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秋田怪談 ここが面白い(1)

2024年02月08日 | 本・雑誌から
秋田怪談を通読してみて面白さに嵌っているのだが、いくつか私が感じたポイントをこれから数回にわたって述べてみたい。

いわゆるミステリースポットを訪ねてそこで怪奇現象に遭う話が今回もないではない。廃病院、廃ホテル、或いは座敷童子などで、それなりの迫力はあるのだが今回の題材の中心は日常に私たちが暮らす中で遭遇する民話的な話が中心である。

例えば除雪機の修理を頼まれ雪深い集落に行った人の話(恍惚 仙北市)、着いた先で依頼人の老人に会ったのだが、大きな声で挨拶してもいつもと感じが違う、その内に老人が裏手の山に登りだした。慌ててあとを追いかけたのだが追いつけない内に変な事に気づく。老人が登った雪山の道筋に普通は残るはずの足跡がないのだ。
おかしいと思い自分の車に戻った時、この老人が軽トラで帰ってきたのだ。
事の顛末を話した時この老人から「山に登りだした老人にもし付いていったら、命落としたぞ。山には人を騙す悪いのがいるからな・・・・」と言われた、と記されている。

私は前にこのブログに書いた事があるのだが心霊スポットと言われる所に進んで出掛けていって非日常体験を得ようとするのは、私自身の主義から言えば好みではない。日常生活の延長上に起こる出来事が貴重なのだと思っている。そういう意味では今回の本は私の主義にピッタリとあうのだ。

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