大いなる使命感
定年まで仕事一筋、他の事には一切関心を持たずに来た知人のNさん。
特に生き物や植物が苦手で、常識的な基礎知識にさえ欠けると仰います。
その反動で植物教室に通い始め、色々な事を学ばれたそうです。
元来のまじめさと人並外れた責任感、そこに教室で学んだ知識を加えた結果、
ちょっと面倒なオヤジになってしまいました。
毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週は、 キク科 ハルシャギク属 オオキンケイギク です。
想像するに植物教室の講師の方は、外来種の脅威を相当強調されてお話になった
のでしょう。
と言うのも、Nさんが尋常で無い情熱を外来種撲滅に向け始めたからです。
その戦い振りはまるで親の敵に挑むかの如くです。
ブタクサ、ハルジオンは当たり前、ブタナにヨウシュヤマゴボウと次から次に
新たな標的を定めて襲い掛かります。
と言ってもご自宅はマンションなので、戦場はもっぱら人様の土地。
散策途中の公園に生えていればそこを管理する方に、家庭菜園で見つければ
農作業中の方に声を掛けます。
「これは害になる植物なので即刻引き抜くべきです。」と。
そんなNさんが最近目の敵にし始めたのがこの草です。
大きなお世話
オオキンケイギクは繁殖力の強さを買われて、緑化利用の目的で1880年代
に北アメリカから持ち込まれました。
30~40cmに伸びた茎の先端に、コスモスに似た黄色の花を咲かせます。
花の時期は5月頃から7月くらい、中には八重に咲く物まであります。
様々に改良され観賞用としても人気が高く、少し前までは園芸種として普通に
流通もしていました。
ところが元気過ぎるのがあだとなり、侵略的外来種に指定されてしまいました。
長野県では南箕輪村で、群落を作って在来の一年草を駆逐しています。
天竜川流域ではニガナ・レンゲ・ナデシコ等の固有種の数を激減させています。
(日本の外来種対策 より)
一昨年頃から長野市でも見かける機会が増えました。
とある老人ホームの前を歩いていたNさん、色とりどりの花が植わったプランター
に目が止まりました。
あろう事か、そこにはにっくきオオキンケイギクが咲き乱れています。
すかさずNさんはホームに飛び込みました。
目の敵にされるオオキンケイギクはいい迷惑です。
無理やり太平洋を渡らされ、チヤホヤされた挙句に今では指名手配の身。
生き物の本能で子孫繁栄を一生懸命やっているだけです、と言いたくもなるでしょう。
迷惑と言えばいきなりの闖入者に「あの花を撤去しなさい。」と言われた職員こそ
いい迷惑。
好きで植えた花を引き抜けと大きなお世話をやかれて、ありがた過ぎる迷惑を
こうむりました。
定年まで仕事一筋、他の事には一切関心を持たずに来た知人のNさん。
特に生き物や植物が苦手で、常識的な基礎知識にさえ欠けると仰います。
その反動で植物教室に通い始め、色々な事を学ばれたそうです。
元来のまじめさと人並外れた責任感、そこに教室で学んだ知識を加えた結果、
ちょっと面倒なオヤジになってしまいました。
毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週は、 キク科 ハルシャギク属 オオキンケイギク です。
想像するに植物教室の講師の方は、外来種の脅威を相当強調されてお話になった
のでしょう。
と言うのも、Nさんが尋常で無い情熱を外来種撲滅に向け始めたからです。
その戦い振りはまるで親の敵に挑むかの如くです。
ブタクサ、ハルジオンは当たり前、ブタナにヨウシュヤマゴボウと次から次に
新たな標的を定めて襲い掛かります。
と言ってもご自宅はマンションなので、戦場はもっぱら人様の土地。
散策途中の公園に生えていればそこを管理する方に、家庭菜園で見つければ
農作業中の方に声を掛けます。
「これは害になる植物なので即刻引き抜くべきです。」と。
そんなNさんが最近目の敵にし始めたのがこの草です。
大きなお世話
オオキンケイギクは繁殖力の強さを買われて、緑化利用の目的で1880年代
に北アメリカから持ち込まれました。
30~40cmに伸びた茎の先端に、コスモスに似た黄色の花を咲かせます。
花の時期は5月頃から7月くらい、中には八重に咲く物まであります。
様々に改良され観賞用としても人気が高く、少し前までは園芸種として普通に
流通もしていました。
ところが元気過ぎるのがあだとなり、侵略的外来種に指定されてしまいました。
長野県では南箕輪村で、群落を作って在来の一年草を駆逐しています。
天竜川流域ではニガナ・レンゲ・ナデシコ等の固有種の数を激減させています。
(日本の外来種対策 より)
一昨年頃から長野市でも見かける機会が増えました。
とある老人ホームの前を歩いていたNさん、色とりどりの花が植わったプランター
に目が止まりました。
あろう事か、そこにはにっくきオオキンケイギクが咲き乱れています。
すかさずNさんはホームに飛び込みました。
目の敵にされるオオキンケイギクはいい迷惑です。
無理やり太平洋を渡らされ、チヤホヤされた挙句に今では指名手配の身。
生き物の本能で子孫繁栄を一生懸命やっているだけです、と言いたくもなるでしょう。
迷惑と言えばいきなりの闖入者に「あの花を撤去しなさい。」と言われた職員こそ
いい迷惑。
好きで植えた花を引き抜けと大きなお世話をやかれて、ありがた過ぎる迷惑を
こうむりました。