中国でのいろいろ

中国での生活、出来事をぼちぼち綴っていければと思っています。

広西チワン族自治区 桂林 夜遊四湖

2021-11-25 00:11:25 | <広西チワン族自治区>

桂林の両江四湖とは、市内を流れる漓江と桃花江の2つの川と、

杉湖、榕湖、桂湖、木龍湖の4つの湖のことを指します。

 

 

両江四湖を巡る観光船はいくつか種類があるようです。

今回は杉湖、榕湖、桂湖、木龍湖の夜景や鵜飼いとレーザー光線のショーなどを見ることができる、

夜遊四湖というナイトクルーズを楽しんできました。

 

 

夜遊四湖の出航場所は杉湖の日月湾埠頭です。

杉湖の日月双塔は夜になると美しくライトアップされます。

 

 

日中は人の少ない船着き場にも灯りがともされ、

日月双塔の写真を撮りに来る人や、船に乗る人など大勢の人が集まってきます。

 

 

両江四湖の全長は7.33km、靖江王府や独秀峰などがある中心市街を囲んでいます。

もともとの四湖は宋代に造られた水運や城下を守るための堀でした。

両江四湖の公式HP、”桂林两江四湖•象山景区官方网站”に分かりやすい地図があったので拝借しました。

 

 

夜游四湖の観光船は漓江と桃花江へは出ずに四湖を往復します。

杉湖を出発した船は、すぐに陽橋の下をくぐって榕湖に入ります。

榕湖に入ってまず見えてくるのが湖心島と玻璃橋(ガラス橋)です。

 

 

湖岸にはたくさんのガジュマルの木があり榕湖の名前の由来になっています。

また榕樹門とも呼ばれる宋代に造られた城門の古南門の前には、

樹齢1000年ほどの大きなガジュマルがあります。

 

 

地図を見ると榕湖と桃花江が繋がっているようです。

また、北斗七星をかたどった北斗橋、北京の頤和園にある玉帯橋を参考に造られた古榕双橋、

凱旋門のような迎賓橋、趙州橋という有名な石造のアーチ橋を模倣した榕渓橋など、

四湖の中で榕湖に架かっている橋が最も多いように見えます。

 

 

大きな吊り橋の麗澤橋を過ぎると桂湖に入ります。

桂湖は長さ1700m、幅110mで宋代に城の西側部分を守る堀として造られました。

明の軍隊が桂林に攻め込んだ際、この堀のおかげで3ヶ月間侵攻を食い止めたと言われています。

 

 

堀が造られた当時から多くの船が行き来し大変な賑わいを見せていたそうで、

そのころから既に両江四湖の観光船のようなものもあったようです。

しかし長い歴史の間に四湖を繋ぐ堀や、湖の一部は埋め立てられ、

近年にはかつての賑わいは失われていました。

 

 

観漪橋を過ぎた所にたくさんの筏が泊まっています。

観光船が停まると鵜飼いのショーが始まります。

 

 

それぞれの筏の鵜たちが魚をくわえて上がってくるのを

船の上から目の前で見ることができます。

 

 

鵜飼いが終わると橋をいくつか通り抜けながら、観光船は木龍湖へ向かいます。

桂湖以外の湖も含めて橋の形はアーチ橋や吊り橋など様々で、ライトアップの色なども変わります。

 

 

宝積山が見えてると船は右に曲がります。

宋代の城壁遺跡を模して造られた宝積橋には3万年前に暮らしていたとされる原始人、

宝積岩人の暮らしが彫刻で描かれています。

 

 

木龍湖には宋代に建設された城壁と東鎮門が残っています。

ここは軍の最大の駐屯地でもあったそうです。

同時期に造られた18の城門のうち現在まで残っているのは2つだけです。

 

 

木龍湖の湖岸には宋代の雰囲気を再現した建物や木龍塔があります。

木龍塔は8角7層で高さ37m、こちらも宋代の建物を参考にして建てられました。

塔の対面にそびえる岩山は仙鶴峰、水面からの高さは101mあります。

 

 

木龍湖では踊りやレーザー光線のショーが行われます。

湖の周囲は有料の木龍湖風景区になっており、ここで下船する人もいました。

木龍湖までの四湖を巡った船はまた同じ経路で杉湖へ帰るだけなので、

確かにここで下船して周辺を観光するという手もありかと思います。

 

 

夜遊四湖は漓江観光船で見るような自然のままの山水とは違って、

ライトアップされた橋や建物、岩山などの夜景を楽しむクルーズです。

1999年から埋め立てられた堀や湖を復活させる工事が始まり、

2002年には両江四湖を巡るの観光船も運行されるようになったそうです。

杉湖へ戻る時にはもうほとんどの人が船室へ入ってしまうので、

空いた展望デッキでゆっくり写真を撮るのもよいかと思います。

 

 

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広西チワン族自治区 桂林 市内観光(象山・独秀峰王城景区・日月双塔)

2021-11-18 10:48:00 | <広西チワン族自治区>

龍脊の棚田や陽朔の山水などを楽しんだ後、

桂林市街に戻って市内の公園や名所、観光施設などを巡ってきました。

 

 

象山景区は漓江と桃花江の合流する場所にあります。

見所は字の如く像が花で川の水を飲んでいるように見える岩山、象鼻山です。

観光案内には必ず登場する桂林の名所です。

 

 

高さ55mの象鼻山に開いた洞窟は水月洞、頂上には明代に建てられた普賢塔があります。

こちら向きだと午前中はちょうど逆光になっているので午後に来る方が良かったかも。

象鼻山以外の見所は。。ない(かもしれません)。

 

 

桂林市民は入園無料ですが、観光客の入園料は55元と観光客には少々お高い公園です。

桂林では観光地の入園料やその他もろもろ、市民と観光客で値段を変えているようです。

 

 

桂林市街の中心部にある独秀峰王城景区。

ここには靖江王府と城の敷地内に独秀峰という岩山があります。

 

 

靖江王城は明代に造られたこの地域の支配者の王府です。

城の完成までに20年の歳月を費やし、完成後から200年以上の間、

14代にわたって王宮として使われていたそうです。

 

 

城の周囲は1783mで、高さ8m近い城壁で囲まれており、

東西南北にそれぞれ大きな立派な門が配置されています。

 

 

明清代の桂林は広西の行政を司る場所でした。

広西チワン族自治区は中華民国の時代には広西省という行政区で、

靖江王府は広西省の役所として使われていたそうです。

王府の中では、ガイドさんが建物、歴史や文化などの説明をしてくれます。

 

 

靖江王城の敷地内には独秀峰という大きな岩山があります。

高さは66m、平坦な地面から切り立つような岩山は”南天一柱”とも呼ばれています。

 

 

岩山のあちこちに石刻が彫られています。

独秀峰西側にある太平岩という洞窟には歴代の王が書いたとされる詩などが多く残されており、

国の重要文化財にも指定されています。

 

 

独秀峰の頂上からは桂林市内を見渡せます。

七星岩、伏波山、畳彩山、宝積山、老人山など、桂林市街地を囲む岩山の姿も楽しむことができます。

 

 

靖江王城では、福の字の版画を作ったりお遊びで科挙試験の体験ができます。

版画のお持ち帰りや、科挙試験のテスト用紙のお待ち帰りは別料金です。。

この地から輩出された進士と呼ばれる科挙試験の合格者が500名、

さらに首席合格者に与えられる状元の称号を持つ者が4名いるそうです。

 

 

清代の中国南方地方では、科挙試験を受ける者は貢院と呼ばれる一人ずつ入る小さな部屋で、

試験を受けたり、食事や睡眠をとったりしていたそうです。

科挙試験の体験では貢院に入って試験問題に筆で回答を書き入れたりします。

成績が優秀な人(字の綺麗な人?)は民族衣装を着て表彰されてお土産ももらえます。

 

 

独秀峰王城景区を出て正陽歩行街へ。

この辺りや東西巷は観光客の多い繁華街だそうです。

さすがに平日の昼間はそんなに人出はありませんが夜になるともっと賑やかでした。

 

 

独秀峰や靖江王城なども見渡せる見晴らしの良いカフェへ。

アフタヌーンティ(中国語で下午茶)のセットで一休み。

 

 

日が暮れる少し前に桂林両江四湖のひとつ、杉湖へ。

杉湖には、観光名所の日月双塔があります。

銅張りの日塔は9層で41mの高さがあり、月塔は7層で高さ35mのガラス張りの塔です。

夕暮れ時やライトアップされる夜には大勢の人が写真を撮りにやってきます。

 

 

全ての名所巡りをするには体力と時間が足りませんので、

この日は象鼻山→独秀峰と靖江王城→正陽歩行街→杉湖と日月双塔、

最後に夜遊四湖というナイトクルーズにて終了です。

翌日は少しだけ郊外の方へも行ってみました。

夜の日月双塔と夜遊四湖、郊外の様子はまた後ほど。

 

 

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広西チワン族自治区 陽朔 印象劉三姐

2021-11-11 00:11:11 | <広西チワン族自治区>

印象劉三姐は、陽朔で上演されてる山水の自然を舞台にした歌劇です。

漓江や岩山をそのまま舞台演出に利用しています。

 

 

と、その前に。。

印象劉三姐の上演開始時刻は19時半頃と21時頃の2回なので、

どちらを選んだとしても腹ごしらえが必要です。

 

 

陽朔の名物と言えば啤酒魚(ビール魚)。

桂林市街や陽朔では啤酒魚の看板を掲げたお店があちこちにあります。

揚げた川魚をビール、唐辛子、トマトや香辛料と煮込んだ料理で、

魚の種類は草魚、鯉、ナマズなどが選べるようです。

 

 

店によって見た目や作り方は多少違いますが、濃い味付けの辛い魚料理です。

一口だけ味見、もともと川魚が得意ではないというのもありますが、

そんなに美味しいものではない。。かな(あくまでも個人的な感想です)。

 

 

他の料理は広東料理風で塩味や醤油ベース。

筍の炒め物や鶏肉、野菜、スープなど広東料理は好きなのでどれも美味しく頂きました。

 

 

食事の後は、印象劉三姐が上演される中国漓江山水劇場へ。

ちょうど漓江と遇龍河の合流する地点に造られた大きな施設です。

 

 

入り口から一番奥にある劇場へ向かう間には印象劉三姐博物館や公園などもあります。

竹の回廊もライトアップされていい感じの雰囲気になっています。

 

 

中国漓江山水劇場はとにかく舞台面積が広いです。

舞台は漓江の水面が1654平米に12の岩山が背景になっています。

水面や岩山は白、赤、緑、黄の光で演目ごとにライトアップされます。

 

 

舞台演出は。。ここでも張芸謀(チャン・イーモウ)プロデュース。

張芸謀、かなり儲けています。

 

 

主題になっている劉三姐とは、広西チワン族の伝説の民謡歌手です。

特に山歌と呼ばれる即興で作る問い返しの歌の名手でした。

 

 

美人で聡明だった劉三姐。

1960年代に映画にもなっており、その当時映画は一世を風靡しました。

印象劉三姐もこの映画に因んで創作されたものだそうです。

 

 

舞台は色で構成されており、紅色印象は山歌、緑色印象は家園(農村の風景)、

藍色印象は情歌(劉三姐が歌う姿)、金色印象が漁火、銀色印象が盛典(お祝いの風景)です。

 

 

チャン・イーモウの自然を背景にした舞台は、以前、雲南省玉龍雪山の印象麗江なども見ましたが、

印象麗江は雪山を背景に照明などは一切使わない自然のままで昼のみの公演、

印象劉三姐はライトをふんだんに使った夜のみの公演と全く違う演出になっています。

 

印象麗江の過去記事はこちら。

雲南省 麗江 藍月谷と印象麗江

 

 

舞台に一番近い部分が普通席になっています。

広い川面と川岸が舞台で、遠くの岩山などもライトアップされた演出になるため、

料金が少しだけ高い中段後方ぐらいの席がお薦めかもしれません。

料金は後ろの席ほど高くなるようで、VIP席も後方にあります。

 

 

上演時間は1時間ほどですが、自然を背景にした光の演出、歌や踊りは十分楽しめると思います。

座席は感染対策のため一つ飛ばしになっていました。

席番に書かれている番号が既に一つ飛ばしになっていて、さらに席を一つ空けるので、

もし複数人で行かれる場合、チケットの席番がすいぶん離れていてもご心配なく。

 

 

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広西チワン族自治区 陽朔 遇龍河の筏下りと銀子岩

2021-11-04 00:11:04 | <広西チワン族自治区>

陽朔は漓江観光船の終点、桂林市街よりも山水の風情を身近に感じられる場所です。

今はコロナで外国人は少ないですが、海外からの旅行客にも人気の観光地です。

 

 

桂林市街よりもと書きましたが、行政管轄では陽朔も桂林市に属します。

歴史は古く前漢の時代にはもうこの辺りに街があったようです。

壮族(チワン族)、瑶族(ヤオ族)、回族、苗族などの少数民族が多く暮らしています。

 

 

陽朔を流れる遇龍河は漓江の支流で、全長は43.5kmあります。

遇龍河流域の美しい景色を沿道のサイクリングや筏下りで楽しむことができます。

 

 

筏下りは、4時間ほどかけて下る距離の長いものから1時間程度のものなどのコースが選べます。

今回は遇龍河景区から工農橋までの1時間ほどの短いコース。

 

 

筏はゴール地点からトラックに乗せて運ばれてきます。

それなりの数の筏が溜まらないと上流まで戻ってこないので、

タイミングが悪いと結構待たされることになります。

 

 

準備が整ったら一斉に出発、河一面に筏が浮かびます。

筏下りといっても急流下りではないので、ずぶ濡れになるような心配はありません。

 

 

船頭さんが長い竹の棒で川底をかいて筏を操ります。

筏から眺める岩山と水は、漓江観光船で見る景色とは違って目の前に迫ってきます。

 

 

川を渡るためなのか、治水なのか観光用なのか分かりませんが所々に堰があります。

船頭さんがうまく筏をコントロールしてちょうど一艘通れるぐらいの隙間を抜けます。

 

 

筏下りのゴールは工農橋。

橋やその周辺は人気の撮影スポットで、橋から見える岩山や遇龍河の風景を写真に収める人も多いです。

 

 

カルスト地形の桂林周辺には大きな鍾乳洞がいくつもあります。

筏下りを楽しんだ後は、最大級の鍾乳洞とされる銀子岩へ。

 

 

銀子岩が発見されたのは近年のことらしく、

一般に公開されるようになったのは1999年からのようです。

 

 

なぜ鍾乳洞の入り口にお金が。。と思っていたら、

銀子岩を訪れた人は永遠にお金に困ることがないということわざがあるそうです。

 

 

鍾乳洞の主洞部分の全長は約10kmで12の峰の地下を貫通しており、

下洞、大厅、上洞の三層の構造になっています。

 

 

大きな鍾乳洞には見所がたくさんあります。

中でも”三絶”と”三宝”と呼ばれる鍾乳石は必ず観光案内でも紹介されています。

 

 

三絶は音楽石屏、広寒深宮、雪山飛瀑の3つの絶景。

三宝は佛祖論経、混元真珠傘、独柱擎天の3つの宝です。

 

 

現在公開されている部分は全長2kmほどの遊歩道になっています。

洞内の気温と外気温はさほど変わらない感じでした。

 

 

頭の上から足の下まで全てが鍾乳石の芸術。

三層になっているので、上から見下ろしたり下から見上げたり。

 

 

中国らしい?原色のライトアップもあったりしますが、

実物は写真よりもずっと綺麗で迫力があります。

 

 

遇龍河の水は清らかで緑も多く、筏下りではのんびりと景色を楽しむことができました。

日差しが強い日でも筏には日よけの傘があるので大丈夫。

銀子岩の鍾乳洞を流れる川の水もとても綺麗で魚もいるようです。

岩山から洞窟までカルスト地形を十二分に味わった1日でした。

 

 

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