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『ファイナルファンタジーXI プレミアガイド2013 武器・防具ナビ』 #FF11

2013年04月02日 22時28分36秒 | FF11
ファイナルファンタジーXI プレミアガイド2013 -武器・防具ナビ- (ファミ通の攻略本)ファイナルファンタジーXI プレミアガイド2013 -武器・防具ナビ- (ファミ通の攻略本)
価格:¥ 2,415(税込)
発売日:2013-04-01


新ディスク『アドゥリンの魔境』の祭に酔いしれて、つい購入してしまった。
冒頭、「本書について」で次のように書かれている。

サービス開始から約11年の年月を重ね、当初は50だったレベルキャップが99になり、11種類だったジョブが22種類に増え、バージョンアップで少しずつ増え続けた冒険者たちの装備品は、なんと9500種類以上になりました。これは、最初のレベル50キャップ時代に存在していた装備品の約10倍もの数になります。


帯には、武器3351種、防具6133種、食事678種、薬品178種、2013年3月15日時点で実装済みの武器、防具、食事、薬品データを掲載しています、とある。
既に、アドゥリン実装に伴うバージョンアップによって、新たな装備品などが追加された。すぐに古くなってしまうのは、オンラインゲームの攻略本の宿命だ。
ただ、以前であれば簡単にネットで調べた方が早いと言えたが、最近はデータ系サイトの更新が止まっていたり、閉鎖したりしている。今回、新ジョブが追加されたが、それに伴い多くの装備品でこれら新ジョブが装備可能かどうかの確認が必要となった。用語辞典などはおそらく有志が手作業で更新している模様だが、個人のサイトでこれらの修正はそう容易いことではない。(本書は新ジョブに対応済み)

全256ページ。FF11の攻略本おなじみの版型。上質な紙でフルカラー、とはいえ写真などは少ない。

目次2ページ、本書について1ページに続いて3章立て。

★Chapter.1 ヴァナ・ディールガイド(18P)

「『FFXI』の世界」として、ヴァナ・ディールの構造(リージョンごとのエリア一覧)、さまざまなジョブ(20ジョブの簡単なコメント)、ヴァナ・ディールの生活(合成・錬成・釣り・収集活動・モグハウスでできること)。また、『アドゥリンの魔境』の紹介に9ページが割かれている。

★Chapter.2 コンテンツガイド(56P)

レベルアップするとできること、ストーリーを進めるとできることが各1ページ。コンテンツ紹介は、獲得できるアイテムを軸にコンテンツを簡単に紹介している。フィールド・オブ・ヴァラー、グラウンド・オブ・ヴァラー、宝箱、印章BF、ENMクエスト、デュナミス、リンバス、ビシージ、アサルト、皇国軍戦績BF、アシュタリフ号関連クエスト、サルベージ、パンクラティオン、花鳥風月、エインヘリヤル、カンパニエバトル、カンパニエops、連合軍戦績NM、獣人将領、とある契約、メイジャンの試練、ウォークオブエコーズ、ヴォイドウォッチ、アビセアンNM、アビセア、レギオン、ミーブル・バローズ、モブリンズメイズモンガー、獣人財宝、遠征軍、ガリスン、コンフリクト、海図クエスト、モグタブレット・クエスト、トゥー・リアNM、ルモリアNMが取り上げられている。TIPSも攻略的な記事ではなく、ちょっと便利な情報といった感じ。

★Chapter.3 データガイド(177P)

状況に応じた装備品の選び方が8ページ。装備品を選ぶ必要性を理解しよう、状況ごとに有効なパラメータを知る、装備変更にはマクロを使うのが便利、特定の組み合わせで能力が上昇する装備品もある、近接・遠隔の通常攻撃時に有効な装備品、WS発動時に有効な装備品、被ダメージを減らすのに有効な装備品、ペットとともに戦うときに有効な装備品、弱体・強化魔法を使うときに有効な装備品、精霊魔法でダメージを与えるときに有効な装備品、”ケアル”による回復時に有効な装備品と項目立てられている。装備例も掲載しているが、あまり役に立ちそうにない。ジョブごとに装備の方向性を示すか、各パラメータの有効性をデータで示すかしてくれると良かったと思うが。

武器データは56ページ。各武器種を装備レベル順に掲載。基本データ、新ジョブを含む装備可能ジョブ、入手方法が記載されている。合成の場合は必要スキルも。潜在能力の発動条件もすべてではないが書かれている。メイジャン関連の武器も記載されているが、具体例は書かれていない(強化方法なども無記載)。

防具データは93ページ。盾は盾タイプも記載。武器同様、基本データ、装備可能ジョブ、入手方法などを掲載している。武器でもそうだが、効果アップなど具体的な数字が書かれていない装備品の数値がはっきり記されているものがある。例えば、デストリアキャップのスキル上昇率アップは戦闘/魔法スキル上昇率+10%。これに対してプルーエスリングは、戦闘系スキル上昇率+1%となっている。

食事データは16ページ。あいうえお順で入手方法は記載なし。詳細な数値がはっきり書かれているのはありがたいが、スキルアップ系が「戦闘スキル+20」「職人修行力+3」のように少し分かりにくいものも。目的別オススメ食事では、攻撃力アップ食事ランキングと攻撃力上限値参考データ(攻撃力アップ上限値のランキングと上限に達する攻撃力に合った食事のリスト)、同様に飛攻アップ、防御力アップ、回避アップ、命中アップ、飛命アップ、HP上限アップ、MP上限アップ、hMPアップ、INTアップ、MNDアップ、CHRアップの食事ランキングが掲載されている(参考データがあるのは攻撃力・飛攻・防御力の3種)。

薬品データは3ページ。種別ごとにアイテム名、スタック数、妙薬の場合はその制限時間、効果時間、内容が書かれている。テンポラリアイテム専用のものはアイテム名に★印があって分かりやすい。だいたいの効果は知っていても具体的な数字までは知らないケースも多い。できればテンポラリアイテムが利用されるコンテンツごとの区分けも欲しかったか。




非常に素晴らしいデータ集だが、紙の本の限界も感じた。ソートなどが使えないと調べるのが大変すぎる。アプリとして出してくれたらと思ってしまう。MMOへの対応という意味でもそろそろそういう方向性をどこか打ち出してもらいたいものだ。


2013年3月に読んだ本

2013年04月02日 01時13分56秒 | 本と雑誌
2013年3月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2521ページ
ナイス数:90ナイス

ウェブはグループで進化する  ソーシャルウェブ時代の情報伝達の鍵を握るのは「親しい仲間」ウェブはグループで進化する ソーシャルウェブ時代の情報伝達の鍵を握るのは「親しい仲間」感想
目新しい知見がそれほどあるわけではないが、ソーシャルネット主体のウェブの現状とそれを前提としたマーケティングのあり方についてよくまとめられている。オンラインのオフライン化はまさしくその通りだろうが、グローバルなウェブで日本がどのくらい特殊なのかの分析が見たい。インフルエンサー神話を否定的に捉えている点は興味深かった。(☆☆☆☆☆)
読了日:3月1日 著者:ポール・アダムス
綱吉と吉宗 (日本近世の歴史)綱吉と吉宗 (日本近世の歴史)感想
江戸幕府の行政システムを中心に描かれている。冒頭、「養子将軍の時代」と題されているが、側用人などを利用した将軍親政の時代だったというのが本書のテーマと言えるだろう。大岡忠相の日記など具体例から描いている点は興味深かった。(☆☆☆☆☆)
読了日:3月8日 著者:深井 雅海
禁断の魔術 ガリレオ8禁断の魔術 ガリレオ8感想
「透視す」はガリレオらしい作品。一方、「念波る」はこれまでの積み重ねがあるから生きる捻り方で印象的。「曲球る」は一冊読み終えた時には忘れてしまっていたくらいで・・・。で、中編と呼ぶべき「猛射つ」は、短編版ガリレオと長編版ガリレオの中間的な仕上がりに感じられたけれど、サスペンスとしては素晴らしい出来だと思うが、すっきりしない結末という印象も。ミステリとしては切れ味に欠けたし、エンターテイメントとしては落としどころに不満が残るような。TVドラマの2時間スペシャルにはいいけど、劇場版には相応しくないという感じか(☆☆☆☆☆)
読了日:3月8日 著者:東野 圭吾
あいあい感想
市井の人々の日常の些細な喜び・悲しみを描き、それを積み上げることによって醸し出した空気が「みをつくし料理帖」の素晴らしさだったが、本書ではどうしても上辺だけをなぞっただけのような感じがしてしまう。良い話、お手軽な感動、それが悪いとは言わないが、高田郁ならもっと出来ただろうと思うだけに残念。(☆☆☆☆)
読了日:3月14日 著者:高田 郁
終わらない歌終わらない歌感想
『よろこびの歌』は読んだという記憶ははっきりあるし、読書メーターのコメントでもかなり絶賛しているのだけれど、内容に関して全く覚えていない。続編である本書を読んでも思い出せない。でも、本書の出来も素晴らしい。出来過ぎなところもあるけれど、宮下奈都の筆致は心地よい。心地よさだけが心に残れば十分かもしれない。(☆☆☆☆☆☆☆)
読了日:3月15日 著者:宮下 奈都
マグダラで眠れ (電撃文庫)マグダラで眠れ (電撃文庫)感想
ツンデレヒロインものと思いきや、世間知らずの少女をいたぶるSM小説だったとは(笑)。最後は著者らしい展開で締めたものの、物語を牽引する力がやや不足している印象。キャラクターもあまり魅力を感じなかったのが残念。(☆☆☆☆)
読了日:3月15日 著者:支倉 凍砂
盤上の夜 (創元日本SF叢書)盤上の夜 (創元日本SF叢書)感想
成長したヒカルが再び佐為と巡り合えたならと思わせる表題作。「清められた卓」はまんま『咲』って感じ。量子コンピュータうんぬんはちょっと安直な気も。勝負師を描く様は引き込むものがあるけれど、傍観者視点なのが少し残念に思う。個々に不満はあるものの、全体としては十分に楽しめた。山田正紀っぽさも含めて(笑)。(☆☆☆☆☆)
読了日:3月22日 著者:宮内 悠介
輝天炎上輝天炎上感想
『ケルベロスの肖像』が東城大サイドなら、こちらはそれを碧翠院サイドから描いた作品。なんだけど、『螺鈿迷宮』といい碧翠院ものはさっぱり共感できない。本作も前半の面白さに比べて、後半は焦点もぼやけて失速といった印象。そろそろ桜宮サーガじゃないのが読みたいかなあ・・・。(☆☆☆☆)
読了日:3月28日 著者:海堂 尊

読書メーター




ヴァナに入り浸っていたわりには8冊とまずまず。ただ、よく出来た作品が多かったものの、それが面白さに繋がっていたのは『終わらない歌』だけだった気もする。気持ち甘めの採点かなと感じるが、出来そのものが悪かったわけではないのでこんなものか。

ガリレオシリーズ『禁断の魔術』は短編4作と中編1作という構成となっている。このシリーズは短編と長編で味わいが異なるのが特徴で、本作でも短編は「らしい」仕上がりとなっている。問題は中編で、どっちつかずの印象となってしまった。マンネリと言われようが水戸黄門的にすっきりと落とすのもエンターテイメントの王道的展開だ。短編シリーズはそうした作りが魅力だった。一方、長編は構成の妙味が特徴で、テーマ性も強い。「猛射つ」は内容的には長編版の描き方と言えるが、そこまでの緻密な構成が感じられない。サスペンスとしてはよい出来だが、東野圭吾ならもっとキャラクターに深みを持たせられただろうと思ってしまう。期待値が高いがゆえの低評価とも言えるが、そういう作家なのだから仕方がない。

『あい』の場合も、「みをつくし料理帖」を基準にすると粗が目立ってしまう。人の生涯を一冊の本で描こうとすればどうしても駆け足とならざるをえない。どこを描き、どこを省くかという取捨選択が大切だが、それも過ぎればどうしても著者が思い描く道筋ばかりが書かれてしまうこととなる。実在の人物の生涯を描くとなれば、分かりやすいストーリーに沿ったものとはなり得ないわけだが、小説として見せるためにはストーリーを描かざるを得ず、そのせめぎ合いこそが作品たらしめるものである。本書の場合、深みにまで到達できず、上辺だけをなぞるようなものとなってしまった。高田郁なら、と思うだけに、もう少しどうにかして欲しかったと感じてしまう。

「貧乏に耐えて一途に頑張る」系の美談は美談として、近代的自我を確立して以降、欲の無い人間というのはファンタジーのように見えてしまう。『あい』は江戸末から明治にかけての話で、そういう心性も成り立つが、現代を描くにはそれは受け入れがたくなってしまう。『終わらない歌』の恵まれた環境の下での苦労の重みは、些細なように見えても当人にとっては決して軽いものではない。リアルがファンタジー化してしまって、己の分を越えて、欲望や願望が溢れてしまっている社会にどう適応するのか。綺麗に落とし過ぎではあるが、宮下奈都らしい引っかかり具合が出ていて、エンターテイメントとしても上質な出来。

『狼と香辛料』をあと少し積み残しているというのに、『マグダラで眠れ』に手を出してしまった。世界観は前作同様見事。キャラクターは前作に比べるともうひとつ。問題は物語を牽引する力が弱いこと。前作であれば、主人公は商人で、商売上の利であったり、夢であったりを持っていた。そこにヒロインとの恋愛を絡めて物語に葛藤を与えていた。本作の場合、主人公は錬金術師なわけだが、その思いや夢の描写がうまく伝わってこなかった。ヒロインとの関係性も固定的で面白みに欠ける。ライトノベル以外のジャンルで書いた方が良さそうな気も……。

先日、将棋において現役のプロ棋士がコンピュータ相手に公式の場で敗れた。こういう時代が来るだろうと予測はなされていたが、思いもよらぬほどのペースでコンピュータが強くなった。まさに今SFが現実化している中で、ゲームをテーマにした連作短編が『盤上の夜』。マインドスポーツ好きとしては見逃せない作品集と言える。表題作はどう見ても『ヒカルの碁』(笑)。コメントに書いたように「清められた卓」は『咲-Saki』だし、「象を飛ばした王子」は諸星大二郎っぽいなあとか。主人公がライターで、客観的な視点から描かれているのが特徴。それが悪いわけではないが、物足りなさも感じた。佳作だけど佳作でしかない印象。

『ケルベロスの肖像』の姉妹作『輝天炎上』。コメントに書いたように碧翠院の「業」についていけないのが困ったもの。もともとリアリティに乏しい桜宮サーガだけれど、暴走状態になってしまった感じ。前半は物語の体をなしていたのに、後半はひどい有様で『ケルベロスの肖像』の裏話的展開だけが興味を繋ぐ感じに。まあこれだけ壊れた作品をちゃんと読ませる力量だけは素晴らしいけれど。最後はもうどうでもいいやって投げたくなっちゃったけどね。正直、もう桜宮サーガはおなかいっぱい。余程のことがない限り手は出すまいと思うが、さて(笑)

2013年2月に読んだ本
2013年1月に読んだ本
2012年に読んだ本
2011年に読んだ本




2013年3月に読んだコミック

『ラストイニング』36巻(中原 裕 神尾 龍)
『よつばと!』12巻(あずま きよひこ)
『それでも町は廻っている』11巻(石黒 正数)

コミックがさっぱり読めなかった。わずか3冊。

『よつばと!』の非物語の力が素晴らしい。『それでも町は廻っている』も意図的に時間順に描いていないと語られているが、物語に依らずとも面白いものは生み出されている。小説がコミックに勝てないのはこんなところにもある。