あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

外来種より厄介なオヤジ

2017-11-07 06:25:11 | 日記
大いなる使命感

 定年まで仕事一筋、他の事には一切関心を持たずに来た知人のNさん。
特に生き物や植物が苦手で、常識的な基礎知識にさえ欠けると仰います。
その反動で植物教室に通い始め、色々な事を学ばれたそうです。
 元来のまじめさと人並外れた責任感、そこに教室で学んだ知識を加えた結果、
ちょっと面倒なオヤジになってしまいました。

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週は、 キク科 ハルシャギク属 オオキンケイギク です。

 想像するに植物教室の講師の方は、外来種の脅威を相当強調されてお話になった
のでしょう。
と言うのも、Nさんが尋常で無い情熱を外来種撲滅に向け始めたからです。
その戦い振りはまるで親の敵に挑むかの如くです。
 ブタクサ、ハルジオンは当たり前、ブタナにヨウシュヤマゴボウと次から次に
新たな標的を定めて襲い掛かります。
 と言ってもご自宅はマンションなので、戦場はもっぱら人様の土地。
散策途中の公園に生えていればそこを管理する方に、家庭菜園で見つければ
農作業中の方に声を掛けます。
「これは害になる植物なので即刻引き抜くべきです。」と。
 そんなNさんが最近目の敵にし始めたのがこの草です。

大きなお世話

 オオキンケイギクは繁殖力の強さを買われて、緑化利用の目的で1880年代
に北アメリカから持ち込まれました。
30~40cmに伸びた茎の先端に、コスモスに似た黄色の花を咲かせます。
花の時期は5月頃から7月くらい、中には八重に咲く物まであります。
 様々に改良され観賞用としても人気が高く、少し前までは園芸種として普通に
流通もしていました。
ところが元気過ぎるのがあだとなり、侵略的外来種に指定されてしまいました。
 長野県では南箕輪村で、群落を作って在来の一年草を駆逐しています。
天竜川流域ではニガナ・レンゲ・ナデシコ等の固有種の数を激減させています。
(日本の外来種対策 より)
一昨年頃から長野市でも見かける機会が増えました。

 とある老人ホームの前を歩いていたNさん、色とりどりの花が植わったプランター
に目が止まりました。
あろう事か、そこにはにっくきオオキンケイギクが咲き乱れています。
すかさずNさんはホームに飛び込みました。
 目の敵にされるオオキンケイギクはいい迷惑です。
無理やり太平洋を渡らされ、チヤホヤされた挙句に今では指名手配の身。
生き物の本能で子孫繁栄を一生懸命やっているだけです、と言いたくもなるでしょう。
 迷惑と言えばいきなりの闖入者に「あの花を撤去しなさい。」と言われた職員こそ
いい迷惑。
好きで植えた花を引き抜けと大きなお世話をやかれて、ありがた過ぎる迷惑を
こうむりました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする