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【会津野】書籍「武士の家計簿」は、歴史から「いま何をするか?」を考えさせてくれる本でした

2015年06月20日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

「大きな社会変動のある時代には、『今いる組織の外に出ても、必要とされる技術や能力をもっているか』が人の死活をわける。かつて家柄を誇った士族立ちの多くは、過去をなつかしみ、現状に不安をいい、そして将来を不安がった。彼らに未来は来ていない。栄光の加賀藩とともに美しく沈んでいったのである。一方、自分の現状をなげくより、自分の現行をなげき、社会に役立つ技術を身につけようとした士族には、未来がきた。私は歴史家として、激動を生きたこの家族の物語を書き終え、人にも自分にも、このことだけは確信を持って静かにいえる。恐れず、まっとうなことをすればよいのである・・・・・。」

最初から長い引用をしました。これは、磯田道史著「武士の家計簿」のあとがきの一部です。

今朝も晴れた会津野は、気温17℃のすがすがしい朝を迎えました。

先日読んだこの本は、加賀藩のそろばん役であった猪山家の家計簿をひもといた物語。明治維新を挟んだ時代を生きた、猪山直之とその子ども猪山成之を中心として描かれています。江戸時代の士族に与えられた家禄がどのようなものであったか、明治維新により身分制度がなくなり家禄を奉還する様子、江戸時代の「武士」として交際費の実際、明治維新後に商人へ転じた家と官吏へ転じた家の比較など、激動の時代の行き方を歴史として捉えています。

猪山家の方々は、会計処理能力に長けていて、その能力や技術が社会の中で役立ったことが話のポイントです。

「いまやっていることが自分のためではなく、社会に役立っているか」を、もう一度考えさせてくれる素晴らしい本でした。

今日も素敵な1日を過ごしましょう。

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