解析するという勉強法が浸透している。
(将棋もそうなりつつあります)

<4>
囲碁は嵌め手に引っ掛かっても、局地的に損をするだけで、それだけで負けることはない。
しかし、将棋では嵌め手を食らうといっぺんに負けてしまう(例 鬼殺し)

<5>
それぞれの大ざっぱな性質について。

囲碁→基本的に打つ手がプラスに働くことがほとんどなので、
どれが最もプラスが大きいのかを考え、選択する。

リバーシ→選択肢の中にはっきりとした悪手があるので、
なるべく手の選択肢を増やし「悪手を打つしかない」という状況を避けるようにする。
(逆に、相手に悪手を打つしかない状態に追い込むのが上手い戦い方)

将棋→選択肢のほとんどが悪手で、数少ない好手を選択するようにする。



また、この大会の特徴としては、
単一の競技よりも和気あいあいとして、非常になごやかでした。
多くの方は3種のどれかが得意なので、
自分が弱い競技に関しては教えてもらえるし、
反対に自分が強い競技に関してはアドバイスできるからでしょう。

私も、囲碁もリバーシも強い人には全く歯が立たなかったのですが、
その分、感想戦で丁寧に教えて頂きました。
(強い人に教わるのはとても楽しかったです!)
この一日でだいぶ棋力がアップしたはずです。
最終戦ではなんとリバーシの世界ランカーの方と対戦させて頂きました。
局後に定石やストーナーという手筋、辺の取り方等、
基本的なことを懇切丁寧に教えて頂きました。
(ちなみに、この方との将棋の対戦では嬉野流!を指されました)


最後に、主催のマイナビ様、そして協賛のグロービス様、
このような素晴らしい大会を開いて下さり、感謝しております。
もし次回も開催して頂けるのでしたら、
より参加人数も増え、盛り上がるかと思います。
(また出たいという気持ちもあり、
 しかしこれ以上ハマると生活に支障が出そうで怖いので、
 次回参加するかは明言できませんが…)
コメント (2)
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