よみびとしらず。

あいどんのう。

2022-11-04 10:55:49 | 詩(イラスト付)
その本体に影と名付けて夜と同じ匂いがしたとあなたはその面影を懐かしむもう触れることのない手のひらに柔らかな温もりを重ね合わせた影に触れわたしは夜と同じ眼差しで光あるなかに影を知る . . . 本文を読む

ライン

2022-06-11 13:20:43 | 詩(イラスト付)
白線を越えて昇る月影は淡色の夜の色にはまるで似つかないわたしは柔らかな丸みを帯びて月から離れたそれは海に沈んであなたを探すいつか耳にした呼ぶ声を内側を越えてわたしの内面には篭もると決めていたあなたは言葉から乖離したままの月明かり . . . 本文を読む

SMILE

2021-06-03 08:57:30 | 詩(イラスト付)
狙い目の在処はどこにあるのかあなたは微笑みながら憤るなにもかも見たくないのだと目を眇(すが)め本当の瞳は空の彼方へと全てを見たいと願いを乗せたその射すくめるかのような眼光に月は笑って海を見た薄暗い水面は静かに揺られてどこまでも続く泡沫(うたかた)の唄そうしてわたしは何度でもあなたを見つめる笑みを張る . . . 本文を読む

シンゲツ

2021-04-12 16:21:22 | 詩(イラスト付)
真昼に昇った新月は黒色の姿を露出して明るく照らされた真昼の空のぽっかりと空いたその穴へ是が非でも落ちていきたいと翼を広げた太陽の在処には目もくれずあの光なき月の姿にこそまほろばを砕けて散った月明かりからまた新しき光の生まれ出(いず)るを元に戻したのは夜の暗闇それは真昼の空と重なって無色透明な月の在処に真の心を求めていはく×××は何処のどちら様? わたしに重なるわ . . . 本文を読む

目玉焼き sunny-side-up

2020-09-26 10:56:34 | 詩(イラスト付)
卵を割って目玉焼きひとつ空に落としたらお月様現れてどうか私を食べて下さいと鬼に希(こいねが)い成就したのは食べられていなくなって記憶から消してようやく顔を出した真昼の太陽明るいあなたの訪れにようやく世界を愛せるようになった目覚めたわたしは卵ひとつ割って目玉焼きごはんを美味しくいただく穏やかな朝(あした) . . . 本文を読む

さんかく

2020-09-07 02:48:15 | 詩(イラスト付)
敷きつめられた三角のなかから頂(いただき)の在処は分からずに幾重にも重なる三角は上下(うえした)の分別もなく色は頂を指し示す形作る心づもりの折り重なって見目(みめ)調(ととの)わず互いに主張するはてんでばらばらの不器用で不完全なわたしの在処 . . . 本文を読む

まー

2020-07-22 00:18:00 | 詩(イラスト付)
まーと声を合わせてまままままー美しき調べは風に乗りひとりではない現実を突きつける輪に入らねども円をなすこの星のかたちに音は愛おしみ生きとし生ける者喉を震わせ暗く沈んだ海の底から明るく凍えた大気圏まで愛しているぜと感情を発露する . . . 本文を読む