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*イケメン王宮 Loss of memory 真実の愛ルート アラン編 Sweet End*

2013-09-10 17:13:12 | イケメン王宮☆Loss of memory
イケメン王宮のイベント、「Loss of memory-忘れたくない君との約束-」

真実の愛ルート、アラン編のスウィートエンドです


第二話からのつづきです


以下ネタバレです














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(もしかして、12時ちょうどって・・・)

拾い上げたネックレスを見つめると、ぼんやりと頭に浮かんでくる。

(なんだろう・・・・・・)

必死に辿ろうとするも、やがて私はふっと息をついた。

(ダメだ・・・思い出せない)


するとユーリの明るい声がする。

ユーリ「こんなところにいた、カレン様」

「ユーリ」

見上げると、ユーリがにっこりと笑う。

ユーリ「次の公務に行こう、カレン様」



一方アランは厩舎を後にすると、ジルに呼ばれて執務室に来ていた。

ジル「どうやらプリンセスの記憶がないのは、あなたの事だけのようですね」

アラン「・・・・・・・・・」

何も言わずにただ話を聞くアランに、ジルが息をつく。

ジル「公務に支障はないようですが・・・」

ジル「プリンセスにあなたの記憶がない事を、伝えなくていいのですか?」

話を聞いていたアランが視線を上げ、ジルを見据える。

アラン「言ってどうにかなるのかよ」

アラン「・・・戻らなかったら、あいつが苦しむだけだろ」



やがて公務を終えた私は、廊下を歩いていた。

するとアランが執務室から出てくるのが見えて・・・。

アラン「・・・・・・・・・」

「アラン・・・?」

名前を呼んで近づくと、アランが振り向く。

アラン「・・・・・・・・・」

(騎士の人が執務室にいるなんて、珍しい)

「何かあったんですか?」

アランは尋ねる私を見下ろすと、ふっと笑みをこぼした。

アラン「ああ。ちょっとな」

そして私の胸元にあるネックレスに触れる。

「アラン・・・?」

不思議に思って見る私をよそに、アランはネックレスをじっと見ると、

時計の裏側を開いてねじを回した。

アラン「これで動くだろ」

「え?」

私はアランからネックレスを受け取ると、厩舎でのことを思い出す。

(時計の針が止まっている事を言ったから直してくれたんだ)

「ありがとうございます」

お礼を口にすると、アランがぽんぽんと私の頭に手を置く。

アラン「じゃあな」

そうしてアランが私の横を通り過ぎていくと、時計の針がカチカチと音を立てる。

(本当だ・・・動き始めた)

頬を綻ばせるとその音に合わせて、私の鼓動がうるさいほどに音を立てる。

(あれ・・・・・・)

私の耳に、アランの足音と時計の針と鼓動の音が入り混じる。

(もしかして、私・・・・・・)

その瞬間・・・―。


「待って、アランっ・・・・・・」

ネックレスを握りしめると、私はアランを呼びとめていた。

すると、アランの足音が止まる。

アラン「・・・・・・・・・」

私は振り返りアランに近づくと、ゆっくりとまつげをあげた。

「私・・・何か大事なことを忘れているような気がする」

(それも、アランのことのような・・・)

私は思っている言葉を口にすると、何かを思いだそうとしている心の声を確かめるように、

そっとアランの頬に触れる。

アラン「・・・・・・・・・・・・」

アランは僅かに目を細めると、自分の頬に触れる私の手を引いた。

アラン「お前・・・・・・」

アランの唇が私の唇に重なる。

「・・・っ・・・・・・」

驚いて身を引こうとするも、アランに身体を引きよせられる。

「んっ・・・・・・」

深く優しく重ねられる口づけに私の心が揺れる。

(どうしてだろう・・・抵抗できない・・・)

(それよりも・・・)

目を閉じても、アランの姿が浮かぶ。

アラン「・・・・・・・・・」

(もっと触れていたい)

思っていると、そっと唇が離れた。

目を開けると、アランが微かに眉を寄せた。

アラン「・・・・・・・・・」

やがて私の肩口に頭をもたれると、息をつく。

アラン「・・・何で抵抗しねーんだよ」


(自分でも分からない・・・・・・)

(はっきりと言葉には出来ないけど・・・)

「それは・・・・・・」

答えようと口を開いた、その時・・・。

(あっ・・・・・・)

私の心にはっきりとアランの姿が浮かぶ。



アラン「黙って守られとけ」


アラン「お前、本当に・・・」



(そうだ、私はずっと・・・・・・)

私は瞳をはっとさせると、小さくつぶやいた。

「アランの事が好きだから・・・」

するとアランが顔を上げて、私を見る。

見つめ返すと、私の瞳に涙が溢れてきた。

(やっと思い出せた・・・私はアランの事が好きなんだ)

(それなのに、他人みたいに接して・・・)

溢れる涙が、目尻から頬へと伝っていく。

(アランの事を傷つけてしまった)

「ごめんなさい・・・アラン・・・」

アラン「お前・・・・・・」

アランは目を見開くと、ぐっと私の身体を抱きしめた。

アラン「・・・ったく。心配させてんじゃねーよ」

掠れた声でつぶやくと、アランが腕を解き私の顔を見つめる。

アラン「・・・・・・・・・」

そして自分の顔を近づけると、唇が重なり・・・。

(アラン・・・・・・)


部屋に戻ると、扉を閉めたアランが口づける。

「・・・っ・・・・・・」

私は扉を背にアランから寄せられる口づけに答えた。

すると重なる唇の間からアランの下が滑り込む。

「んっ・・・・・・」

思わず甘い吐息をこぼすと、アランを唇を離し、

私の首に手を添えながら、見つめてくる。

アラン「・・・・・・・・・」

やがてふっと笑うと、私の身体を横抱きにした。

「アランっ・・・・・・」

ベッドに私の身体が倒されると、アランが眉を寄せる。

アラン「なんだよ、その顔」

私は顔を真っ赤に染め、視線をアランから逸らしていた。

「だって、記憶が戻ったばかりなのに・・・・・・」

(いきなりなんて、心の準備が出来てない)

アラン「記憶が戻ったんだったら、お前は俺と何してたか覚えてるだろ?」

「それはっ・・・・・・」

アランの言葉にますます私の頬が染まる。

そんな私を見てアランは笑みを浮かべると、私の耳元でささやいた。

アラン「待たせた、お前が悪い」

アランの唇が私の胸元に寄せられる。

するとネックレスが胸元を横に滑った。

(あっ・・・・・・)

その時、ふと思い出す。

(そういえば、あの約束・・・・・・)

「アラン、約束・・・・・・」

思い出した事を口に出すと、アランが顔を上げ眉を寄せる。

アラン「約束なら、いつでも出来るだろ」

アラン「今は、お前を離したくない」

目を細めるアランが私の唇に優しいキスを落とす。

アランの唇から伝わるぬくもりに、私の心がときめきに跳ねた。

(私も、離れたくない・・・)

(もう忘れたりなんかしないように・・・)

時計仕掛けのネックレスが、二人の時を刻むように

カチカチと音を響かせていった・・・―。



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以上です