弁理士の日々

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普天間問題の行方

2009-12-20 18:30:47 | 歴史・社会
ネットニュースを見ていると、産経新聞は鳩山政権を批判する急先鋒になっているようです。従って、産経新聞ニュースを読むときは注意が必要と思っているのですが、以下の報道はなるほどなと思いました。
本心見えぬ鳩山首相 普天間“先送り”の意味は
12月20日9時21分配信 産経新聞

以下は抜粋です。抜粋で抽出した箇所以外についても、なるほどと思う意見が述べられていました。
『米軍普天間飛行場移設問題などをめぐり、日米関係の混迷が深まっている。日米関係に詳しいジェラルド・カーティス米コロンビア大教授に、問題の背景と展望について聞いた。(聞き手 松尾理也)
「普天間基地問題は重要だが、日米関係全体を危険にさらすほど重要ではない。日米関係が危機を迎えるとすれば、それは日米双方の取り組みのまずさによるものだ。どちらの政府にも、この問題を扱う上で不手際が見られる」
「より深刻な問題は日本側にある。なによりも、鳩山政権はなぜ辺野古への移転を拒否するのか、なぜ移転合意の受け入れに難色を示すのか、その理由を明らかにしていない。環境問題への懸念なのか? それとも沖縄県外への移設が望ましいと考えているのか? 連立を組む社民党へのご機嫌うかがいなのか? 米国がもっともいらいらするのは、鳩山首相の本心がわからない点だ」

「事ここに至っては、普天間問題を包括的かつ組織的なやりかたで早急に見直し、主要閣僚と一線の専門家による作業部会を立ち上げ、米国と緊密な協議を行い、あらゆる意見に耳を傾けた上で、彼自身の決断を下すよう要望したい」
「鳩山首相は、例えば、テレビの15分の枠をもらい、なぜ普天間についての決断を数カ月伸ばすと決断したのかを、国民に向かって演説を行ってはどうか。もしそうした演説が実現すれば、今度は米国でも報道されるだろうし、それは鳩山首相が何を考えているかを明らかにすることにもつながる。」

「彼(鳩山総理)は長く政治に携わり、米国にも詳しいし、日米同盟の重要性についてもよく理解している。普天間問題がこれほど大きな問題になってしまって残念なのは、ひとつには、実は鳩山首相とオバマ大統領は多くの共通点を持つ指導者だという事実を見えにくくさせていることだ。日米は本来、新たな安全保障の脅威に対処すべく同盟を強化していかなければならないのに、実際には全精力が沖縄の基地問題にささげられている」』

私も、鳩山首相が何を考えているのかが見えません。米国から見てもやはり同じなのですね。鳩山首相はアメリカ留学経験もあり、欧米人に対してははっきりと意見を主張しなければならないことは重々承知しているはずです。ぜひ行動に移してください。

一方、この問題を解決する上で最も責任ある閣僚は外務大臣でしょう。その岡田外相が、ぶれています。
岡田外相「海兵隊は必要」 普天間のグアム移設に難色
2009/12/19 00:36更新 産経新聞
『岡田克也外相は18日の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題に関し、「日本には海兵隊が必要だ」と述べ、社民党が主張する同飛行場のグアム移設などに伴う海兵隊の全面的な国外移転は受け入れられないとの考えを示した。
岡田氏は「機動力がある海兵隊の存在が紛争発生を抑止し、有事には日本の安全に有用となる」と指摘した。』

雑誌類を読むと、『岡田外相は「第二の田中真紀子」になった』というような言われ方がされています。外務官僚の言うことに耳を貸さないそうです。これでは正しい判断を下すことが難しくなるでしょう。
鳩山首相が要検討課題としている中に「沖縄駐留の米海兵隊は、本当に沖縄に駐留する必要があるのか」という点があるのだとしたら、岡田外相は現時点で上記のような発言をすべきではありません。
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