イケメン王宮のイベント、「Loss of memory-忘れたくない君との約束-」
真実の愛ルート、アラン編のスウィートエンドです
第二話からのつづきです
以下ネタバレです
----------------------
(もしかして、12時ちょうどって・・・)
拾い上げたネックレスを見つめると、ぼんやりと頭に浮かんでくる。
(なんだろう・・・・・・)
必死に辿ろうとするも、やがて私はふっと息をついた。
(ダメだ・・・思い出せない)
するとユーリの明るい声がする。
ユーリ「こんなところにいた、カレン様」
「ユーリ」
見上げると、ユーリがにっこりと笑う。
ユーリ「次の公務に行こう、カレン様」
一方アランは厩舎を後にすると、ジルに呼ばれて執務室に来ていた。
ジル「どうやらプリンセスの記憶がないのは、あなたの事だけのようですね」
アラン「・・・・・・・・・」
何も言わずにただ話を聞くアランに、ジルが息をつく。
ジル「公務に支障はないようですが・・・」
ジル「プリンセスにあなたの記憶がない事を、伝えなくていいのですか?」
話を聞いていたアランが視線を上げ、ジルを見据える。
アラン「言ってどうにかなるのかよ」
アラン「・・・戻らなかったら、あいつが苦しむだけだろ」
やがて公務を終えた私は、廊下を歩いていた。
するとアランが執務室から出てくるのが見えて・・・。
アラン「・・・・・・・・・」
「アラン・・・?」
名前を呼んで近づくと、アランが振り向く。
アラン「・・・・・・・・・」
(騎士の人が執務室にいるなんて、珍しい)
「何かあったんですか?」
アランは尋ねる私を見下ろすと、ふっと笑みをこぼした。
アラン「ああ。ちょっとな」
そして私の胸元にあるネックレスに触れる。
「アラン・・・?」
不思議に思って見る私をよそに、アランはネックレスをじっと見ると、
時計の裏側を開いてねじを回した。
アラン「これで動くだろ」
「え?」
私はアランからネックレスを受け取ると、厩舎でのことを思い出す。
(時計の針が止まっている事を言ったから直してくれたんだ)
「ありがとうございます」
お礼を口にすると、アランがぽんぽんと私の頭に手を置く。
アラン「じゃあな」
そうしてアランが私の横を通り過ぎていくと、時計の針がカチカチと音を立てる。
(本当だ・・・動き始めた)
頬を綻ばせるとその音に合わせて、私の鼓動がうるさいほどに音を立てる。
(あれ・・・・・・)
私の耳に、アランの足音と時計の針と鼓動の音が入り混じる。
(もしかして、私・・・・・・)
その瞬間・・・―。
「待って、アランっ・・・・・・」
ネックレスを握りしめると、私はアランを呼びとめていた。
すると、アランの足音が止まる。
アラン「・・・・・・・・・」
私は振り返りアランに近づくと、ゆっくりとまつげをあげた。
「私・・・何か大事なことを忘れているような気がする」
(それも、アランのことのような・・・)
私は思っている言葉を口にすると、何かを思いだそうとしている心の声を確かめるように、
そっとアランの頬に触れる。
アラン「・・・・・・・・・・・・」
アランは僅かに目を細めると、自分の頬に触れる私の手を引いた。
アラン「お前・・・・・・」
アランの唇が私の唇に重なる。
「・・・っ・・・・・・」
驚いて身を引こうとするも、アランに身体を引きよせられる。
「んっ・・・・・・」
深く優しく重ねられる口づけに私の心が揺れる。
(どうしてだろう・・・抵抗できない・・・)
(それよりも・・・)
目を閉じても、アランの姿が浮かぶ。
アラン「・・・・・・・・・」
(もっと触れていたい)
思っていると、そっと唇が離れた。
目を開けると、アランが微かに眉を寄せた。
アラン「・・・・・・・・・」
やがて私の肩口に頭をもたれると、息をつく。
アラン「・・・何で抵抗しねーんだよ」
(自分でも分からない・・・・・・)
(はっきりと言葉には出来ないけど・・・)
「それは・・・・・・」
答えようと口を開いた、その時・・・。
(あっ・・・・・・)
私の心にはっきりとアランの姿が浮かぶ。
アラン「黙って守られとけ」
アラン「お前、本当に・・・」
(そうだ、私はずっと・・・・・・)
私は瞳をはっとさせると、小さくつぶやいた。
「アランの事が好きだから・・・」
するとアランが顔を上げて、私を見る。
見つめ返すと、私の瞳に涙が溢れてきた。
(やっと思い出せた・・・私はアランの事が好きなんだ)
(それなのに、他人みたいに接して・・・)
溢れる涙が、目尻から頬へと伝っていく。
(アランの事を傷つけてしまった)
「ごめんなさい・・・アラン・・・」
アラン「お前・・・・・・」
アランは目を見開くと、ぐっと私の身体を抱きしめた。
アラン「・・・ったく。心配させてんじゃねーよ」
掠れた声でつぶやくと、アランが腕を解き私の顔を見つめる。
アラン「・・・・・・・・・」
そして自分の顔を近づけると、唇が重なり・・・。
(アラン・・・・・・)
部屋に戻ると、扉を閉めたアランが口づける。
「・・・っ・・・・・・」
私は扉を背にアランから寄せられる口づけに答えた。
すると重なる唇の間からアランの下が滑り込む。
「んっ・・・・・・」
思わず甘い吐息をこぼすと、アランを唇を離し、
私の首に手を添えながら、見つめてくる。
アラン「・・・・・・・・・」
やがてふっと笑うと、私の身体を横抱きにした。
「アランっ・・・・・・」
ベッドに私の身体が倒されると、アランが眉を寄せる。
アラン「なんだよ、その顔」
私は顔を真っ赤に染め、視線をアランから逸らしていた。
「だって、記憶が戻ったばかりなのに・・・・・・」
(いきなりなんて、心の準備が出来てない)
アラン「記憶が戻ったんだったら、お前は俺と何してたか覚えてるだろ?」
「それはっ・・・・・・」
アランの言葉にますます私の頬が染まる。
そんな私を見てアランは笑みを浮かべると、私の耳元でささやいた。
アラン「待たせた、お前が悪い」
アランの唇が私の胸元に寄せられる。
するとネックレスが胸元を横に滑った。
(あっ・・・・・・)
その時、ふと思い出す。
(そういえば、あの約束・・・・・・)
「アラン、約束・・・・・・」
思い出した事を口に出すと、アランが顔を上げ眉を寄せる。
アラン「約束なら、いつでも出来るだろ」
アラン「今は、お前を離したくない」
目を細めるアランが私の唇に優しいキスを落とす。
アランの唇から伝わるぬくもりに、私の心がときめきに跳ねた。
(私も、離れたくない・・・)
(もう忘れたりなんかしないように・・・)
時計仕掛けのネックレスが、二人の時を刻むように
カチカチと音を響かせていった・・・―。
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以上です
真実の愛ルート、アラン編のスウィートエンドです
第二話からのつづきです
以下ネタバレです
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(もしかして、12時ちょうどって・・・)
拾い上げたネックレスを見つめると、ぼんやりと頭に浮かんでくる。
(なんだろう・・・・・・)
必死に辿ろうとするも、やがて私はふっと息をついた。
(ダメだ・・・思い出せない)
するとユーリの明るい声がする。
ユーリ「こんなところにいた、カレン様」
「ユーリ」
見上げると、ユーリがにっこりと笑う。
ユーリ「次の公務に行こう、カレン様」
一方アランは厩舎を後にすると、ジルに呼ばれて執務室に来ていた。
ジル「どうやらプリンセスの記憶がないのは、あなたの事だけのようですね」
アラン「・・・・・・・・・」
何も言わずにただ話を聞くアランに、ジルが息をつく。
ジル「公務に支障はないようですが・・・」
ジル「プリンセスにあなたの記憶がない事を、伝えなくていいのですか?」
話を聞いていたアランが視線を上げ、ジルを見据える。
アラン「言ってどうにかなるのかよ」
アラン「・・・戻らなかったら、あいつが苦しむだけだろ」
やがて公務を終えた私は、廊下を歩いていた。
するとアランが執務室から出てくるのが見えて・・・。
アラン「・・・・・・・・・」
「アラン・・・?」
名前を呼んで近づくと、アランが振り向く。
アラン「・・・・・・・・・」
(騎士の人が執務室にいるなんて、珍しい)
「何かあったんですか?」
アランは尋ねる私を見下ろすと、ふっと笑みをこぼした。
アラン「ああ。ちょっとな」
そして私の胸元にあるネックレスに触れる。
「アラン・・・?」
不思議に思って見る私をよそに、アランはネックレスをじっと見ると、
時計の裏側を開いてねじを回した。
アラン「これで動くだろ」
「え?」
私はアランからネックレスを受け取ると、厩舎でのことを思い出す。
(時計の針が止まっている事を言ったから直してくれたんだ)
「ありがとうございます」
お礼を口にすると、アランがぽんぽんと私の頭に手を置く。
アラン「じゃあな」
そうしてアランが私の横を通り過ぎていくと、時計の針がカチカチと音を立てる。
(本当だ・・・動き始めた)
頬を綻ばせるとその音に合わせて、私の鼓動がうるさいほどに音を立てる。
(あれ・・・・・・)
私の耳に、アランの足音と時計の針と鼓動の音が入り混じる。
(もしかして、私・・・・・・)
その瞬間・・・―。
「待って、アランっ・・・・・・」
ネックレスを握りしめると、私はアランを呼びとめていた。
すると、アランの足音が止まる。
アラン「・・・・・・・・・」
私は振り返りアランに近づくと、ゆっくりとまつげをあげた。
「私・・・何か大事なことを忘れているような気がする」
(それも、アランのことのような・・・)
私は思っている言葉を口にすると、何かを思いだそうとしている心の声を確かめるように、
そっとアランの頬に触れる。
アラン「・・・・・・・・・・・・」
アランは僅かに目を細めると、自分の頬に触れる私の手を引いた。
アラン「お前・・・・・・」
アランの唇が私の唇に重なる。
「・・・っ・・・・・・」
驚いて身を引こうとするも、アランに身体を引きよせられる。
「んっ・・・・・・」
深く優しく重ねられる口づけに私の心が揺れる。
(どうしてだろう・・・抵抗できない・・・)
(それよりも・・・)
目を閉じても、アランの姿が浮かぶ。
アラン「・・・・・・・・・」
(もっと触れていたい)
思っていると、そっと唇が離れた。
目を開けると、アランが微かに眉を寄せた。
アラン「・・・・・・・・・」
やがて私の肩口に頭をもたれると、息をつく。
アラン「・・・何で抵抗しねーんだよ」
(自分でも分からない・・・・・・)
(はっきりと言葉には出来ないけど・・・)
「それは・・・・・・」
答えようと口を開いた、その時・・・。
(あっ・・・・・・)
私の心にはっきりとアランの姿が浮かぶ。
アラン「黙って守られとけ」
アラン「お前、本当に・・・」
(そうだ、私はずっと・・・・・・)
私は瞳をはっとさせると、小さくつぶやいた。
「アランの事が好きだから・・・」
するとアランが顔を上げて、私を見る。
見つめ返すと、私の瞳に涙が溢れてきた。
(やっと思い出せた・・・私はアランの事が好きなんだ)
(それなのに、他人みたいに接して・・・)
溢れる涙が、目尻から頬へと伝っていく。
(アランの事を傷つけてしまった)
「ごめんなさい・・・アラン・・・」
アラン「お前・・・・・・」
アランは目を見開くと、ぐっと私の身体を抱きしめた。
アラン「・・・ったく。心配させてんじゃねーよ」
掠れた声でつぶやくと、アランが腕を解き私の顔を見つめる。
アラン「・・・・・・・・・」
そして自分の顔を近づけると、唇が重なり・・・。
(アラン・・・・・・)
部屋に戻ると、扉を閉めたアランが口づける。
「・・・っ・・・・・・」
私は扉を背にアランから寄せられる口づけに答えた。
すると重なる唇の間からアランの下が滑り込む。
「んっ・・・・・・」
思わず甘い吐息をこぼすと、アランを唇を離し、
私の首に手を添えながら、見つめてくる。
アラン「・・・・・・・・・」
やがてふっと笑うと、私の身体を横抱きにした。
「アランっ・・・・・・」
ベッドに私の身体が倒されると、アランが眉を寄せる。
アラン「なんだよ、その顔」
私は顔を真っ赤に染め、視線をアランから逸らしていた。
「だって、記憶が戻ったばかりなのに・・・・・・」
(いきなりなんて、心の準備が出来てない)
アラン「記憶が戻ったんだったら、お前は俺と何してたか覚えてるだろ?」
「それはっ・・・・・・」
アランの言葉にますます私の頬が染まる。
そんな私を見てアランは笑みを浮かべると、私の耳元でささやいた。
アラン「待たせた、お前が悪い」
アランの唇が私の胸元に寄せられる。
するとネックレスが胸元を横に滑った。
(あっ・・・・・・)
その時、ふと思い出す。
(そういえば、あの約束・・・・・・)
「アラン、約束・・・・・・」
思い出した事を口に出すと、アランが顔を上げ眉を寄せる。
アラン「約束なら、いつでも出来るだろ」
アラン「今は、お前を離したくない」
目を細めるアランが私の唇に優しいキスを落とす。
アランの唇から伝わるぬくもりに、私の心がときめきに跳ねた。
(私も、離れたくない・・・)
(もう忘れたりなんかしないように・・・)
時計仕掛けのネックレスが、二人の時を刻むように
カチカチと音を響かせていった・・・―。
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以上です