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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【一冬越えて】!

2021年05月28日 | モバイル
昨年12月に漁を終えてから寒さが本格的になって、
水抜き前にフランジ部が凍りパッキンが破損、2ヶ所交換しており
数ヶ所は覚悟して4ヶ月を内航船で過ごし、
一冬越えて気仙沼港係留中のサンマ漁船に戻った…。
点検しながら清水取水、順を追って各バルブを解放…
想定外に防熱対策していた箇所を含め11ヶ所(機関室内1ヶ所)のパッキンが破損していた…
私的には過去に無い程やられた…!
外の上部はおそらく、作業で船に私一人残っている際中間のバルブを締めて水が行かないようにしていたが、
その時点で凍り、水抜き時落ちてこず、残っていたのかもしれないと考えていたら
気仙沼港係留中のサンマ漁各船、この冬はやられたらしい…
来期の対策を考えておこう…

清水・海水配管ラインを終えて、春にやる予定だった腐蝕していた船尾管ラインの一部を外して新替え。




機関整備の準備はとりあえず整った。
が、鉄工所の都合で開始が1週間伸びた…


上架が6月19日、今期のドックは造船所までの自力航走は無理だな、間に合いそうにない…

【普通の未来】!

2021年05月22日 | モバイル
120日を過ごした今の船も、5月24日が下船日に決まり臨時雇用期間がもうすぐ終わる!

今期携わった22航海で入港が一番多かったのが室蘭…
冬の北海道、まだ道路がアイスバーンだった1月の室蘭も木々の青葉が清々しい季節に移ろった5月下旬
もうすぐ北海道も初夏を迎える。

これからの時期の北海道は、かねてからの家族旅行で訪れたい地…
次に行きたい地が、春の瀬戸内の島々…

時期的な仕事の都合を考慮すると、春の瀬戸内が現実的かもしれないけど
コロナ禍の世では当分無理っぽい…。
感染対策しながらの窮屈な旅は、私的には楽しめないので…

帰路の際に孫とのご対面を楽しみにしてきたが、もう少し先伸ばし、帰宅後落ち着いてからにする…!

下船日の帰路でさえ、感染対策しながら窮屈な時間を経なければならない…
ある意味 出稼ぎ先からのせっかくの帰宅なんだけど、
予定されている次の仕事の関係者に迷惑がかかるのはリスクでしかないから…
気を付けて帰ろう…。
風邪もひけない、ほんとの禍の世の中である。

今の辛抱が普通の未来の訪れにリンクしてほしい…

年号が令和になり、いろんな事が新時代になる筈だったが耐えたり、辛抱したりと困難は続く
普通のささやかな楽しみや過ごし方が いかに幸せだったのかを再認識して
今は、普通だった頃に戻れるように
そんな普通の未来のために我慢する時だと自分に言い聞かせる…

もう梅雨入りした地もあり、雨の多い季節になる。

船乗りが船から陸に活動の場を移す際には特に体調管理に注意しなければならない。

尚、向き合ってきた仕事場が変わる事から切り替えも必要だ!


今の船の機関室に従事してきた時間が、離れていた期間になる漁船の機関室…
その現場を再度思い起こしながら…。

【初夏の太平洋岸】!

2021年05月18日 | モバイル


5月14日・沼津で荷を揚げ、富士山を背に磯子向け…
 


 
日付けが替わる少し前に接岸、積み込みはナイター。

15日朝06時出港、釧路向け。
16日17時、八戸港外にて投錨 時化避難…
17日15時、揚錨 釧路向け。

そういえば 5月の八戸~釧路の航海はサケマスの出漁前に何度も航走したっけなぁ…
もう10年以上も前になるけど…。

当時この航路はいつでもテンションが高かった気がする懐かしい思い出だ…!

漁師として成長させていただいた10数年…

陸路八戸に向かう前に故郷を見下ろす山に登り、心の準備を整えて八戸へ…
岸壁から船に乗り込む瞬間には ある種のプライドを捨て、その船でのあらゆる仕事にドロくさく挑んだ!
今でも八戸の岸壁には私のプライドがいくつも落ちているかもしれない…(笑)

若かったから出来たけど、結構キツかった…
今だから笑いながら懐かむ事ができる思い出である。

…ここ数日暑くて、汗だくでの当直だったのだけど八戸を出港してからは機関室内も過ごし易くなった。

太平洋岸を北上して来て津軽海峡を隔てると、まだまだこんなにも体感気温が違う事を実感する。
海水温が10℃を下まわると、機関室内温度も一気に下がる…

今従事している船は機関監視室がないのでサンマ漁船と同じく、
海水温によっては機関室内温度が上昇して当直中汗だくになる…
夏場はかなり厳しいだろう…。

ただ、漁船と違って冷凍機がないぶんだけ、心持ち楽かもしれないけど…

まだ波が高く、津軽海峡通過後も船は揺れる…

もうすぐ乗船120日を数えるが、下船も近い
もう少し集中力を維持して頑張ろう…。

【110日…】!

2021年05月13日 | モバイル
ゴールデンウィーク明けに釧路で荷を揚げ、白老へ…
白老で積んだ荷を田子の浦へ…

5月10日、14時30分頃 石廊崎通過時遠くに頂を覗かせた富士山。


夕刻、清水港外にて投錨…
駿河湾は水深が深い為、錨地が少ないらしい…。


11日朝、清水港外から田子の浦への途中にサンマ船型の鮪漁船が清水港に入港して行く…
調査船だった。

田子の浦入港前、小雨がパラつき 頂を雲に隠した富士山をのぞむ…。


11日・田子の浦で荷を揚げ、横浜向け!

今期の乗船が110日を過ぎ、昨年のサンマ漁船で漁に携わった日数を超えてしまった…

13日・横浜で荷を積み、沼津へ運ぶ…。

【インクルーシブと云う考え方】!

2021年05月09日 | モバイル

最近読んだ online monthly bookに気になる記事を見つけた…!
Pen-Online.jp

https://www.pen-online.jp/news/culture/audreytang/1

台湾のデジタル担当大臣オードリー・タンが提唱する、

すべての人をコロナから守る「インクルーシブ」という考え方 by 近藤弥生子

その中から一部を抜粋。

…「インクルーシブ」という考え方をもっているからだ。

「誰ひとり取り残さない」「声の小さい人の意見に注意して耳を傾ける」─
タンは台湾で開かれた社会をつくり、自身のオフィスも常にオープンなものとし、人々と触れ合うべく地方を訪れる。

こうした取り組みに「誰ひとり取り残さない」というインクルーシブの姿勢がはっきりと見える。

デジタル担当大臣のタン自ら「インターネットは人権である」と公言し、

現在、台湾で推進している5G(第5世代移動通信システム)も、

離島や山岳地といった地方の僻地を優先して普及させようとしている。

こうした場所にこそ、高速なインターネットが必要となるからだ。

開かれた考え方は今の時代・これからの時代には必要不可欠。

台湾も日本と同じ島国である…
日本の政治家からも、こういう考えを持った方が現れてほしいものだ…!