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●《与党共闘にまっしぐら…自民党から見れば国民が連立入りするメリットはほとんどない。自民党は連合を野党支援からはがせればそれでいい》

2022年04月21日 00時00分42秒 | Weblog

[※ 野党共闘 市民連合と政策合意 (週刊金曜日、2021年9月17日1345号)↑]


(20220407[])
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/「野党共闘」どころか「与党共闘」突き進む国民民主の末路は】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202203300000182.html)。

 《★野党共闘どころか与党共闘にまっしぐら。28日、国民民主党、立憲民主党は参院香川選挙区(改選数1)にそれぞれ新人候補を擁立することを発表。国民は着々と与党化を進めるとともに、反野党陣営の動きを強める。…★ただ自民党から見れば国民が連立入りするメリットはほとんどない自民党は連合を野党支援からはがせればそれでいい》。

   『●《民主主義の根幹を成す選挙にはそれだけ価値がある…1票は重い。責任
       ある行動が求められる》…選挙に行く以外に《悪政は拒否できない》
   『●小選挙区2勝2敗 ―――《沖縄は民意をほごにされてきた地だ。…
     民から政治が遠のいていった沖縄で、選挙や民意を語ることは難しい》
   『●2021年衆院選、自公お維コミに投票してよかったのか? 2022年
     こそ、(山口正紀さん)《壊憲を許さない市民と野党の共闘》が必要

 自公お維コミを支持し、彼/彼女らに投票することが何を意味しているのか?
 自公お維コミに対抗するためには、どうすべきかは自明。《自民党との蜜月》《自民党から欲され必要とされていると勘違いしている》《与党共闘にまっしぐら》《自民党支持はミエミエ》なコミや連合など、立憲民主党ははさっさと見切りをつけるべきだし、他にやるべきことがあるでしょ。《与党共闘にまっしぐら》なコミ、哀れな、《これが提案型野党の末路だ》。ガソリン税の減税は一体どうなりましたか?

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/あきれる連合会長・芳野友子の変節ぶり…茶番うんざり】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202204060000105.html)によると、《すでに立憲は共産、社民、れいわ新選組などと選挙調整を進めており、国民は自民党に寄り添いながら香川選挙区では立憲と国民がそれぞれ新人候補の擁立を発表するなど一本化には程遠く、玉木は泉との党首会談も拒否している。その一方、玉木や党幹事長・榛葉賀津也は自民党副総裁・麻生太郎や党幹事長・茂木敏充らと断続的に会食を続けている。自民党との蜜月といえば芳野も麻生や組織運動本部長・小渕優子ら党幹部との会食を重ね、自民党支持はミエミエそれでいて野党共闘を説くのは背信行為としか言えまい。共産党と連合が相いれないのならば、自民党と労働組合が組める理屈も説明してもらいたいそもそもそんな機関決定もせずに連合傘下の組合員に説明がつくのか茶番はうんざりだ》。
 《連合傘下の組合》や組合員は、一体何をしているのか? 芳野友子連合会長の暴走をなぜ止めないのか? あなた達は、自公お維に投票するつもりか?

 一方、大阪。まだゆ党癒着党・お維を支持し、投票すんの?
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/日本維新の会の政策や改革路線に陰り 今夏の参院選が試金石】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202203290000107.html)によると、《★確かに首都圏でも議席を持ち全国区の政党としての力はつけつつある。党創設者の元大阪市長・橋下徹が代表のころの勢力に戻りつつあり、現在は第2期黄金期といってもいい。ことに大阪での衆院選挙の躍進はめざましく大阪府、大阪市、兵庫県と関西の主要自治体と議会は維新が絶対的優位の状態だ。 ★だが結党当初から掲げてきた都構想は2度の住民投票で否決され、税金は1円も使わないが自慢の大阪カジノ構想は大阪市の調査で建設予定地から基準値を超えるヒ素やフッ素が検出され、土壌汚染対策や液状化対策に790億もの公金が大阪市の予算に計上された。25日にはカジノ誘致の賛否を問う住民投票の実施を求める署名集めが始まるなど、維新の政策や改革路線に陰りも見える。…「…岸田政権は安倍・菅政権ほど維新びいきではない」と厳しい。潮目が変わるか参院選が1つの目安になる》。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202203300000182.html

コラム
政界地獄耳
2022年3月30日9時56分
「野党共闘」どころか「与党共闘」突き進む国民民主の末路は

野党共闘どころか与党共闘にまっしぐら。28日、国民民主党、立憲民主党は参院香川選挙区(改選数1)にそれぞれ新人候補を擁立することを発表。国民は着々と与党化を進めるとともに、反野党陣営の動きを強める。ところが同党役員の面々は同床異夢といったところだ。党代表・玉木雄一郎は参院選後の入閣に思いをはせる。代表代行兼選挙対策委員長・前原誠司は都民ファーストや自民党との関係強化を強く批判。維新入り目前といわれる。筆頭副代表・舟山康江は今夏の参院改選議員だが、無所属になって自民党に支援されたい意向。幹事長代行・岸本周平は8月にある和歌山知事選挙に強い関心があるようだ。ところが一番連立与党入りを熱望しているのは国対委員長・古川元久だという。これが提案型野党の末路だ

ただ自民党から見れば国民が連立入りするメリットはほとんどない自民党は連合を野党支援からはがせればそれでいい。つまり連合も国民民主も自民党から欲され必要とされていると勘違いしているのだろうが、連立を組んだ政党はことごとく使い捨てだということは歴史が証明している。古くは新自由クラブ、新党さきがけ、そして何より社会党が自民党と歴史的連立を組んだ自社さ政権で社会党も崩壊した。つまり自民党の連立の歴史は使い捨ての歴史でもある。

★ただ公明党だけは下駄の雪とやゆされたように自民党にしがみついてきた。今回の騒動も結局は何事もなかったように収まったが、公明党という政党は連立を組み続ける以外に道はなくなっている。20年連立を組んで野党には戻れず、既に選択肢は連立を組み続けるしかない。国民や連合にはその覚悟が当初からない。長期ビジョンよりもその場しのぎが魅力のようだ。(K)※敬称略
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202204060000105.html

コラム
政界地獄耳
2022年4月6日8時21分
あきれる連合会長・芳野友子の変節ぶり…茶番うんざり

あとどれくらいこの茶番に付き合えばいいのか。3月25日、立憲民主党代表・泉健太は連合会長・芳野友子と会談し、昨秋の衆院選挙の時にあれだけ大騒ぎした共産党との共闘について、いわゆる1人区での候補者の一本化調整は「党の選挙戦術上の問題で関知するものではない」と述べ、問題視しないと言い出したしつこく共産党との野党共闘批判を衆院選挙前後にしていた芳野変節ぶりにはあきれる。そもそも最初から連合は政党の政治案件に関知してはいけなかったのだ

★昨年11月28日に出演したテレビでは「連合と共産党の考えが違う。立民と共産党の共闘はありえないと言い続ける」と言い、さらに来夏の参院選についても「考え方の違う共産党が入るのはちょっと考えなければいけない」と言っていた。一方、3月31日に国民民主党代表・玉木雄一郎と芳野の会談では「1人区」を中心に立憲民主党との間で候補者調整を進めるよう改めて求めたが、玉木は会談後の会見で「総合的に判断する」と答えている。

すでに立憲は共産、社民、れいわ新選組などと選挙調整を進めており、国民は自民党に寄り添いながら香川選挙区では立憲と国民がそれぞれ新人候補の擁立を発表するなど一本化には程遠く、玉木は泉との党首会談も拒否している。その一方、玉木や党幹事長・榛葉賀津也は自民党副総裁・麻生太郎や党幹事長・茂木敏充らと断続的に会食を続けている。自民党との蜜月といえば芳野も麻生や組織運動本部長・小渕優子ら党幹部との会食を重ね、自民党支持はミエミエそれでいて野党共闘を説くのは背信行為としか言えまい。共産党と連合が相いれないのならば、自民党と労働組合が組める理屈も説明してもらいたいそもそもそんな機関決定もせずに連合傘下の組合員に説明がつくのか茶番はうんざりだ。(K)※敬称略
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●覆土していれば土壌・地下水汚染問題は解決していた?…「空疎な小皇帝」石原慎太郎元「ト」知事のドブ金

2016年09月17日 00時00分01秒 | Weblog


東京新聞の中沢誠記者による記事【豊洲地下問題 コンクリ箱案「石原氏が検討指示」 当時の都幹部証言】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016091690070606.html)。

 《当時の都中央卸売市場長の比留間(ひるま)英人氏が十五日、本紙の取材に応じ、「石原氏から『こんな案があるから検討してみてくれ』と指示を受けた」と明かした。当時のトップが専門家の方針に反し、盛り土をしない工法を模索していたことが裏付けられた》。

   『●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(3/3)
    「斎藤貴男吉田司著…
     吉田 まず小泉純一郎が「政界引退」を宣言した。彼の「痛みを伴う」
         構造改革によって日本は下流社会化し、ワーキングプアな
         貧民大国となった。…世界は…「大きな政府」への流れに
         大転換しようと急いでいる。そんな中で「空疎な小皇帝」だった
         人間の役割は終わりました。…
     斎藤 どうでしょう。退場勧告も何も、最初から私はお呼びじゃない
         と思っていたのですが。・・・オリンピック招致だの築地市場の
         豊洲移転だの、まともな首長なら言えっこないデタラメを次々に
         打ち出しては財界の歓心を買うことに懸命ですから…。
         …はっきり言ってどうかしている

   『●にっちもさっちも
    「こうした実態は、土壌汚染対策を取りまとめた都の専門家会議にも
     全く報告されていなかった。座長以下、市場移転推進派だったメンバー
     からも「杭が腐って土壌が空洞化した場合、汚染の通り道になる危険性は
     ゼロではない」などと危惧する声が上がっている」

   『●パンダの方が働いているとは!
    「いまや破綻寸前の新銀行東京に1400億円を投入。
     150億円を使って招致失敗に終わっても、懲りずに五輪招致基金を
     4000億円も積んでいます。移転ゴリ押しで大モメの
     築地市場移転の総事業費は、
     4316億円に達する見込みです。
     これだけでも計1兆円のムダづかいです」

   『●言葉を失います・・・
   『●都民じゃないが、宇都宮健児さんに真の都知事に
    「渡辺弁護士(築地市場移転問題)「築地市場は都政の重大な争点である。
     豊洲移転を東京都は進めている。移転予定地は汚染まみれ。築地市場は
     世界も認める食品市場である。東京都は土地を買い取っているが、
     汚染浄化を売り主に義務付けなかった。汚染浄化費用は都民の税金で
     使われる。豊洲移転は確定していない。やさしい都政であれば
     築地市場問題への結論は明白であると確信している」」

   『●「二〇年後の日本を考えよう」『週刊金曜日』
      (2012年12月14日、924号)についてのつぶやき
    「野田峯雄氏「がれき受け入れ、環状2号線、築地移転 東京都の
     公共事業で蜜を吸ってきた鹿島建設と石原慎太郎前都知事」、
     「「やっぱり天罰」と強調、新銀行東京から消えた公金」。
     これひさかつこ氏「医療・福祉を全国最低レベルにした石原都政」」

   『●最近の諸々のつぶやきメモ: 反原発や冤罪、死刑問題、情けない政治等々
    「■元「ト」知事継承者は本気で移転するつもり? 
     『築地市場移転予定地近く ヒ素 基準の52倍検出』
     (http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013022202000124.html …)/
     「検出場所は三メートルの盛り土をしており、今後予定する工事でも
     ヒ素が飛散しない工法をとるため同社は生活環境への影響はない
     とみている」??」

   『●「露骨な企業優遇、労働者いじめ」
      『週刊金曜日』(10月11日、963号)についてのつぶやき
    「永尾俊彦氏【汚染地を汚染されていない土地として東京ガスから取得!?
     築地市場移転問題で発覚した東京都のウソ】、「もともと「除去」ではない」
     「汚染地が条例を通せばキレイな土地になる
     〝手品〟を「土壌ロンダリング」!!」

 2m掘削して、砕石を敷き、2m分の綺麗な土を埋め戻し、2.5m分覆土…それで土壌・地下水汚染問題解決するのですんか? そりゃぁ、永尾俊彦氏が言うように「手品」「土壌ロンダリング」の類じゃないの? 
 それどころか覆土さえしない案を「取り次ぐ」、「空疎な小皇帝」(©斎藤貴男さん)・石原慎太郎元「ト」知事ときたら…。しかも、コンクリートの箱どころか、底抜けの箱での施工だったとは? 
 砕石上の滲出水はアルカリ性を呈し、かなり汚染されているように予想されます()…でっ、周辺の埋戻しと覆土で「キチン」と施工した部分は、その4.5m分の盛り土で汚染は防げるのですか? 「箱」の底や側壁のコンクリートに僅かなひび割れがあればベンゼンなどは透過してしまうという指摘で、石原元「ト」知事の「取り次いだだけ」の提案は却下されたのですけれど、揮発性の汚染物質は盛り土中でどんな挙動を示すの? 締め固めておけばOKなの? それとも、掘削した際に十分な土壌・地下水の処理をしたのかな? それが本質的な地下水・土壌汚染の対策だと思いますけれど?、「そこ」に移転するのならば、費用が何千億かかろうともやらないといけないでしょ? …対策したのだったら、青果棟地下の滲出水は綺麗なのね? 共産党都議団の水質分析結果が楽しみです()。単純に砕石上まで汚染水が上がってきているのだったら、砕石下の汚染対策がなされていなかったり、不十分だったりするのでしょうし、ましてや、4.5mの盛り土でOKと云うのも怪しくなりはしませんかね。

: 東京新聞の記事【豊洲問題、専門家会議で再評価 座長「前提が変わった」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016091701001232.html、2016年9月17日 11時36分)によると、とりあえず、幸い、《都は同日、豊洲市場の建物の地下空間で採取した水を検査した結果、環境基準を上回る有毒物質は検出されなかったと発表。環境基準を下回る微量のヒ素と六価クロムを検出した》…程度のようです。
 一方、同紙の記事【ヒ素検出「水は地下水」 豊洲、基準の4割濃度】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016091702000133.html、2016年9月17日 朝刊)では、《共産党東京都議団は十六日、青果棟の地下空間にたまっていた水を、民間の検査機関で分析した結果、環境基準値を下回るヒ素が検出されたと発表した。「ヒ素は雨水に含まれない。水たまりは地下水が上がってきたものであることを示している」…調査の結果、一リットルあたり〇・〇〇四ミリグラムのヒ素が検出された。環境基準値は一リットル当たり〇・〇一ミリグラムで、その四割にあたる。有害物質のうちベンゼンやシアン、六価クロムは検出されなかったが、「揮発性のベンゼンなどは蒸発した可能性があり、建物内の空気を含めて調査しないといけない」と指摘した。都議団は「地層の深いところにある汚染が地下水で移動する。徹底的に調査することが重要だ」と主張》。)

 土壌・地下水の浄化対策費をケチり、それでも膨大な費用を費やして手抜き工事し、今さらながら大騒ぎ…(石原元「ト」知事に投票しなかった)都民の皆さん、お気の毒です。経費的にも浄化技術的にも、元々、そもそも、元来、本来…、豊洲への移転計画など無理だったのです。やってはいけなかった
 今ごろ大騒ぎするマスコミ。オメデタイ。遅ればせながら、徹底的に、4期にわたるあらゆる石原都政の酷さを改めて報道して下さることを期待しています。贖罪のためにも。猪瀬氏、舛添氏、現都知事…流れとしては石原都政を引き継いでいるのではないですかね?、共に批判されるべきだと思います。もちろん彼らや彼女に投票した都民の皆さんのお気持ちも、是非、聞いてみたいもの。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016091690070606.html

豊洲地下問題 コンクリ箱案「石原氏が検討指示」 当時の都幹部証言
2016年9月16日 07時06分

 豊洲市場(東京都江東区)の土壌汚染対策を巡り、石原慎太郎氏が都知事在任中の二〇〇八年、地下にコンクリートの箱を埋める案に言及していたことを受け、当時の都中央卸売市場長の比留間(ひるま)英人氏が十五日、本紙の取材に応じ、「石原氏から『こんな案があるから検討してみてくれ』と指示を受けた」と明かした。当時のトップが専門家の方針に反し、盛り土をしない工法を模索していたことが裏付けられた。 (中沢誠

 土壌汚染対策を検討する専門家会議は〇七年五月、豊洲市場予定地の地下利用について「有害物質が建物内に入る恐れがあるため、地下施設は造らない方がいい」と指摘。〇八年五月十九日、土を入れ替えて盛り土にする方針を決定した。しかし、石原氏は同月三十日の会見で盛り土案に疑問を呈し、地下にコンクリートの箱を埋める工法があると説明。こうした経緯について、本紙は十五日朝刊で報じた。

 比留間氏は地下にコンクリートの箱を埋める案について、石原氏から指示を受けたと認め、時期を〇八年五月ごろと証言。「私の記憶では、工費や工期を検討した。しかし、かなり工費が高かった。〇九年一月か二月ごろ(別の専門家による)技術会議で工法内容がまとまり、石原氏にコンクリート箱案は採用できないと伝えた」と述べた。

 結果的に都が採ったのは掘削して壁を設ける地下空間案だが、地下に構造物を設ける点では石原氏のコンクリート箱案と共通する。比留間氏は「石原氏の指示で、都の地下空間案が影響を受けたとは思わない。当時は土壌対策費が一千億円を超えるとも言われ、石原氏は工費を抑えるため提案した」とも述べた。

 さらに「安全確保が最大の課題だった」と振り返り、地下空間は「地下水のモニタリングをする空間として必要だった」と説明。ただ、高さ四・五メートルもの広い空間となったことについては意外だったとした。

 豊洲市場はガス製造工場の跡地で、ベンゼンなど高濃度の有害物質を検出。都は専門家の提言に基づき、敷地を二メートル掘削するなどして四・五メートル盛り土をしたなどと説明、土壌対策費は八百五十八億円となった。しかし小池百合子知事が今月十日、主要な建物の下に盛り土がなされず、地下空間があることを公表した。


◆「役人の情報取り次いだだけ」石原氏が釈明

 石原慎太郎氏は十五日、知事だった二〇〇八年五月の定例記者会見で、豊洲市場の建物下にコンクリートの箱を埋める案に言及したことについて「都庁の役人からそういう情報を聞いたから、そういう意見があると取り次いだだけ」と述べた。報道機関の取材に答えた。

 石原氏は「全部、下(都職員)や専門家に任せていた。建築のいろはも知らないのにそんなこと思い付くわけがない」と釈明した。

 一方、同氏は「急に設計事務所を変えたことで、盛り土をやめて(建物の)下に訳の分からないものをつくった。恐らく盛り土をするよりも経費がかかり、ゼネコンがもうかる」と持論を展開。盛り土がなかった問題について感想を求められると「東京は伏魔殿だ」と気色ばんだ


◆石原氏08年の発言

 担当の局長に言ったんですがね。(インターネットで海洋工学の専門家が)もっと違う発想でものを考えたらどうだと…(略)…コンクリートの箱を埋め込むことで、その上に市場としてのインフラを支える、その方がずっと安くて早く終わるんじゃないかということでしたね。土壌汚染をどう回復するか、そういう発想だけじゃなくてね、思い切ってものを取り換えるみたいな、違うベクトルというものを考えた方がいいと、私、かねがね言ったけど、それがどう伝わったのか。


◇豊洲市場地下空間をめぐる経過

2008年  
  5月19日 専門家会議が盛り土案の方針を決める
  5月30日 石原氏が会見で地下にコンクリートの箱を埋め込む案を
          「担当の局長に言った」と説明
  5月ごろ 都中央卸売市場長が石原氏からコンクリート箱案検討の指示を受ける
  7月26日 専門家会議が盛り土の上に建物を造るよう都に提言
  8月15日 技術会議が初会合
  11月5日 技術会議で都が地下に空間を設けて駐車場などに利用する公募案を紹介
  12月15日 技術会議で都が汚染地下水の浄化作業用空間を確保する案を提示
  12月25日 技術会議で駐車場案が不採用になる

2011年   
  6月   設計図面に地下空間を造ることが記載される

(東京新聞)
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●「本当の売国奴は誰か」 『週刊金曜日』(2014年7月25日、1001号)についてのつぶやき

2014年07月29日 00時00分38秒 | Weblog


週刊金曜日』(2014年7月25日、1001号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、畠山理仁さん【「必要に応じて随時、人事異動を行っていきます」 籾井NHK会長の右向け右人事が始まる】と片岡健氏【発生から16年のカレー事件 ヒ素の鑑定で新たな火種】。

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■①『週刊金曜日』(2014年7月25日、1001号) / 「本当の売国奴は誰か」。【憂国対談 朝堂院大覚☓佐高信】、「戦後日本の裏街道 金次第の〝愛国者〟たち」「「統一協会様で支えられた自由民主党」。表紙、佐高さんと並んでるのは、クレイジーケンバンド「横山剣」さんかと思いましたよ! 

■②『週刊金曜日』(2014年7月25日、1001号) / 松岡瑛理氏【ヘイトスピーチなんかいらない! 1500人がパレード 大阪に鳴り響いた「反差別」】、「人種差別のないストリートにしよう!」。もはや犯罪、行政が手を貸すようなことはあってはいけない(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/98c220f969c7e612695709274aa7e51e

■③『週刊金曜日』(2014年7月25日、1001号) / 片岡健氏【発生から16年のカレー事件 ヒ素の鑑定で新たな火種】、「河合潤教授が中井鑑定の測定データ・・・・・・信頼性が極めて低い・・・・・・安田好弘弁護士は、中井教授の鑑定は・・「私どもは『ねつ造だろう』と思っている・・」」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2d453d51ac165ff784049f039ae886b4

■④『週刊金曜日』(2014年7月25日、1001号) / 【村岡和博の政治時評/九州電力に再稼働約束 安倍首相の常識外れ】、「田中俊一委員長は・・あくまで適合性審査であって、安全性を担保するものではない立場を繰り返した」。まさに原子力「ムラ寄生」虫である(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/fe407c26e1add59d87804122563787c8

■⑤『週刊金曜日』(2014年7月25日、1001号) / 横田一さんら【創価学会「沖縄」全面広告で波紋も 9月の内閣改造・党役員人事で安倍首相の“脅威”は石破幹事長】、「公明党県連も昨年、辺野古への移設に「反対」を打ち出した」。2010年11月の沖縄知事選の失敗を繰り返してはいけない(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/fdc6a10535a8a00886c61fd0d4f9afd3

■⑥『週刊金曜日』(2014年7月25日、1001号) / 荻原博子氏【日本株の7割を保有する外国人下への優遇政策 中小企業の税を上げ、大企業の税負担を下げる不条理】、「税金は大企業から・・・・・・小泉時代からの愚策・・・・・・これからの希望はなし」。大企業は「不労所得」まで得ている始末(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0c8686927923292f22ca6dd569de5749

■⑦『週刊金曜日』(2014年7月25日、1001号) / 畠山理仁さん【「必要に応じて随時、人事異動を行っていきます」 籾井NHK会長の右向け右人事が始まる】、「信頼回復への道は遠く、受信料不払いの動きが広がりそうだ・・・・・・放送法無視の体質・・・・・・視聴者に「籾井氏のNHK」と思われている限り、「みなさまのNHK」への道は遠そうだ」。いえ、「アベ様の犬HK」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cf4f22294e54027cea30d087a6493661
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●「日本を売る秘密交渉 TPP」 『週刊金曜日』(10月18日、964号)についてのつぶやき

2013年10月21日 00時00分33秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年10月18日、964号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、片岡健氏【和歌山カレー事件に冤罪の可能性 「ヒ素は別物」か!? 中井鑑定に疑義唱える論文の波紋】と明石昇二郎さん【特捜チーム編成で、本腰操作となるか 福島県警、告発状を正式受理】。

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■①『週刊金曜日』(2013年10月18日、964号) / 「日本を売る秘密交渉 TPP」。明石昇二郎さん【特捜チーム編成で、本腰操作となるか 福島県警、告発状を正式受理】、「強制捜査も視野」「検察審査会での審査に〝追い風〟」。もはや犯罪(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b708c5d7e03c776fc0cff5e1012bff09) 

■②『週刊金曜日』(2013年10月18日、964号) / 渡部睦美氏【帰還迫られる福島・田村市で放射線調査 除染道路の4割が効果なし】、「・・きれいな部分だけ縫って歩くように生活しろということになる」。不可能・・?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/70ea694eaba6c83b3973a0be001acbca

■③『週刊金曜日』(2013年10月18日、964号) / 【さらん日記 by さらん】、安倍首相・・「状況はコントロールされています」「作業員のいる所が非汚染地域です」。笑えない・・。その小泉純一郎氏がいまや反原発派・・複雑な心境(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/091a616455465e404a8e248e93708b77

■④『週刊金曜日』(2013年10月18日、964号) / 藍原寛子氏【福島で松川事件無罪確定50周年集会】。国鉄三大謀略「事件が、一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e848ac49e72ce1f445810e32d40bb9b0

■⑤『週刊金曜日』(2013年10月18日、964号) / 宇都宮健児さん【風速計/国を亡ぼすカジノ解禁】、「二〇二〇年東京五輪・パラリンピックに向け、カジノ解禁を目指す動きは活発になっている」そうだ。他にやることあるでしょうに(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/07968cccb4abad0a01affdd3c37e0b4e

■⑥『週刊金曜日』(2013年10月18日、964号) / 【西川伸一の政治時評/消費税の逆進性は「顕微鏡的」格差で実は公平な税なのか 「望遠鏡的熟議」が必要では?】。いろんな考え方の学者がいるものである・・

■⑦『週刊金曜日』(2013年10月18日、964号) / 植草一秀氏【かんぽ生命に見る米国の日本支配の策動 安倍首相の公約違反を許してはならない】、「国民皆保険が危ない」「「六つの公約」も破棄か」。「ウソはつく。TPP交渉参加。ブレる。」「日本を壊す!? 自民党」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/4095fb5e2bf2816951de8c47e28d227b

■⑧『週刊金曜日』(2013年10月18日、964号) / 内田聖子氏【「結論ありき」で中身はボロボロ TPP「年内妥結」声明も綻びはじめた米政府と財界】。横田一さん【公約違反の〝西川発言〟に党内対立は確実 自民、突然の方針〝転換〟 やはり裏切られた「聖域五項目」】 

■⑨『週刊金曜日』(2013年10月18日、964号) / 岩月浩二氏【国民主権から外国投資家主権へ ISD条項は憲法を破壊する】、「基本的人権を蹂躙し多国籍企業の利益優先」「憲法の基本原則の侵害は許されない」。「「高度なレベルでの協定締結」が何をもたらすのか?」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/ffeb37f2332f233ad4b25e13236e914d

■⑩『週刊金曜日』(2013年10月18日、964号) / 猪熊弘子氏【待機児童問題、保坂展人世田谷区長バッシングに異議あり 認可保育所の「質」の確保こそ大切】。そんな問題が起こっているとは知らなかった・・(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/191c9a1189110383040769a382fc976d

■⑪『週刊金曜日』(2013年10月18日、964号) / 石川文洋(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/6825289b60b19442e4ab8d25aab34a58)さん【オスプレイ強行配備から一年 米軍機が飛ばない沖縄の日へ】、「米軍機のない光景」「軍隊は住民を守らない」「若い世代への期待」

■⑫『週刊金曜日』(2013年10月18日、964号) / 片岡健氏【和歌山カレー事件に冤罪の可能性 「ヒ素は別物」か!? 中井鑑定に疑義唱える論文の波紋】、「この鑑定論争は、人一人の命を左右しかねない。誇大表現や事実の歪曲がないフェアな議論が望まれる」。ようやく週金でも記事化(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2d453d51ac165ff784049f039ae886b4
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●和歌山毒カレー冤罪事件: 「正しい」鑑定結果が冤罪を生んだ

2013年09月03日 00時00分13秒 | Weblog


神保哲生さんのvideonews.comの記事【和歌山カレー事件の鑑定ミスはなぜ起きたか】(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002926.php)。

   『●和歌山毒カレー冤罪事件: 安田好弘弁護士と林眞須美被告

 和歌山毒カレー冤罪事件の三つのヒ素試料が異なることについては、上記で既報の通り。ようやく今回の記事で背景が理解できた。当初の鑑定結果は「正しく」、「誤っていはいなかった」のだ。検察の鑑定依頼の内容に不備があった訳である。誤った鑑定依頼内容に、正しい鑑定結果が報告され、裁判所は見抜けず、マスコミはそれに便乗して冤罪を生み出してしまった。

 したがって、この冤罪を晴らす「カギ」となる人物は東京理科大学の中井泉教授かも。当初の鑑定者・中井教授が、自身の誤解(検察に誤解させられた)と検察の依頼内容の(意識的?)不備について、さらなる踏み込んだ証言・提言をしてくれるかどうか?

   『●和歌山県警科学捜査研究所の鑑定結果捏造事件と
                     和歌山毒カレー冤罪事件、そして死刑制度
   『●『創(2009年7月号)』
   『●『創(2009年6月号)』(2/2)
   『●『冤罪File(No.06、2009年6月号)』

 それにしても、安田好弘弁護士の主張からすでに3、4ヶ月・・・・・・この重要な主張や鑑定結果についてマスコミは沈黙を続けているように見えるが?

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http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002926.php

ニュース・コメンタリー (2013年08月31日)
和歌山カレー事件の鑑定ミスはなぜ起きたか
報告:神保哲生

 事件に使われたヒ素の再鑑定によって、既に死刑が確定している和歌山カレー事件に冤罪の疑いが出てきていることは、4月にこの番組で報道した(マル激トーク・オン・ディマンド 第628回・2013年04月27日「やはり和歌山カレー事件は冤罪だったのか」)ところだが、このほどなぜそのような問題が起きてしまったのかがより鮮明になってきたので、改めて報告したい。

 夏祭りの炊き出しで出されたカレーに猛毒のヒ素が混入し、4人の死者と63人の負傷者を出した「和歌山カレー事件」は、林眞須美被告が否認・黙秘を続ける中、2009年4月に最高裁で死刑が確定している。4月の番組では、その裁判で林氏の犯行と断定される上での決定的な証拠となっていた「亜ヒ酸の鑑定」において、新たな事実が明らかになったことを、林氏の弁護人である安田好弘弁護士をスタジオに招いて、お伝えした。
 その内容はこんなものだった。この事件では犯行に使われたとみられる現場付近で見つかった紙コップに付着していたヒ素(亜ヒ酸)と、林氏宅の台所のプラスチック容器についていたヒ素、そしてカレーに混入されたヒ素を鑑定にかけた結果、その組成が同じものだったことがわかり、それが林氏の犯行と断定する上での決定的な、そして唯一の物証となっていた。判決でもこの「組成が同じものだった」とされていたが、京都大学の河合潤教授が、鑑定のデータを再評価するために不純物をより詳細に調べた結果、実際はこの3つの資料の間には重大な差違があることがわかった。
 犯行が林氏によるものとした最高裁の判断は、林氏以外にヒ素を入れられる者がいなかった、氏が鍋の中を覗くなど怪しい動きをしていたといった、状況証拠やあやふやな証言に基づくものが多く、3つのヒ素が一致したとする鑑定結果は林氏の犯行と断定する上で決定的な意味を持っていた

 今回の取材で明らかになった問題は、東京理科大学の中井泉教授による当初の鑑定が間違っていたのではなく、そもそも検察が依頼した鑑定の依頼内容とその依頼に対する中井教授の理解そしてそれが報道や裁判で誤った形で一人歩きしていってしまったということだった。中井氏は、依頼された鑑定の内容は、林氏自宅のヒ素と紙コップのヒ素とカレーのヒ素の3つにどれだけの差違があるかを証明することではなかったと、雑誌「現代化学」の中で述べている。中井氏は検察から依頼された鑑定の内容を、3つの資料の差違を見つけることではなく、3つの資料を含む林氏の周辺にあったヒ素のすべてが同じ輸入業者の手を経て入ってきたものだったかどうかを調べることだと理解し、それを鑑定で確認したに過ぎなかったという。
 目的をそのように解釈した中井教授は、有罪の決め手となった3つの資料の差違を詳細に分析はせず、3つの資料を含む10の資料のヒ素がすべて同じ起源を持つものであったことを確認するための鑑定しか行っていなかった。しかし、実際に林氏が自宅にあったヒ素を紙コップでカレーに入れたことを裏付けようというのであれば、その3つのヒ素の起源が同じであることを証明しただけでは明らかに不十分である。その3つがまったく同じものでなければならない

 弁護団から鑑定結果の再評価を依頼された河合教授がその点を疑問に思い、3つの資料について不純物を含めてより詳細にデータを再評価したところ、そこには大きな差違があることがわかったのだという。

 どうやら問題の本質は中井氏の鑑定そのものにあったわけではなく、検察から依頼された鑑定内容に対する中井氏の解釈と、中井氏の鑑定結果は3つの証拠が同じものであったことを証明しているわけではないにもかかわらず、あたかもそのような報道がなされ、実際に裁判でもそのような解釈が行われていたところにあるようだ。
 和歌山地検から中井氏に送られた鑑定嘱託書には、中国の鉱山で採掘された亜ヒ酸の輸入ルートに沿って1から10まで資料に番号が振られ、その1から10までのヒ素の「異同識別をして欲しいとしか書かれていなかった。これを受けて中井氏は、1から10までのすべてが同じ起源の亜ヒ酸であると判断できるとの鑑定結果を出した。しかし、これは林氏の自宅にあったヒ素と紙コップに付着していたヒ素とカレーに入っていたヒ素が、不純物まで含めてまったく同じの組成を持つものであり、よって林真須美氏がそのコップを使って自宅に保管していたヒ素をカレーに入れたといする仮説を裏付けるものとはなり得ない。河合教授は論文の中で、それらは「別のものであったと結論できる」としている。

 河合教授は8月26日に京都の龍谷大学で開かれたシンポジウムで、鑑定嘱託書に鑑定の目的が書かれていなかったために、中井氏が鑑定すべき内容を誤解してしまったとの見方を示した。何の目的で鑑定を行うかによって鑑定の内容は当然変わってくるからだ。すべてのヒ素が同起源であることを証明するための鑑定と、その中の3つが不純物を含めて全く同じものだったかどうかを確認するための鑑定では、当然鑑定の中身は変わってくる。後者を証明するためには、不純物を含め、より詳細な分析が必要となる。林氏を有罪にするための証拠集めのための鑑定と、無罪の可能性を探るための鑑定の違いと、言い換えることもできるかもしれない。

 長らく自白偏重主義がまかり通ってきた日本の刑事司法の下では、捜査当局は確かな物的証拠の積み上げにより被疑者の犯行を立証する手法に疎いことが次第に明らかになってきている。取調室内で当たり前のように横行する自白の誘導や強要などを隠したいがために、検察は取り調べの全面可視化に頑なに抵抗しているようにも見える。
 今回の事件でも、鑑定結果が林氏の犯行を裏付ける確たる証拠にはならなくても、メディアがそれをもっともらしく報道すれば、被疑者もいずれは自白するだろうし、裁判所も納得してくれるだろうという甘い計算があったのではないか。
 しかし、林氏が最後まで否認を貫いたために、中井氏の鑑定結果の証拠としての有効性が問われる事態となった。ところが、今回の鑑定はあまりにも専門性が高いものだったために、それが林氏の犯行を証明する上で不十分な内容のものであることが、別の専門家である河合教授が再評価をするまでわからなかった。これが今回の問題の顛末ではないか。
 こうなると次なる課題は再審である。安田弁護士は最高裁判決の直後から林氏の裁判の再審を求めているが、今回明らかになったヒ素鑑定の結果を追加した再審補充書を早速提出したという。確かに、今回明らかになった新事実を前にすると、最高裁が判決で述べているような「合理的な疑いを差し挟む余地のない程度に証明されている」と言えるかは非常に疑わしい唯一の物証だった「ヒ素の同一性」が崩れてしまったのだ

 しかし、日本では再審の壁はとても厚い。日本の司法界の構造として、裁判官が検察の訴えを退けてまで無罪判決を下すのには相当な重圧がかかるからだ。
 またこの事件は元々メディアが主導した劇場型事件の性格も有していた。捜査当局が動く前にメディアが林夫妻の自宅を取り囲み、当初から夫妻がカレー事件の犯人であるかのような報道が乱れ飛んでいた。そのため、ここに来て、冤罪の可能性が現実のものとなってきているにもかかわらず、この問題に対するマスメディアの動きは至って鈍い事実上自分たちが犯人に仕立て上げ、最終的に死刑判決まで受けた人物が、実は無罪だったかもしれないというニュースを、その可能性段階で報ずるのは、難しいと見える。
 和歌山カレー事件で死刑判決の決め手となった鑑定結果をめぐり見えてきた日本の刑事司法の根本的な問題点と、今回の問題の中に、遠隔操作ウィルス事件とも共通した「司法と高度技術」の問題が見て取れる点などについて、ジャーナリストの神保哲生の報告を受けて、神保と社会学者の宮台真司が議論した。


関連番組
マル激トーク・オン・ディマンド 第628回(2013年04月27日)
やはり和歌山カレー事件は冤罪だったのか
ゲスト:安田好弘氏(弁護士・林眞須美死刑囚主任弁護人)

マル激トーク・オン・ディマンド 第420回(2009年04月25日)
和歌山カレー事件はまだ終わっていない
ゲスト:安田好弘氏(弁護士・林真須美被告主任弁護人)

インタビューズ (2009年04月25日)
「ヒ素は自分で呑んだ。真須美はやっていない」
真須美被告の夫・健治さんが最高裁判決の不当性を訴え


ニュース・コメンタリー (2013年07月13日)
遠隔操作ウィルス事件続報
検察の証拠には「拍子抜けするほど中身がなかった」
遠隔操作ウィルス事件・佐藤博史弁護士記者会見
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●和歌山毒カレー冤罪事件: 安田好弘弁護士と林眞須美被告

2013年05月15日 00時00分05秒 | Weblog


神保哲生さんのvideonews.comの記事(http://www.videonews.com/on-demand/621630/002750.php)。

 林眞須美林真須美)氏に関して、警察・検察・裁判所・マスコミが一体となって「「目撃」証言も非常に恣意的、曖昧であるにもかかわらず、そんないい加減な「状況証拠」だけで」死刑にしようとしている。

   『●『冤罪File(No.06、2009年6月号)』
   『●『創(2009年6月号)』(2/2)
   『●『創(2009年7月号)』
   『●『ドキュメント死刑囚』読了(1/2)
   『●『創(2009年11月号)』読了
   『●『創(2010年4・5月号)』読了
   『●『創(2010年8月号)』読了
   『●『創(2010年9・10月号)』読了
   『●冤罪(その1/2): どんな力学が働いているのか?
   『●和歌山県警科学捜査研究所の鑑定結果捏造事件と
                   和和歌山毒カレー冤罪事件、そして死刑制度

 一方、元大阪〝ト〟知事に罵声を浴びせられ、マスコミから死刑廃止論者と烙印を押され、警察や検察に忌み嫌われている『死刑弁護人安田好弘さん。

   『●ドキュメンタリー『死刑弁護人』:
         バッシングされ続ける「死刑弁護人」安田好弘さん
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(1/4)
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(2/4)
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(3/4)
   『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(4/4)
   『●『特捜検察の闇』読了(1/3)
   『●『だまされることの責任』読了(1/3)
   『●木下昌明さん、『死刑弁護人』映画評
   『●政治的なトドメかな・・・・・・マスコミや裁判所によるこんなことが許されていいの?

 唯一と言っても良い証拠らしきものも揺らいでいるらしい。
 「カレーにヒ素を混入するために使われたとされる紙コップに付着していたヒ素と林さん宅にあったヒ素をより詳細に検証した結果、両者の間には明らかに異なる不純物が見つかったという。河合教授は両者を「別のものであったと結論できる」としている」。
 「しかし、日本では再審の壁はとても厚い。日本の司法界の構造として、裁判官が検察の訴えを退けてまで無罪判決を下すのには相当な重圧がかかるからだ。/今回の新事実を、司法はどう判断するのか」? 司法の哀しい状況を見れば、再審開始など望めそうもない・・・・・・。冤罪被告を死刑にするようなことがあれば、・・・・・・裁判所やマスコミの責任はあまりにも大きい。

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http://www.videonews.com/on-demand/621630/002750.php

マル激トーク・オン・ディマンド 第628回(2013年04月27日)
やはり和歌山カレー事件は冤罪だったのか
ゲスト:安田好弘氏(弁護士・林眞須美死刑囚主任弁護人)

 和歌山カレー事件で新たな事実が明らかになった。もしかすると、これは決定的な新証拠になるかもしれない。
 夏祭りの炊き出しで出されたカレーに猛毒のヒ素が混入し、4人の死者と63人の負傷者を出した「和歌山カレー事件」は、林眞須美被告が否認・黙秘を続ける中、2009年4月に最高裁で死刑が確定している。今回、その死刑判決の重要な判断材料の一つだった「亜ヒ酸の鑑定」において、新たな事実が明らかになったのだ。
 今回問題となっている証拠は、犯行に使われたとみられる紙コップに付着していたヒ素(亜ヒ酸)と、林氏宅で見つかったヒ素とが同じ組成のものだったとする鑑定結果。林真須美氏の夫の健治さんがシロアリ駆除の仕事をしていたことから、林氏の自宅には普段からヒ素が保管されていたという。この鑑定結果は林真須美氏を有罪とする上で最も重要な証拠の一つだった。
 亜ヒ酸の鑑定については、当時最先端の大規模研究施設「SPring-8(スプリング・エイト)」を使った鑑定によって、科学な裏付けがなされたと考えられてきたが、今回、それを否定する新たな検証論文が京都大学の河合潤教授によって発表された。河合教授が『X線分析の進歩44号』に発表した論文によると、カレーにヒ素を混入するために使われたとされる紙コップに付着していたヒ素と林さん宅にあったヒ素をより詳細に検証した結果、両者の間には明らかに異なる不純物が見つかったという。河合教授は両者を「別のものであったと結論できる」としている。
 この事件はもともと物証に乏しく、犯行に至った動機も解明されていない。林氏の弁護人を務める安田好弘弁護士によると、主な間接証拠も詳細に検討していくと必ずしも信頼性の高いものばかりではないという。安田氏はこの事件は最初から警察による事件の見立てに間違いがあったのではないかと言う。そして、メディアによるセンセーショナルな報道などもあって、捜査当局もそれを修正できないまま殺人事件として突っ走ってしまったとの見方を示す。
 安田弁護士は最高裁判決の直後から林氏の裁判の再審を求めているが、今回明らかになったヒ素鑑定の結果を追加した再審補充書を早速提出したという。確かに、今回明らかになった新事実を前にすると、最高裁が判決で述べているような「合理的な疑いを差し挟む余地のない程度に(林さんが犯人であることは)証明されている」と言えるのかどうかは明らかに疑わしくなっているように見える。しかし、日本では再審の壁はとても厚い。日本の司法界の構造として、裁判官が検察の訴えを退けてまで無罪判決を下すのには相当な重圧がかかるからだ。
 今回の新事実を、司法はどう判断するのか。事件の新事実をもとに、再審の問題、司法の裏側などについて、ゲストの安田好弘弁護士とともにジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。


関連番組

マル激トーク・オン・ディマンド 第420回(2009年04月25日)
和歌山カレー事件はまだ終わっていない
ゲスト:安田好弘氏(弁護士・林真須美被告主任弁護人)

インタビューズ (2013年04月27日)
裁判所はなぜ決断できないのか
インタビュー:木谷明氏(弁護士)

インタビューズ (2009年04月25日)
「ヒ素は自分で呑んだ。真須美はやっていない」
真須美被告の夫・健治さんが最高裁判決の不当性を訴え



プロフィール


安田 好弘やすだ よしひろ
(弁護士・林眞須美死刑囚主任弁護人)
1947年兵庫県生まれ。75年一橋大学法学部卒業。77年司法試験合格、80年司法修習修了。オウム真理教麻原彰晃被告の主任弁護人、山口県母子殺害事件・被告少年の主任弁護人、和歌山カレー事件・林真須美被告の主任弁護人などを務める。著書に『死刑弁護人生きるという権利』など。
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●「日本社会を蝕むパワーハラスメント」『週刊金曜日』(2013年4月5日、938号)

2013年04月08日 00時00分01秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年4月5日、938号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge

 今週のブログ主のお薦めは、片岡健氏【和歌山カレー事件のヒ素鑑定 再分析した京大教授が否定】、畠山理仁さんによる堀潤氏インタビュー、そして、青木理さんの【「片山祐輔被告は間違いなく無実だ」 パソコン遠隔操作事件佐藤博史弁護士が激白】。

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■『週刊金曜日』(2013年4月5日、938号) / 雨の中、今到着。「日本社会を蝕むパワーハラスメント」。小石勝朗氏【「一票の格差」で戦後初の無効判決もどこ吹く風 抜本是正に遠い「0増5減」案】。赤岩友香氏【原発ゼロノミクスキャンペーン立ち上げ 「下からのエネルギー革命を」】

■『週刊金曜日』(2013年4月5日、938号) / 片岡健氏【和歌山カレー事件のヒ素鑑定 再分析した京大教授が否定】。これも酷い裁判でした(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%CE%D3%E2%C3%BF%DC%C8%FE)、冤罪の確率高し。マスコミにも大きな罪

■『週刊金曜日』(2013年4月5日、938号) / 畠山理仁http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C8%AB%BB%B3%CD%FD%BF%CE)さん【ついにNHK退職 元アナウンサー堀潤氏独占インタビュー これからのメディアを考えていきます Twitterでの「原発発言」がネットで大反響】

■『週刊金曜日』(2013年4月5日、938号) / 青木理さんの【「片山祐輔被告は間違いなく無実だ」 パソコン遠隔操作事件の佐藤博史弁護士が激白】、「母親からの調書狙う」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/965c4b3a27c85886e3d5de6391bf89c2)、「悪魔の証明を要求」

■『週刊金曜日』(2013年4月5日、938号) / 【大森藤子の政治時評/米軍基地あるけど主権回復? なぜいま国民栄誉賞? とか考えない。めでたい。誰が?】、「地位協定は改定できず、地元の反対を押し切ってオスプレイは飛び、それで本当に主権を回復したと言えるのだろうか」

■『週刊金曜日』(2013年4月5日、938号) / 【新連載予告/本多勝一編集委員の写真記録 「俺と写真」がはじまります】(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%CB%DC%C2%BF%BE%A1%B0%EC)、3.11地震と東京電力原発人災で「カラ振りのままになっていた」連載がようやく陽の目を

■『週刊金曜日』(2013年4月5日、938号) / 清水竹人氏【きんようぶんか 本/脱原発に向けた叡智がここに】、『九州原発ゼロへ、48の視点 玄海・川内原発の廃炉をめざして』(木村朗=編、南方新書)の書評。3.11から何も学べない九州電力(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B6%E5%BD%A3%C5%C5%CE%CF

■『週刊金曜日』(2013年4月5日、938号) / 田島秀樹・小室等・三浦光紀鼎談【日本音楽史の奇跡「ベルウッド40周年」を語る 音楽が政治にモノを言い、社会や生き方に影響を与えた時代】、はっぴいえんど高田渡大瀧詠一細野晴臣、「放送禁止歌

■『週刊金曜日』(2013年4月5日、938号) / 柴山哲也氏【「大本営」へ先祖返りした記者クラブ・メディア】、2013年度報道の自由国別ランキング、なんと日本は53位! 岩本太郎氏【ネット右翼の黄昏? 「反・反韓デモ」結集、関係者の終焉発言も】、在特会(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%BA%DF%C6%C3%B2%F1

■『週刊金曜日』(2013年4月5日、938号) / 浅野健一http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C0%F5%CC%EE%B7%F2%B0%EC)さん【あるまじき行為でも警官なら仮名 警視庁盗撮巡査長】、警視庁の公表基準とマスコミの実名報道
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●最近の諸々のつぶやきメモ: 反原発や冤罪、死刑問題、情けない政治等々

2013年02月25日 00時00分41秒 | Weblog


何か酷い生活である。反原発や冤罪、死刑問題等々、最近の諸々のつぶやき。AS@ActSludge

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■『米の核施設で放射性廃液漏れる 長崎原爆の関連施設』(http://www.asahi.com/international/update/0216/TKY201302160229.html …)/「タンク1基から高レベル放射性廃液が漏れ出て」==>ため息が出てしまう ==>『福島原発、上空から撮影 ひしめく汚染水タンク』(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/347664

ポット出版様からTETSU&SUZUカレンダー2013を頂いた! (http://www.pot.co.jp/diary/20130213_180623493931427.html …http://www.pot.co.jp/tetsu/ ) 鉄とすず、相変わらずかわいいな~。我が職場にも癒し犬・動物が居ればいいのにな~っ。    @potpub

■ポット出版の本、まだ入手できていない。『●ポットの本: 『僕に生きる力をくれた犬 青年刑務所ドッグ・プログラムの3カ月』』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/ff29109a770aacf1660b280ec4fc69e1 …)。NHK BSで放送されたドキュメンタリーのポット出版による書籍化。あ~、出版から1年以上経過してしまった

■仕事の合間にラジオで聞いたので曖昧だけれども(検索しても??)、拉致被害者の会の訴えを福岡地裁却下。朝鮮学校に支出されたお金が、拉致に使われたのでしょうか? 教員や生徒や関係者がその予算を使って拉致など反社会的なことをしたの? 訴えはどんなロジック? 私の考えが奇妙なのかな?

■なんか筆坂さんの物言いに違和感を感じるな~。共産党への意趣返しなのでしょうが、それにしても「安倍外交は賢明だなんて乱暴すぎないですかねアメリカベッタリの酷いモノだと思いますが?『共産党元幹部が政権を絶賛 「安倍外交は賢明だ」』(http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130215/plt1302151137002-n1.htm …

■『元JAYWALK中村、反省の日々語る』(http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20130215-1085301.html …)/「再犯の可能性も含めて、世間の目が厳しいことは、承知している。「僕には家族家族がいました。『お父さんを守る』と言ってくれた息子(17)。長年築いてきた仕事を僕が壊してしまったのに、今も・・・」

■お笑いである。投票・支持者の皆さん、そろそろ目を覚ました方が良くないでしょうか 『安倍政権と維新、連携を協議 菅長官と松井知事が会談』(http://www.asahi.com/politics/update/0218/TKY201302170255.html …)/「・・・安倍政権と維新の連携について協議した。昨年末の安倍政権発足後、両氏が2人だけで会談・・・」

当然 『原発「やめる」7割超す 朝日新聞世論調査』(http://www.asahi.com/politics/update/0217/TKY201302170189.html …)/「・・「やめる」と答えた人は合わせて7割を超えた・・・「国民の間で原発事故の被災者への関心が薄れ、風化しつつあると思う」は66%にのぼり、「そうは思わない」の29%を引き離した」

■すでに安全神話に陥っているような・・・?? 『「原発の安全神話」復活許さず 原子力規制委の更田氏』(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013021701001620.html …)/「・・原発にリスクはないという前提に立っていたことだと指摘。新基準は「・・さらにさまざまな設備で信頼性を向上させるものだ」と説明」

■『「脱原発法」参院再提出へ 生活・みどり・社民 安倍政権に異議』(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013021890070516.html …)/「昨年末の衆院解散で廃案になった「脱原発基本法案」が三月にも、参院で国会に再提出される見通しとなった。・・・原発維持を鮮明にする安倍政権に異議を唱えるのが狙い」

■あ~虚しい・・。そんなことで生態系や多様性が保全されるのならだれも苦労しないよ 『オスプレイ離着陸帯建設 沖縄 希少植物の保全失敗』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013021802000102.html …)/「・・希少植物を別の場所に植え替えて保全しようとしたが、六割以上が枯れるなど事実上失敗していた」

元大阪「ト」知事が掲げてもいない脱原発の看板を下ろす・・・今に始まったことではないし、驚きもしないが、相変わらずだ『 ウソつき橋下脱原発ブン投げ』(http://gendai.net/articles/view/syakai/140965 …)/「橋下市長の肝いりで始まった「大阪府市エネルギー戦略会議」が、3月末で廃止・・・」

■出す方も出す方だが、貰う側の論理を知りたいものだ 『日本原電、敦賀への高額寄付継続 原発停止の13年度も』(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013021901002281.html …)/「3、4号機建設を見越して地元の福井県敦賀市に道路建設費用を寄付してきた日本原子力発電が、2013年度も約6億7千万円を」

■『大間原発、建設凍結を 函館市長ら政府に要請書』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013021902000248.html …)/「電源開発Jパワー)が青森県大間町で進める大間原発建設の無期限凍結を求める要請書を政府などに提出した。政権交代後は初めて。市は建設差し止め訴訟を準備しており、政府の対応を見て・・・」

放送禁止歌と自己規制(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e1b217ef14c0fb57be62348871c41e92 …)  『美輪明宏「ヨイトマケの唄」再びNHKで』(http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20130220-1087858.html …/「・・・美輪明宏(77)が昨年の紅白歌合戦以来、3カ月ぶりにテレビの生放送で「ヨイトマケの唄」を歌うという・・・」

■これで終わったとえいえるの? 収束ですか?? 『つぶれた屋根、津波被害そのまま 福島原発上空ルポ』(http://www.asahi.com/national/update/0221/TKY201302200501.html …)/「ヘリコプターで・・・発電所の真上を飛び・・・事故を起こした1~4号機の原子炉建屋が並ぶ・・・最上階がむき出しの4号機・・・」

平気で法律破る国だものな~  『原発被災者から 国、意見未聴取』(2013年2月22日 東京新聞)/「「原発事故子ども・被災者支援法」について、具体策を検討するための政府主催の意見聴取を、これまでに一度も実施していない・・。支援法は、・・国が被災者の意見を聴くよう義務付けている」

■東京電力原発人災が収束なんて嘘っぱちジャン! 『建屋地下に白っぽい水面 東電 1、3号機画像公開』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013022202000139.html …)/「・・・プール内の燃料ラックの上にはがれきが堆積していた・・・トーラス室内には水がたまり、水面が白っぽく写っていたほか、底には・・・」

■なんでサメ脳(失礼!)とまで呼ばれた方が今頃シャシャり出てくるのだろう。理解に苦しむ 『首相のGWロシア訪問へ調整 プーチン大統領・森氏会談』(http://www.asahi.com/politics/update/0222/TKY201302210478.html …) / 「首相の特使として・・・森喜朗元首相は・・・プーチン・ロシア大統領・・親書を手渡した」

■「・・・いつもは何にでも騒ぐ〝右翼〟系政治家達やその取り巻き〝右翼〟達はダンマリを決め込んでいます。だって、死刑制度堅持・強化する数少ない国の一つ日本が文句言えるはずがないですものね・・・」『●高い冤罪の可能性: 名張毒ブドウ酒事件』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/042451e97ef1c44b5e4e917f9bdc7540 …

■遺族でもない訳で、安易な発言は出来ない。一方、遺族でもない者が遺族の気持ちを過剰に忖度することも問題。死刑で本当に問題が解決するのだろうか?  谷垣法相が『小林薫死刑囚ら3人の死刑執行』(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130221-1088193.html …)/「・・・身勝手な理由で尊い生命を奪った・・・」

死刑で本当に問題が解決するのだろうか? マスコミも過剰な忖度でそれを支持 『自ら死刑選択、一因か 自民政権下、執行続く可能性』(http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201302210748.html …)/「谷垣・・就任2カ月で死刑執行・・民主党政権では執行しない法相もいたが、今後は定期的に続く可能性が高」

■政治家としてとか、政党としての矜持とかないのかいな? アノ自民党に、よく平気で出戻りできるもんだ 『国民新・自見代表、自民との合併と復党申し入れ』(http://www.asahi.com/politics/update/0221/TKY201302210259.html …)/「自見庄三郎代表・・・自民党との合併と自身の復党を申し入れた・・・」

■政治家としてとか、政党としての矜持とかないのかいな? しかも吸収合併要請って・・・一体どんな神経? 『国民新消滅か 自民に吸収合併要請』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013022202000134.html …)/「参院選で全国郵便局長会(全特)の支援を得られない見通しで、展望が描けない状況に陥っている」

■もっと早くアピールすべきだったのに・・・  『「一番心強かったのは憲法9条」北沢・元防衛相』(http://www.asahi.com/politics/update/0221/TKY201302210295.html …)/「戦後、憲法9条が最大のシビリアンコントロール・・安倍・・みたいな人が国防軍だとか集団的自衛権だとか激しいことを・・。憲法9条の重さ」

元「ト」知事継承者は本気で移転するつもり? 『築地市場移転予定地近く ヒ素 基準の52倍検出』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013022202000124.html …)/「検出場所は三メートルの盛り土をしており、今後予定する工事でもヒ素が飛散しない工法をとるため同社は生活環境への影響はないとみている」??

■原発どころか、衆院選ですっぽり抜け落ちていた沖縄。自民党復権させる国民って? 『[CML 022769] 『〈沖縄〉基地問題を知る事典』刊行』(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-February/022612.html …)/「前田哲男・林博史・我部政明編、吉川弘文館 2,400円+税 2013/02/20刊行」
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コメント
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●冤罪(その1/2): どんな力学が働いているのか?

2013年02月09日 01時00分16秒 | Weblog


山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、2012年12月29日)で、和歌山毒カレー事件の林眞須美(林真須美)氏について。魚住昭さんの『魚の目』(http://uonome.jp/)に出ていた守大助氏の冤罪に関する一連の記事(http://uonome.jp/article/uozumi-wakimichi/2677http://uonome.jp/article/uozumi-wakimichi/2692http://uonome.jp/category/article/uozumi-wakimichi)で、こちらはまだ継続中。

 和歌山毒カレー事件林眞須美林真須美)氏にしろ、仙台の筋弛緩剤混入事件守大助氏にしろ、なぜ有罪が確定しているのか、理解できない。真面目に裁判官は審議しているのか? 妙な力学か、妙な思い込みか? 分析を委託された大阪府警科捜研の酷さ? 守大助氏についての冤罪の背景は魚住昭さんの記事で、今後、明らかになってくると思う。

   『●『週刊金曜日』(2012年10月19日、916号)についてのつぶやき
   『●冤罪: 筋弛緩剤事件の守大助氏
   『●兵庫県警調書捏造など諸々についてのつぶやき

 和歌山毒カレー事件事件の無茶苦茶ぶりは以下の通り。

   『●和歌山県警科学捜査研究所の鑑定結果捏造事件と
                     和歌山毒カレー冤罪事件、そして死刑制度
   『●『創(2009年7月号)』
   『●『創(2009年6月号)』(2/2)
   『●『冤罪File(No.06、2009年6月号)』

  「日本の司法の歴史は、絶え間ない冤罪の歴史」であり、それをそれを修正する力があまりに弱い。

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http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、2012年12月29日】

2012/12/29
<記事紹介>「和歌山カレー事件に新展開!?  鑑定担当者が『証拠捏造』で退職」(『週刊朝日』1月4・11合併号)
執筆者: Yamaoka (6:40 pm)

 自治会の夏祭りに出されたカレーを食べた住民4名が死去したこの事件、林眞須美(51)の死刑が確定している(再審請求中)が、未だ謎が多いのも事実。
 林死刑囚は一貫して無罪を主張しているが、その最大の証拠とされるヒ素の鑑定を担当した科学捜査研究所の主任男性研究員が12月17日、証拠品の鑑定結果を捏造したとして書類送検されると共に、懲戒3カ月の停職処分を受け、同時に、依願退職したと『週刊朝日』が報じている。
 誤解のないように断っておくが、書類送検などの対象になったのは2010年5月以降の7件で、和歌山カレー事件のものは含まれていない。
 しかし『週刊朝日』は、この研究員は一連の捜査で、カレー事件の捜査時期に当たる98年から03年にかけての19件でも捏造があったことが発覚しているとして疑義を呈している。

・・・・・・。
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http://uonome.jp/article/uozumi-wakimichi/2677

わき道をゆく第11回
2013 年 1 月 10 日 魚住 昭

 仙台の筋弛緩剤混入事件を読者は覚えておられるだろうか。
 00年ごろ、仙台市の北陵クリニックで点滴溶液に筋弛緩剤が混入され、入院患者ら十数人の容体が相次いで急変したとされる事件である。

 宮城県警は01年1月初め、北陵クリニックにひと月前まで准看護師として勤務していた守大助氏(41)を逮捕。仙台地検は5人の患者(うち1人死亡・1人意識不明の重体)に対する殺人・殺人未遂罪で守氏を起訴した。
 この間、テレビはもちろん新聞も「背筋凍る“恐怖の点滴”」「20人近く容体急変 うち10人が死亡」などと大々的な報道を繰り返し、前代未聞の病院内無差別殺人に日本中が騒然となった。
 守氏は逮捕当日、犯行を認める調書に署名し、「待遇に不満があった 」「副院長を困らせたかった」と動機も供述したとされるが、3日後から全面否認に転じた。
 彼は裁判で一貫して「僕はやってない」と訴えたが、1審の仙台地裁、2審の仙台高裁ともに有罪を認定。08年2月、最高裁の上告棄却で無期懲役が確定した。
 それから4年後の今年2月、守氏の弁護団は新証拠を携えて仙台地裁に再審請求した。弁護団長の阿部泰雄さん(仙台弁護士会)は「この再審は勝てる。私たちが新たに出した科学的データで守君の無実を証明できる」と語る。
 もともとこの事件には不審な点が多かった。犯行の目撃者がいない。動機もはっきりしない。そして何より、患者の血液や点滴液から筋弛緩剤を検出したとする鑑定に重大な疑問があった。
 私は再審請求書を読んで 強い説得力を感じた。新証拠には有罪判決を揺るがす力がある。日本の司法の歴史は、絶え間ない冤罪の歴史だ。今も獄中で身に覚えのない罪科に呻吟する人が数多いはずだ。筋弛緩剤事件の真相を問い直す作業も無意味ではないだろう。
 何はともあれ新証拠の内容をご説明したい。が、その前に裁判で浮上した鑑定の疑問点を2つ挙げておこう。1つは筋弛緩剤を点滴ボトルに混入させるやりかたで果たして人を死に至らしめることができるのかという疑問だ。
 筋弛緩剤(マスキュラックス)は手術時などに静脈注射するもので点滴投与を想定していない。そのうえすぐに血中から排泄される(半減期11分)から、点滴でゆっくり投与した場合に効くかどうか、実際にはわからない。仮に効くとしても、膨大な量が必要だと専門家は指摘する。
 だが、裁判所は東北大名誉教授の「効くと思いますの証言だけで効果を認定した。本来なら効果が出るのに必要な量と時間の科学的立証がなされるべきだろう。
 もう1つの疑問点は鑑定のやり方そのものだ。宮城県警の依頼を受けた大阪府警の科学捜査研究所は「患者の血液や点滴液からマスキュラックスの成分・ベクロニウムが検出された」と鑑定した。
 その根拠はベクロニウムの標品(標準サンプル)と、血液・点滴液を比較分析した結果、どちらからも同じm/z258イオンが検出されたからだという。
 だが、専門家たちはベクロニウムからm/z258イオンが検出されるはずがないと断言する。科捜研の鑑定は科学の常識からかけ離れたも のだというのである。
 そんな時は血液や点滴液の残りを再鑑定すればシロクロがはっきりする。だが、科捜研は鑑定で全量を使い切って再鑑定をできなくしていた。血液や点滴液は鑑定に必要な量の何十倍、何百倍とあったにもかかわらずである。捜査の常識では考えられないことだ。
 弁護団は2審でベクロニウム標品の鑑定を求めた。m/z258イオンが検出されないことを立証するためだ。だが、裁判長はそれを却下し、わずか4回の公判を開いただけで結審させてしまった。
 今回の再審請求で弁護団が出した新証拠の柱の1つが、そのベクロニウム標品の鑑定結果である。
 志田保夫・前東京薬科大薬学部中央分析センター教授に依頼して実験してもらったところ、どういう条件下でもベク ロニウムからm/z258イオンが検出されることはあり得ないという結論が出た。
 つまり守氏の犯行の決定的証拠とされた鑑定結果が誤っていることが明らかになったのである。
 新証拠の2つ目は、00年10月末、北陵クリニックで点滴後に意識不明になった小学6年の女児についての長崎大医歯薬学総合研究科・池田正行教授の意見書だ。
 池田教授は女児のカルテや母親の供述などを詳しく分析した結果「容体急変の原因は筋弛緩剤の投与ではなく、ミトコンドリア病メラスである」と診断した。
 ミトコンドリア病は、細胞中のDNAの異変によって起きる急性脳症で、中でもメラスは脳卒中のような症状などを伴う。ただこの病気が知られるようになったのは90年代以降のことで、01年当時はまだ北陵クリニックや、女児が転送された仙台市立病院では知られてなかったという。
 女児は腹痛を訴え、嘔吐を繰り返したため北陵クリニックで受診した。その後、「物が二重に見える」と言って目をパチパチさせ、ろれつの回らないしゃべり方をするようになった。そして頭を左右に振り、手足の痙攣を起こし、脈が遅くなって心肺停止状態になった。
 これらの症状を全部説明できるのはミトコンドリア病メラスしかなく、目のパチパチや痙攣、心肺停止などはマスキュラックスの薬効と明らかに矛盾するという。
 池田教授はこの女児の症状について医師1000人にアンケート調査した。その結果、7割近くがメラスと答え、筋弛緩剤と回答したのはわずか3人だったという。
 阿部弁護団長は「北陵クリニックは当時、赤字穴埋めのため高齢者や重症患者を次々と受け入れていた。そのうえ救命措置ができる医師が辞めたので、容体が急変する患者が増えたのは当然のこと。その責任をすべて守君にかぶせた」と指摘し「この事件は、事件性のない冤罪なんです」と言った。
 私は千葉刑務所で服役中の守氏に会おうと思った。「無実の守大助さんを支援する首都圏の会」事務局長の藤沢顕卯さん(39)に頼み込んで手配してもらった。
 当日朝、JR千葉駅に国民救援会千葉県本部の岸田郁さん(42)が車で迎えに来てくれた。約10分で千葉刑務所に着き、古い煉瓦造りの門をくぐって中に入った。守氏との面会の模様は次号でお伝えしたい。(了)

(編集者注・これは週刊現代連載「わき道をゆく」の再録です。

参照文献・「人権と報道 連絡会ニュース第280号」「無実の守さんを支援する首都圏の会」サイト)
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http://uonome.jp/article/uozumi-wakimichi/2692

わき道をゆく第12回 
北陵クリニック残影
2013 年 1 月 18 日 魚住 昭

 千葉刑務所の面会室はとても狭かった。縦横1・5㍍前後のスペースしかない。
 そこに日本国民救援会千葉県本部の岸田郁さん(42)と岡山県本部の中元輝夫さん(75)と私が入るとすぐ、透明なアクリル板の向こうに元准看護師の守大助氏(41)が姿を見せた。
 緑色のズボンに灰緑色の作業服。頭髪は黒々としたスポーツ刈りで、顎の線がやや尖っている。
 十数年前の写真と比べると、痩せて引き締まったようだ。
「どう、元気?」と、岸田さんがまず声をかけた。
「ええ、元気です」。彼は椅子に腰を降ろしながら笑顔で答えた。
 顔は青白いが、声には張りがある。笑うと目尻に皺が何本か寄る。
 彼が仙台筋弛緩剤事件で逮捕されたのは01年のことだ。法廷で無 実を訴えたが、08年に無期懲役判決が確定した。現在、新証拠をもとに再審請求中である。
 許された面会時間は20分。しかも今回の面会の主役は岡山から来た中元さんだから、私は邪魔にならぬよう、彼らの会話に耳を傾け、守氏を観察することにした。
 中元さんが「いま一番やってほしいことは何ですか」と聞いた。
「全国の人たちに真実を広めてほしいんです。僕はやっていない。やっていないからこうして皆さんに会えるんです。やっていたら(後ろめたくて)会えませんよ」
 守氏は少し早口で言った。だが、声に刺々しさや苛立ちは感じられない。滑らかで落ち着きがあった。
 中元さんは「(新証拠で)冤罪が明白になったのに、日弁連はまだ守君の再審支援を決定していない。 対応が遅すぎる」と憤った。
 日弁連の支援は再審の成否にも影響する。いつになったら決まるのかと、守氏も気が気ではないだろうと思っていたら、違った。
「日弁連もたくさん冤罪事件を抱えて大変なんでしょう。それに日弁連の支援なしで再審開始決定が出た事件もありますから。もちろん僕は早くここから出たい。だけど、焦らず、ゆっくりやろうと自分に言い聞かせているんです」
 と、中元さんをなだめるように言った。優しげな笑顔を時折浮かべながら、相手の目をまっすぐに見る。これが、あの「恐怖の点滴男」だろうか?
 事件当時の集中豪雨のようなマスコミ報道でつくられたイメージと、目の前に座っている生身の人間との落差が大きすぎて、どうにも1つに重ならない。
 制 限時間が終わりに近づいたころ、彼は私の方を見て、
「いちばん悔しいのは、検察が証拠隠しをしていることです」
 と言い、こうつづけた。
東電OL殺害事件では被害者の爪のDNA鑑定をして最終的にマイナリさんの無実が証明され、検察もようやく無罪主張せざるを得なくなったでしょう。僕の事件でも検察が証拠を全部開示するよう裁判所が命令してほしい。そうすれば真実が明らかになる」
 確かにこの事件には「証拠隠しと疑いたくなることがいくつもある
 その1つは、守氏が犯行に使ったとされる筋弛緩剤の空アンプル(検察は19本あると主張)の開示を検察が拒んだことだ。替わりに出してきたのは8本、6本、5本に分けて撮った写真で、しかもロット番号が見えない角度から撮影されている。これでは本当に19本あるかどうかも分からない。
 そもそも裁判で犯行に使われた凶器(空アンプル)を開示しないことが許されていいはずがない
 もっとひどいのは鑑定である。北陵クリニックで容体が急変した患者5人の血液や尿、点滴液の鑑定は、宮城県警の依頼で大阪府警の科学捜査研究所が行った。
 科捜研は筋弛緩剤の成分・ベクロニウムの標準サンプルと、患者の点滴液や血液などを比較分析した結果、双方から同じm/z258イオンが検出されたから、点滴液に筋弛緩剤が混入されたのは間違いないと結論づけた。
 だが、法廷に証拠として提出されたのは、結論だけを書いた鑑定書のみだ。通常ならその結論に至るまでの様々な分析データを記録している はずの実験ノートは作ってない(科捜研)の一言で提出されずに終わってしまった。
 本当にまっとうな鑑定が行われたのか。意識不明の重体になった小学6年生(当時)女児から1週間後に採取した尿の例を見てみよう。科捜研は尿から1㍉㍑あたり20・8ナノグラムの高濃度でベクロニウムが検出されたと言う。
 しかしベクロニウムは投与後24時間以内に尿中に排泄されるから、7日後に20・8ナノグラムもの高濃度で尿中から検出されることは科学的にあり得ない。それだけで鑑定の信用性は瓦解する。
 しかも科捜研は患者らの血液など全量を使い切って再鑑定を不能にしていた。これは「犯罪捜査規範」186条の「鑑識に当たっては、なるべくその全部を用いることなく一部をもって行い、残部は保存しておく等再鑑識のための考慮を払わなければならない」という規定を無視した行為である。
 さらに今回の再審請求で、ベクロニウムの標準サンプルからm/z258イオンが検出されたという科捜研鑑定の前提そのものが誤っていたことが立証された。
 なぜ、こんなデタラメな鑑定が行われたのか。弁護側の意見書を書いた長崎大の池田正行教授は「司法事故を考える」という自らのサイトでこう指摘している。
 いま世界標準となっているベクロニウム検出法は事件当時、確立されておらず、まともな鑑定は不可能だった。そのうえ試料の保存条件の悪さなど悪条件が重なり、「結局彼ら(=科捜研)はそれまでに自分たちで手探りで組み立てた『独自の方法』(略)しかなく、自分たちの方法でも実験条件を検討する十分な時間さえ与えられずに、とにかく結果を出さざるを得ない立場に追い込まれて、パニックになり、後でどうにも説明できない報告を出してしまった
 池田教授は5人の患者の症状から見て「ベクロニウム中毒」は誤診だとはっきり言い切っている
 だとしたら、北陵クリニックで患者の容体急変が多発したのはなぜか。あるいは裁判所がそれほど明白な欠陥鑑定を根拠に守氏に有罪を言い渡したのはなぜか。その理由をきちんと示してくれと、読者は言われるだろう。
 守氏に面会して数日後、私は仙台市郊外の北陵クリニック(01年3月閉鎖)の元敷地に立った。
 JR仙台駅から北北西に約10㎞。閑静な住宅街の外れで、周囲に林や田畑が広がっ ている。
 ここに91年、ベッド数19床の北陵クリニックが開業した。その経緯まで遡ると、事件の謎を解くカギが1つ見えてくる。(了)

(編集者注・これは週刊現代の連載「わき道をゆく」の再録です)
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http://uonome.jp/category/article/uozumi-wakimichi

わき道をゆく第13回 
Back to 91
2013 年 2 月 6 日魚住 昭

 仙台・筋弛緩剤事件の真相を探る旅をつづけている。
 今回は、事件の舞台となった北陵クリニック(仙台市泉区)の生い立ちをたどってみたい。
 クリニックの生みの親は、FES(機能的電気刺激)療法の権威として知られた東北大医学部のH教授(当時)である。
 FESは、脳卒中や脊髄損傷で動かなくなった手足に細い針金状の電極を埋め込み、そこにコンピューター制御の電気刺激を与えることで手足が再び動くようになるという“夢の治療法”だった。
 H教授はそのFES研究・開発の母体となる世界初の医療機関として91年、北陵クリニックを開設した。地域医療にも応じられるよう小児科、内科、整形外科などの診療科目も設けた。教授は国家公務員なので表には出ず、代わりに妻のI子医師(小児科)を副院長に据えて経営にあたった。
 FES治療の研究は98年、科学技術庁(当時)が進めていた「地域結集型共同研究事業」に認定され、国と県から巨額の補助金を得た。事業が成果を挙げれば、新産業が創出されるというので地元銀行・電力会社・医師会などの名士たちが病院理事に名を連ねた。
 ところが、地元の期待を集めたFES療法の開発はうまくいかなかった。保険が効かないので患者は1人200万円もの治療費を負担し、全身麻酔の手術にも耐えなければならない。
 そのうえ電極を埋め込んだ患部の衛生管理が難しく、治療効果もあまり思わしくなかった。このため電極の抜去を希望する患者が相次ぎ、当初は年間50例ほどあった手術数も年々減っていった。
 それに加えてFES以外の一般患者の数も多くなかったので、クリニックの経営は悪化した。97年8月に薬剤師がリストラされて不在となり、98年末には勤務条件などをめぐる経営側との対立で多数の看護婦が辞めた。99年度には、開設時の設備投資から累積した負債が13億円余に達した。
 後に患者5人の点滴に筋弛緩剤を混入させたとして殺人罪などに問われる元准看護師の守大助氏(41歳、無期懲役が確定。再審請求中)がH教授にスカウトされて北陵クリニックで働くようになったのは、ちょうどこの時期の99年2月のことである。
 翌00年4月、北陵クリニックで患者の生命に影響する重大事が起きる。常勤医のなかではただ1人、救命処置に熟達していた整形外科のT医師が退職したことだ。そのきっかけもFESである。北陵クリニックの看護師だったFさん(49歳)が語る。
「当時はもう(FESの電極を)埋め込む手術をする人は年間3~4人ぐらいしかいなかった。あとは患部が化膿したので(電極を)抜きたいとか、機械の動作が不良になったとかいう患者さんの方が多かった。そんな時にFESの手術を希望する(下半身麻痺の)女性が入院してきたんです」
 その女性はカヌーが好きだった。だが、手術を受けると電極が身体から露出した状態になる。そこに川の水が触れると、化膿する恐れがあった。T医師は「手術するとカヌーができなくなるよ」と彼女に言い、FさんもFESのリスクをきちんと説明した。女性は結局、手術を取りやめた。
「それ以前からFESの手術をあえてする必要があるのかと疑問に思うケースがあったんです。T先生も私も、患者から訊ねられると正直にリスクを話したので手術をやめる人が何人か出た。最終的にはカヌー好きの女性の件で厳しく詰問されたあげく、私は解雇通知を受け、T先生は解雇はされなかったが、退職せざるを得なくなった」とFさんが言う。
 救命処置に長けたT医師がいなくなり、北陵クリニックの医療態勢は急激に弱体化した。残った小児科のI子副院長は、ぜん息が重症化したときなどに気道を確保する気管内挿官ができなかった。
 T医師の退職直後の00年5月から容体急変で仙台市立病院に搬送される小児患者が相次ぐようになり、同年9月にはぜん息の5歳男児が死亡した。北陵クリニックの総婦長(当時)はその後、市立病院の小児科医からこんな電話を受けた、と後の公判で証言した。
「北陵クリニックから小児患者で突然に呼吸停止を来すような急変患者が続いているけれども、北陵クリニックの状況はどうなんだろうか」
 これに対し総婦長が「救急蘇生の上手な先生が辞めてしまったので」と答えると、その小児科医は「訴訟になったらクリニックとしても大変な状態になるんじゃないか。救急患者はあまりひどくならないうちに連絡をくれれば市立病院でいつでも診るから」と言った。
 その際、総婦長は「市立病院の救急外来辺りで研修という形で(I子副院長に気管内)挿官の方法を教えてほしい」と相談したと法廷で証言している。
 T医師とともにクリニックを去ったF看護師は5歳男児の死亡後、守氏から電話で「ついに死んじゃった子が出ちゃったんだよ」と聞かされた。I子副院長の日ごろの治療ぶりから推測して「ぜん息でしょ」とFさんが言うと、守氏は「エッ、もう誰かから聞いてるの?」と驚いたという。
 一方、北陵クリニックではその前年の99年7月から高齢者の容体急変・死亡例が増え始めていた。しかし、それにはまた別の理由があった。もともとクリニックは複数の特別養護老人ホームと提携し、医師が訪問して治療に当たっていたが、高齢の重症患者の入院は受け入れていなかった。
 だが、経営改善のため19床のベッドを極力満床にもっていきたいというH教授の指示もあって、高齢の重症患者も受け入れるようになった。親族の同意のもとに容体が悪くなっても転院させず、延命治療せずに最期を看取る方針に変わった。その結果、高齢患者の急変や死亡が増大した。
 看護師のFさんが言う。
「(北陵クリニックの非常勤の)院長先生と、(老人ホームを担当していた)内科の先生が2人とも立派な人格者だったので、『先生に最期を看取ってもらいたい』と言う高齢の患者さんがいたほどだったんです。そこにきて(経営方針の転換で)重篤な患者さんを多く受け入れるようになったから当然そうなっただけで、誰もおかしいとは思っていなかった」
 こうしてFESという金看板の下で経営難にあえぐ北陵クリニックの実情を知ると、守氏が患者たちの点滴に次々と筋弛緩剤混入したという事件は、やはり幻だったのではないかという根本的な疑問が湧く。彼はなぜ犯人として断罪されなければならなかったのか?その謎をさらに追いかける。(了)

(編集者注・これは週刊現代連載『わき道をゆく』の再録です。)
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●和歌山県警科学捜査研究所の鑑定結果捏造事件と和歌山毒カレー冤罪事件、そして死刑制度

2012年08月24日 00時00分43秒 | Weblog


和歌山県警の鑑定結果捏造事件についての日刊ゲンダイの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/138261)。

 和歌山県警の鑑定結果捏造事件、うかつにも見落としていたようです。しかも、和歌山毒カレー事件との関連もあるようです。和歌山毒カレー事件については、あれだけバカ騒ぎしたのに、ほとんどマスコミで報道されないし、最近では、月刊『創』でもほとんど報じられていないように思う(購入してはいるのですが、ツンドク状態・・・)。
 足利事件菅家利和さんは奇跡的に冤罪が晴れたが、当時のDNA鑑定の杜撰さが指摘され、ずっと指摘されていたにもかかわらず、これまで認めてこなかった。大変な不幸中の幸いであるが、菅家さんは冤罪が晴れた。しかし、同じDNAの鑑定方法で飯塚事件久間三千年さんは死刑執行済みである。つまり、無辜の人、無罪の人を死刑・私刑にしてしまい、取り返し様の無いことをしてしまっている。死刑執行の瞬間の久間さんの脳裏には一体どんなことが過ったのだろう。警察官や検察、裁判官への怨嗟だろうか?

 今回、和歌山県警で、検定結果の捏造を行った主任研究員が和歌山毒カレー事件に直接に関係していたかどうかは分からない。ただ、和歌山県警の科学捜査研究所(和歌山県警科捜研)は和歌山毒カレー事件の際にもミスを犯しており、和歌山県警科捜研の「科学捜査研究がかなり疑わしいものだったことは明らかになったようだ。
 和歌山毒カレー事件の死刑判決はかなり異様であり、マスコミのばか騒ぎに煽られて、警察庁科学警察研究所科警研)や和歌山県警科捜研の具体的な証拠が示されるわけでもなく、「状況証拠だけで死刑判決となった異例の事件」である。しかも、「目撃」証言も非常に恣意的、曖昧であるにもかかわらず、そんないい加減な「状況証拠」だけで林真須美林眞須美)氏に死刑判決が出されている。マスコミが疑わしいと烙印を押せば、罰せよ!、と言わんばかりである。こんな死刑判決を最高裁が支持するのだから、この国の司法制度・裁判制度はどこかが狂っている
 裁判員制度になって、我々(私は絶対に拒否します: コレコレを、ご参考まで)に「死刑のスイッチ」を押させて、死刑への意識のハードルを下げさせ、死刑存置に我々が貢献させられていることを意識する必要があるのじゃないか? 最高裁がやらせタウンミーティングTM)までやって、裁判員制度導入を図った意図を我々は読み取った方がよい。

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http://gendai.net/articles/view/syakai/138261

科捜研 鑑定デッチ上げで再注目される毒カレー事件
2012年8月17日 掲載

和歌山県警 激震
再審請求の行方はどうなる

 和歌山県警に激震が走っている。捜査で押収した証拠品を分析する県警科学捜査研究所(科捜研)で、男性主任研究員(49)による鑑定結果の捏造(ねつぞう)が発覚したからだ。主任研究員は、別の事件の鑑定データを流用したり、鑑定書に所長の公印を勝手に押したりする手口で鑑定結果をデッチ上げた。県警の捜査で、10年5月~12年6月の間に少なくとも計8回の捏造が確認されたという。
 捏造鑑定書が作られていたのは、交通事故や無理心中、変死などの事件。虚偽公文書作成・同行使容疑で捜査している県警は、これらの鑑定書について「内部の説明資料」「鑑定自体には問題なし」と平静を装っているが、とんでもない話である。

   「科捜研の鑑定結果は、裁判で有罪、無罪を判断するキメ手となる
    “超一級の証拠”です。その証拠を捏造なんて前代未聞
    郵便不正事件小沢事件で発覚した検察の捏造調書と同じか、
    それ以上にタチが悪い。主任研究員は『見栄えのよい資料を
    作りたかった』と出来心を強調しているが、証拠品に対する意識が
    低過ぎる。主任がこんな認識では、組織全体で捏造が常態化していた
    とみられても仕方ありませんよ」(元検事の弁護士)

 問題なのは、この捏造発覚が過去の重大事件にも影響を及ぼしかねないことだ。和歌山といえば、思い出すのは、98年7月の「和歌山毒カレー事件」だ。この事件では和歌山県警科捜研が当初、原因毒物を「青酸化合物」と誤鑑定する“大失態”を起こしていた。

   「『ヒ素』と特定したのは、警察庁科学警察研究所科警研)で、
    事件発生から9日後でした。この初動捜査の遅れが事件解明を
    困難にさせ、捜査の迷走を招いたのは間違いないでしょう。
    そのうえ、公判では、弁護人が『鑑定資料の収集、保管の過程が
    ズサンで不透明』『保管や受け渡しの際の状況が、写真などの
    客観的証拠で保全されていない』と科捜研の不手際を批判しました。
    結局、事件は09年5月に最高裁で林真須美の死刑が
    確定=再審請求中=しましたが、状況証拠だけで死刑判決と
    なった異例の事件だけに、今回の科捜研の捏造事件はカレー事件にも
    波紋が広がるかもしれません」(司法ジャーナリスト)

 問題の主任研究員は、85年に技術職員として採用されたというから、カレー事件当時も在籍していたことになる。
 今回の捏造発覚で、林真須美の弁護団は再審請求の攻勢を増すだろう。今ごろ、和歌山県警は頭を抱えているんじゃないか。
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●『創(2009年11月号)』読了

2009年12月06日 14時07分28秒 | Weblog

『創』(2009年11月号)、11月に読了。

 対談「蓮池透×鈴木邦男 拉致問題をタブーのままにしていいのか!」(pp.40-49)。

 佐高さんの「筆頭両断!/「公明党を支配するドン」池田大作」(pp.60-61)。

 
鈴木邦男さんの「言論の覚悟」(pp.62-65)。大杉栄、竹中労。

 
香山リカさんの「「こころの時代」解体新書/なぜ〈右傾化〉は回避されたのか」(pp.66-69)。「つまり、すべてはこの3年以内に起きたことだ。安倍氏の登場、国民投票法案の成立、そして田母神旋風が巻き起こる中、誰が「来年にはすべてがひっくり返っているだろう」などと予測しえただろうか」。

 
森達也さん「極私的メディア論 第47回/目玉オヤジの叫び」(pp.70-73)。「ならば言う。当たり前だ。僕は非当事者だ」。
 「この事件の真相については、主任弁護人である安田好弘からも、以前に聞いたことがある。大谷と安田の情報は同じではない。でもカレー鍋にヒ素を入れた犯人が林真須美さんではないということは共通している」。「・・・無罪推定原則は、まずは検察側の犯罪立証を要求している。被告人の犯罪事実を検察側が明確に立証できないならばその段階で・・・被告人は無罪と推定されなければならないのだ。/でも今のこの国の刑事司法には、そんな精神はもう残滓すらない」。「世界的なこの厳罰化の流れに逆行する国の代表が北欧だ。・・・現在はとても良好な治安を実現している」。「8月中旬にはNHK-BSの番組「未来への提言」のロケで、ノルウエーにしばらく滞在した」。

 
清水潔氏(日本テレビ社会部記者)「もうひとつの足利事件報道/「追跡・足利事件」――2年に及んだ調査報道」(pp.102-112)。「被害者の母親からの菅家さん釈放の情報」。被害者のお母さんは「・・・もし菅家さんが無罪であるなら、早く軌道修正をして欲しい。捜査が間違っていたんであれば、ちゃんと謝るべきです。(捜査は)だれが考えたっておかしいでしょう。ごめんなさいが言えなくてどうするの・・・」。

 
対談「安田好弘×青木理 民主党政権下で死刑問題はどうなるのか!?」(pp.112-125)。青木さんの新刊『絞首刑』(講談社)。
 
「飯塚事件で死刑執行した法務省の劣化」について、「1992年に福岡で起きた飯塚事件のケースもそうです。2人の女児を殺害したとされた久間三千年(くまみちとし)死刑囚は」無罪を主張し続けたが、足利事件と全く同じDNA型鑑定による極めて杜撰な鑑定にも関わらず、昨年、死刑が執行。「もし冤罪だったとするなら、無辜の人間を処刑してしまったことになる。恐るべきことですが、その可能性は十分にある」。

 
永六輔[放送タレント]×矢崎泰久[元『話の特集』編集長]ぢぢ放談/第6回 民主党なんていらない」(p.126-133)。政治家は「言葉を学ぶ」が重要なテーマ。政治家向け「ごんべん漢字・熟語」。

 
雨宮処凛さん「ドキュメント雨宮革命/第23回 私の会った「大臣」たち」(pp.138-141)。亀井静香氏、福島みずほ氏。
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●『創(2009年6月号)』(2/2)

2009年07月21日 07時29分57秒 | Weblog

【『創』(2009年6月号)】
 篠田博之編集長、「意思表示のために真紅に身を包んで・・・/最高裁死刑判決直後に眞須美さんから届いた手紙」(pp.106-111)。「・・・安田好弘弁護士が主張していた「くず湯事件」の事例などは、ほとんど判決文では言及されていなかった」。「動機も解明されず、直接的な証拠は何もないなかで、状況証拠の積み重ねだけで死刑を宣告してしまってよいのか」。判決には、「カレー毒物混入事件の犯行動機が解明されていないことは、被告人が同事件の犯人であるとの認定を左右するものではない」なんて、酷過ぎないか? 弁護人、「・・・多くの疑問があり、この程度の証拠で有罪を認定し、しかも死刑にするのは、近代刑法の無罪推定の原則と証拠裁判主義の原則に反し、あまりにも酷いと言うほかありません」。林健治さん、「・・・くず湯事件は私が進んでヒ素を飲んだのに、どうして妻眞須美の私に対する殺人未遂になるのでしょうか。こんなに確実で明白な殺人未遂でないという証拠があるのに」。鈴木邦男さん(林眞須美さんを支援する会)、「もはや法治国家ではない。疑わしきは罰せずというのはどこへ行ったのか。/マスコミのあり方も問題だ・・・」。

 浅野健一教授、「「発表もの」しか書くなと言う「道警裏金追及」地裁判決」(pp.112-117)。リード部分、「かつて道警の裏金を果敢に告発し新聞協会賞に輝いた道新だが、その裏金追及のエースだった記者らが元道警幹部に訴えられたその裁判で、4月20日、とんでもない判決が出たのだった」。「・・・裏金になったと認め、・・・処分した。・・・組織的な裏金作りを一部認め、約9億6000万円を返還した」。それなのに、・・・。「報道被害者」と称する元道警幹部の記者会見では、「司法記者クラブの記者たちは、何も重要なことを訊かなかった。・・・仲間の記者が泥棒をした組織によって被告席に座らされているのに、怒りも憤りも感じないのかと、私は苛立った」。「仙波敏郎・愛媛県警巡査部長が3月末巡査部長のまま退職したが、全国でまだ警察に裏金があると言っている」。その仙波さんは、「裏金は『不適切経理』ではなく、犯罪行為だ」と言っている。道新の当時の道警キャップは、「この判決は、当局の発表ものを書くこと以外のことはやるなということだ」。

 日野原重明氏と鈴木邦男さんのの対談(pp.118-124)。日本初のハイジャック事件とされる「よど号事件」に乗客として遭遇したそう。ストックホルム症候群。「・・・全く新聞のニュースもいい加減なものだと僕は思いました・・・・僕はあれ以来、マスコミをあまり信用できなくなった。・・・歴史というのは外の人が書いているんです」。

 「永六輔[放送タレント]×矢崎泰久[元『話の特集』編集長]のぢぢ対談 第2回/政治なんて知らない」(pp.126-134)。矢崎「・・・毎晩、バーでブランデーを飲んでる坊ちゃま相に聞かせたい(笑)」。永「・・・政治家って、世襲するたびにみんな小粒になっているじゃない。・・・政治というより、政治成り下がっている。「家」と「屋」の差って大きいと思わない? 本来なら「家(いえ)」としてどんと構えるべきとことろ、「屋根」しかないんだから」。矢崎「・・・麻生首相がいきり立って迎撃指令を出していたけど、なんか、鶏小屋の中にいるニワトリが、オリの向こうから近づいてくるネコを見て、コケコケ雄叫びを上げているような感じなんだよね。北朝鮮は、そんなから騒ぎをしている日本を見てせせら笑っているわけでしょう」。矢崎「・・・中川昭一の核武装論は酔っ払いのタワ言だとしても、絶対に許せないよ」。

 雨宮処凛さん、「ドキュメント雨宮革命/第19回 ホームレスの定義を巡って」(pp.138-141)。ヨーロッパの路上生活者はホームレス3万人の1割以下らしい。「健康で働ける人がホームレスをしている」ことに大きな違いがあり、薬物やアルコールなどに何の依存症も抱えていないのにホームレス化していることに海外の人々は驚くそうだ。欧米ではアディクション問題で、日本では小さな政府の無策といった「失業問題」。日本が〝見習っている〟アメリカでは、「社会保障の弱い部分を支えてきたのはNPOと教会・・・そこに行けば餓死しないようになっています」と湯浅誠さん。さらに、「アメリカで訪れたスープキッチン(と呼ばれる無料給食所)が料理が30品目も並ぶ「バイキング形式」だったことに驚」いたそうで、支援の規模の違いに愕然。「ホームレスになりやすい国となりにくい国、或いは餓死しやすい国としにくい国があるということだ。失業して家賃を滞納しても家賃補助があったり、安い公営住宅がたくさんあったりする国と、家賃を滞納してホームレス、というのが「仕方のないことと容認されてしまっている国。ちなみにフランスでは「冬の間はどんなに家賃を滞納しても大家さんは入居者を追い出してはいけない」という法律があるという。・・・日本の場合・・・大企業が従業員を・・・寒空の下に放り出したわけだが、国が違えば大バッシングが巻き起こり、不買運動どころではすまないのではないだろうか」。北九州方式の酷い例が想起される。「「命」を基準に考えるか、大企業の利益や市場原理を基準に考えるか・・・」。
 (都議会議員選について12日18時現在で40%弱、最終的には50%を超えるとニュースが伝えるが、前回よりは良いとはいえ、それで本当に良いの?)

 「今月の編集室から」(p.152)。「▼今月の連載 斎藤貴男さんの・・・毎月の定期連載は一応終了です」。何か後味悪い終わり方だな・・・。

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●『冤罪File(No.06、2009年6月号)』

2009年07月16日 07時59分25秒 | Weblog

冤罪File』(No.06、2009年6月号)、6月に読了。

 巻頭インタビューは森達也さん、「死刑に本音で向き合うことを余儀なくさせた、冤罪死刑囚との「出逢い」」。(p.2-9)。4大死刑冤罪、免田栄さんの熊本での事件、財田川事件・松山事件・島田事件。「・・・存置派も廃止派も、「償い」という言葉をあまりにも安易に考えすぎている。/・・・社会全体がまるで被害者になり代わったような気分になって、加害者を死刑にしろ、と叫ぶ・・・/・・・他人がそんな簡単に共有できる訳がないんです。・・・被害者に対して不遜だし、失礼です」。裁判員制度について、「害悪をまきちらす以外にまったく意味がない制度になりかねないと思います。/・・・改革すべきことは他にいくらでもある。・・・/このまま見切り発車となれば、整備不良の車で高速に入るに等しいことです。/・・・冤罪を防止するための方策には全くなりえていません」。まったく同感。「・・・まず代用監獄から手をつけなければならないと思いますが、それは全く手付かずです」。「・・・公判前整理手続きが密室でおこなわれ、公判が始まれば弁護側の新たな証拠提出も認められない。一方で証拠を握っている検察は、その全面開示の義務はない」。裁判員制度下で死刑判決を出すということは、どういうことなのか? さらにそれにのしかかる守秘義務。冤罪事件であることが間違いのない袴田事件の一審裁判官だった熊本典道さんが、無罪心証を持ちながら死刑判決を出し、何十年も苦しんできたことに関連して、「彼は職業裁判官だったのに・・・苦しんできた。裁判員制度では、それを普通の市民が抱えることになるかもしれない。しかもそのつらさを妻にも夫にも言えないのです」。最後に、メディアも含めた組織的な構造の問題であることが強調。「・・・組織が病理をかかえていることを認識しないと冤罪がなくなる筈はないのです。/・・・悪い警察官や検察官がいるから冤罪がおきるのではない。組織がそういう構造になっているからです。・・・/さらに今のこの国は、メディアを媒介にしながら犯罪者への憎悪が深まることで、冤罪の構造が変わってきています。その典型が和歌山カレー事件の林眞須美さんです。自供もなければ物証も何もない。かつてならこれで死刑はありえなかったと思います」。

 片岡健氏「最高裁は果たして公正な判断を下せたのか!? 不明な動機、作られた目撃証言、疑惑の証拠「ヒ素」/あなたが裁判員だったら死刑判決を下せますか!? 「和歌山毒カレー事件」全真相」(pp.18-31)。

 江川昭子さん「名張ブドウ酒事件/死刑確定から37年・・・裁判所は誤りを正し、ただちに再審開始を決定せよ」(pp.18-31)。「こういう態度からは、裁判官たちの関心は、一人の無辜を救うより、過去に出された判決を維持する方にあると思わざるをえない。/最高裁も、・・・決定を支持。・・・断言した。/・・・裁判官の「常識」は、実にしばしば一般人のそれと異なる」。

 「1954年に山口県で起きた一家6人殺しの仁保事件と呼ばれる冤罪事件があります。岡部さんという当時37歳の男性が別件逮捕され、4カ月にわたる勾留の後に「自白」してしまいます。一審死刑でしたが、最高裁で差し戻しとなり、後に無罪が確定しています。/この事件は、取り調べの録音テープが残っているという点で、人がなぜ嘘の自白をするのか研究する上で貴重な資料です」(p.58)。松下センセの係わった事件。

 里見繁氏、「現役テレビプロデューサーの「取材現場発!」 冤罪・浜松幼児せっかん死事件/検察が隠し続けた自白テープ」(pp.62-81)。リード部、「冤罪に巻き込まれた一人の人間の人生を20年近くに亘って奪い続ける日本の司法制度は機能不全に陥っている。土台から腐っている」。交際中の男性を誤認逮捕。母親の折檻死事件と知りつつ、検察が隠蔽。母親の自白テープが法廷に提出されたにもかかわらず、裁判官は無視し、その後も詭弁を連発。その母親と、捜査に係る刑事との不可解な交際や、免停のもみ消し工作など無茶苦茶の連続。「「疑わしきは被告人の利益に」という刑事司法の建前は今や「風前の灯」だが、最近の科学鑑定について裁判所は「わからない理論は検察の利益に」という姿勢を貫いている。DNA鑑定などに対する裁判所の対応を見ていると、そう考えざるを得ない」。菅家利和さんの足利事件冤罪を見ても明らか。

 柳原三佳さん、「「高知白バイ死亡事件」最新速報/「本件事故は、高知県警の暴挙による重大な謀略事件である」(訴状より抜粋)/獄中で冤罪を訴える元運転手・片岡氏が、ついに県警を提訴!」(pp.92-93)。片岡さんの支援者は、「片岡さんに罪をなすりつけたことはもちろんですが、大人として、子を持つ親として許せないのは、一連の行為が22名の中学生の前で行われたということです。生徒達に警察や司法への不信感を植えつけた責任は問わなくてはなりません。大人として、同じ親として恥ずかしくはないのか!? と彼らに問いかけたいのです」。
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●『創(2009年4月号)』(2/2)

2009年07月15日 07時24分05秒 | Weblog
【『創』(2009年4月号)】
 森達也さん「極私的メディア論 第41回/セキュリティ意識と刑事司法」(pp.92-93)。犯罪統計と我々の犯罪の認知件数。水増しされているであろうにもかかわらず、統計上は刑法犯は減少。小説『東京スタンピード』で、「・・・オオカミが来たと言い続ければ、そしてオオカミが来たと多くの人が思い続ければ、実際にオオカミは来るのです」。マスコミの過剰な喧伝、街中にあふれる防犯カメラと云う監視カメラ、道路にはNシステム。「安全を保障するはずのセキュリティが、逆に治安を悪化させる。皮肉といえばこれ以上の皮肉はない」。和歌山カレー事件について、「・・・被告人は、これまでずっと事件への関与を否定し続けている。物的証拠は何一つない。動機すら解明されていない。・・・死刑。「疑わしきは罰せず」ではなくて「疑わしきはとりあえず有罪で、国民感情が収まらないなら死刑」ということになる。この国の刑事司法は完全に窒息した」。「とにかく無茶苦茶な裁判だ。まるで最初から死刑ありき」。「・・・などの証言も、・・・相当に怪しい。冤罪の可能性はとても高い。でもほとんどの人はこれを知らない。かつて被告人を毒婦などと形容したメディアが、新しい展開を報じないからだ」。

 浅野健一さん「中川昭一議員の酒乱を書かなかった政治記者の怠慢」(pp.114-121)。因縁の、「APの配信から約3日遅れたNHK」。「会食した社名を「実名報道」しない欺瞞」。「・・・中川氏は安倍晋三議員とともに、NHKの従軍慰安婦を取り上げた番組の放送前日に・・・NHK幹部を呼び、番組を「偏った内容だ」と指摘し」、番組を改悪するように政治的圧力をかけ、NHKはそれに屈した訳だ。「朝日のある記者は・・・「中川氏は、電話でNHK幹部と会ったことを認めたと聞いている。その時・・・酔っており、〝べらんめー〟調で『お前、なんだ』などと、記者を罵った。あの時、中川氏の酒癖の悪さは一般には知られておらず、・・・。酒癖が悪く品格もないを当時きちんと報じておれば、こういう辞任劇はなかったかもしれない」」。「中川氏には前々から「アルコール依存症疑惑」があった。今回、海外で批判されてから前から知っていたかのような報道が展開されたのだが、中川氏が自滅する前に調査報道があるべきだった」。

 篠田博之編集長「重大局面! 和歌山カレー事件 最高裁で弁護団が訴えたこと」(pp.122-127)。三浦さんを介して、最高裁から安田好弘弁護士が参画。「1審で・・・判決には、動機が不明だと書かれているのだ。動機とは犯罪の骨格をなす事柄で、それが不明なまま死刑判決をくだしてよいものか。その指摘は1審当時からなされていた」。「くず湯」事件では〝被害者〟(夫の健治氏)自らが、「自分で保険金目的で飲んだのだ」とはっきり言明している。そうすると、「カレー事件の構造そのものが崩れてしまう。つまり殺意であるとかヒ素をもって人を殺そうとか、そういう構造そのものが崩れてしまう」はずだったのに・・・、最高裁は、結局、事実を見つめることをせず、森さん云うところの「国民感情が収まらないなら死刑」と誤判。

 三井環さん「検察「裏金」告発の闘いはこれからだ! 第6回/有罪偏重」(pp.134-137)。「捜査した記録一式は・・・引き継がれ、担当検事はその記録の中から公判記録と残記録に選別してゆく。・・・一綴りにして公判提出記録は裁判所に証拠として提出し、他方残記録は検事の部屋のロッカーに保管するのである。/弁護人は・・・しかし残記録を閲覧することは不可能であるので、どういう証拠があるのかさっぱり分からないカラクリだ」。「・・・誤判決であるが、その最大の原因は・・・検事が弁護人の開示請求した残記録・・・目撃者の供述調書を開示せず、いわゆる証拠隠しをしたことにあるのだ。次の要因は裁判官が開示勧告も命令もしなかったことである。/被疑者および弁護人の言い分はあまり信用しないが、検事の言い分は全面的に信用するというのが日本の裁判官の姿勢を如実に示したものだ。検事が証拠隠しなどすることはハナから思ってもいないのである」。「証拠隠しで有名な事件として「財田川事件」・・・/・・・四大死刑冤罪事件の一つ・・・/・・・捜査側は被告人にとって極めて重要な捜査記録を隠したのだ。死刑が執行されていれば、誰が責任をとるのであろうか」。
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●『月刊誌3冊』読了(3/3)

2009年04月18日 07時16分02秒 | Weblog


『冤罪ファイル No.05(20093月号)
 巻頭インタビューは落合恵子さん「冤罪は最大の人権侵害の一つです」(pp.2-9)
 「最高裁、判決迫る/「創」篠田編集長 特別寄稿/和歌山毒カレー事件の重大局面」(pp.10-30)安田好弘弁護士の発言「カレー鍋に入っていたヒ素は135グラム、・・・濃度も大変なことになります。/・・・ヒ素に関する知識のない人だと考えるのが合理的なんです」。林夫妻の自宅への悪罵の落書き、「毒婦」などのマスコミによる烙印、理解に苦しむ・・・。
 今井恭平さん「3度の死刑判決からの生還/八海 (やかい) 事件」 ―死と隣り合わせで、無罪を勝ち取った18年―」(pp.86-116)

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