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信濃の国を学ぶ 第9回諏訪湖

2017-11-02 06:25:16 | 日記
自転車は南に

 振り返れば、高校の頃って人生で一番無駄に体力があった時期です。
自転車があればどこまでも走れたので、海を見たいと思った4時間後には
日本海を眺めていました。
 ある日長野県の南の端まで自転車で行けるかな、そう思ったらいても
たってもいられず準備の無いまま翌週にはペダルをこいでいました。

 毎週木曜日は知ってそうで知らない信州の名所や名産を、信濃の国の歌詞
に沿っておさらいしています。
今週は「長野県のど真ん中、諏訪湖」です。

 信濃の国の3番は県内の産業を取り上げています。
木曽のヒノキに続いて出てくるのは「諏訪の湖(うみ)には魚多し」です。
 諏訪の湖とは言わずと知れた諏訪湖です。
県内では最大の広さを誇りますが、全国的にはそれ程でも無く第7回で書いた
様に順位は23番目です。
 今日はその諏訪湖のある方角に自転車をこぎ出した、16歳の夏の思い出話
にお付き合い下さい。

常識は無く

 夏休みに入ると同時に出発しました。
地図や装備などの準備は全然していませんが、前の週に試験走行だけは
地味に実施。
朝4時に長野市を出発し19号線をひた走り、8時前には明科の駅前に到着。
これなら何とかなるゾと、根拠の無い自信を胸に抱きました。
 当時流行りのドロップハンドルの愛車「鉄人30号」にまたがりいざ出発です。
明科には前の週よりも少し早く着き、松本を抜け塩尻を通り過ぎてもそれ程
疲れを感じません。
辰野を越えて伊那に入り、しかし目的地の飯田はまだまだ先。
 駒ケ根辺りですれちがった自転車に手を振ると、完全に無視されました。
サイクリング仲間は挨拶を交わすのが掟です。
ヒドイ奴だと少し腹を立てながらよくよく見れば、流行のサイクリング車に
乗ってはいるけれど恐らく買い物の途中らしい様子。
振り上げた手を慌てて引っ込めました。

 さすがに飯田に近づいた頃には結構な疲れがたまっていました。
ところが飯田の街は極端に坂の多い所。
真夏の暑さの中いくつもの坂道と格闘し、その上更に峠に向かって登り坂を
20km。
 夜の8時に漸く目的地の祖父の家に着きました。
そこでひと月を過ごして、帰路は木曽路を抜けて塩尻の親せき宅で一泊、
そして長野市に戻りました。
 休みが終わり何時もの高校通いが始まった時にふと思いました。
「あれ、諏訪湖ってどこにあったんだろ?」
 長野市を南下すれば自然に諏訪湖にぶつかると思い込んでいましたが、実際
には塩尻から東に向かわなくてはなりません。
そんな常識さえ無いのに、体力だけは有り余る程ありました。
 諏訪湖の名前を見る度に思い出す情けない話です。
コメント
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