acc-j茨城 山岳会日記

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谷川岳・一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜

2012年06月09日 00時59分25秒 | 山行速報(アルパイン)
谷川岳・一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜 2012

近くて良い山。
谷川岳は関東近郊の山ヤさんは勿論、沢ヤさん、岩ヤさんにとっても近くて良い山。
長期山行困難者にとってはそれこそ、谷川さまさま。



山良し、沢良し、岩も良し。
日帰り山行の三拍子が揃っている。
「おやつは300円まで。オマケつきOK。」
そんな遠き過日の遠足を思い起こしながら。

前夜、登山指導センタ-で計画書を提出、その先、一ノ倉出合へと入る。
登山指導センタ-から先は2012/6/1~6/30までは通行可だが、それ以降は11月まで交通規制となる。
ならば、6月の好機を逃すまい。
一ノ倉十数年ぶりのGRさんとシ-ズンはじめのごあいさつに南稜をチョイスした。



出合からテ-ルリッジまで雪渓通し。なかなか、快適。
テ-ルリッジも乾いており、シュ-ズ(FiveTen/Savant)がスバラシイフリクションを魅せる。
以前、この場所でとあるガイドさんがクライアントに「滑ると思うから滑るんだよ」とアドバイス(?)していたが、それは大方、靴の能力だと思う。
雪渓とステルスS1効果もあってか1時間15分ほどで中央稜取付。
装備を付けて烏帽子沢奥壁のトラバ-ス、南稜テラスへ向かう。

今日の一ノ倉は3パ-ティ。
凹状に2人P、南稜に先行3人P、そして同ル-トの我々2人。



テラスでロ-プをつけたらクライムオン。
sak先行。
久々の谷川詣のGRさんにオイシイピッチはリ-ドしてもらう手筈。

1P、sak
体が登攀になれるようゆったりとチムニ-手前まで。



2P、GRさん
危なげなくチムニ-上まで。

3P、sak
岩は乾いており快適。笹薮ピッチまで。

4P、GRさん
笹薮歩き、大岩下まで。



5P、sak
フェイスから大岩を回り込んだ先のテラスへ。
ここで渋滞。いつしか雨が落ちてくる。

6P、GRさん
すっかり雨に濡れた岩場を行く。
リッジを右に回り込んで細かいフェイス。濡れているためかなかなか手強い。
上部はハ-トフルなガバが続く。先行Pはここで雨のため下降。

7P、sak
クラックをひと登り。
濡れていて、スタンスに確信が持てない。
「濡れていてもスベらない」と自分に言い聞かせ解決。



8P、GRさん
最終ピッチにして核心。
ここのピナクル先端が浮いている。これがもうグラグラなもので恐ろしい。要注意。
慎重な登攀で終了~♪



幾分弱くなったが雨が続いているので、小休止して6ルンゼ下降にかかる。

・・・が、

懸垂下降1ピッチ目、45m下降し、回収時にロ-プが岩溝に嵌る。
約20m上、大きなチムニ-上部で痛恨のスタック。
いくら引けどもロ-プが伸びるばかりでビクともしない。こうなるとどれだけ引いても回収はまず無理だ。
幸い結び目は手元にあるので、50mロ-プ1本で登り返しほかない。

6ルンゼのチムニ-を登るにもヌルヌルで支点も見当たらず行く気はしない。
6ルンゼ右(左岸)の浅い凹状を行く。

オマケP、sak
手がかりはあるが脆い。あまり登られてはおらず支点は少ない。
12m直上し、カブリ気味になってきたら右のリッジに2mトラバ-ス。
このトラバ-ス、支点はないので大層緊張する。
リッジに出たら、南稜の6P上部。ここのハ-トフルガバホ-ルドに一時癒される。
7PのクラックをA0しまくりでピッチ切り支点まで。

そこからロ-プを上げて6ルンゼへと5m懸垂下降。
岩溝に食い込んだロ-プを外しGRさん回収を確認。

プル-ジックで一旦登り返しし、改めて支点回収しながら懸垂で6ルンゼに降り立つ。
いつしか雨は上がっていた。



そこからは特に問題なく懸垂下降4ピッチで鎌形ハング下まで。
烏帽子スラブはいつも思うが、往きはよいよい帰りは恐い。素直に慎重さを忘れずに。
中央稜取付きで一息。装備を分けてテ-ルリッジを行く。



途中、先行Pと共同で懸垂なぞしながら今日を振り返る。
経験と課題、そして解決策。
トラブル対処は想定とシミュレ-ションの範囲内。
オマケピッチはいかがなものだったかと。
このオマケが曲者だった。
なかなか遠足のおやつのようにはいかないものだが、ちょっぴり辛い大人のおやつといったところか。


sak


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