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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【2航海目】!

2019年08月30日 | モバイル
26日は多くの大型船が花咲港に入港、集中水揚げとなり

燃料補給や清水・氷の積み込みで花咲市場付近岸壁は大賑わい…

接岸場所がなく、港外で錨泊している船も多い…



特に多忙をきわめたのはバンカー船‥

各船漁場が遠い為、燃料消費がかさみ、1隻あたりの補給量が多く、
普段ガソリンスタンド勤務の方々もローリーで援護、
Foタンカーも港外待機である…。

水揚げ後の燃料補給に時間を要し、8月26日朝8時30分 花咲出港 漁場向け。

凪良く公海向け!

最短目的漁場までは36時間程…

27日朝、M/Eのrpmが下がり聞き慣れない音を発し
3番シリンダーの排気温度が下降‥

30分程の間に2度…

船橋に連絡し、M/Eを停めカバーを開け点検も
特段の所見はない…

再始動を判断…!

まだロシア200海里内で長く泊するには連絡を届ける必要がある為
最短のライン越えにコースに変えてもらい、様子を見ていく…

その後は順調で、漁撈長との相談で航走を続けたが、
15時半頃に、また同じ症状が…
今度は2番シリンダー…
気筒2つに燃焼不良があるようだ…

予備品の燃料噴射弁は1セットしかない…
気筒分揃えておくべきだった…

16時、S/Bの時間になってしまい、我慢をしいられた。

不安ではあるが、開き直った…!

黄昏色の海上、LED漁灯の明かりが点り
鏡のような凪の海面に反射、遠くまで明かりの帯が走る…

18時から調査開始、付近には他船2隻の漁り火…

数匹単位のサンマが時折海面を跳ねる。

沖の海区の漁模様も不調らしく
20時頃から薄群れを操業、地道に回数操業…

23時過ぎから南東側へ調査、探照灯の先の海面、
次第にサンマの群れが跳ね始めた。

薄いながらも若干まとまった群れを操業…

夜明けまで凪が続いたが、東の水平線上が朝焼けに染まった…

また気象が崩れるようだ…

夜明けより漂泊し、早速作業。

漁撈長の漁の足枷にならないように気を付けていても
不安感は大きい…

16時S/B、航走開始。
日没から調査もサンマの反応はない…

付近を調査も、サンマは見えず…。

各船から離れ西よりに調査もサンマは見えない…
連絡では、どの海区も不調のよう…

23時過ぎ、漁灯を仕舞い帰途航走 花咲向け。

エンジンメーカーとの連絡で
足りない機械部品の調達を手配

漁前半の不調不安要素はあまりにも苦い…!

【令和初漁】!

2019年08月26日 | モバイル








8月20日・不漁予報の令和元年秋刀魚漁・大型船解禁である…。

00時15分、花咲出港 漁場向け!

一足先に解禁、出漁していた小型船の花咲初水揚げがまだ無く、
ロシア海区には秋刀魚の魚影が無いと云う異例の解禁となり

中型船は公海を調査、若干の漁模様を頼りに
大型船のほとんどが公海にサンマを求めた…!

21日15時30分S/B.
18時より調査開始。

外国籍船団、例年の赤の船団ではない…
LED漁灯は色調が変わるタイプで、この日は日本船と同じ色…

付近通過の際、注意深く視てみると、どうやらイカ釣りをしているようだ…

公海操業中の大外国籍船団もやはり、秋刀魚は不漁のようである…。

なかには赤一色でサンマ漁操業中の船も確認できた。

北東側の低い海水温を調査も秋刀魚は見えず南下、
海水温の若干の上昇と共に群れとは言い難いがサンマは見え始めた。

各船が薄群れを操業したようだが我々は調査のみ、夜明けより沖へ…

22日・18時より調査、薄群れを操業、フィッシュポンプを使うことなく
僅かな漁獲で夜明けより漂泊。

解禁当初は不安と心配がついてまわる…
漂泊後、気になった箇所をメンテナンス。

23日・18時から調査、前夜よりはサンマが見えるようになったが
群れは薄く、やむなく薄群れを回数操業…

漁撈長が体調を崩し、船内は一時騒然となったが
無事回復し、一安心

昨年、不調だったフィッシュポンプもどうやら復調したようでこちらも一安心…

補償工事箇所も新設部も充分に機能しています。

追加工事での油圧ポンプは順調に使用できたが、
十段巻きに新たな課題が見つかった…

気象が悪くなる事から夜明けより、荒天準備し陸よりに…

24日昼、時化となり 早速海からの洗礼、
南東からの風とうねりが船を激しく揺らし、
大きなローリングを繰り返しながら西へ…

25日昼過ぎからは良い凪となり帰途航走は花咲向け。

令和の初漁は、26日早朝2時半頃の入港予定…!