acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

2018-19年末年始 八ヶ岳冬キャンプ

2019年01月05日 06時52分12秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2018/12/30-2019/1/1 

メンバー:kim会長(CL),N(連合艦隊司令)長官,yuka,きくりん,szt(SL)

装備:宴会&年越装備?一式

 

12/29(土) 22:00頃 石下発→1:00過ぎ 美濃戸口(泊)

12/30(日) 天気:概ね晴れ

9:30頃発 赤岳山荘→12:45赤岳鉱泉→13:48 BC設営完了→14:00過ぎ~ 宴会の儀はじまる

 

 2018年もいよいよ大詰め.2018年は12月に連続して山.しかも量は少なかったかもしれないけど,ほとんどが雪.そんな日程が続き,さすがに疲れを感じていたものの今シーズンの年越しは山の中で.振り返れば年越し山行はどうやら3年ぶり.意外と入っていないもんでした.

前夜に石下に集合し美濃戸口に車中泊.今回はどちらかというと,いろいろな意味で新入会員さんたちの体験山行の様相のため1日目のタイムスケジュールはかなり余裕がある.の~んびり寝て,朝ごはんもの~んびり食べる.

八ヶ岳の積雪は少なく,美濃戸までの林道に雪はほとんどない.N長官は車を美濃戸まで上げるということなので荷上げは車にお願いし,自分の車は美濃戸口に.荷物がなければ美濃戸までの林道歩きも食後の丁度いいウォーミングアップだ.

美濃戸からは赤岳鉱泉まで歩荷.事前に送ってもらった装備表には「アルコール(沢山),つまみ(美味のもの)」とあり,「アルコールは沢山飲めないからせめて食べるほうで楽しめるように」と準備していたらザックが大変なことになってしまう..当日は共同装備の大きなテントをザックに捻じ込み,いざ赤岳鉱泉へ.

赤岳山荘より歩荷.今年は雪が少ないそーです.

赤岳山荘から出発したのも束の間.美濃戸山荘で火に当たる.これも今日は赤岳鉱泉までという予定の賜物.3年前とおんなじだ~.

美濃戸山荘にて.今回はのんびりなんです,ハイ.

2018年の7月に赤岳をやっつけたというyukaさん.それから半年もたたないうちに冬の八ヶ岳デビューとは..しかも今回の山行では,翌31日に赤岳アタックの予定.半年の間に夏と冬の赤岳を体験できるのも,会に入会すればこそ?

見よ,この雄姿!山ガールはもう卒業?

胸にサブザックでも抱えているのかと思ったら,,出てきたのは寒さに打ち震える子犬でした.

えっちらおっちらのんびり北沢の登山道を進み,昼過ぎには赤岳鉱泉に無事到着.先行していたN長官の話では,トイレの方までテントでいっぱいとのこと.アイスキャンディの盛況ぶりを見るとその言葉にもうなずける.

確かになかなかのテントの数の多さ.さすが赤岳鉱泉です.

ロープすだれ状態のアイスキャンディ.今年は登れるエリアが少なく,余計混んでいるように見えてしまう.

計画段階では,翌日中山尾根を攻める話はあったものの,いろいろ協議した結果今回はアイスキャンディで落ち着いた.それでも機会があれば中山尾根には取付きたい.kim会長に中山尾根を確認して,赤岳鉱泉からルートのポイントを大雑把にチェック.

中山尾根に取付くチャンスは果たしてやって来るのか?

テントを張るのにちょうど良さそうな場所を確保し,無事BCを設営.この日の夜に上がってくるきくりんにテントの大まかな位置をメールで伝えれば,あとは宴会を執り行うだけ.

BCをオッ立てて,まずは宴会第一幕のはじまりハジマリ~.

宴会とは言うもののわたくしはあんまり酒を嗜まず,どちらかというとお食事会の様相と相成りました.味はともかくとしてそれなりにお腹は満たされ席を外してテントの外に出てみれば,大同心のアーベントロートが美しい.

夕焼けに染まる大同心.きれいだねぇ..

赤岳鉱泉のテン場が闇に包まれる頃,仕事を終えたきくりんがテントに駆けつける.宴会(お食事会?)第二幕が開始され,お腹をたっぷりと満たしたら寝袋の中へ...

みんなでつまみを焙る焙る焙る々~.

 

12/31(月) 天気:快晴

kim会長(CL),N長官,yuka→赤岳へ

szt(SL),きくりん→アイスキャンディへ

 

山行中日は二手に分かれる.一組は文三郎から赤岳へ.もう一組はアイスクライミング.

赤岳組は8:00前にBCを出発.アイス組は,まずはアイスキャンディを登ろうとオープンの8:00までのんびり過ごす.

準備を整えて,,,

赤岳へいざ出発~~.いってらっしゃーい!

我々アイス組は,アイスキャンディに飽きたらジョウゴ沢でもなどと思っていた.天気は風もほとんどなく快晴.前日眺めた中山尾根に燦々と陽が当たり,少しもったいなかったかなぁと未練がよぎるがアイスキャンディに付く人の数も思いのほか少なく,目の前の氷に夢中で戯れる.これも好天で人がいろんな場所にばらけたからと思うと,アックスの振り方にも以前とは違って工夫を凝らす自分がいる.

そんなことをしているうちに,この日はここで目一杯登って楽しもうと気が変わり,ふと気が付けば文三郎尾根から赤岳に登り地蔵尾根を下ってきた,kim会長たちの赤岳組が戻ってきていた.

会長の視線を浴びつつ登る.

あれ?どっちがきくりん??

珍しくも画になる一枚.撮り方がうまいんだね.

この日の夜も二部構成.前半はテント,後半は小屋.前半のメインは年越しそば,後半のメインはビンゴゲーム.振り返ってみれば,こんなに賑やかな年越しはいつ以来だろう?というくらい,わたくしにしては華やかなる大晦日でございました.

 

 ビンゴ大会の結果は..これからいいことがあるっていう前ぶれってことだよね,きっと...

 

 2019/1/1(火) 天気:晴れ

8:00過ぎ 雪訓&ロープワーク練習→13:00頃 赤岳山荘

 

最終日,元日はお汁粉を食べ,餅入りそばをたべ,お腹を満たし荷物を減らして雪上訓練.ビーコンの使い方,プローブの使い方,コンテのロープの結び方,スタンディングアックスビレイ,滑落姿勢などなど,それまで気になっていたあれこれについてのご指導を賜る. 

当初雪訓は場所を変えて行う予定だったが,移動前の内容が盛り沢山となり思いのほか冷たい風で体も冷えたため,BC地での訓練で終了.実技は再度3月頃に設けていただけるとより実のあるものになりそうなので,それではその方向で参りましょうということに...

いろいろなことをご指導いただき,実りある時間となりました.

テントをたたみ,楽しんだキャンプ地をあとにする.下りは早く,あっという間に美濃戸山荘を経て車を置いた美濃戸口に到着.12月は山も仕事も慌ただしく過ごした気がするだけに,この3日はうまいこと体も頭も適度にリフレッシュすることができた気がする.

〆は美濃戸山荘にてお茶を一杯.ホッとしますね.

もうすでに冬山シーズンは始まっているが,いよいよ2019年が始まる.今年はどんな山へ入り,どんな一年になるのだろう?

今年も充実した年になりますように.皆様よろしくお願いいたします.

szt


2018年 スポーレ登り納め

2019年01月04日 07時02分01秒 | 会員日記

2018/12/29(土) メンバー:szt,常連の方々

  2018年もいよいよ終盤.ここ数年,平日の夜を中心にお世話になっているスポーレも,当たり前のことだけど最終盤.年末に軽くでもいいから登っておきたいな〜と思っていたら,うまいこと時間があいてたのでスポーレへ.年末とはいえ顔を出してみれば,いましたいましたいつもの土曜日の常連さんの方々が.

この日は夜出発で八ヶ岳へ行くから,あんまりガチンコで勝負はせずに軽い感じで7本ほど触る.あのルートは登れた、あれはまだだから触っておきたいな~,あれはなんだか遠ざかっちゃったなぁ,などとそれぞれの課題を振り返る.

土曜日の常連の方々を中心に.2018年もお世話になりました.

最近は山に行く機会が多くて,フリーの成果は停滞気味.それでも薄かぶりのオレンジ棒はやっつけて,よい年の〆となりました.

szt


南アルプス 甲斐駒ヶ岳(北沢峠)

2019年01月03日 13時43分13秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2018/12/22-24

メンバー:szt(CL),きくりん  装備:冬装備一式

12/22 5:00自宅(つくば)→10:30戸台登山口P→12:47角兵衛沢分岐→15:53長衛小屋BC

12/23 4:40長衛小屋BC→6:15仙水峠→8:33駒津峰→9:31六方石→11:14甲斐駒ヶ岳山頂→12:45駒津峰→15:00 BC

12/24 7:15 BC→8:39丹渓山荘跡→10:53基点P

 

12/22(土) 戸台登山口P→北沢峠(長衛小屋BC) 天気:雨

 前週八ヶ岳に遠征し,ここは最低でもやっつけておかないと思っていた赤岳主稜をコンプリート.これで弾みをつけて今年はどんどん雪や氷のあるところに挑戦したいところ.正月前の3連休に狙いを定めたのは甲斐駒ヶ岳.本来は北アルプスを考えていたけど,3日間とも天気はイマイチな予報.私は以前黒戸尾根から甲斐駒には登っているので,北沢峠から頂上を目指すことにした.

今回はロープを出すようなバリエーションルートではなく,登山道を歩くことがメインになる感じなため余裕があると判断し,つくばを早朝に出発する.実はわたくし戸台に入るのは初めて.気にはなっていたけれど,駐車場までのアプローチの遠さと,駐車場付近から山に取付くまでのいろんな意味での煩雑さが億劫で敬遠していた感があった.それが早速出足でつまずくきっかけに..夏にマイカーからバスに乗り換える仙流荘隣の駐車場を,予定していた戸台の駐車場と間違える.危うく数時間余計に歩くところだった,,あぶねー.

事前に考えていたよりも出発が遅くなってしまったものの,これくらいなら暗くなる前に予定しているテン場まで到着できそうだ.しかし残念ながら天気は雨.テンションは全く上がらない.予報では一応これから雨は上がるようなので,車内にあったコウモリ傘をさして戸台の河原を歩いてゆく.

初日はあいにくの雨.そして甲斐駒は雲の中.

持っている地図では戸台川の右岸をしばらく歩くはずだが,ピンクリボンが左岸を進む感じでついている.それに引き込まれるように進んでいくが,途中2回ほど渡渉することに.その際,傘をストック代わりにするものの,バランスは悪くスマートに流れを渡れずさらにテンションダウン.やれやれである.

角兵衛沢の案内板を過ぎ,熊ノ穴沢の案内板を過ぎたあたりで少しだけ雲が切れて山が見える.後から分かったがこれが甲斐駒だった.この時は天気も悪く,初めて来るところからの眺めとあって山座同定なんぞちっともできなかった.

角兵衛沢の案内板.いずれは鋸岳にも行ってみたいものですね~.

行きで少しだけ見えたおそらく甲斐駒.

丹渓山荘跡.だいぶ古いんですね~.

赤河原分岐を過ぎて丹渓山荘跡の辺りからようやく山の佇まい.さらに高度を上げてようやく雪が現れて冬山らしくなってきた.登攀具も背負っていないので前週に比べれば荷は軽いものの,それでも冬のテン泊装備で斜面を上がるのはツラいよね.

ようやく雪が.先行パーティもいるようでトレースあり.出発のアクシデントが活きた?

途中の大平山荘付近で先行する4人パーティを抜き,予定している長衛小屋のキャンプ場へ移動する.しかし気温が高いため,北沢峠からの林道は融雪してベチョベチョでちょっと歩きづらい.テン場に着く頃には雲はなくなってかろうじて仙丈ケ岳の頂上が見えた.テン場には水が流れ出しており,融雪して水を作らなくてよいのは楽な限りだ.

長衛小屋のテン場.少しだけ仙丈ケ岳が見えますな.

初日はここで行動終了.結局ここに泊まったのは我々を含めて4パーティ.我々以外はみんな仙丈とのこと.まぁ今回は,いずれ仙丈に来る時の偵察かな?小屋に寄った人からの情報では,明日は午後から崩れるとのこと.きくりんの携帯の天気予報でも午後は良くないと.しからば明日は午前中勝負.今宵は腹を満たして寝るだけと,この日も早めの就寝で長時間の睡眠をとるのだった.

 

12/23(日) 長衛小屋BC→甲斐駒ヶ岳→BC 天気:曇り/雪・風

今回の山行は天候が悪い冬の環境下で行動することが主目的.とはいえ,ここまで来たらせめて素晴らしい展望は望めなくとも山頂まで到達したいところ.ならば,早立ちして頂上を目指しましょうということで,当日は3:00に起床し4:40にはBCを出発する.

BCより.4:40出発です.傘も凍ってます.

前日甲斐駒には雲がかかっており,間違いなく雪だろうと思っていた.登山道はもちろんトレースなどないが,樹林帯では大したラッセルでもなくツボ足で登山道の目印を頼りにズンズン進む.それでも,新雪には抗いがたくコースタイムは遅れ気味.

仙水峠には6:15.辺りは真っ暗です.

仙水峠を過ぎ駒津峰への登りで夜が明ける.そして登山道の雪は少しずつ増え始め,ところどころ樹林帯が切れて風が吹きつけるポイントも増えてくる.事前の予定では駒津峰辺りでアイゼンでも履くかと思っていたが,こうも風が強いと立ち止まってもたもたしているだけで体力が消耗する.ということで,風がよけられそうなところでストックをデポし,アイゼンをつけてピッケルも準備する.

駒津峰への登山道を上から.雪が増えてきましたよ~.

駒津峰への登山道を下から.風も強く視界も悪いですよ~.

駒津峰に到達したのが8:33.BCを出たのが4:40だから4時間近く経っている.う~ん,やっぱりかかるな~.それもここまで体力のあるきくりんが,主にラッセルをしてこの時間.私一人ならとっくに帰っているかも.いやこのコンディションでここにいないか.なんてしょーもないことを考えながら,まだまだ引き返すには早すぎるので登山道を進む.

山頂に上がるにはいったん下って登り返す形になるが,駒津峰からの稜線でグッと雪の量が増えてくる.それまでは脛程度の深さが,膝はズッポリ埋まっていしまい前に移動するのも一苦労.せっかく持ってきたんだからと,ここでアイゼンを履いたままわかんを履く.アイゼン+わかんというのも初体験のため,装着するのに四苦八苦.それでもなんとか身に着けて,雪の上に乗ってみればあら不思議.体が沈まないじゃありませんか!ってわかんなんだから当たり前か.

それでもそれまで雪の中でもがいていた苦しみから解放され,山頂到達が達成できそうな手ごたえをここで感じる.

確かこの時はわかん装着済みのはず.だいぶはかどったよね.

ちょっと雲が切れた瞬間に山頂方向を撮影.天気が良いと気持ちいいんだろうねぇ.

六方石の手前で七丈小屋から山頂を越えてきた単独の男性とすれ違う.スゲー,この天気と雪の中を単独か~.しかもわかん履いてないし.どれだけ強いんだ?と感心する.まぁ,人は人,わたしはわたし,今日は計画通り進めるだけです.

9:31,六方石付近.展望などありません.

六方石を過ぎ,夏道と直登ルートの分岐に到達.山頂を越えてきた単独の人はどうやら夏道で来たみたい.ここで少し迷ったが,計画通り直登ルートを登ることにしてわかんを外し,アイゼン&ピッケルでちょっとした岩稜のある直登ルートを登ってゆく.

直登ルートを登るきくりん.頼もしい限りでした.

直登ルートでも登山道の目印が途切れることはなく,慌てなければ前進は可能.風が強く,駒津峰からの稜線に比べれば雪の量は減ったものの,前日の雪の影響か場所によってはラッセルを強いられる.トップを交代しながら進むが,そのほとんどはきくりんが担って高度を上げてゆく.きくりんのパワーが頼もしい限りだ.

夏道との合流地点に10:52到着.ここら辺では風が一層強くなる.上を見てもここが山頂からどのくらいの位置にいるのかちっともわからない.12:00になったら引き返すことを確認し,上を目指して歩いてゆく.ただ引き返すときにはここがポイントになるので,お賽銭や周囲の目印となるものを確認する.

夏道との合流地点に10:52到着.

夏道との合流地点より直登ルートから登ってくるきくりんを写す. 

夏道との合流地点より上部を写す.山頂がどこらへんか全く分からず.

時折風に煽られながらも淡々と山頂を目指す.冬にこんな天候で何やってんのかなぁと思いつつも,とある人が山頂は区切りとして必要だと言っていた言葉が頭の中によぎる.少しずつ空が広がる感じがして,祠のようなものが見えはじめたと思ったらそこは山頂だった.

さすがにこの天気では何も見えない.ここに長居は無用ということで,数分滞在し記録用の写真を撮ってそそくさと下山する.

11:14山頂到着.きくりん,あなたがいなかったらここまで来られなかったよ.

せっかくだから記念撮影.このうしろは晴天ならとっても眺めがいいようです.

夏道との分岐まで下り,念のため持ってきていたGPSで来た道を確認しそのまま来た道を下る.登山道の目印が要所で確認できるためヒヤリとする場面は全くと言っていいほどなかった.ただ帰り道ではトレースは消えかかり,厚い手袋越し&ゴーグルの曇りによってGPSの操作も手間がかかる.強風の厳しい環境下では,こういうことでもたもたしているのが命とりだなと実感する.

少し晴れ間が切れた瞬間に駒津峰方面を撮影.あれを登り返せばあとは下るだけ. 

駒津峰への登り返し.ここはラッセルしたかいもあってわかんをつける必要なし.

帰りの駒津峰には12:45.ここら辺の風も強烈でした.

駒津峰を過ぎ,樹林帯に入ってデポしたストックを回収すれば,アイゼンも外して後は気楽に下るだけ.下れば下るほど空気が濃く暖かくなってくるように感じ,危険な領域から抜け出しつつあることを実感する.こう感じるのってわたしだけ?

仙水峠を過ぎた辺り.ここで13:58.下るのって早いよね.

15時にはBCに到着してみれば,長衛小屋のテン場では雨..せっかく山頂まで行ったのに標高2,000mで雨とは...七丈小屋から甲斐駒を越してきた単独の人も,ここで泊まるようだ.仙丈に向かったパーティはみんなテントの中.我々も空腹を満たすべくテントの中に潜り込むのだった.

 

12/24(月) 北沢峠→戸台登山口P 天気:晴れ

前夜は雨であったがテントに雨が流れ込むような事態にはならなかったが,残念ながら私の寝袋は自分の汗と上着の湿気を吸ってびしょびしょ.一度シュラフカバーのみで寝てみるがさすがに寒くて眠れない.仕方なくもう一度びしょびしょの寝袋にくるまって眠りにつくが,深い眠りに就けないまま朝を迎える.早く行動したいものの朝になるとテン場には風がピューピューと吹きつけており,暗い中ヘッデンを点けて動く気もしない.ということで,予定通り7時過ぎにテントを撤収し戸台まで向かう.

宴の後?前日の雨と朝の冷え込みのおかげでいろんなものが凍り付いてしまいました.

下りはアッという間.赤河原分岐には9時前に着き,どんどん上着を脱いでゆく.天気は良いが寒気が入っているせいか入山時より寒さを肌で感じる.帰路は白く染まった甲斐駒を眺めつつ,目印を頼りに往路で左岸を歩いたところも右岸の踏み跡をたどる.そして靴を濡らすこともなく11時前に戸台の駐車場に到着した.

所々で顔を出す甲斐駒.

よく探せば右岸を歩けた.右岸をたどれば渡渉はなし.

戸台駐車場付近より甲斐駒や駒津峰.歩き始めから眺められれば確かにテンション上がるよね.

戸台の駐車場には平和な空気が漂っていました.

下山後は仙流荘の日帰り入浴で汗を流す.料金は¥500とお徳ナリ.下山が早いこともあったので,つくばまでは下道でのんびり帰り,高速代を浮かすのでした.だってこれからも遠征したいからね~.

良き相棒に恵まれて,悪天の3,000m級の環境を体験でき山頂まで踏めました.パートナーって大切だね.

szt


八ヶ岳 赤岳西壁 主稜

2019年01月02日 16時04分54秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2018/12/16(日) 天気:晴れ

メンバー:szt(CL),きくりん

装備:登攀具&冬装具各一式,ロープ(8.1mm×50m)×2本.

5:37行者小屋BC→6:40主稜取付き→8:33 7P目(上部岩壁?)登攀開始→9:55南峰頂上→10:37地蔵尾根分岐→11:30 BC着→14:05赤岳山荘P

 

 さて,ようやく赤岳主稜だ.

前日の阿弥陀北稜は危なげなく終了し,素早い行動のおかげで主稜の取付きからそれぞれのピッチのイメージを掴むことができた.前夜のテントでは日出時刻からBC出発と起床時刻を逆算し,4:00起床の5:30出発として,結果的には12時間近く睡眠をとることに.2人ともぐっすり眠り仕事と前日の疲れを吹き飛ばす.あ~よく寝た.

予定通りの時間に起きだし,準備も済ませてほぼ予定通りの時刻に出発する.BCを出発すると,後続で4人パーティが直後からやってくる.「やっぱり赤岳主稜かなぁ,,」と思いつつも,大汗をかきたくもなかったので,文三郎尾根への登山道をのんびりと歩いてゆく. 前日目印に着けたテープを見つけ,登山道から取付きに向けてトラバース.目印のテープがなければ周囲は暗いし見逃していたかもしれず,内心「よかったぁ~」と思いつつ,消えかけたトレースを追いつつ取付きへ.

登山道へ目を向ければ後続の4人パーティはどうやら主稜ではないみたい.これなら自分たちの登りに集中できそうだ.それぞれのロープを結びあって,夜明けとともに登り始める.

1P目のリードはわたくし.昨日はきくりんに先攻を譲ったのも核心といわれるこのピッチに触りたかったから.いざ登ってみるが,スリングの付いているフェイスの方へ登ってしまうとどうにもその後が手を出せない.「う~ん,人工はちょっとやだな~」とスリングにつかまって取付きへ戻る(この下降ですでに人工?).「ごめん,もうちょっと粘らせて~」と内心できくりんに謝りつつ,仕切り直してCSを直上する感じでスタンスを拾っていくと無事突破.やれやれ,これでは一撃とは言えないな~.

取付きより.出だし間違えちゃいました.

出だしを抜けると凹角状を登って右へ曲がり,歩きやすいところを進めば2P目のしっかりした支点に行き当たる.

2P目の支点からは昨日登った阿弥陀岳や北アルプスなんかがよーく見える.ロープを上げている間に次のパーティが主稜の取付きにトラバースしてくるのが確認できる.「とっとと登って,抜かれないようにしたいところだな~」とロープをたくり相方に登っていーよのコールを送る.

2P目の支点より.テキパキと作業を進めましょう.

2P目の支点より.夜明けの阿弥陀岳.昨日登った北稜がよく見える.

2P目リードきくりん.どういうピッチか正直あんまりよく覚えていない.きくりんは岩角でビレイしていたかな?昨日の登山道で主稜に取付いていた人たちを見たけど,多分ここに立っているのを見たんだと思う.

3P目の支点辺りより.隣に見えるのは南峰リッジ?

3P目リードわたくし.確か寝た岩&雪稜帯を登っていったと思う.途中に3P目の支点と思われるハンガーボルトあり.事前の情報では各ピッチでしっかりした支点があるらしいので,そのつもりでロープを伸ばしていくとありましたありました,4P目の支点が.

3P目の支点より先のルート(のはず).

4P目の支点.

4P目の支点より下部(のはず). 

4P目リードきくりん.ここも特に危ないところはなかったはず.きくりん,また岩角で肩がらみのビレイ.いい感じですよ~.この調子でサクサク進んじゃいましょう.

5P目の支点から先.深く考えず簡単なところを進んだと思います.

こちらが5P目の支点.サクサク進みましょうね~.

5P目リードわたくし.焦っているわけではないけれど,登山特に冬場はスピードが大切.斜面の岩や雪に導かれるままに高度を上げる.先ではボルトないかな~と思いこの日初めて岩角でビレイ.実はもうちょっと上にボルトの支点があったけど,長いスリング,それもナイロンのやつをいい感じで使うもんだな~なんて思ってました.リズムはいい感じ.振り返るとだいぶ高くなってきましたよ~.

6P目の支点より.行者小屋をバックにしたきくりん.爽快だ~~.

6P目の支点.落ちる感じもしなかったから肩がらみだった気がする.

6P目リードきくりん.左側に岩壁を見つつ基部を右へ進む.ところどころハーケンが打ってありスリングも垂れ下がっている.ここら辺は登れるところをみんな登るのだろうか.こちらは事前の情報を参考に立派な支点の所まで移動する.

7P目の支点.ここからはいろいろなルート取りがあるのかなぁ?

7P目リードわたくし.会の人からは「1P目だけが難しい」と聞いていた.その言葉,参考にはしていたけど鵜呑みにはしていなかった.「侮っていると痛い目にあうぞ~」と身構えていた.それがここのピッチで活きる.

前日までにおさらいしたルートの全体像からすると,ここが意外に侮れないのでは?と思っていた.だからと言って細かなところはその場に来てみないとわからない.ボルトのあるところから見ると右に回り込むほうがなんとなく登りやすそう.ただ,ここら辺りは風の通り道なのか,風の強さが急上昇.

7P目の支点より上部.なんとなく登りやすそうなところをなんとなく登る.

ということでとりあえず寒さに耐えつつ登っていくと,そこそこ傾斜が立ってきてノーピンではちょっと怖さを覚えてくる.手袋で岩は掴みづらい上に強風で指先が冷え,アイゼンでスタンスを探さなければならないからイヤだな~と思っていると,ちょうどいいところに半分腐ったハーケンを発見.こいつでランナーを取りじりじりと登るとその上はリッジ状.さすがに立てそうもないところはリッジにまたがって嫌なパートを通過する.このパートはフォローも登りづらかろうと,しっかりした支点の取れそうなところを探すと,やっぱりここにもしっかりしたボルトが打ってあり,そこでビレイ.

このピッチなかなか怖かったっすよ.アイゼントレの重要さを実感.それにしても,大まかなルートのイメージトレーニングってのも大切だね.きくりん,1P目といいこのピッチといい,このルートのアクセントのあるパートを登らしてもらってありがとー.

8P目の支点より下部.フォローで登ったきくりんも怖かったそうな. 

8P目の支点もしっかりボルトでした.支点より上部はこんな感じ.あ~寒い.けど,もうちょっと.

8P目リードきくりん.風が強くて寒いので,焦らずにちゃっちゃと登ってゆく.それにしても高度が上がってきたからか,攀じ登ってゆくのに息が上がる.あー苦しい.

9P目の支点.もうちょっとだよう.がんばろー.

9P目リードわたくし.最後のピッチは危ないところはないけれど,歩いて上がるのがあ~つらい.でも,稜線はすぐそこだ.登山道の手前でピッチを区切ってフォローをビレイ.

実質的な終了点より.お疲れさまー.上がったもんだね~.

終了点から見上げれば,そこはもう登山道.ハイカーがほらそこに..

登山道のすぐ脇でロープをたたみ,小屋を通り過ぎれば,そこはもう赤岳山頂.山頂はごった返しているわけではないけれど,自分が今まで登った冬山に比べればたくさんの人がいる.赤岳って人気あるんだな~.

昨日にはなかった雲海も拝めて,富士山の眺めが前日とは一味違う?

今回のツアーのメインの目標を達成し,山頂で風を避けて小休止.栄養補給や記念撮影を済ませたら,後は下るだけ.分岐の目印であるお地蔵さんを確認して地蔵尾根を下る.途中のちょっとした斜面で,諸先輩方に倣って尻セードもどきでの下降を交えつつ,登山道を下りBCへ移動する.

下りは地蔵尾根から.お地蔵さんにお別れのご挨拶.

任務を完了すれば後はケガや事故なく家に帰るだけ.途中,アイス愛好家の顔が浮かび,相方の意欲を高めるのも狙って南沢大滝を偵察し,家路につく.

 

何年か前に目標を立ててそれを目指して過ごしてきてけれど,段々とその目標が遠ざかって行くのを感じてもいたここ最近.目標が遠ざかれば,また別の目標に修正すればいいだけのことなんだけど,パートナーと天候に恵まれて通過点の一つに考えていた目標を,考えていたよりもちょっと時間がかかってクリアできた.


 「アルパインの経験がない人を,バリエーションルートに連れていけるようになればチャンスはあるんじゃないですか?」

半月ほど前の山行の記憶をたどって思い出すのは,なぜだか何年か前にとある人から言われたそんな言葉..

ってことは,まだチャンスがあるのかねぇ..??

szt

 


八ヶ岳 阿弥陀岳北稜

2019年01月02日 13時40分50秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2018/12/15(土) 天気:晴れ

メンバー:szt(CL),きくりん

装備:登攀具&冬装具各一式,ロープ(8.1mm×50m)×2本.

12/14 19:10自宅(つくば)発→23:00頃 道の駅小淵沢(泊)

12/15 4:30起床→6:00赤岳山荘P→9:33行者小屋BC発→11:37第一岩峰取付き→12:23阿弥陀岳山頂→13:38文三郎道分岐→15:00頃行者小屋BC着

 

 「アルパインの経験がない人を,バリエーションルートに連れていけるようになればチャンスはあるんじゃないですか?」

半月ほど前の山行の記憶をたどって思い出すのは,なぜだか何年か前にとある人から言われたそんな言葉..

 

3年位前から雪に囲まれた環境でロープを出す山行をしてみたいと思っていたが,いろいろな条件が重なってなかなか経験を積むことができなかった.今シーズンの冬はどうやら念願の?チャンスがやってきたみたい.パートナーはきくりん.こちらは冬山歩きや短いアイスクライミングの経験はあるけれど,何ピッチもあるバリエーションルートとなるとそうは数をこなしていない.おまけにこの時期は陽が一番短く行動時間も限られる..そんなわけでルート選択に頭を悩ませたが,まずは簡単といわれるルートでもいいから数をこなしていこう!ということで,阿弥陀北稜と赤岳主稜をチョイス.

前夜つくばを出発し,珍しくも長い区間高速を使い,当日早朝に美濃戸まで車で上がってしまう.予報では土日好天の予想.計画通り初日に行者小屋でベースを張って,阿弥陀北稜にアタックすることを確認する.

美濃戸の駐車場にて.この日はこれくらい雪あったんですよ~ 

南沢の登山道をのろのろ歩き,8:30前には行者小屋に到着.さっさとテントを張り,そそくさと登攀具を身に着ける.見上げれば阿弥陀の北稜と思われる稜線がよく見えるではないか.

南沢の登山道より.うっすらと陽が当たり赤岳山頂付近の眺めの美しさにちょっと見惚れてしまう.

8:27行者小屋に到着.

阿弥陀北稜と北西稜.行き先がわかって少しだけホッとする.

こちらが今回のBC.

1時間ほどで準備を済ませ,文三郎尾根への登山道から阿弥陀岳への夏道へ入ってゆく.ネットの記録などでは12/10までは八ヶ岳にほとんど雪がなかったようだが,12/11に通過した南岸低気圧の影響かこの日は阿弥陀北稜の取付きまでトレースはなし.天気は良く,樹林の間から時折見える北稜を目指して雪の中を進んでゆく.あまりにも多い雪では疲れ果ててしまうが,このくらいの量であれば一番最初に足跡をつけることが気持ちいい.振り返れば,これもこの日の山行のいいアクセントになったのだろう.

踏み跡なのか,夏道なのかよくわからないが取付き目指して登ってゆく.

確か夏道から撮ったところ.ここから取付きめがけて明瞭な尾根を登っていった.

第一岩峰取付きまでは,ところどころ急な登りとなるもののラッセルにめちゃくちゃ苦労することなく雪の中を進んでゆく.ああだこうだ2人して確認しながら第一岩峰取付きに到着.夏道から分かれた登りの最中にちらりと何人かの人が見えたが,取付きで単独の女性の方に抜かれる.「北稜を単独か~.かっこいいなー」と思いつつ,「うちらは冬山初心者パーティなんだから,マイペース,マイペース」とお互いに準備したロープを出し合う.

第一岩峰.左に回り込んだところに支点あり.

ご覧の通り立派なボルトがありました.

1P目のリードはきくりん.目の前で単独のお姉さんが登っていった後を追うように,スルスルと登っていく.コールの後,フォローで登るわたくし.前に登った二人は簡単そうに登っていたが,手袋&アイゼンで登ってみると意外に岩を掴めないしバランスは悪いしで,なんだかおっかない.2人ともスゲーなぁ..

1P目,登りやすいところを適当に.

2P目はわたくしめ.きくりんが岩角で取ったビレイポイントからもう少し上がると,立派なボルトの支点がある.そのすぐ上が少し立った岩場.前のお姉さんが登った跡らしきものがあったから概ねルートはわかったが,取付いてみるとなんだか岩がうまいこと掴めない.それでも足を上げたり指でこらえたりして岩場を抜ける.やれやれ,なんだかおっかないな~.

2P目支点より.この少し先に立派なボルトの支点あり.

岩稜帯を抜ければ事前に写真で見たことのある,リッジ状を通過.リッジ手前にスリングもぶら下がっていてこの日はそれほど緊張感はなし.それでも振り返ってみれば画になるところではないか.

チョットした雪のリッジ状.この日は風もなく,心地よい緊張感でした.

リッジ状を抜けた後はロープを伸ばし,横たわっていた灌木でビレイ.ここから先,きくりんに少しロープを伸ばしてもらうが実質的には2Pでロープ出しは終了だった.確かにここは1回来てしまって,天気が落ち着いていれば1人でも来られるかなぁという印象.それでもわたしにはここに2人で来られていい経験を積むことができた.

途中明らかにロープはいらなそうな雰囲気となったので,ロープをしまい少し歩けばそこは阿弥陀岳山頂だ.降雪から数日経って,柔らかい感じの山の景色が素晴らしい.

山頂より富士山.

こちらは北岳ほか南アルプス方面.

赤岳.翌日登る予定の主稜を追う.

こちらは横岳方面.

硫黄岳,東天狗,西天狗だって見えるのだ.

山頂でぱっと周りの景色を眺めたら,あと気になるのは明日登る予定の赤岳主稜のことだけ.取付きの確認をするべく,そそくさと下山を開始.中岳を乗越して文三郎道に合流.振り返れば,「そうか阿弥陀は初めて登るんだったな」と思い出し,もう一度阿弥陀岳を眺めてみる.よーく見れば北稜に数パーティ取付いてるではないか.

文三郎道に合流.これだけの天気だから赤岳に登る人は多かったっす.

阿弥陀岳ときくりん.まずは一本完登だね.

文三郎尾根の登山道を下ってゆけば南方リッジの取付きを通り過ぎ,やがて赤岳主稜の取付きに向かうトラバースポイントへ.案の定,主稜には数パーティ入っていて取付きまで踏まれている.目印をつけてBCに降りてゆき,翌日の山行に思いを馳せるのだった.

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