おはようございます。旅人宿 会津野 宿主 ならびに 古書 会津野 店長の長谷川洋一です。
6月15日から民泊新法(住宅宿泊事業法)が施行され、新法のもと開業する民泊が会津地域にも出てきました。
かつては、不特定多数に提供するものは「事業」、特定の人に提供するものは「事業ではない」という大きな前提がありました。
だから、不特定多数に提供するのは「旅館業」、お友達を泊めるのは「住宅」で良いとされてきました。
この新法は、シェアリングエコノミーという名前を使い、従来の大きな前提を転換するものです。
事業として法の規制を受けると、過疎化や人口減などにより事業が成り立たなくなり、地域においては、業種そのものが消滅してしまうということが社会で起きはじめています。
これが旅館業における民泊の推進に背中を押したのでしょうが、運送業界でも同じ動きが起きています。
今朝の福島民報に、「金山町タクシー運行」という記事があります。
これを読むと、自家用有償旅客運送を行うとあります。
自家用有償旅客運送とは、白ナンバーの自家用車でタクシー営業をすることで、かつては「白タク営業」として禁止されていたものが、平成18年に一部が規制緩和されています。
規制緩和されたもののうちのひとつに、過疎化の進んだ市町村が国土交通省の認定を受ければ白タク営業ができるものがあります。
その認定を受けた福島県内の市町村は以下のとおり。
報道された金山町の場合、報道では観光客も運ぶとしていますが、「市町村住民」、「住民の親族」、「市町村に日常の用務を有する者」を範囲としているから、「観光」が日常であると拡大解釈したものなのかなと想像しています。
ただこの仕組みは、「自家用」でなく緑ナンバーの「事業用」のタクシーやバスであれば、この規制緩和に関係なく市町村が業務委託することも出来る。金山町もいままでは、緑ナンバーで同一のサービスをしていた。
ただ、問題として、「土日の運行」がされないことがあった。この点も記事では、言及しています。
これは役所が休みだからなのか、民間の事業者に配慮してなのかはわかりませんが、同じことは会津美里町でも起きています。
近頃になって、会津美里町では、土日の運行について検討しているという情報が耳に入ってきますが、これは委託先が土日でも働くことを了承すれば、自家用でなくても解決出来ること。
金山町の場合は、委託先となる事業者が受ける能力がなかったのか、それとも、自家用車で事業を行おうとする地域住民の就業の場を作ろうとしたのかかなと思います。
会津美里町の乗り合いタクシー委託事業の受託先は、かつて町内資本であった事業者が廃業し、町外資本の事業者に事業が譲渡されました。
つまり、この事業の成果は、町外資本に移ったのが実情です。
このままでは、町外資本が「自家用有償旅客運送」に反対するロビー活動が行われるだろう。
ロビー活動の害については、「人々のための資本主義」(ルイジ・ガンジレス著:NTT出版:2013年)に詳しく書かれています。
住民としては、どっちの方が良いのかな? と考えさせられます。
今日も素晴らしい1日を過ごしましょう。
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