Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ増を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》

2023年04月06日 00時00分41秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2023年03月21日[火])
足抜けできるのか? NUMOにからめとられて、泥沼に足を突っ込み…。

   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》
    《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
     寿都町。町内に不安が広がり道や隣接自治体との亀裂も深まって
     いる巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
    《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
     突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
     地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。

   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●【NNNドキュメント‛20/核のごみは問いかける 「尊重」の先には…】
        …空虚な《地域振興》なことは立候補しなくたって《学》べます
   『●《(文献調査後の)概要調査前に住民投票で意見を聴いて判断させて
     いただきたい》…足抜けできるのか? NUMOにからめとられて…

 《町民の皆さんがその道を選んだ》…なんでそうなるのだろうか??

   『●《理性と良識》で判断…核発電は《「被害が大きくて」かつ「事故発生
     確率も高い」という2つが揃ったパーフェクトな危険》(樋口英明さん)
   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を

 古賀茂明さん《四つ目は核のゴミだ。原発のゴミも適切に処分できるんですよね、と社長に聞く。社長が頷いたら、「では、1カ月以内に最終処分までの計画を出してください」と言う。それは無理だというだろうから、では1年待つと言って、議論を終わる。 これで、全ての原発は動かなくなり、廃炉するしかなくなる。 国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに止めるのは簡単だ。新政権には、是非そうした議論をして欲しい》。

 空虚な《地域振興》ではないのか? トイレなきマンションの、まずはトイレからの垂れ流しを止めてからの議論開始ではないのか?

 宮畑譲西田直晃両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/核のごみ最終処分は「国の責任」っていうけど…大丈夫? 文献調査が進む北海道の町村で起きていること】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/231170?rct=tokuhou)によると、《原発活用に前のめりになる岸田文雄政権。今度は使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分に向け、国の責任で取り組む方針をまとめた。語感の頼もしさと裏腹に不信が募る。東京電力福島第一原発事故の対応でも政府は「国の責任」を強調してきたが、独断専行に傾く局面が目に付いたからだ。最終処分を巡って今後、どんな展開が待ち受けるのか。文献調査が進む北海道寿都町(すっつちょう)神恵内村(かもえないむら)にどう影響するのか。(宮畑譲西田直晃)》。

   『●核発電人災の反省はどこに? 《熟議より、政府の都合を優先》する
       原子力「推進」委員会、《フクシマを「なかったことにする」のか》?
   ●古賀茂明さん《政府は、料金値上げを認めるのなら、電力会社の送配電の
      完全分離(所有権分離)を実現することを電力会社に飲ませるべき》
   『●《鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。…飯田哲也所長は「日本の
     自由化の課題は、発送電分離がきちんとできていないことだ」と指摘する》
   『●《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この
     12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》
   『●国や経産省、東京電力は「原状回復」することなく東京電力核発電人災
     被災地は放置で、一方、東京電力CMはちゃっかり「原状回復」かょ…
   『●東京新聞《<ぎろんの森>原発推進組織に逆戻りか》―――― すごく
      控えめな表現…単に「原子力規制委員会」に看板を掛け代えただけ

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/231170?rct=tokuhou

こちら特報部
核のごみ最終処分は「国の責任」っていうけど…大丈夫? 文献調査が進む北海道の町村で起きていること
2023年2月15日 12時00分

 原発活用に前のめりになる岸田文雄政権。今度は使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分に向け、国の責任で取り組む方針をまとめた。語感の頼もしさと裏腹に不信が募る。東京電力福島第一原発事故の対応でも政府は「国の責任」を強調してきたが、独断専行に傾く局面が目に付いたからだ。最終処分を巡って今後、どんな展開が待ち受けるのか。文献調査が進む北海道寿都町(すっつちょう)神恵内村(かもえないむら)にどう影響するのか。(宮畑譲西田直晃


◆たまり続ける使用済み核燃料

 「政府一丸となって、かつ、政府の責任で、最終処分に向けて取り組んでいく」。高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定を巡り、10日にあった閣僚会議。ここで示された基本方針の改定案に冒頭の一節が明記された。現在は意見公募(パブリックコメント)の最中で、改定されれば2015年以来、8年ぶりとなる。

 使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物は「核のごみ」とも呼ばれる。現状では各原発の貯蔵プールで使用済み核燃料がたまり続け、廃液をガラスと固めた「ガラス固化体」が加工されている。

     (新型転換炉ふげんの使用済み核燃料が保管されている
      プール=茨城県東海村の東海再処理施設で)

 「核のごみ」はやっかいだ。放射能が極めて強く、寿命も長い。00年制定の最終処分法によれば、地下深くで地層処分する計画だが、安全面の問題などから具体的な道筋を描くに至っていない

 国が責任を強調するのはこの状況の裏返しでもある。最終処分法の制定以降、「手挙げ方式」と呼ばれる全国公募が始まった。07年に高知県東洋町が応募したものの、町民の激しい反対で取り下げに。現在、選定プロセスの第1段階に当たる「文献調査」を受け入れているのは、北海道の寿都町神恵内村だけだ。

 経済産業省資源エネルギー庁によると、過去5年に約160回の説明会を全国で開いたが、関心を持つ地域は限定的だった。かたや最終処分場が決まった国外の例では10件程度の候補地から1件に絞った経緯がある。担当者は「調査の結果、処分地になりえないことや民意の反対もある。候補地はもっと必要」と話す。


◆政府方針に不信「本当にできるのか」

 現行の仕組みでいえば、処分地選定と処分自体を担うのは、電力会社が事業費を拠出する原子力発電環境整備機構NUMOニューモ)だ。ただ処分地選定が難航するため、国は15年に基本方針が改定された時も、適性の高いと考えられる地域を提示するなど、前面に出た。今回は「さらに一段ギアを上げようということ」(前出の担当者)になる。

 神奈川工科大の藤村陽教授(物理化学)は「原発政策は国策なのだから国に責任はある」と理解を示す一方、懸念も浮かぶ。「国が地方に力ずくでやるということになってはいけない」

 根底には国への不信がある。「福島第一原発事故後の対応で、国や電力会社は信頼されることをやってきたのか」。例えば第一原発で生じる汚染水の後始末。首相時代の菅義偉氏は「政府の責任で対応する」と述べたが、海洋放出に反対する声に耳を貸さず、処理後に放出する方針を決めた。

 国が最終処分に前のめりになっても「本当にできるのか」と疑う向きもある。

 高レベル放射性廃棄物は安全になるまで10万年を要するとされる。大阪大の平川秀幸教授(科学技術社会論)は「日本は地震国そこら中に活断層がある地中深くに移した後に問題が見つかった場合、放射性廃棄物を取り出せるのか原発関連の技術への不信はぬぐえていないまして10万年先の安全を確保できるのか」と語る。


◆調査進まないのは「選挙が控えているから」

 岸田政権が「最終処分に向けて国の責任で取り組む」と宣言した今、文献調査が進む寿都町と神恵内村の人びとは何を思うのか

 2020年11月から始まった両町村の文献調査は現在も続いている。当初は約2年の予定とされたが、NUMOの広報担当者は「想定より時間が掛かっている。調査結果を評価するための考え方を経産省のワーキンググループに尋ねているところ。いつまで、と決まっていない」と話す。

 地質図や学術論文などを用いた文献調査が終われば、地元の意向を踏まえ、地質や地盤を調べる概要調査への移行を図るという。第2段階に当たる調査だ。

 3年前に文献調査への反対を表明した神恵内村議の土門昌幸さん(69)は「2年を過ぎても調査が終わらないのは、選挙が控えているからでは」といぶかる。ここで言う「選挙」とは4月に予定される村議選のこと。賛成派の村議が多い現状を踏まえ、波風を立てたくないのでは、とみる。

 土門さんは「村民への説明が不十分なまま時間がたってしまった。概要調査は知事が『受け入れない』と明確に表明しているので、村長に歩調を合わせるように働きかけるしかない」と自らに言い聞かせる。


◆賛否分かれて人間関係も壊れた

     (寿都町役場(右奥)の近くに立てられた看板=2020年撮影)

 一方、寿都町の反対派住民グループの槌谷和幸さん(74)は岸田政権に対して「端的に言うと、腹立たしいのひと言」と語気を強める。「『最終処分は国の責任で』と強調されると『調査が進む町村で国が処分地選定を強力に推し進める』に聞こえてしまう。国の言うことは全く信用できない」

 同町では、文献調査から概要調査に移る際、住民投票を実施すると条例で定めているが、町長の決定への拘束力はない。

 重みを持つのが町議会の意向で、現在は賛否が拮抗 (きっこう) する。10月には町議選が予定され、槌谷さんは反対派候補の擁立を模索中だ。しかし「見つけるのに苦労している。この小さな町は町民のつながりが濃密で、賛否が分かれたことで人間関係が壊れた人もいる」。

 推進勢力の出方も警戒する。NUMOの担当者らによる説明会について「『対話の場』と言っても実情は違う一方の見解を言い含める場になっている」。推進派への取り込み、反対派の切り崩しが今以上に進むことを危惧する。

 岸田政権は今月10日、「GXグリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を閣議決定し、原発の積極活用を盛り込んだ。異論が噴出するタイミングで最終処分の基本方針案を示し、「国の責任」を強調した。


◆「地方を悩ませ、苦しませているだけ」

 長崎大の鈴木達治郎教授(原子力政策)は「最終処分場がないと一層、責められる。そうした声を意識しただけ。アピールの意味合いが強い」と述べ、批判そらしの意図を疑う。その上で「処分地選定に力を入れると言っても、実質的には電気事業連合会電事連)任せになる。特段の変化はないだろう」とみる。

 最終処分場の議論は避けては通れない一方、寿都町、神恵内村の例に漏れず、住民の納得を得ずに議論を進めるのは問題がある。

 信州大の茅野恒秀准教授(環境社会学)は「最終処分場についてはこれまでも、国主導での理解促進という言葉を多用してきたが、今の北海道の2町村を見ても見解の一致を見ておらずむしろ分断を招いている地方を悩ませ、苦しませているだけ」と断じ、こう続ける。「受け入れに対する厳しい現実を政権が直視せず、国民的理解を丁寧に得ようとしない安易な姿勢が問題。原発は安全で、電気代も下がるという技術的、経済的楽観論を捨て去るべきだ


◆デスクメモ

 原発を動かせばごみが出るしかし処分先が決まらず、たまる一方。管理に困る。置き場にも。なすべきことは明白原発を止め、ごみ増を防ぎ、その間に処分先を話し合うしかし国は稼働ありきごみが増えるほど後始末に困るのに不合理な思考に独断専行始末が悪すぎる。(榊)

【関連記事】「入学手続きに来ました」 核ごみ調査応募で北海道寿都町の片岡町長
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●「核保有国とみられる一部の加盟国が、高校生にスピーチをさせないよう日本政府に圧力をかけていた…」

2017年11月26日 00時00分03秒 | Weblog

[※ 報道特集(2017年7月8日)↑]



東京新聞の記事【軍縮会議 高校生平和大使の演説見送り 核保有国圧力】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201711/CK2017111502000134.html)。
西日本新聞の記事【平和大使演説阻止へ圧力 外務省公電で判明 「高校生に退出要求もできる」 核保有国?が日本に】(https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/373258/)。
東京新聞の記事【「退場求めることできる」 核保有国 以前から問題視】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201711/CK2017111502000133.html)。

 《二〇一四年以降のジュネーブ軍縮会議で核兵器廃絶を訴えている日本の高校生平和大使による演説が今年は見送られた問題で、核保有国とみられる一部の加盟国が、高校生にスピーチをさせないよう日本政府に圧力をかけていたことが、西日本新聞が入手した外務省の公電で分かった》。
 《2014年以降、毎年8月にジュネーブ軍縮会議で核兵器廃絶を世界に訴えてきた日本の高校生平和大使の演説が今年は見送られたことに関し、核保有国とみられる一部の加盟国が今年2月以降、高校生にスピーチをさせないよう日本政府に圧力》。
 《菅義偉官房長官は…「スピーチは実現できなかったものの、高校生がさまざまな国の代表と直接意見交換をすることで、互いの考え方を理解し合えたことは有益だった」と述べた》。

   『●ささやかな核兵器廃絶の願い…高校生の言論封殺:
        アベ様のメンツを守るための外務省の横やりという大愚
   『●「核兵器禁止条約」…「核なき世界」への
     その先頭を走るべきアベ様やニッポン政府は一体何をしていたの?

 ささやかな核兵器廃絶の願い…高校生の言論封殺、アベ様のメンツを守るための外務省の横やりという大愚…その裏にはこんなことがあったのね。

 《当初強く反論していた日本側も見送りに応じた》…渡りに船とばかりに、アベ様への忖度に活用。《核兵器禁止条約の制定とは無関係》としつつも、後ろめたさも手伝い、高校生の言論封殺へと舵を切った訳だ。
 核保有国(中国との噂)がこんな露骨な脅しをやってたんだ…しかも、易々と、それに屈するニッポンって…、一体、なんなの?

 しかも、いつもながらの、最低の官房長官の他人事のようなコメント。

   『●「そんな当たり前のこと」が通用しない
     最低の官房長官記者会見…「ここは質問に答える場所じゃない…」?

 週刊朝日のコラム【室井佑月「お言葉が欲しい」】(https://dot.asahi.com/wa/2017111500013.html)によると、《『内閣支持 上昇54%』という記事... 野党が纏まっていないから、これ幸いと解散総選挙をする卑怯な首相なのに? 5カ月近くも国会審議から逃げ回っていた気弱な首相なのに? 議席数に応じて野党の質問時間を削れと、無茶なこといい出す我が侭(わがまま)な首相なのに? 国会とは野党の質問に答える場というより、我々国民に説明する場。どれだけ国民軽視なのだろうか?…安倍内閣の支持率の高さは、この国が戦争のできる普通の国になることを、国民も望んでいるということなのか? わからない。》
 ブログ主も、本当に《わからない。》

   『●自民党の長期「党勢の低迷」…それでも絶対得票率1/4で
              3/4の議席を占める小選挙区制という欠陥制度
   『●全く民意を正しく反映していない「勝者総取り」…
        絶対得票率1/4で3/4の議席を占める欠陥制度
   『●「トンズラ総理」の広報機関やオトモダチ、取巻き連中…
        どの辺が「中間中立」的な立ち居振る舞いなのか?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201711/CK2017111502000134.html

軍縮会議 高校生平和大使の演説見送り 核保有国圧力
2017年11月15日 朝刊

     (西日本新聞が入手した外務省の公電には「ある国」の
      大使からの強い言葉がつづられていた)

 二〇一四年以降のジュネーブ軍縮会議で核兵器廃絶を訴えている日本の高校生平和大使による演説が今年は見送られた問題で、核保有国とみられる一部の加盟国が、高校生にスピーチをさせないよう日本政府に圧力をかけていたことが、西日本新聞が入手した外務省の公電で分かった。圧力は今年二月以降にあり、同国の軍縮大使は「自分は高校生に議場から出て行くよう求めることもできる」などと日本の軍縮大使に迫った。当初強く反論していた日本側も見送りに応じた

 西日本新聞は外務省に、この問題に関する情報公開を請求。軍縮会議日本政府代表部の高見沢将林(のぶしげ)軍縮大使がジュネーブやウィーンで他国の軍縮大使らから受けた「問題提起」について、岸田文雄外相(当時)に報告した公電などが開示された。公電は秘密指定を解除されているが、相手国名や発言の詳細は黒塗りにされていた。

 今年の高校生平和大使を務める溝上大喜さん(17)=長崎市=は「核保有国を含め多くの国々の人から、自分たちの活動は大きな意味があると言われていた。反対意見があったのが事実なら、悲しい」と話した。
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https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/373258/

平和大使演説阻止へ圧力 外務省公電で判明 「高校生に退出要求もできる」 核保有国?が日本に
2017年11月14日 06時00分

 2014年以降、毎年8月にジュネーブ軍縮会議で核兵器廃絶を世界に訴えてきた日本の高校生平和大使の演説が今年は見送られたことに関し、核保有国とみられる一部の加盟国が今年2月以降、高校生にスピーチをさせないよう日本政府に圧力をかけていたことが、西日本新聞が入手した外務省の公電で分かった。同国の軍縮大使は「自分は高校生に議場から出て行くよう求めることもできる」などと日本の軍縮大使に迫り、当初強く反論していた日本側も見送りに応じた

 本紙は外務省に、この問題に関する情報公開を請求。軍縮会議日本政府代表部の高見沢将林軍縮大使がジュネーブやウィーンで他国の軍縮大使らから受けた「問題提起」について、岸田文雄外相に報告した公電などが開示された。公電は秘密指定を解除されているが、相手国名や発言の詳細は黒塗りにされていた。

 高校生平和大使は、日本政府が1日だけ政府代表団に登録する形で、軍縮会議本会議場でスピーチを認められてきた。開示された公電や外務省の内部文書によると、同国の軍縮大使や次席が今年2月以降、日本側に「軍縮会議の手続き規則は、高校生が政府代表団の一員になることを認めていない」と数回にわたり指摘。「毎年続くようであれば、しかるべき対応をせざるを得ないスピーチの見送りを求めた

 日本政府側は当初「若い世代の活動を通じて、核兵器使用の惨禍について正確な認識が深まり、核兵器のない世界に向けた国際社会の機運が高まっていくことを期待している」などと反論した。

 しかし、同国の軍縮大使は「自分は高校生に本会議場から出て行くよう求めることもできるし、実際にそうすることも考えたが、無垢(むく)な高校生を困惑させることはしたくないので思いとどまった経緯がある」「今後は手続き規則違反として異議を申し立て、ブロックするとまで迫った

 こうした要請を受け、外務省は見送りを決めたという。理由について外務省は(1)高校生を政府代表団に含めるには加盟国の合意が必要なため、手続き上難しい(2)本会議場で高校生がスピーチしようとしても、報道機関に公開されている場で止められてしまいかねない-と説明している。

 公電の国名は黒塗りされているが、前後の文脈などから核保有国とみられる

 外務省軍備管理軍縮課は「強硬な言い方で問題提起する国が出てきたのは今年になってからだが、手続き面を問題視する声は以前からあった。(今年7月に採択された)核兵器禁止条約の制定とは無関係。来年以降の対応は未定」としている。

    ◇      ◇

■背景に核禁止条約も

 鈴木達治郎・長崎大核兵器廃絶研究センター長の話 高校生のスピーチをここまで強く阻むのは異常だ。昨年までは容認していたことを考えると、核兵器禁止条約制定の動きも踏まえて核保有国が被爆国・日本に核保有国寄りの態度を鮮明にするよう圧力をかけたのではないか。スピーチを例年通りに行うと、軍縮会議の円滑な運営に影響を与えるリスクはあるが、公の場でスピーチに抗議するほどの理由があるとは思えない日本として堂々と主張を貫く選択肢もあったかもしれない。「核なき世界」への日本の立ち位置をもっと明確にし、核保有国と非保有国の橋渡しのための政策をきちんと作っていくべきだ

=2017/11/14付 西日本新聞朝刊=
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201711/CK2017111502000133.html

「退場求めることできる」 核保有国 以前から問題視
2017年11月15日 朝刊

 二〇一四年のジュネーブ軍縮会議から三年連続で核兵器廃絶を訴える演説をしてきた高校生平和大使は、日本政府が一日だけ政府代表団に登録する形で、本会議場でスピーチを認められてきた。開示された公電や外務省の内部文書によると、軍縮会議加盟国の軍縮大使や次席が今年二月以降、日本側に「軍縮会議の手続き規則は、高校生が政府代表団の一員になることを認めていない」と数回にわたり指摘。「毎年続くようであれば、しかるべき対応をせざるを得ない」とスピーチの見送りを求めた

 日本政府側は当初「若い世代の活動を通じて、核兵器使用の惨禍について正確な認識が深まり、『核兵器のない世界』に向けた国際社会の機運が高まっていくことを期待している」などと反論した。

 しかし、同国の軍縮大使は「自分は高校生に本会議場から出て行くよう求めることもできるし、実際にそうすることも考えたが、無垢(むく)な高校生を困惑させることはしたくないので思いとどまった経緯がある」「今後は手続き規則違反として異議を申し立て、ブロックするとまで迫った

 こうした要請を受け、外務省は見送りを決めたという。理由について外務省は(1)高校生を政府代表団に含めるには加盟国の合意が必要なため、手続き上難しい(2)本会議場で高校生がスピーチしようとしても、報道機関に公開されている場で止められてしまいかねない-と説明している。

 公電の国名は黒塗りされているが、前後の文脈などから核保有国とみられる

 外務省軍備管理軍縮課は「強硬な言い方で問題提起する国が出てきたのは今年になってからだが、手続き面を問題視する声は以前からあった。(今年七月に採択された)核兵器禁止条約の制定とは無関係。来年以降の対応は未定」としている。

 菅義偉官房長官は十四日の記者会見で、高校生平和大使の演説が一部加盟国の圧力で見送られたことについて「スピーチは実現できなかったものの、高校生がさまざまな国の代表と直接意見交換をすることで、互いの考え方を理解し合えたことは有益だった」と述べた。
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●核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…《核兵器六千発分相当の四十八トンを抱える》ニッポン

2016年03月29日 00時00分59秒 | Weblog


東京新聞の記事【減らぬ日本のプルトニウム 米、核再処理に懸念】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201603/CK2016032702000121.html)。

 《米国で三十一日に始まる核安全保障サミットを前に、原発の使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、再利用する核燃料サイクル事業に米国が神経をとがらせている。背景にあるのはオバマ大統領が問題視するプルトニウムの大量保有だ。核兵器六千発分相当の四十八トンを抱える日本は核燃料サイクル事業実現で減らすと強調するが、めどが立たない現状に米国が疑問を呈した形だ》。

 核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…プルトニウムの蓄積・核兵器転用=世界は「それも」怖れている。内橋克人さんは、「集団的自衛権の先に待っているのは、核兵器を持って抑止力にしようという政策原発はプルトニウムをつくる装置でもあり、原発を止めることは日本の核武装に待ったをかけることだ」と訴えました(『●原子力「ムラ寄生」員会ではなく、「風船爆弾」が語ることにこそ真実はある ~川内原発再稼働問題~』)。

 アメリカ合州国大統領を目指すトランプ氏からニッポンは御墨付きを頂けたようです。東京新聞の記事【トランプ氏、日韓の核保有容認も NYタイムズ電子版】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016032701001147.html)によると「日本と韓国の核保有を容認することもあり得るとの考え」だそうです。ハハハッ、アタマダイジョウブデスカ? アベ様が泣いて喜びそう。歴代自民党の皆さんが核発電、核燃料サイクルに拘り続けたその成果でしょうね。哀しい国です。HIROSIMA・NAGASAKI・FUKUSIMAは一体何だったのでしょうか。

   『●原発再稼働と「軍産複合体国家・米国の商売」と
      「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」

   『●核燃サイクル=「ホワイト・エレファント…
     …私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか」?

   『●湯水のごとくカネ浪費:核燃料サイクルに
     十二兆円をドブガネし、今後も毎年千六百億円ずつ増えていく悪夢
   『●プルトニウム報告漏れ: 「疑念」ね~?、 
     目的あっての「隠蔽」??・・・っていうのは穿ち過ぎ???
   『●核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…
       プルトニウムの蓄積・核兵器転用=世界は「それも」怖れている

 「冷戦期に英米仏が日本に提供した研究用プルトニウム331キロ」は何のため? 何の「研究」なのか?

   『●烏賀陽弘道さん
     『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了
    《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人を
     「いないこと」にしてしまった。原発と核兵器の「血のつながり」を
     論ずることはタブーになった》

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201603/CK2016032702000121.html

減らぬ日本のプルトニウム 米、核再処理に懸念
2016年3月27日 朝刊

     (研究用プルトニウムや高濃縮ウランを積み米国に向け
      出航した輸送船「パシフィック・イグレット」(中央)
      =22日、茨城県東海村沖で)

 【ニューヨーク=北島忠輔】米国で三十一日に始まる核安全保障サミットを前に、原発の使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、再利用する核燃料サイクル事業に米国が神経をとがらせている。背景にあるのはオバマ大統領が問題視するプルトニウムの大量保有だ。核兵器六千発分相当の四十八トンを抱える日本は核燃料サイクル事業実現で減らすと強調するが、めどが立たない現状に米国が疑問を呈した形だ。

 米上院外交委員会が十七日に開いた公聴会。国務省で国際安全保障や核不拡散を担当するカントリーマン次官補は「再処理事業に経済的合理性はなく、核の安全保障と不拡散に懸念をもたらす。すべての国の撤退が喜ばしい」と言い切った。AP通信は「異例の踏み込んだ発言」と報じた。

 オバマ氏は「テロリストの手に渡らないよう努力している分離済みプルトニウムのような物質を絶対に増やし続けてはいけない」と述べている。

 一九七七年に再処理事業から撤退した米国は他国の参入を止める一方、日本には一九八八年に定めた日米原子力協定で例外的に認めた。協定期限は二〇一八年七月。いずれかが再交渉を求めなければ自動更新される。米国には期限前に問題提起する狙いがあった。

 背景には事業を請け負う認可法人を設ける日本側の法制定の動きが指摘されている。鈴木達治郎・長崎大教授は「法律は、使用済み核燃料が出たら再処理費用を積み立てると規定。必要以上に持たないとの合意に反すると米側がみなした可能性がある」と話す。

 公聴会で民主党のマーキー上院議員は「(事業認可を求める)韓国の後追いを促し、北朝鮮の核保有を防ぐ米国の努力を台無しにする危険がある」と更新交渉の必要性を指摘した。


<米国のプルトニウム回収> オバマ大統領は2009年、「核なき世界」を訴えたプラハ演説で、各国が保有する核物質がテロなどに悪用されるのを防ぐため、管理を強化する考えを示した。日本やドイツ、ベルギー、イタリアなどにあるプルトニウムが対象となっている。

 日米は14年の核安全保障サミットで、冷戦期に英米仏が日本に提供した研究用プルトニウム331キロの返還に合意。今月22日に英国の輸送船が茨城県東海村を出港した。ところが運搬先のサバンナリバー核施設がある米サウスカロライナ州の知事が「住民の安全と環境保護のために受け入れられない」と反発。5月ごろに到着する輸送船が滞留する恐れが出ている。
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●核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…プルトニウムの蓄積・核兵器転用=世界は「それも」怖れている

2015年11月28日 00時00分07秒 | Weblog


asahi.com/aeraの記事【たまり続ける日本のプルトニウムに募る懸念 原発再稼働で指摘される別の問題】(http://dot.asahi.com/aera/2015111600063.html)。

 《最近まで「原子力ムラ」の中心にいた。その鈴木氏ですら、日本の原発で生み出され続けるプルトニウムが、これからの原子力政策を左右しかねないと心配する…核燃料サイクル固執する政府…世界の心配は核兵器への転用》。

 「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」。《国際的に心配されているのは、日本の核燃料サイクルの破綻ではない。プルトニウムが核兵器に転用される恐れだ》。「空が落ちてくる」=「核兵器への転用」というのは杞憂だ、「核兵器など作れない」という原発推進派……《原子炉で生まれたプルトニウムでは核兵器が作れないというのは誤解に過ぎず現に米国では62年に成功している》。

   『●東京電力人災以降も、原発推進の姿勢を変えず
   『●「もんじゅ」の知恵ではなく、 
       「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」!
   『●「核燃サイクル―限界が迫っている」
         ・・・・・・いえ、すでに破綻しています

   『●「回らない核のサイクル」六ヶ所村:  
       どちらも「地獄」という二択だったのか?
   『●核発電という「経済麻薬」で思考停止: 
       川内原発2号機も再稼働へ向けて九電が暴走
   『●原発再稼働と「軍産複合体国家・米国の商売」と
      「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」

   『●核燃サイクル=「ホワイト・エレファント…
     …私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか」?

   『●湯水のごとくカネ浪費:核燃料サイクルに
     十二兆円をドブガネし、今後も毎年千六百億円ずつ増えていく悪夢
   『●プルトニウム報告漏れ: 「疑念」ね~?、
     目的あっての「隠蔽」??・・・っていうのは穿ち過ぎ???
   『●全く知恵の無い「もんじゅ」は発電もせずに、
      「年間の電力消費量は一般家庭約二万五千世帯分にも上る」

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http://dot.asahi.com/aera/2015111600063.html

たまり続ける日本のプルトニウムに募る懸念 原発再稼働で指摘される別の問題
by ジャーナリスト・桐島瞬 (更新 2015/11/16 13:23)

    (フランス南部にあるMOX燃料製造工場。
     日本で使われる燃料もここで製造された。
     円筒形の容器はプルトニウムの運搬用
     /2013年10月 (c)朝日新聞社)
    (フランスから戻ってきたMOX燃料集合体が
     運び込まれた関西電力高浜原発3号機
     燃料プール/2013年7月 (c)朝日新聞社)


 政府が着々と進める原子力発電所の再稼働。事故への不安から反対運動が続く。しかし国際的には、別の角度から懸念の声が上がっているのだ。(ジャーナリスト・桐島瞬

   「(原発からできる)プルトニウムの核拡散リスクを
    過小評価しているのが、いまの日本。このままいけば、
    日本が掲げる非核政策にも国際社会から疑念が
    高まりかねない」

 こう話すのは、長崎大学核兵器廃絶研究センター長の鈴木達治郎氏。昨年3月までの4年間、内閣府原子力委員会の委員長代理を務めるなど、最近まで「原子力ムラ」の中心にいた。その鈴木氏ですら、日本の原発で生み出され続けるプルトニウムが、これからの原子力政策を左右しかねないと心配する。

 核兵器廃絶を目指す世界の科学者らが集まり、11月5日まで長崎で開かれた「パグウォッシュ会議」でも、日本のプルトニウム問題は議題になった。参加者らは青森県六ケ所村にある再処理工場の稼働を無期限延期するよう安倍晋三首相宛てに要望書を送った。六ケ所村の再処理工場が動き出せば、さらにプルトニウムが増えるからだ。


●核燃料サイクル固執する政府

 日本が保有するプルトニウムは約47トン。軍事用も含めた全世界のプルトニウム約500トンの10%近くを占め、核兵器保有国以外では圧倒的に多い。うち10トンは国内の原発などに保管され、残り37トンは再処理を頼んだイギリスとフランスにある。

 では、なぜそんなに日本にはプルトニウムがたくさんあり、その何が問題にされるのか。

 原子力発電所で使用済みになった核燃料には、重量で約1%のプルトニウムが含まれている。プルトニウムを分離し、再び原発で使えるように加工する作業を「再処理」と呼ぶ。

 再処理されて生まれた分離プルトニウムを含む核燃料は、高速増殖炉やMОX炉と呼ばれる原子炉で使われる。なかでも高速増殖炉は、燃料に多く含まれる燃えないウランをプルトニウムに効率よく転換させる能力があり、使った分以上のプルトニウムを生み出すことから、何度でもリサイクルが可能。それが「核燃料サイクル」だが、実用化した国はいまだない

 高速増殖炉では、熱をよく伝えるナトリウムを冷却剤に使う必要があるが、ナトリウムは水と反応すると爆発するため技術的なハードルが高い。1995年に「もんじゅ」で起きた火災事故もナトリウム漏れが原因だった。

 鈴木氏はさらに指摘する。

   「もともとはウランの枯渇に備えてできた計画ですが、
    今ではウランは採掘可能年数が増し、海水にも
    無尽蔵にあることが分かってきた。早急に開発する
    必要性が薄まってしまったのです」

 先進各国の多くが80~90年代に次々と高速増殖炉の開発をやめる中、日本は諦めず、核燃料サイクルを続けるために、使用済み燃料をすべて再処理する政策を維持する。

 一方、肝心のもんじゅも事実上の「レッドカード」が見え隠れする状況に追い込まれている。試験運転中に燃料交換用機器を炉内に落とすトラブルで2010年から長期停止中。その後も約1万点の機器の点検漏れが発覚し、業を煮やした原子力規制委員会は11月13日、運営主体を日本原子力研究開発機構以外に代えるよう勧告した。代わる運営主体が見つからなければ、廃炉も現実味を帯びる。


●世界の心配は核兵器への転用

 ただ、国際的に心配されているのは、日本の核燃料サイクルの破綻ではない。プルトニウムが核兵器に転用される恐れだ。テロリストが盗み出して核兵器を作る。もしくは、再処理施設を核兵器製造の隠れみのにする国家が出るかもしれない。


●テロリストには十分の品質

 米ローレンス・リバモア国立研究所の国家安全保障政策研究所副所長を務めるブルース・グッドウィン氏は、最近東京で開かれたシンポジウムでこう断言した。

   「核兵器を作る初期の技術があれば、再処理された
    プルトニウムから広島型原爆の破壊半径の3分の1以上に
    なる核兵器が作れる原子炉で生まれたプルトニウムでは
      核兵器が作れないというのは誤解に過ぎず現に米国では
    62年に成功している

 実際、複数の核の専門家にも聞いたところ、テロリストが脅しに使う程度には十分な威力を発揮する核兵器が、再処理されたプルトニウムから作れるという。コンピューターの計算能力が飛躍的に向上したためだ。

 国際原子力機関(IAEA)プルトニウムが8キロあれば核兵器が製造できるとみている。日本国内の保有量は1350発分に相当する。

 IAEAには、核物質の兵器転用を防ぐ目的で査察に入る権利が認められているが、

   「査察に入るまでは準備などに4週間が必要。一方、
    核兵器転用には1~3週間あれば十分。これでは間に
    合わない」(米・核不拡散政策教育センター理事の
    ヘンリー・ソコルスキー氏)

 90年代にホワイトハウスで科学技術政策局次長を務めたフランク・フォンヒッペル米プリンストン大学名誉教授は、強い調子で指摘する。

   「日本の核施設は武装した警備員がいないなど、
    セキュリティーレベルが高いとはいえない。警備員が
    銃を携帯している米国ですら、核施設の警備体制を検査する
    模擬攻撃で特殊部隊が原発に潜入し、プルトニウムを
    “盗み出す”ことに成功してしまったことが一度ならずある。
    米国はすでに再処理をやめた。日本が再処理を続けよう
    とするのは危険すぎる」

 米国だけではない。中国の軍縮大使は10月に開かれた国連総会の第1委員会で、日本の余剰プルトニウムが核武装につながる可能性があると言及した。

 また、対北朝鮮に向けて核武装を望む国民が過半数を占めると言われる韓国。

   「日本が再処理をこのまま進めれば、米韓原子力協定で
    韓国も再処理の権利を主張するだろう」(米・天然資源防護
    協議会のジョンミン・カン氏)

 核拡散ドミノを防ぐ打開策はあるのか。

 鈴木氏やフォンヒッペル氏は、全量再処理した後の放射性廃棄物を地下深くに埋めるという政策をやめて、使用済み燃料をそのまま廃棄物として埋設する直接処分(ワンススルー)を採り入れるべきだと提案する。

   「地下深くに、拡張される前の羽田空港ぐらいの広さの処分場を
    一つ作れば、国内で発生する使用済み核燃料をすべて
    片づけられる」(鈴木氏)


●原発再稼働でさらに増加へ

 その場合、使用済み燃料を二重構造の乾式キャスクに50~100年程度、中間貯蔵して熱が下がるのを待ってから埋めることになる。使用済み燃料プールよりも頑丈なキャスクに納めて保管したほうが災害や盗難に対する安全性が高まるうえ、「埋設前に冷ますことで燃料同士の距離を詰められ、貯蔵スペースの節約にもなる」(フォンヒッペル氏)という。

 政府は昨年4月のエネルギー基本計画で、使用済み核燃料に関して直接処分の調査研究を進めると明言したものの、この調査研究はあくまでも「選択肢の幅を広げる意味」(資源エネルギー庁放射性廃棄物対策課)との位置づけで、核燃料サイクルの堅持の方針は変えていない

 経済産業省によると、東京電力福島第一原発の事故で国内の全原発が停止中だった昨年3月末時点で、約1万7千トンの使用済み燃料が国内の原発などに貯蔵されていた。その3分の2が再処理を待っている状態だ。

 加えて、今年8月の九州電力川内原発1号機を皮切りに始まった再稼働の流れが強まれば、再処理を待つ使用済み核燃料がますます増えることになる。

 核兵器問題を扱うアナリストの田窪雅文氏はこう強調する。

   「核兵器に利用可能なプルトニウムがあり余っている状態で
    再処理工場を動かして、さらにプルトニウムを取り出そうなど
    というのはもってのほか。他の多数の国々がやっているように
    使用済み燃料を中間貯蔵した後、直接処分するという政策に
    変えるべきです」

※AERA 2015年11月23日号
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●玄海原発「MOXの安全性の立証」はできたのか!? 「プルトニウムは飲んでも大丈夫」だから??

2015年03月22日 00時00分12秒 | Weblog


毎日新聞の記事【玄海原発:MOX燃料使用差し止め請求を棄却 佐賀地裁】(http://mainichi.jp/select/news/20150321k0000m040152000c.html)。

 「波多江真史裁判長は「重大事故の危険性は認められない」として請求を棄却」。
 九電あるいは原子力「ムラ寄生」委員会は「MOXの安全性の立証」をできたの!? 裁判長はそれを納得? 「プルトニウムは飲んでも大丈夫」だから?? この裁判長の名は記憶されなければいけない。

   ●玄海原発プルサーマル
        賛成派質問者8人中7人が仕込みだった!

   『●ババをつかまされた!?

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http://mainichi.jp/select/news/20150321k0000m040152000c.html

玄海原発:MOX燃料使用差し止め請求を棄却 佐賀地裁
毎日新聞 2015年03月20日 23時50分(最終更新 03月21日 00時00分)

     (佐賀地裁前で「不当判決」の旗を掲げる原告
      =佐賀市で2015年3月20日午後3時13分、松尾雅也撮影)

◇「重大事故の危険性は認められない

 九州電力玄海原発3号機(佐賀県玄海町)のプルサーマル発電で用いられるプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料の使用差し止めを、市民が求めた訴訟の判決が20日、佐賀地裁であった。波多江真史裁判長は「重大事故の危険性は認められない」として請求を棄却した。市民側は控訴する方針。

 九電は2009年、国内初のプルサーマル発電の営業運転を始めた。これに対し、反対する市民がMOX燃料は従来の原発の燃料のウランより制御が難しく、重大事故につながる使用済みMOX燃料の処理方策が決まっておらず長期保管されることになり、健康、環境被害の危険性がある−−などと主張し、10年8月に提訴した。原告団は九州7県の129人。

 判決は、ウランとMOX燃料は同等と評価でき、市民側が主張する燃料溶融や原子炉容器破壊の危険は認められないと指摘。使用済みMOX燃料の保管についても貯蔵設備は原子力規制委員会などの基準を満たしており「具体的危険が立証されていない」として市民側の主張を退けた。

 MOX燃料に対する司法判断としては、01年3月に福島地裁が、東京電力福島第1原発3号機での使用差し止めを求める仮処分申請を却下している。

 国内のプルサーマル発電は福島第1原発や四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)、関西電力高浜原発(福井県高浜町)でも運転が始まったが、11年の福島第1原発事故以降すべて停止した。

 玄海原発のプルサーマル導入を巡っては、05年の佐賀県主催の公開討論会で、九電側が計画推進のための「仕込み質問」や社員らの動員をしていたことが11年に発覚。県議会は今年3月、県の対応を批判する決議を可決した。【生野貴紀、岩崎邦宏】


 九州電力のコメント MOX燃料使用に関し安全性を確保しているとの当社の主張が認められ、妥当な判決だと考えている。更なる安全性、信頼性向上への取り組みを自主的、継続的に進める。

 原告団の石丸初美団長の話 不当な判決で怒りがこみ上げてきた。原発の問題は命の問題で、経済の問題ではない。ここで諦めることはできず、怒りをエネルギーにして闘っていきたい。


◇MOX燃料とプルサーマル

 使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを抽出し、ウランと混ぜたものがMOX燃料と呼ばれる。プルサーマルはMOX燃料を通常の原発(軽水炉)で使用することを意味する造語。国のエネルギー基本計画は核燃料サイクルの推進を基本的指針としており、プルサーマルはその一環として位置づけられている。


◇専門家「処分方法を議論する必要ある」

 玄海原発3号機のMOX燃料使用差し止めを求めた訴訟で佐賀地裁は原告の請求を棄却し、国が進めるプルサーマル計画にお墨付きを与えた格好となった。しかし、使用済みMOX燃料の最終処分のめどはたっておらず、専門家からは「核燃料サイクルの継続でなく、処分方法を議論する必要がある」と慎重さを求める声もあがる。

 福島第1原発事故後、全国の原発は停止しているが、プルサーマル発電を実施していた高浜原発は今年2月、原子力規制委員会の新規制基準に基づく安全審査に合格し、11月の再稼働に向けた準備が進むJパワー電源開発)が青森県大間町で建設を進める大間原発は全炉心にMOX燃料を使う世界初のフルMOX商業炉だ。

 だが、使用済みのMOX燃料は通常の原発の使用済み燃料より扱いが難しいとされ、その最終処分は方策すら決まっていない状態。今回の訴訟で市民側は「使用済み燃料が長期保管されれば、漏えいや地震による事故の恐れがある」と訴えていた。

 元内閣府原子力委員長代理の鈴木達治郎・長崎大核兵器廃絶研究センター教授は「プルサーマルはプルトニウムの在庫を減らす唯一の現実的な選択肢だが、使用済みMOX燃料の行き先が決まっていないのが一番の問題だ」と懸念している。【生野貴紀、岩崎邦宏】
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●プルトニウム報告漏れ: 「疑念」ね~?、目的あっての「隠蔽」??・・・っていうのは穿ち過ぎ???

2014年06月23日 00時00分40秒 | Weblog


東京新聞の記事【福島事故後 未使用640キロ プルトニウム報告漏れ】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014060890075150.html)。

 「核爆弾約八十発分に相当。大量の核物質を持つ日本には国際社会の厳しい視線が注がれており、報告漏れは疑念を招きかねない」・・・・・・「疑念」ね~? 目的あっての隠蔽」?? 穿ち過ぎでしょうかね。でも、市民ももっと「原子力=核」「原子力発電=核兵器」という認識を持つべきではないでしょうか。

   『●小出裕章さん、核=原子力は「違憲」という視点
   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である
   『●「原子力」は「核」へのポテンシャル
   『●3.11後にヒロシマで原発推進・輸出を語れるその神経・・・・・・
   『●「核と人類は共存し得ない」
   『●核開発・核使用、そして原発推進・・・・・・、それは愛国心の発露か?
   『●アベ首相が「プルトニウムを再利用する「核燃料サイクル」の推進を表明」
                                  ・・・もしかして「〇〇〇〇」?
   『●烏賀陽弘道さん『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014060890075150.html

福島事故後 未使用640キロ プルトニウム報告漏れ
2014年6月8日 07時51分

 各国が国際原子力機関(IAEA)に毎年行っているプルトニウム保有量報告で、日本が二〇一二年以降、原子炉に入れたが東京電力福島第一原発事故の影響で使われなかった燃料内のプルトニウム六百四十キロを含めていないことが七日、分かった。核爆弾約八十発分に相当。大量の核物質を持つ日本には国際社会の厳しい視線が注がれており、報告漏れは疑念を招きかねない。

 政府は意図的な過少報告でないとしているが、兵器転用可能なプルトニウムが実態通り報告されておらず、国内外の専門家は日本の認識の甘さを指摘している。日本が保有するプルトニウム総量は約四十四トンとされてきたが、実際は約四十五トンに上る。

 問題のプルトニウムは九州電力玄海原発3号機(佐賀県)の混合酸化物(MOX)燃料に含まれる六百四十キロ。一一年三月、定期検査中の原子炉に入れられたが、原発事故を受け、運転再開できず炉内に置かれたままだった。二年後の一三年三月、未使用のまま炉から抜き取られ、今も燃料プールに保管、IAEAの査察対象となっている。しかし政府は一二年、全国の原子炉施設にある一一年末時点の未使用プルトニウム量について、一〇年末の二・二トンから一・六トンに減らしてIAEAに報告。玄海3号機の炉心にMOX燃料を入れたことが理由で、昨年も一・六トンで報告している。

 担当の原子力委員会事務局は「炉内にある燃料は使用中と見なし、以前から報告対象外。核テロ対策上も問題ない」と説明するが、専門家からは「どこにあろうが未使用のプルトニウム。報告に反映すべきだ」(オリ・ヘイノネン元IAEA事務次長)と問題視する声が上がっている。

 専門ウェブサイト「核情報」(田窪雅文代表)がこの問題に気づき共同通信が関係機関に取材した結果、報告漏れが判明した。今春まで原子力委員長代理だった鈴木達治郎長崎大教授は「委員会が気付かなかったのは反省材料。今回の教訓を踏まえ改善の努力をすべきだ」としている。

 <日本のプルトニウム> 日本は核燃料サイクル政策を推進し原発の使用済み燃料を再処理して抽出したプルトニウムやウランの有効活用を目指してきた。国内や英仏で再処理したプルトニウム44トン超を保有し、非核保有国としては最多。単純計算で核爆弾5500発分以上に相当する。国内で再処理したものはMOX粉末などで保管。海外での再処理分はMOX燃料として日本に戻され、燃料プールに貯蔵される。福島の原発事故前は原発16~18基でMOX燃料を使いプルトニウムを消費する予定だったが、事故後、不透明に。

(東京新聞)
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●嘘吐きと本音

2012年09月10日 00時00分49秒 | Weblog


使用済み核燃料再処理の真の狙いについての東京新聞の二つの記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012090502000123.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012090602000130.html)。

 記事によると、「電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)の幹部が、使用済み核燃料の再処理事業は、原発に使用済み核燃料がたまって稼働できなくなるのを防ぐため、と明言」していたそうで、これは、「国も電力会社も、再処理はウラン資源を節約し、エネルギー面の安全保障のためだと再三強調してきた」ことがであった訳である。もう一つ、2番目の記事にあるように、再処理のその裏の意味合いは、「森本敏防衛相が就任前の今年一月、電力関係の講演会で日本の原発維持を主張し「単にエネルギーの問題だけではない」「周りの国から見て非常に大事な抑止的機能を果たしている」と発言」していたそうで、「原発の維持が周辺国に核兵器開発の潜在的能力を意識させ、それが日本の国防上のメリットにつながる」との考えを示していたそうである。これこそが原発稼働の裏に隠れた真の意味である。つまり、「原子力=核」であることを露骨に云って見せた訳だ、就任前とはいへ防衛相候補者が。

   『●破綻した核燃サイクル: なぜ核分裂性プルトニウムをため込むのか?
   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である
   『●小出裕章さん、核=原子力は「違憲」という視点

 「消費税増税のドサクサに紛れて、「原子力の憲法」改悪までして、「安全保障」などという言葉を滑り込ませている。「「安全保障(セキュリティー)」の言葉を使えば「平和利用に限る、軍事には使わないという原則を日本は放棄するのではないか」といった疑念や拡大解釈の余地を国際社会に与えてしまうおそれがある。しかも、福島原発事故の後であり、朝鮮半島や西アジアなど核をめぐって世界情勢が緊張する中、あまりに無神経だ」・・・・・・というか、第2自民党・元祖自民党・第3自民党が十分に意識的に謀ったのだと思う」。

 使用済み核燃料プールの空きはあとわずか。

   『●使用済み核燃料プールが満杯になったらどうするの??

「これまでの再処理の建前はうそで、原発を運転し続けるための方便ということがはっきりしたことで、再処理事業の存続意義はますます揺らぐこと」になる。1秒1秒、刻一刻と、死の灰大飯原発で生み出されている。即刻大飯原発を停止し、すべての原子炉は廃炉にするしかない。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012090502000123.html

「ウラン節約」ウソだった 再処理「原発維持のため
2012年9月5日 朝刊

 原子力委員会が原発推進側を集め昨年十一月に開いた秘密勉強会の場で、電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)の幹部が、使用済み核燃料の再処理事業は、原発に使用済み核燃料がたまって稼働できなくなるのを防ぐため、と明言していた。国も電力会社も、再処理はウラン資源を節約し、エネルギー面の安全保障のためだと再三強調してきたが、虚偽の説明だったことになる。
 発言者は電事連の原子力部長。内閣府の検証チームが集めた議事資料などによると、昨年十一月二十四日の会合で、原子力委の鈴木達治郎委員長代理が「電力会社としては、コストが高くても再処理する理由があるのか。とりあえずは(使用済み核燃料を)処理できるということがメリットか」と部長に質問した。
 これに対し、部長は「その通り」と即答し、「再処理路線でなければ、使用済み核燃料の受け入れ先がなくなり、原発が止まってしまうことになる」と述べた。
 本紙の調査で、国内約六割の原発では、稼働させれば数年内に使用済み核燃料プールが満杯になる。核燃料が交換できなくなり、それ以上は稼働できず、行き詰まった状態になると判明している。
 鈴木氏の質問は、電力各社にとって再処理を続けるメリットは、プールにたまった使用済み核燃料を減らし、原発を維持することかどうかをただす趣旨。部長の答えは、まさに電力会社の本音を語ったものだ。
 ただし、日本の原子力政策の建前は、再処理で出たプルトニウムを使い、混合酸化物燃料MOX燃料)にしてプルサーマル発電で再利用。それが「資源小国の日本にとってウラン資源の節約につながる」ということだ。その建前で十兆円もの巨費を投じてきたが、再利用の輪は完成しておらず、MOX燃料の利用計画も立てられなくなっている。
 政府・与党は近く、将来の原発比率をどうするか結論を出す見通しだが、再処理を含め原発を維持しようとする動きは根強い。政府からは、原発ゼロにした場合、光熱費がアップするなど否定的な側面だけを宣伝する動きも強まっている。
 だが、これまでの再処理の建前はうそで、原発を運転し続けるための方便ということがはっきりしたことで、再処理事業の存続意義はますます揺らぐことになりそうだ。
 電事連は「(秘密勉強会の)出席者や発言者の確認をしていない」として、検証チームへの資料提出を拒否している。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012090602000130.html

防衛相「原発は抑止力」 就任前 国防上の利点強調
2012年9月6日 朝刊

 森本敏防衛相が就任前の今年一月、電力関係の講演会で日本の原発維持を主張し「単にエネルギーの問題だけではない」「周りの国から見て非常に大事な抑止的機能を果たしている」と発言していたことが五日分かった。原発の維持が周辺国に核兵器開発の潜在的能力を意識させ、それが日本の国防上のメリットにつながるとの考えだ。 
 森本氏は共同通信の取材に対し「政府の一員となった現在は(非核三原則を堅持する)政権の方針に従う」とする一方、就任前からの外交・安全保障の知見については「できれば現実の政策の中に生かしつつ」全力を尽くすのが職責だとも強調した。
 政府は近く、将来の原発比率を含めたエネルギー・環境戦略を決めるが、森本氏は閣僚として閣議決定などで関与することになる。
 講演会は、北海道電力などが関係する経済団体「北海道エナジートーク21」が主催し、一月二十五日に札幌市で開かれた。森本氏は講演会後の座談会で発言。主催者がまとめた講演録によると「国の基本として原子力を持つということは、単にエネルギーの問題だけではない」などと述べた。
 原子力開発を平和利用に限定する原子力基本法には六月「わが国の安全保障に資する」との文言が追記された。政府は非核三原則堅持の方針に変わりはないとしているが核武装に道を開きかねないと反発が出た。
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●破綻した核燃サイクル: なぜ核分裂性プルトニウムをため込むのか?

2012年08月26日 00時00分25秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082490070055.html)。

 昨日も触れたが(『●消極的にしろ、積極的にしろ、「原発0%」しかない』、http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b03708607f8862b8c7cf7d7dc9e5ad32)、核燃サイクルはすでに破綻している。「日本は「余分なプルトニウムを持たない」と国際公約」し、「プルトニウムは核兵器の材料となるため、国際的にもむやみに保有量を増やすことはできない。日本は現在、約二十六トンの核分裂性プルトニウムを保有している」怖い状況。一体どうするつもりなのか? 「原子力=核」がミエミエ。「技術に平和利用軍事利用もないあるのは、平時利用戦時利用であるいったん、平和利用を標榜して技術を持ってしまえば、いつでも軍事的に使うことができる」(『●浅野健一ゼミ企画シンポジウム: 報道と福島原発人災』、http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f65e4736c4c9e6a2d083d1d0ffdae54d) 「青森県六ケ所村にある再処理工場は稼働させ、高速増殖炉の開発も基本的には続ける」なんて寝言をまだ言ってる。

 記事にある鈴木達治郎原子力委委員長代理や近藤駿介委員長については、以下の記事をを読めば、どのようなスタンスの人々であるのかが分かります。

   『●原発をどうするのかをフェアに議論できる情報提供なのか?
   『●今頃言ってらぁ
   『●死の商人、あるいは、安全神話の押し売り

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082490070055.html

「プルトニウム利用なければ」 「再処理せず」合意ほご
2012年8月24日 07時00分

 東京電力福島第一原発事故の後、核燃料サイクル政策の選択肢を検討した原子力委員会の小委員会が、当初、使用済み核燃料の再処理で出るプルトニウムを使う見通しが立たない場合、再処理しないことで合意していたのに、検討途中で合意をほごにしていたことが分かった。事故の影響で、電力会社は原発でプルトニウム利用の計画を示せない状態。その現実を無視し、核燃サイクル維持の方向に議論を進めていた

 プルトニウムは核兵器の材料となるため、国際的にもむやみに保有量を増やすことはできない。日本は現在、約二十六トンの核分裂性プルトニウムを保有している。

 疑念を持たれる状況を解消するため、小委の座長を務める鈴木達治郎原子力委委員長代理は、使う当てがなくても再処理を認めている現状を改善するため、三月から核燃サイクルの選択肢の本格的な検討を始めた。

 当初、委員七人の合意事項として「再処理はプルトニウム利用計画に基づいてのみ実施する」との文言を検討資料に書き込み、この合意を大前提に新たな原子力政策を練ることになっていた。四月下旬の小委会合では、鈴木氏が「利用計画がある場合に限り、再処理します。よろしいですね。それは確実に書かせていただく」と了承も取っていた。

 だが、五月以降の小委の資料からは合意の文言は消された

 本紙の取材に鈴木氏は、原子力委の近藤駿介委員長や推進派の小委委員らから反発があったことを明かした。近藤氏からは「電力会社が『最後は必ず原発で使う』と約束すれば、いろんな理由の再処理があっていい」と、暗に現行施策の継続を求められたという。

 事実関係について、近藤氏は秘書を通じて「小委のことは鈴木氏に聞いてほしい」と答えた。鈴木氏は「座長として意見をまとめるためには仕方なかった」と話した。

 小委の検討結果を踏まえて六月に原子力委が政府のエネルギー・環境会議に示した最終報告書では、将来の原発比率を0%にしない限り、青森県六ケ所村にある再処理工場は稼働させ、高速増殖炉の開発も基本的には続けることが記された。

 核燃サイクルには十兆円以上の巨費が投じられながら実現のめどは立たず、施設の維持だけでも年間一千億円単位の資金がかかる。いずれも電気料金を通じた国民の負担だ。

 政府内では、意見聴取会などの結果を受けて、将来の原発比率についての検討が進んでいる。しかし、核燃サイクルは、ほとんど議論されていない

 核燃サイクルをめぐっては、経済産業省資源エネルギー庁の原子力政策課長が昨年末、原子力委の近藤委員長に対し、脱原発を検討しないよう文書で圧力をかけていたことも判明している。


<プルトニウム利用計画> 日本は「余分なプルトニウムを持たない」と国際公約し、原子力委は電気事業連合会に利用計画を公表させている。1997年には、海外で再処理して出た分を、2010年までに全国16~18基の原発で使うと公表したが、達成率は2割程度。05年からは日本原燃再処理工場(青森県)から出る分を、将来18基程度で使うと毎年3月に公表していたが、福島第一原発事故で使う見通しが立たないため、昨年と今年は公表を見送った。

(東京新聞)
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●原発をどうするのかをフェアに議論できる情報提供なのか?

2011年11月10日 00時00分51秒 | Weblog


gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/index/syakai)から。

 まず、リスクの計算の仕方が分かりません。「500年に1回」というのは、日本にある五十数機全体での話でしょうか? 1基当たりの話なんでしょうか?
 いずれにしろ、一度事故が起ればこのような甚大な被害、致命的な被害が起る訳ですから、数百年から数十年に1回でも起ってはならないことです。
 また、数百年か数十年に1回のいずれにしても、このようなコストで収まるように私には思えないのですが、本当なのでしょうか? (ぐっとこらえて)推進派を全否定しようと思いませんが、ちょっと酷過ぎないでしょうか? こういう数字で、推進派・脱原発派・否定派など諸々の考え方の人たちが、どういったエネルギー政策をとるのか、どのような文化生活を考えるのかをフェアに議論できるように思えないのです。

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http://gendai.net/articles/index/syakai

デタラメな 原発事故コストを「割安」と弾いた原子力委員会の驚愕報酬
20111026 掲載

「安全性は管轄外」と開き直り

 原発事故のコストは最大でも1.2円、ほかの燃料よりも安い――。政府が初めて原発事故に関するコストを試算したが、その内容には驚きを通り越してア然だ。
 試算をまとめたのは、内閣府の「原子力委員会」。それによると、日本の原発で深刻な事故が発生した場合、損害賠償や廃炉費用などの被害額は1基当たり3兆8878億円。これに事故の発生頻度を「500年に1回」と仮定して掛けると、発電コストは1キロワット時で最大1.2円上乗せされる計算になるという。
 この上乗せ分を加味しても、原発の発電コストは火力や水力、太陽光を下回り、事故が起きても安いという理屈なのだが、ハァ? ではないか。現実に最悪の原発事故が起こり、数万人が避難生活を余儀なくされているのだ。あまりにノーテンキだし、算定の前提からしてデタラメだ。
 それもそのはず、原子力委員会のメンバーの顔ぶれを見れば、こんな結果になったのも当然なのである。

   「5人の委員のうち、委員長の近藤駿介氏をはじめ、3人が
    東大工学科出身の原子力エリートです。そのうちのひとり、
    尾本彰氏にいたっては東電の顧問も務めている。今回のコスト試算を
    まとめた小委員会には、外部から有識者ら6人が加わったが、
    座長を務めたのは原子力委員会の鈴木達治郎委員長代理です。
    試算には結局、巨額の除染費用や放射性廃棄物の中間処理費用の建設費は
    計上されていません。有識者からは『除染には48兆円かかり、
    コストは最大で16円にもなる』などの異論も出たが、座長の鈴木氏は
    『0.1~1円あたりが妥当』なんて言っていました。わずか3回の会議で
    議論は尽くされていないのに、最初から結論ありきみたいに、コスト試算が
    まとまったかのようにいわれている。これは異常事態ですよ」
    (環境ジャーナリスト)


 経産省の保安院といい、原子力安全委員会といい、ロクなものではなかったが、原子力委員会も同じ穴のムジナだ。国会で原発事故後の怠慢を批判された近藤委員長は、「火事場で火消しの方法を言うのは適切じゃない。それを見て、沈静化してから取り組むのがミッション」と開き直った。鈴木委員長代理は6月に韓国で開かれた原発事故の討論会で、「われわれは原子力政策には責任があるが、原発の安全性には責任がない」とヘラヘラしながら話していた。
 こんな連中にベラボーな税金が使われているのだから許せない。3期6年も君臨している近藤委員長の月給は106万円! 鈴木代理も月額93万円の高給取りなのである。被災者はやりきれないだろう。それでも、原子力委員会の事務局担当者はこう言い切った。

   「当委員会は原子力を推進する立場であり、原子力に関する政策を
    つくるための組織です。原発の安全性について考えるのは
    原子力安全委員会の仕事です。われわれは安全性についてはかかわらないし、
    かかわることもできないのです」


 こんな組織がまとめた原発事故のコスト試算なんて、ハナから信用できるわけがないのだ。
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