会津の旅人宿 地域との交流・旅人との交流が盛んな【会津野】宿主ブログ

地域の話題、旅人のホットな話題、季節のおいしい食べ物の話題など、会津へ旅する人々への話題中心の宿主ブログです。

人口減少は世の中に何を求めているか?(2)

2015年02月28日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

今朝の会津野は、晴れ、気温−2℃です。

昨日、映画「銀の匙(ぎんのさじ)」を観ました。この映画は、北海道の畜産高校を舞台とする青春映画。北海道の酪農家の暮らしがよく現れている内容でした。

先日ご紹介したエントリー「北の無人駅から」という著作も、北海道の暮らしを追うものでしたので、近頃、北海道に浸かってしまっております。

どちらの著作も北海道史に必ず出てくる開拓史が絡んでおり、開拓から破綻までの一巡のサイクルを考えさせられるところも似ていました。

 

「限界集落」という言葉が持てはやされてから久しいですが、それからも着実に人口減少は続いています。

オホーツク海にほど近い道東に位置する現在の遠軽町には、以前白滝村と呼ばれていた地域があります。旧白滝村の奥白滝地区は、昭和7年の国鉄石北線開通のとき駅が置かれ、林業の事業所や飲食店、旅館2軒が営業するまとまった集落として発達しました。ところがこの集落は、林業の衰退で40年も前の昭和50年頃には限界を迎え、現在は消え去ってしまった集落となりました。人が住まなくなり、駅は廃止。いまは開拓を現す碑がぽつんと立つだけです。

「北の無人駅から」では、このような視点で開拓から破綻までの一連のことが示されていました。

「銀の匙」では、破綻してしまった酪農家が、北海道の開拓精神により必ずや立ち直るという希望を現すために、高校生の文化祭におけるばんえい競馬の実現を通じ、「やればできる!」ということを発信していました。

この2つは、人が存在して破綻するか、人がいなくなって破綻するかの違いがあります。

人が存在する場合、人は食べるため、生きるために、必ず行動をします。

この行動が、暮らす環境を整えるというのが「やればできる」なのでしょう。

平成の市町村合併は、統合した市町村に存在する集落のうち、中心部から遠くなったところほど、この限界集落としての破綻が近づいてきています。

暮らしを続けるために行動する。これがなくなると、まちというものは消滅することがよくわかります。

人口減少は世の中に何を求めているか?というエントリーでは、人口減少の防波堤を作る→仕事を作るということを書きましたが、もっと根源的なことは、「暮らしを続ける」ということ。その地域を良く見つめ、地域の資源を枯れることなく活かしつつ、暮らせなくならないような仕事を創造し続けることが、最も求められているような気がします。

今日も楽しい1日を過ごしましょう。

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電子書籍100社連合

2015年02月27日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

今朝の会津野は、雨、気温0℃です。冷たい雨は、これから雪に変わりそうです。

本日の朝刊に、「電子書籍100社連合」という記事が出ていました。いま、日本の電子書籍市場は、Amazon Japanの独壇場となっています。電子書籍はサーバに格納されている本にアクセスする権利を販売するものなので、サーバを運営している会社がサービスを終了すると、買ったはずの本が消えてなくなってしまうということが起き、近頃、社会で問題化されてきました。

本という媒体は、いままで印刷物という形でしたので、本を買えば、その印刷物は買った人のものであり、保存しても良いし、読んだ後にもういらないと思えば古本屋へ売っても良いし、処分するのも自由です。その点電子書籍は、処分についてが買った人の意向が通らず、電子書籍の古本市場というものは存在していません。

同じようなもので、ゲーム市場では、ソフトウェアとしてのゲームを買うのに、かつてはカセットのような形になっている媒体であったものが、電子書籍のような電子取引へと変わってきました。電子化されたゲームソフトの売買は、電子書籍と同じようにクレジットカード決済で行うものの、この方法だけではクレジットカードを持たない子供などの層にビジネスを拡大できないので、コンビニ店頭に商品を記したカードを並べ、レジで現金決済してアクセスパスワードを渡すような形式へと進化してきました。

今回の電子書籍の100社連合は、既存の書店にこのゲームと同じようなカードを並べ、書店のレジで現金決済をするもの。さらに、アクセスできるデータを100社共同で管理し、販売した電子書籍書店の都合でアクセス出来なくなってしまうという問題点を解決しようというものです。

今回は、クレジットカードを"持てない"顧客層への対応というよりも、自分の意思で"持ちたくない"層への販売拡大を目指しているところがいままでと違います。

Amazonは、実店舗を持たないビジネス形式ですが、AppleのようにAmazon Storeみたいな実店舗を開設するか、コンビニに本のカードを販売したら、この100社連合が目指す差別化する部分はすぐに競争力を失います。さてこの先どうなるでしょうか。

競争力といえば、もうひとつ見失ってはいけないことがあります。

Amazonは、セルフパブリッシングという方法で、本の知的コンテンツを供給するサイドのシステム化も行っています。近頃は、出版社を介さずに著作者自らが校正を行い販売できる形式まで整えたうえで、セルフパブリッシングで出版する本も多数お目見えしています。

ケータイ小説と呼ばれるライトノベルの分野やノンフィクションの分野などで、このセルフパブリッシングが広く行われています。

100社連合は、出版社も入っているので、この出版社を排除してしまうセルフパブリッシング方式を電子書籍に取り入れることは、彼らの利益に相反します。

電子書籍により新たに開かれた出版方式を否定してしまうような100社連合は、売る側の製品作りを一部否定する形で始めることになります。

セルフパブリッシング市場は、まだ小さな市場ですが、書店としては素晴らしい書籍を顧客に奨めて利益を上げる分野としてこれから期待できるものです。

セルフパブリッシングを実店舗の店頭で紹介して販売するビジネス。こういう書店連合が誕生する方が、世の中のためになるような気がするのは、私だけでしょうか。

今日も楽しい1日を過ごしましょう。

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北の無人駅から

2015年02月26日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

今朝の会津野は、くもり、気温−5℃です。

今日は、強くおすすめしたい本を紹介いたします。

「北の無人駅から」(渡辺一史著)という本。タイトルからすると、鉄道好きな方向けの本のように感じますが、中身は北海道の無人駅にまつわる人間模様を描いたものです。

約800ページもの大作で、著者が10年以上の年月をかけて北海道各地を取材したもの。ひとつひとつの観察がとても深くされており、知られざる北海道の人々の実情が、びっくりするくらい鮮明に描かれています。

例えば、日本一の秘境駅として知られる室蘭本線「小幌駅」の場面では、人家も道もない駅をかつて利用していた漁業者たちと、北海道漁業の歴史や時代とともに変化する漁業の課題についての考察などが描かれています。

釧網本線「茅沼駅」の場面では、タンチョウを中心とした自然保護と、増えすぎたエゾシカの駆除と言った相反する自然への行動がなぜ起きるのか? 湿原というものが及ぼす地球への影響なども考察しつつ、自然と人間の関係にまで深く突き詰めていきます。

札沼線「新十津川駅」の場面では、北海道農業と本州の農業の違い、また、有機農業と減農薬の農業の違い、様々な農業政策が及ぼす北海道農業への影響、農協(JA)を通じた作物の流通と自主流通の利点と相違点、などなど、農業に関して一般には知り得ない分野を深く考察し、農と暮らしの実際を描いています。

釧網本線「北浜駅」では、昭和40年台に北海道各地を闊歩した「カニ族」が及ぼした北海道の人々の暮らしの変化、国鉄が行った「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンが与えた、人々が旅というものへ求める考え方の変化、ユースホステルの社会的役割や掲げられている理念の捉え方が時代により変化していくさま、などなど、観光に関する深い考察が描かれています。

ここまで書いても、まだ内容の半分にも達しません。

この本は、全国の書店店員が薦める365冊の本の中で見つけたものですが、北海道ローカルの書籍という枠を超えて、日本の構図がかなりよくわかる本です。

私などは、農を中心とした地域のどまんなかに居ながらにして、理解が難しい農業政策や農社会の仕組みについて無知だったところを、かなりよく知ることが出来ました。

この本は、これから社会に出る若者にぜひ読んでいただきたい本です。理屈や理論ではわからない、人々が作り上げてきた様々な社会の仕組みを知る架け橋として最適です。

今日も楽しい1日を過ごしましょう。

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会津人 柴五郎

2015年02月25日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

今朝の会津野は、晴れ、気温−3℃です。

石光真人編著「ある明治人の記録」を読みました。

「ある明治人」とは、戊辰戦争から遡ること9年前の1859年に会津若松に生まれ、太平洋戦争終戦の1945年までの87年を生きた「柴五郎」のことです。幼年期に生まれ育った会津若松のまちが戦場となり敗戦したこと、明治維新後の流刑地としての斗南(青森県)での暮らし、軍人として中国大陸へ出征したこと、太平洋戦争へと向かっていくこと、などを、一人の人物を中心軸に捉えて記しているものです。

柴五郎は、会津藩の武士の子として生まれ、明治維新で移封される辛酸をなめ、さらに太平洋戦争では退役していたものの、終戦後は戦犯とされた軍人の道を歩んだ、2つの大きな価値観の変化を経験した類まれな人生を送った方です。

生涯を通じ、「温和な正確」と「争いを好まない」ということが良く伝わってくる内容で、生きた時代によって不条理な境遇に接しつつも、正しい心を持って生きることが「人を生かす」ということにつながる自信を感じさせてくれます。

「将来が見えない」などの不安を抱える方はたくさんいらしゃると思いますが、極限の理不尽のなかを生きた姿を知ることは、きっと力になることでしょう。

今日も楽しい1日を過ごしましょう。

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天海大僧正ものがたり

2015年02月24日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

今朝の会津野は、曇り空、気温−1℃です。

ここ会津美里町は、16世紀から17世紀にかけて活躍した天海というお坊さんが生まれた町として知られています。

天海ってどんなお坊さんだったの? と、誰もが知りたくなるのですが、108歳まで生きた天海についての記録のうち、会津美里で過ごした幼年期など前半生の記録がほとんど残っていないので、生涯の多くが謎につつまれています。

先日、福島の声優「森和美」さんの講演会を聴く機会を得ました。森和美さんは、この天海についての物語を13話の「ものがたり」として脚本を作り、「むかしばなし」としてラジオで放送されました。簡単にわかりやすく天海のことを知ることができる素晴らしいものなので、ご紹介をいたします。

放送は、ラジオ福島のホームページからPodcastとしてダウンロード出来ます。

第1話 天海さん 生まれる

第2話 天海さん 遊学する

第3話 天海さん 戦乱の世をかけめぐる

第4話 天海さん 家康と会う

第5話 天海さん 家康に説く

第6話 天海さんと家康の遺言

第7話 天海さんの隠れ井戸

第8話 天海さんと崇伝

第9話 天海さんとくこ飯

第10話 天海さんと寛永寺

第11話 天海さんと家光

第12話 天海さんと柿の種

第13話 天海さんと大往生

講演会と同時に行われた天海に関する事業の報告会のとき、「会津美里は会津の中世の中心地」であることや、「会津が仏都世界遺産を目指す動き」などのお話も伺いました。

天海については、私も観光パンフレッットなどに載っている断片的なことしか知らなかったので、ものがたりを何回も聴いて勉強してみます。

日本史では、「中世」という言葉を聴いたことはありませんが、ヨーロッパでは中世の遺跡を訪ね歩くことは、かなり一般的なことなので、宿主として、中世と現代をつなぐことの「価値」を、これから見出したいと思います。

今日も楽しい1日を過ごしましょう。

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