赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

都議選で岐路に立つ自民党 コラム(227)

2017-06-16 09:22:57 | 政治見解




コラム(227): 都議選で岐路に立つ自民党



自民党都議サイドからのメール

当ブログで『都議会議員選挙の情勢』について発表したところ、名前こそ出しませんが複数の現職の自民党都議陣営より、当ブログに対するご意見を頂戴いたしました。その中の何通かには、建設的な意見が無く、自己弁護や小池批判に満ちているものばかりでした。

批判の内容は、小池都知事に対する罵詈雑言が並び、都政をどうする、都民のためにこのように働くという精神は無く、まことに残念なものでした。

都政のことよりも、自分の立場を守ることに汲々として、何が何でも今の地位を守りたいという悲壮感が漂っていました。


自民党の選挙戦略ミス


都議会議員選挙の基本的な構図は、小池都知事率いる都民ファーストの会と既得権益を守ろうとする自民党都連の対決にあります。このままで都議選が進んで行った場合、自民党都連は都知事選の例を見るまでもなく一方的な敗北を喫することは明らかです。

そこで、自民党都連は、自民党本部に協力を要請し「自民党vs小池」の図式を演出しました。

本来、自民党本部は地方議会には深く介入しないのが通例です。例えば、2015年の大阪のダブル選挙で、自民党大阪府連と維新の戦いになったとき、こともあろう共産党と手を組んだ自民党大阪府連に対し党本部は介入しませんでした。

しかし、今回、自民党本部が都議選に介入しているのは、最大勢力である自民党都連に配慮しなければならないからです。


候補者を選択するのが選挙の本質

自民党はメディアや評論家を使って反小池キャンペーンを繰り広げているのですが、思ったほどの効果はありません。むしろ、有権者の自民党に対する嫌悪感が増幅してしまったようです。

投票所に足を運ぶ有権者の大半は、自民党であろうがなかろうが、候補者の人となりを見て投票します。そのため口汚く小池都知事を批判する人たちを選択しないのです。

有権者は、清々しい心持ちで都民のための政治をする意欲のある候補者に共感するのは当然のことなのです。

有権者が投票行動を起すとき、選択は立候補者個人に対して行う確率が高く、必ずしも政党に対して行うものではありません。自民党も、評論家も、メディアもこうした基本的な事実を見誤っています。


自民党本部は決断の時

都議選の結果、利権体質の自民党都連を擁護した自民党本部は決定的なダメージを受けます。

安倍総理が「日本を取り戻す」として戦後日本のしがらみを取り払おうとする流れに逆行し、自民党都連の「古い利権体質を取り戻そう」とする動きに、大多数の都民が反発しています。

自民党は都議選の敗北をきっかけに、国政選挙でも地盤沈下が始まるのではないかと思います。

これを打開する方策はただひとつ、獅子身中の虫となった自民党都連を自らの手で浄化すること以外にありません。自民党が国民の幸福のための政治を推進する政党で、既得権益を守るための存在ではないことを証明することです。

今回の都議選は、自民党という政党が終わりの始まりを迎えるのか、あるいは真の国民保守政党として生まれ変わるのかのターニングポイントになるのではないでしょうか。







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