よみびとしらず。

あいどんのう。

ヨナキ〜8月26日

2017-12-04 12:08:39 | 散文(ぶん)
一本の木があった。世無きあとに残されたただ一本の木だった。いつしかそこに、一匹の白蛇が棲みついた。木と白蛇は恋仲となったが子宝にはなかなか恵まれなかった。ささいな諍いで白蛇が木の元から去ったあくる日、木の股からひとりの赤子が産まれた。女の子だった。赤子はすくすくと成長し、やがて見目麗しき女性となった。そこへ、ひとりの逞しい男性を連れて白蛇が戻ってきた。白蛇は木の元にいるその麗しき女性をみると、たち . . . 本文を読む