手紙

20年位前に買った
花柄の
縦書きの
便箋を使って
手紙を書いた

夜ではなく
朝から手紙を書こうなんて
まるでゆとりのある生活みたい
しかも
パソコンでなく

滅多に使わない万年筆を
ここぞとばかりに取り出すと
インクが乾いて使い物にならない

文字を書くのは嫌いな方ではないと
思っていたけれども

いやいや

久しぶりの
懐かしい感覚で

なんたって
せーので書き始めたら
消したり言葉を入れ替えたり
できないんだからさ

右手の
小指の側面で
インクを引きずって汚しながらね

それでも
感謝の気持ちをななんとか便せん3枚に書ききって
読み直しもせず
封をして
切っても貼った

これが
相手の手元に届く
不思議

無事に届きますように
さて
ポストに行ってくる

または

カエルみたいにすいすい泳ぎたいけれど
下手な犬かきにしかならない毎日
無駄にじたばた

胃が重苦しい
どこか別の世界に行って
少し休みたい

または
かんきつ類の何かが食べたい

または
次こそ双葉さんのライブに行きたい

または
誰かにあかんべーと言ってやりたい

チューリップとガーベラ

胃がしくしく痛いから
春はすぐそこ

お別れの季節は
嫌いなんだよう

みんな遠くに行かないでよう

＊＊＊

わがままばかり言ってごめんなさい

みかんとピーナッツ

きっと音楽を欲している
さらさらと
停滞しているものを浄化してくれる刺激が欲しくて
何か聴きたいのに
何が聴きたいかわからない

迷子だ

それとも
ただただ鈍ったのか
自分の好きなものを聴き分ける直感が

ライブという
浄化装置がないので
血管がつまっちゃったみたいに
もやっとしていて
何を聴いたらいいかわからない
誰かに
これいいから聴いてみて
とも
言われないから
きっかけもないし
うーんと考えても
わからない
聴き始めて
気分に合わなかったりしたら嫌だなと思うと
おいそれと選べない
いっそＣＤをすべて処分してみようか
また聴きたいと思ったものから
そろえてみようか

でも
そんな思い切りのよい人間ではなかった

仕方がないので
テレビつけたりして
テレビは疲れるから消したりして

みかん食べたり
ピーナッツ食べたりしている