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国語のおさらい:お好きな方を

2022-04-28 06:29:49 | 日記
二者択一

 毎週木曜日は国語をおさらいしています。
今週はよく似た言葉の違いをおさらいします。
取り上げるのは「選りすぐると選りすぐる」です。
 漢字で書こうとしたら、あらら、どちらも同じ文字に変換されてしまいました。
書きたかったのは「えりすぐるとよりすぐる」です。

 先ずは辞書で意味の確認から。
<えりすぐる:特にいいものだけを選び出す。よりすぐる。>と解説されていました。
一方の<よりすぐる:えりすぐる>、こちらは簡素というか味気ないというか、
ひと言えりすぐると同じとだけでした。
 漢字表記も一緒だし、意味も同じ。
だったらどちらかひとつあれば良さそうに思えますが。
その辺りの事情を探ってみました。

今週の結論 

 <よりすぐる:良いと思って選んだものの中から更に良いものだけを抜き
出して選んだ、の意味。
つまり多くの選択肢がある中から、厳選してこれぞと思うものを取り上げたと
いうこと。
 言葉自体は「選る」と「すぐる」に分けられる。
すぐるは多くのものの中から特に優れたものを選び出すの意。
優秀であることを表している。
漢字表記は「選りすぐる」で「えりすぐる」と同じになるが、どちらで読んでも
間違いでは無い。>(MINE より)
 最後は簡単に結論付けられてしまいましたが、どうしてふたつが並立しているか
が不明のままです。
 <「選り」は「えり」とも「より」とも読める。
「えり」が先だったとの説がある。
逆に「より」を先とする説もあり、結論は出されていない。>(ochewy より)
あらら、肝心の結論がぼやけたままで終わりになってしまいました。

 この言い回しには他にも似た表現が幾つもあります。
たとえば、「えりぬきとよりぬき」、こちらも辞書で確認すると意味も漢字も
同じです。
 <えりぬき:(多くのものの中から、目的に合うものとして)選んで抜くこと。>
<よりぬき:えりぬき、選り抜くこと。>(新明解国語辞典 より)
 数多ある「えり」と「より」の似た表現の中で、感覚的には片方に馴染みを
強く感じる表現もあります。
 たとえば「選りに選って」、「えりにえって」も「よりによって」もどちらも
辞書に載ってはいますが、しっくりくるのは後者です。
「選り取りみどり」も「より」の読みが定着しています。
 前出した「選り抜き」は私の感覚では「えりぬき」の方がしっくりとくる響きです。
そうなると「えりすぐるとよりすぐる」、どちらを使うかは当人の好み次第なの
かもしれません。
 今週のおさらいの結論は「えりすぐる」も「よりすぐる」もどちらも全く一緒。
使い分けの法則は無いので気分のままに「えり好み」か「より好み」してください。

コメント
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