中国でのいろいろ

中国での生活、出来事をぼちぼち綴っていければと思っています。

四川省 アバ・チベット族チャン族自治州 熊猫大道(後編)

2021-03-25 00:12:34 | <四川省>

巴郎山の麓からはヘアピンカーブの続く山道を一気に登っていきます。

ここまで来ると標高は3000mを越えます。

 

 

前編の記事はこちら。

四川省 アバ・チベット族チャン族自治州 熊猫大道(前編)

 

冬季は天気が良くても日影は凍結していますので要注意。

凍結路をナメた走りをすると当然のことながら道から落ちます。

 

 

ここから先、巴郎山を上る道沿いが雪山などの景色を堪能できるエリアになります。

この辺りには標高5000mを越える52の万年雪の山々があるそうです。

 

 

路肩に空き地がある場所や、ちょっとした休憩施設なども点在していますので、

車を停めて景色を楽しむことができます。

 

 

道から見えるこの景色で熊猫大道は有名ドライブコースになっています。

平日に行ったせいもあるのか車は多くないです。

 

 

山の上で五色のタルチョがたなびいています。

色の順番は青、白、赤、緑、黄の順に決まっており、それぞれ、天、風、火、水、地を表すそうです。

タルチョが見える場所にはだいたい休憩所や車が停められるスペースがあります。

 

 

眼下に雲が出ていたりするのを見ると、標高の高い場所にいることを実感できます。

 

 

標高4000m近くになるともう木は生えていません。

下界とは全く違う景色です。

しばらくもうヘアピンはないので運転しながら少しよそ見?をしても大丈夫。

 

 

巴郎山峠(4523m)へ向かう省道303号線は今シーズンから冬季通行止め。

2016年に開通した全長8.8kmの巴郎山隧道を通ります。

それでも巴郎山隧道の標高は3850m、既に富士山を越えています。

トンネルの上に見えるのは巴郎山の山頂(5040m)でしょうか。

 

 

百度ナビではトンネルを抜けた所から戻る形で登山口まで行けるルートを引いてくれましたが、

残念ながら実際にはトンネルの両側とも峠方向は通行止めになっていました。

 

 

気を取り直して四姑娘山方向へ、巴郎山隧道を出ると小金県に入ります。

ここから四姑娘山風景区までは10kmほどの距離。

 

 

しばらく走ると四姑娘山が一望できる場所、四姑娘山観景点に着きます。

ここには休憩所、売店、それなりに綺麗な無料のトイレもあります。

標高6250mの四姑娘山は万年雪、チベット語で斯古拉神山と呼ばれています。

 

 

東方のアルプスとも呼ばれる四姑娘山は自然保護区にもなっており、

ジャイアントパンダの生息する臥竜自然保護区などと合わせて、

2006年に世界自然遺産に登録されています。

 

 

抜けるような青空と四姑娘山が見えただけで今回のドライブはもう満足。

姑娘とは娘さん、お嬢さんのこと。四姑娘で四姉妹の意味になります。

長女が大姑娘、次女が二姑娘、三女が三姑娘、四女が四姑娘です。

末っ子が一番背が高い山でお姉さんになるほど順に低くなります。

4つの山を合わせて四姑娘山と呼ぶこともあります。

 

 

駐車場に車を停めると物売りのおばあちゃんたちが駆け寄ってきます。

何も買わなくても意地悪などされませんのでご安心を。

おやつ兼お土産にチベット族のおばあちゃんから牛肉干(ビーフジャーキー)を購入。

 

 

せっかくここまで来たので四姑娘山風景区の長坪溝、海子溝の入り口まで行ってみました。

もちろん、現在は外国人の入園はお断りなので入り口を眺めるだけ。

車を停めると今度は入園券を売るおばちゃんが寄ってきます。

彼らはおそらく地元の人用の年パスみたいなものを持っているので、

この人達を利用すると外国人でも潜り込める可能性があるかもしれません。

 

 

山の中では携帯の電波がない場所も所々あります。

邓生沟(鄧生溝)近辺はチャイナユニコム、チャイナモバイル共にダメでした。

熊猫大道沿いの休憩所ではトイレの多くが有料(1元)です。

スマホ決済できないこともあるので小銭は用意しおくことをお勧めします。

 

 

事前に道路状況を正確に把握することは外国人には困難です。

中国検索サイトは、広告や古い情報が多く基本使い物になりません。

かと言ってgoogleなどの検索サイトで中国の道を検索しても情報がとれるハズもなく。。

基本的には百度などのナビアプリなどを使えば、

かなりリアルタイムに道路状況を把握して迂回してくれたりするので指示に従えば何とかなります。

(山の中で電波がなくなると動きませんが。。)

少々緊張することもありましたが、景色を十分堪能して無事に戻ってくることができました。

 

 

コメント (10)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

四川省 アバ・チベット族チャン族自治州 熊猫大道(前編)

2021-03-18 00:03:18 | <四川省>

四川省の山岳地帯、少数民族自治区にある観光名所は、

コロナの影響で現在は外国人お断り状態が続いています。

 

 

このため、九塞溝などの観光ツアーなどを申し込んでも連れて行ってもらえません。

(もうそろそろ解禁されそうな気配ですが)

ただし景区と呼ばれる有料の観光地には入ることができませんが、

少数民族自治区への立ち入りが制限されている訳ではありません。

 

 

というわけで、有料の観光地以外で景色の良さそうな場所へ自力で行ってみることに。

山岳地帯に行く鉄道はなく、バスもごく限られているので成都でレンタカーを借りました。

成都で借りたのになぜか重慶ナンバーでしたけど。

 

 

無理と油断は禁物なので、日のあるうちに山道を抜けて成都に戻ってこられることを前提に、

ドライブコースを探してみると熊猫大道(パンダ大道)という道を見つけました。

外国人は宿泊も断られる可能性大なので日帰りです。

 

 

熊猫大道沿いにある巴郎山(標高5040m)、四姑娘山(標高6250m)などは、

片道200kmちょっとなので、山を眺めて帰ってくるだけなら大丈夫そうです。

成都市内(空港近く)から都江堰市を経由してアバ・チベット族チャン族自治州の境界までは高速道路で、

ここから一般道の熊猫大道を走って小金県の四姑娘山をゴールにするルートを設定。

 

 

渋滞もなく順調に都江堰市まで来ましたが、

都江堰市から先、汶川県方向へ向かう都汶高速道路は工事中通行止め。

都江堰西インターで降ろされて超遠回りの国道213号線へ。

元々降りるつもりのインターまで高速なら15分で行けるところを1時間以上かけて。。

 

 

都江堰対岸の岷江沿いを進みます。

この道も工事個所が多く、高速を下ろされた車や大型車で所々渋滞します。

 

 

天気さえ良ければもっと景色が楽しめる道だと思います。

友誼隧道が都江堰市とアバ・チベット族チャン族自治州汶川県の境界です。

 

 

トンネルを抜けるといよいよ少数民族の自治州に入ります。

アバ・チベット族チャン族自治州を中国語で書くと阿壩蔵族羌族自治州。

チベット族が蔵族、チャン族が羌族になります。

案内標識にもチベット語表記。もちろんチベット語は一文字も読めませんが。。

 

 

チベット族は中国以外の地でも広範囲で暮らしているのに対し、

チャン族のほとんどはこの自治州で暮らしています。

もともとはチベット族とチャン族は同じ民族だという話も聞いたことがあります。

 

 

岷江に架かる橋を何度か渡った先に映秀震中遺跡が見えてきます。

ここには、四川地震の震災遺構として被害を受けた建物などが保存されています。

 

 

今回のドライブでの最後の分岐点、前方が国道350号線兼省道303号線。

この道の汶川県~小金県の間が熊猫大道と呼ばれます。

小金県方向には巴郎山と四姑娘山、汶川県方向には畢棚溝景区、米亜羅風景区があります。

 

 

道の両側の山々がパンダ生息地になります。

また、臥竜中華大熊猫苑神樹坪基地というパンダの保護、育成施設もあります。

子供のパンダが多いそうですので、パンダ好きの方にはお勧めです。

 

 

熊猫大道は片側1車線で道幅も広いので基本的には走りやすいです。

でも自然災害の多い地域なので、あちこちに山崩れの後が残っています。

 

 

また、数か所は大規模な法面工事や道路修復工事が行われていて、

普通車ではお腹を擦ってしまいそうなでこぼこもあります。

これは事前に予想していて、少し車高の高いRV車をレンタルしたので無理しなければ大丈夫。

 

 

人が暮らしている村落はそう多くありません。

山奥では村が近づくと道に牛がいたり、タルチョと呼ばれるチベット族の魔除けと祈りの旗があります。

また村で見かける老人は民族衣装を着ている人が多いです。

民族衣装はお祝いや撮影用などに使うだけかと思っていましたが普段着のようです。

 

 

ここまで来る途中、成都や都江堰市はいつも通り?の曇り空。

毎回毎回四川省は天気に恵まれないなぁと諦めていましたが、

巴郎山が近づくにつれ初めて青空が見えてきました。

後編に続きます。

 

 

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

四川省 都江堰市 青城山

2021-03-11 00:03:11 | <四川省>

四川省都江堰市にある青城山は、中国で有名な道教の名山のひとつです。

この山は道教発祥の地とされています。

 

 

最も高い峰は老霄頂で、標高は1600mあります。

2000年に都江堰と共に世界文化遺産に登録されました。

 

 

山の原生林は1年を通して緑があり、

36ある峰が城郭のように見えることから青城山の名が付いたそうです。

 

 

駐車場から山門(老山門)までは少し距離があります。

緩やかな上り道なので歩いても苦にはならないですが、

時間がない時や楽をしたい時には乗り合い電動カート(有料)を使うのもありです。

山門の標高は780m、門のすぐ横には唐代に造られた建福宮があります。

 

 

青城山の観光地は前山と後山の2つに分かれています。

前山には道教寺院や修行に使われたとされる洞窟などがあり、観光客が多いのは前山です。

後山には峡谷や古鎮などもありますが、今回は前山だけに行きました。

最もお気楽に山登りができる、電動カート→遊歩道→渡し船→ロープウエイ→階段のルートで。。

 

 

渡し船は月城湖を向こう岸に3分ほどで渡るだけです。

大人数で乗れる船なので行列ができていてもすぐ乗れます。

きっと歩いて行ける道もあると思います。

 

 

ロープウエイは船を降りてすぐに乗り場があります。

もちろんこちらも使わずに徒歩で登ることもできます。

ロープウエイを降りてすぐの場所にあるのが慈雲閣。

 

 

慈雲閣から少し階段を上ると晋代に創建された上清宮に到着です。

大きなお寺で何となくここでもうゴール感がありますが、まだまだ山の上に寺院があります。

 

 

上清宮の標高は1180m、現存している建物は清代に修復されたものだそうです。

人の流れや案内表示に注意しないとお寺を抜けて山の上に登る道がちょっと見つけにくいかもしれません。

 

 

目指すゴールは山の一番高い所にある老君閣。

ロープウエイで楽をして来ても、ここからは頑張って長い階段を上るしかありません。

 

 

途中、大赤天宮などの小さな寺院を通り抜けながら階段を上って行きます。

残念ながらこの日も天気が悪く山の上は霧の中。

霧深い方が霊山らしくてよいのかもしれませんが。。

 

 

写真を撮りながらゆっくり上って上清宮から30分ほど(だったと思います)で、

一番上の老君閣に到着、標高は1260mです。

 

 

今回行ったのは青城山の前山のほんの一部だけです。

前山の旧所名跡だけでも一通り巡るのに丸1日近くかかりそうです。

お寺や旧跡に興味がなくても、緑の多い山の中を歩くだけでも結構楽しめると思います。

1日だけで都江堰と青城山の両方だとあまり時間がありません。

機会があればもっと自然が楽しめそうな後山にも行ってみたいです。

天気の良い日に。。

 

 

コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蘇州 お散歩 鳳凰街と十全街 袁記雲餃と網師園

2021-03-04 00:03:04 | <蘇州>生活

鳳凰街と十全街をぶらっとお散歩してきました。

1年ちょっとぶりぐらいでしょうか、鳳凰街の雰囲気は何も変わっていません。

 

 

ちょうど定彗寺巷と蘇州大学病院の中間地点ぐらいの対面に、

小奇麗な感じの餃子・雲呑屋さんを見つけました。

以前からここにあって改装したのか、新規に店を出したのか分かりません。

鳳凰街には雲呑や水餃子の小さな店がたくさんあるのでどれがどれだか。。

 

 

店の名前は袁記雲餃。創業は1946年だそうです。

店構えは大きくありませんが、2階にも席があります。

 

 

価格帯は雲呑が22元~32元、雲呑麺が15元。

同じような店構えや大きさの店と比べると倍ぐらいの値段なので、かなり強気の価格設定。

生雲呑、生餃子の持ち帰りもできます。

店内で食べるのと持ち帰りと値段は変わらないようです。

 

 

作っている場所もガラス張りでオープンになっています。

今時作っている所が見えるのは特に珍しいことではありませんが、

ガラスや台が綺麗に拭いてあって、ぱっと見でもう清潔感を感じさせています。

 

 

麺と雲呑が両方楽しめて値段も安い雲呑麺をチョイス。

雲呑は皮が薄くてつるっとした食感、麺は細くて歯ごたえもある香港麺です。

スープはさっぱり薄味で化学調味料の味はしません。

もう少しパンチのある味にしたければ、醤油や酢、辣油などの調味料や、

葱、パクチー、大蒜、大根の漬物などなどの無料トッピングも用意されています。

 

 

雲呑麺は男性でも女性でも軽く頂くのにちょうどよい量かと。

小腹を満たした後は十全街に向かいます。

まずは木蓮の花が見頃になった網師園へ。

 

 

網師園は、もともと漁隠と呼ばれる南宋時代の官僚が造った私家庭園でした。

後の清代に官僚が荒れ果てていた庭園を買い取って整備し、網師園と名付けました。

 

 

1997年に世界遺産に登録された庭園は、

拙政園や獅子林ほどではありませんが、観光客の多い蘇州で人気の園林のひとつです。

 

 

古代衣装を借りて写真撮影するのが最近の流行りです。

一眼レフと自前のレフ板を携えて、この日も多くの女性が木蓮や梅の花の下で写真を撮っていました。

でも。。いい場所からなかなか動いてくれないので、邪魔で邪魔でしょうがない。

 

 

網師園を出て十全街へ。

十全街は大きかった街路樹が全部切られて、すっかりただの道になっています。残念。。

そのうち区画整理や道路拡張工事などが始まるのでしょうか。

 

 

以前は夜になるとバーなどに欧米系の人達も多く集まっていましたが、今はどうなのでしょう。

網師園の入り口、闊家頭巷に軒を連ねていたお土産物屋さんもほとんどなくなっているし。

 

 

また、十全街には、蘇州飯店、南林飯店、南園飯店の3つの老舗観光ホテルがありましたが、

蘇州飯店ってまだあるんでしたっけ。。

 

 

十全街は昼間歩いた感じでは空き店舗が増えていたり、何となくちょっとすたれた感じもします。

鳳凰街は大通りですが、大きな病院があったり、地元の人達の生活道路でもあるので、

店の入れ替わりはあってもあまり大きな変化を感じません。

蘇州料理の大衆レストラン、協和菜館もしっかり営業していて一安心でした。

近々、協和菜館にも行ってみようかと(もう10年以上行ってません。。)

 

 

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする