中国でのいろいろ

中国での生活、出来事をぼちぼち綴っていければと思っています。

雲南省 シャングリラ(香格里拉) 普達措国家公園の属都湖

2021-06-24 00:06:24 | <雲南省>

シャングリラ(香格里拉)にある、普達措国家公園は、

2007年に開園した、中国で初めて国家公園に指定された公園です。

 

 

シャングリラの市街地から東に20kmほど離れた場所にあり、

世界自然遺産の三江併流地域に含まれています。

 

 

普達措の”普達”は梵語の音訳で、”船”の意味、

“措”はチベット語の“湖、海”を表す言葉で、合わせて「舟の湖」の意味だそうです。

 

 

公園の主な見どころは、属都湖、草原観景台、碧塔海などがありますが、

2017年9月から碧塔海と弥里塘亜高山牧場は観光客の立ち入りが禁止されていると聞いています。

 

 

公園の入り口から専用バスに乗り換えて属都湖へ向かいます。

途中にはヤクの放牧地もありますので、緑の季節になると移動中の景色ももっと楽しめそうです。

 

 

バスでの移動時間は30分ほど、バスを降りると湖に向かう木道が続いています。

この辺りの標高は3500mちょっと、無理せずゆっくり歩きます。

普達措国家公園には珍しい高山植物や、

オグロヅル、オオヤマネコ、ウンピョウなどの希少動物も生息しています。

 

 

属都とは、チベット語でチーズが石のように硬くて頑丈という意味です。

湖畔にある牧場で、托鉢に訪れた僧侶に美味しい硬いチーズを捧げたことから、

属都湖と名付けられたという伝説があるそうです。

 

 

属都湖の遊歩道に沿って歩いて景色を楽しむ方法と、

船に乗って湖上から景色を楽しむ方法が選べます。

 

 

木道を歩くだけだと湖全体を見渡すことが難しいので船に乗ってみました。

乗客も少ないのでほぼ貸切状態、ちょっと寒かったので展望デッキに出る人もなく。

 

 

天気はいまいちでしたが、遠くに高い雪山も見えます。

白馬雪山(5640m)か梅里雪山(6740m)でしょうか、間違っていたらごめんなさい。。

この日は氷の粒がパラパラと空から落ちてきました。

 

 

湖には属都裂腹魚という金色で腹部にひびが入ってるコイ科の魚が、

また碧塔海には碧塔重唇魚という氷河期から生息している考えられている珍しい魚がいます。

 

 

どちらの魚も非常に美味しいそうですが、

チベット族にとって湖は神聖な場所、宗教上の理由で魚を食べません。

 

 

属都湖の出水口にあたる当曲卡。

当曲卡は、”棒で魚を打つ場所”という意味で、

木の棒で水面を叩くだけで魚が取れるほど魚が多く生息しいるそうです。

 

 

湖の周りは原始林に覆われています。

標高3500mラインにはツツジや高山柳(杯腺柳)という中国固有種の柳の木が、

3500m~3700mには、日本でも建材としてよく使われるマツ科のスプルースや白樺、

3700mを越える場所にはもみの木の林になっています。

 

 

4月~5月は麗江に行く航空券もシャングリラへのツアー料金かなり安いです。

安いということは。。やっぱり高地の新緑を楽しむには季節がちょっと早すぎました。

でも本当に人が少ないので景色は余裕で独り占めできますが。。

 

 

訪れた時にはシャングリラから普達措国家公園に向かう道路、東環線が大工事中で、

未舗装のでこぼこ道を進むため到着まで結構時間がかかりました。

5月にはまだ新緑はありませんでしたが、普達措国家公園の景色が美しくなるのは下界の夏、

ちょうど今頃から最も綺麗な高原の景色が楽しめると思います。

冬には雪山と湖の美しいコントラストが楽しめるそうです。

 

 

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雲南省 シャングリラ(香格里拉) 独克宗古城

2021-06-17 00:06:17 | <雲南省>

シャングリラ(香格里拉)は、標高3200mの高地にあるチベット族の街で、

雲南省北西部にある迪慶蔵族自治州(デチェン・チベット族自治州)の中心都市になります。

 

 

元々の地名は中甸でした。

シャングリラとはイギリスの作家ジェームス・ヒルトンの小説「失われた地平線」に登場する理想郷の名前で、

このモデルになった街だということで、2001年に改名されました。

 

 

独克宗古城は1300年以上の歴史があります。

つい最近までは、古い建物が多く残るチベット族最大の民家群がありました。

 

 

残念なことに2014年の1月、独克宗古城は大火災に見舞われ、

歴史のある古い建物のうち、3分の2にあたる300棟近い建物が焼失してしまいました。

 

 

幸い亀山の上にあるチベット仏教寺院の大佛寺は火災を免れたようで、

こちらにある世界最大級の巨大な黄金色マニ車は健在です。

 

 

また、亀山の周辺もかろうじて消失を免れたようですが、

古城にある建物の多くは火災の後に新しく再建されたものです。

 

 

マニ車とは円柱形の仏具で中には経文が入っています。

回すと経文を読んだことになるそうで、文字が読めなくても同等の功徳が得られるそうです。

手で回す小さなものが一般的ですが、寺院などには高さや直径が数mあるような大きなマニ車があります。

 

 

大佛寺の巨大マニ車は誰でも自由に回すことができます。

できると言っても数人程度では回りませんので、みなさんで力を合わせて回します。

 

 

デチェン・チベット族自治州博物館や紅軍長征博物館などがある月光広場、

昔の観光案内を見ると、多くの観光客で賑わっていて云々と書かれていましたが、

私が行った時はどこにでもありそうな静かな普通の感じの広場でした。

 

 

亀山からは古城や新しい市街地を一望することができます。

おそらくこちらが焼け残った方向なのでしょうか、まだ古い建物も残っているように見えます。

 

 

今では歴史的価値がほとんどなくなっているせいなのか観光客は少ないです。

古城の路地に人影はほとんどありませんでした。

 

 

時間があまりなく、月光広場や亀山の周辺だけを歩いたのですが、

あまりにも人が少なくて路地を進むのをちょっとためらうぐらい。。

 

 

散歩した時刻は17時~18時ごろ、とても静かです。

時間帯もあるのでしょうか、観光客の多い夏場はもっと人通りも多いのでしょうか。

 

 

シャングリラのある地域は、現在では雲南省の中にありますが、

昔はここもチベットの一部で、茶馬古道の要衝として古くから栄えていました。

 

 

いつもこんなに静かなのであれば、歴史的価値は少なくなったとは言え、

ここで暮らしている人達は昔から変わらないチベットの人達ですし、

今となっては、独克宗古城はシャングリラの穴場の観光地とも言えそうです。

 

 

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雲南省 麗江 麗江千古情

2021-06-10 00:06:10 | <雲南省>

麗江千古情景区(宋城茶馬古城園)にある屋内劇場では、

麗江千古情、麗江恋歌などの歌劇や大地震という参加体験型の劇などが楽しめます。

 

 

今回、見たのは麗江千古情という、納西(ナシ)族の歌劇。

玉龍雪山景区の印象麗江は10の少数民族が出演していましたが、

こちらはナシ族のみに特化した劇です。

 

 

麗江千古情の上演時刻は夕方と夜の2回、季節や繁忙期などで時間帯や回数も変わると思います。

日本の映画館でも使われているIMAX、IMAX3Dシステムが導入されており、

美しく迫力のある映像・音響と歌や踊りを組み合わせた舞台が売り物になっています。

 

 

園内には大型劇場の他にも小さな庭園やアトラクション、土産物屋などが並んでいますので、

上演開始まで時間があっても園内で時間がつぶせます。

 

 

写真だと小さくて分かりにくいですが、案内標識にはトンパ文字があったりします。

麗江千古情はナシ族について調べてみるきっかけになりました。

 

 

劇は、序章、第1~4幕、エンディングの構成になっています。

序章は納西(ナシ)創世記。

現在、中国の西南部に住んでいるナシ族、イ族、リス族、ハニ族などの民族の祖先は、

かつて中国の西北部で遊牧生活を営んでいた羌(きょう)人と呼ばれる人々であるとされています。

 

 

中国には55の少数民族がありますが、この数は管理のための分類であって、

実際にはもっと細かく分かれていることも知りました。

このような更に細かい区分のことを支系というそうです。

ナシ族の中でも、ナシ、モソ、マリマサ、ラゼというように分かれています。

 

 

第一幕は瀘沽女儿国(ルーグーの女性の国)。

モソの人々が多く住んでいる地域は雲貴高原にある瀘沽湖周辺です。

モソは母系社会、一族の長は最年長の女性で男性には相続権もありません。

 

 

世界的に珍しい一妻多夫制度が今でも続いています。

結婚という言葉はなく、男性は女性の元へ通う妻問い婚か、女性側の家に住みます。

 

 

第2幕の馬幇伝奇(キャラバンの伝説)と第3幕の古道今風は、

共に南シルクロードとも呼ばれる茶馬古道が題材になっています。

 

 

劇の中では、王朝の命を受け茶馬古道を通って物資を運搬するものの、

途中で盗賊に襲われて荷物を奪われたり、命を落としたりと容易な交易ではなかったことや、

茶馬古道の主要な中継拠点や集積地であった麗江では、様々な少数民族や外国との間で、

歌や踊りなどの文化交流も行われてきたことが表現されています。

 

 

第4幕の玉龍第三国は、ナシの人達の風習です。

ナシはモソとは違い、古くから漢民族の文化の影響を受け暮らしに取り入れてきました。

明代には麗江の土司制度が始まっており、王朝から任命されたナシ族の領主が自治を行っていました。

劇の中ではナシの若者が親が決めた結婚相手以外の人と恋に落ち、

親の許しが得られないことから死を選ぶという悲しいお話になっています。

このような話は中国では実際に起こっています。

さすがに今の時代ではほとんどありませんが、中国の時代劇ドラマでは同じようなシーンが出てきます。

 

 

エンディングは、尋找香巴拉(シャンバラを探して)です。

シャンバラとは、チベットの奥地に存在するとされている伝説上の仏教王国です。

ナシ族は、チベット仏教や文化の影響も受けており、

黒茶と塩、ヤクの乳から作ったバター茶もよく飲まれています。

 

 

近年、中国では観光地ごとに地域密着型の劇などで観光客を呼び込むような事業が流行りです。

 

 

どこで見てもどれも同じような感じで、もう飽きられているという話もありますが、

運よく?今まで見た劇はそれぞれ違う趣向です。

麗江で見た、印象麗江と麗江千古情は全く違う演出や内容なのでどちらも楽しめました。

 

※観光地で見る劇の過去記事※

雲南省 麗江 藍月谷と印象麗江

四川省 峨眉山 只有峨眉山

湖南省 張家界 武陵日の出と魅力湘西大劇院

 

 

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雲南省 麗江 麗江古城

2021-06-03 00:06:03 | <雲南省>

玉龍雪山の麓、平均標高2400mの高原地帯にある麗江の街は、

宋代に少数民族の納西(ナシ)族によって築かれました。

 

 

1997年に世界文化遺産に登録された麗江古城は麗江の旧市街にあたる場所です。

深夜までライトアップされており、昼も夜も観光客で賑わっています。

 

 

古城と呼ばれるだけあって、江南の水郷古鎮とは比べ物にならないぐらいとにかく大きな街。

迷路のように入り組んだ石畳の路地があちこちに続いていて迷子になりそうです。

 

 

麗江古城の中心にある四方街では夜になると篝火がたかれます。

民族衣装を着たナシ族の人達の踊りには観光客も一緒になって輪に加われます。

 

 

四方街や広い通りには人が多いですが、

細い路地の中に入っていくと観光客の姿も少なくなります。

 

 

どの道を通ってもとにかくいろんな店が軒を連ねています。

貴金属から嗜好品、日用雑貨までここに来れば何でも売っているという感じです。

レストランや小吃、バーなどの飲食店も数限りなく。

 

 

麗江は南のシルクロードとも呼ばれる、茶馬古道という国際交易ルートの要所のひとつでした。

茶馬古道を使った交易は唐代ごろに始まり、明清代には大いに栄えました。

 

 

中国からはお茶や塩、砂糖などが送られ、チベットやインドからは馬やヤク、羊、漢方薬などが運ばれました。

英国など欧州で生産された品物もこのルートで運ばれていたそうです。

 

 

近年になって道路が整備されるまで、茶馬古道を使った物資の輸送が行われていました。

残念ながら現在ではもう道は朽ち果てて本物の茶馬古道を辿ることはできなくなっています。

 

 

麗江はナシ族によって築かれた街ですが、漢族、白族やチベット族など、

各民族の特色がある建物も古城には残っています。

 

 

また漢民族の仏教や道教、チベット仏教、ナシ族のトンパ教などの宗教も混在しています。

ナシ族には東巴(トンパ)文字という絵文字のような独自の象形文字もあります。

トンパ文字は生きた象形文字とも呼ばれ2003年に世界の記憶(世界記憶遺産)に登録されました。

 

 

街の中を流れる川や水路の源流は玉龍雪山の氷河。

澄んだとてもきれいな水が流れています。

 

 

2005年放送のNHK世界ふれあい街歩きでも紹介されたことがある麗江古城。

コロナさえなければ今でもきっと日本から多くの観光客が訪れていたはずです。

 

 

今回の旅は雲南の自然と、茶馬古道の要所である麗江、大理、シャングリラなどの

古い町並みを楽しもうと思って出かけてきました。

麗江古城もすっかり観光地化されて昔とはずいぶん雰囲気も変わってしまっているのでしょうが、

想像していたよりずっと規模が大きく、街歩きを十分楽しめる場所でした。

 

 

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