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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【時化休み・女川港】!

2018年11月28日 | モバイル
女川港での水揚げ・氷の積み込み後、いよいよ南海区(金華山より南)を
調査するメドがたったようで
母港、気仙沼港へは廻航せずに女川港での時化休みとなり
29日朝6時の出港予定が組まれた。

今日の水揚げで、5つの目標の中の4つ目をクリア!



今回も問屋さんから御祝いを頂いた、ありがたい事である…!

なんとか、ここまで来た…
7月には解禁に間に合わないおそれもあった…

乗組員でたてた5つの目標の為に各々担当の持ち場を
モチベーションを一段階揚げて頑張ってきた。

あと1つの目標も大変だが、頑張りたい!










【23航海目】!

2018年11月27日 | モバイル
…初雪である…

11月23日、錨泊中の気仙沼港、寒い朝を迎えた。

前日に降った雨の名残か冴えない空模様から北風に乗って雪が舞った…。

揚錨後、9時・気仙沼出港 沖へ…!

程なく北西からの冷たい季節風が強まった…
次第に季節風は猛威をふるい、僚船と共に微速を余儀なく…。

夜半には、最スローで強風による風波を凌いだ!

24日朝になって、若干季節風は弱まったが
それでも船は大きなローリングを繰り返す…

大揺れの船内、何をするにも不自由な中、冷水と凍結室の保冷は欠かせない…

錨泊中にじっくり保冷していたので短時間で済むが
時化海では正直しんどい…

15時・S/B。
まだまだうねりが高い!

11月下旬になっても、漁場が遠く
いまだに公海が主漁場…

日没後、調査しながら沖へ!

少しずつだが、うねりは低くなってきたが、海水温がだいぶ低くなり
気温も下がり、寒さが厳しくなってきた。

20時…。
北緯40度52分、東経150度06分
操業中に雪が舞った…!

寒さが厳しさを増す中、薄群れを操業しながら沖よりに調査…

季節風と寒波の到来で、今年も「寒風干しサンマ船上造り」が始まった!





やや纏まった群れを1度操業も
漁は低調に推移、僅かな漁獲で夜明けを迎え、
夜明けより東へ2時間程航走し、漂泊。

25日・15時S/B。
久しぶりに良い凪となった…。

日暮れから操業開始!
急ぐ漁撈長、夜半からまた時化らしい…

やや纏まった漁獲もあったが
凪が続かない…
月の出と共に、次第に南風が吹き始め
日付けが変わった頃に強まった…

26日・1時、操業断念!
漁灯を仕舞い荒天準備し、僚船と共に西へ

夜明け頃から風は南から西に変わり、
季節風となって吹き荒れた…!

例年の漁期間中なら1~2回程はある大揺れの航海
今期は大揺れの航海が幾度もあり
1年目の新造船、海の神様の手荒い洗礼は続く…

昼頃、船橋のサテライトコンパスが不調となり、マグネットコンパスを使用…
漁撈長は、どうやら寝ずの番…

時々、船橋に呼ばれ会話するが、この時点で帰途航走を選択したようだ…。

午後になって一旦弱まった季節風だったが
夕刻から北西に回って強まった…

夜半になって、やっと季節風が弱まり船の揺れが小さくなった。

秋刀魚漁は、南下するサンマを追って
例年決まったように、主漁場が移行し、この時期なら
金華山沖・常磐沖・房総沖に
漁場が分かれるが、今期は漁場の形成が異質である…

昨年の不漁は異常だったけれど、漁場の形成は異質ではなかった…。

ここ数年は何かしら変ではある…

沿岸沿いの漁模様次第では終漁が近いのかもしれない…

船は女川向け中、27日・14時過ぎの入港予定。

【時化休み】!

2018年11月22日 | モバイル
21日・朝の女川港、気嵐の時期が到来…!



北海道の知人から初雪の便りが届いた…。

本州東北・宮城女川、朝の水揚げ時も寒かった…。

本州沿岸近くへのサンマの回遊が少なく、季節風の影響を受けながらも
沖、(公海)まで行かなければ纏まった漁獲は難しい今期後半戦のサンマ漁…。

時期的に寒気が入れば季節風が強まり、沖は風波が立って
うねりが大きくなり時化となる!

ここ数年来、秋刀魚漁船の新鋭化が進んでいますが
それでも、時化と云う自然界の猛威には慎重な対応が不可欠である…。
外国籍船の大型化からすれば、日本船はまだまだ小さく、リスクは大きい…

漁場に着いても時化で漁獲がままならなかった場合、燃料消費のリスクも伴う…!
何よりも危険で安全操業からは、かけ離れていく…

水揚げ中に時化休みが決まったようで、水揚げ・氷の積み込み後、
9時・女川出港気仙沼廻航。

前夜に冷水造りを終えていたので、廻航中に氷艙を冷却

気仙沼入港・投錨後、機関部は機関室内の拭き掃除を経て休みとなった。

約3ケ月振りの帰宅…

自室PCのチェックとメンテナンス
そして夕食、
息子達との語らいの場がそこにある…

船中心の生活が続いていても帰宅すれば親の役割がある…

22日朝、自宅庭の木々も落葉がすすみ
青々としていた夏から冬への季節の移ろいが
あっという間だったと感じる。

それでも、船の各艙の温度などが気にかかる…

息子達が学校へ、職場へと向かうのを見届けてから船に向かった…。

冷水の保冷・凍結室の保冷等
機関室にいるからこそ落ち着く事が多い。

切り揚げて、船員手帳を返されるまでは時化休みであっても
乗船している船が仕事場であり、ある意味 家でもある…!

明日朝からまた寒気が入るようで、気温の低下と共に
主機の温度も下がる。

外側の清水ラインの凍結も気になる季節になった…

船は、23日・9時の出港予定。









【22航海目】!

2018年11月20日 | モバイル
11月16日・朝5時30分、女川入港。

水揚げ・氷の積み込み後、
9時50分、漁灯を拡げ女川出港
南三陸沿岸沿いを微速で北上!

13時、三陸沿岸 綾里崎の北で漂泊。

16時S/B。
沖の漁模様が低調で、しかも時化予報の為、
小型船情報を基に日没から三陸沿岸沿いを数隻の僚船と共に調査。

薄群れを操業しながらの北上調査中、巻き網漁船が大船団で操業中だった…。

20時・沖の情報が入り、漁模様が好転の兆し…

僚船と共に漁灯を仕舞い、沖へ…!
季節風を左舷後方に受けながら…

17日・16時30分、S/B。
調査しながら、更に沖へ…

薄群れを2回程操業し、尚沖へ!

日付けが変わって2時頃に各船操業中の海区着。

強い季節風の中での操業も
僅かな漁獲で夜明けとなり漂泊…。

18日・15時S/B。
季節風は弱まったが夕刻から雨がパラつき
20時頃から豪雨がしばし続いた。

雨があがり、良い凪となったのも束の間、22時頃から
またも季節風が吹き荒れ
寒さも厳しさを増した…

漁模様も低調で回数操業から、広範囲の調査へと移行

外国籍船団もめっきり隻数が減った!

海区移動したのか、帰途航となったのかはわからないけど…

夜明けより荒天準備し、陸よりに…

昼前には南系の風に変わり、嵐の前の静けさか、良い凪で西へ…

夕刻から南系の風が強まり、22時過ぎ頃から北西に回り、
日付けの変わる頃から季節風が猛威をふるった…!

20日昼頃には、季節風は止んだが、
午後になってまた季節風が吹き始め、帰途航走となった…。

いよいよ解禁から3ケ月…
猛暑の夏から寒さを感じる季節となった…

時期的に公海での操業は時化に阻まれる…!



船は南三陸沿岸沿いを南下中、16時頃の女川入港予定。

【21航海目】!

2018年11月16日 | モバイル
女川向けの帰途航中、東風がうねりを伴い、微速を余儀なく…。
入港前には豪雨も加わった…
女川湾口は、時化ると変なうねりが立つ…
何時も以上に細心の注意をはらっての操船が不可欠なポイントである…!

11月9日・02時30分、女川入港。

水揚げ・氷の積み込み後、気仙沼に廻航して時化休みとなった…。

11時30分、気仙沼入港・投錨。
10日朝7時の出港予定が組まれた…

例によって冷水造りを夕方まで…

いろんな事を考えながら、
メインエンジン音のしない静かなサロンで独り夕食
早めに寝台に入った…

10日朝、揚錨後 7時気仙沼出港。

凪良く沖へ…。

15時S/B。
僚船と共に日没より調査開始!



20時頃から薄群れを数回操業、調査しながら沖へ…!

日付けが変わった頃から西からの季節風が吹き始め
風波が大きくなり時化となった…
3時頃 操業断念、微速で沖へ…。

11日・15時S/B。
季節風は、西から北西に回り更に吹き荒れた!

日没から調査も、サンマが見えない…

吹き荒れる季節風にうねりも高く、操業も厳しい海況の公海上…

外国籍船団も目視できるが操業している船は少ない…

強い季節風による時化海を微速で調査も、操業できる群れには当たらず…

12日・2時過ぎ、操業断念 漂泊…

11時過ぎから漁撈長による水温調査開始。

季節風はかなり弱まったが、うねりはまだ高く微速で…。

向かい風で、船は大きなピッチング(縦揺れ)を繰り返す…。

15時・S/B。

弱まった季節風はいつの間にか南風に変わった…

日没から微速で調査も、南系の風・うねりが共に強まった…

厳しい海況での調査も、結果 操業できる群れには当たらず…!

夜明けより北上、海区移動…。

13日・15時S/B。
南系の風が次第に北からの季節風に変わり
うねりは幾分落ち着いたが
外気温が一気に下がった…!

ついに公海上も冬海だ…!

強い季節風の中、日没から調査。

寒さが厳しくなり、ライト当直者は、ある意味 衣替え…。

操業せずに漂泊中の外国籍船も目視できる…

吹き荒れる季節風、
操船する漁撈長も、甲板で働く我々にも、キツイ時期になってきた!

調査中に向かい風で船首にあたる波が波飛沫となって
船橋の上を越えていく!

横風で外板にあたる波はシャワーのように降り注ぐ!
合羽越しにも冷たい海水シャワーである…

若干纏まった漁獲で夜明けより漂泊。

14日・15時S/B。
時折冷たい雨がパラつく…
まだ季節風が強い…

11月も中旬、一雨ごとに季節は冬へと移行していく…。

日没から調査も、益々季節風は強まった!

数回操業も、操業断念…!
陸よりに航走。

時化続きで、漁撈長の眼は真っ赤…

つくづく大変な職務だと思う…。

15日朝・一旦弱まった北からの季節風は、昼過ぎから北西に回り
風波をたてながら吹き荒れ、船は大きなローリング(横揺れ)を繰り返す!

S/Bせず、帰途航走となった…。

夕刻のピーク時、速力を下げての航走も、復元するのか…?
と思うくらい、傾きが激しかった。

船の復元力は凄いものがある…!

しかし、当直中にその傾きに合わせる姿勢が腰にくる…

船は丈夫だが、乗っている我々の方が弱い…
当直中だけでも相当な疲労感…

夜半から季節風が止み、本土に近くなった事で良い凪となった…。

時化が続いた事で日数も要し、かなり疲れた21航海目…!

船は女川向け中、16日朝5時半頃の入港予定。