テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

グリーンブック

2021-12-07 | ドラマ
(2018/ピーター・ファレリー監督・共同脚本/ヴィゴ・モーテンセン(=トニー・“リップ”・バレロンガ)、マハーシャラ・アリ(=ドクター・ドナルド・シャーリー)、リンダ・カーデリーニ(=ドロレス・バレロンガ)、ディミテル・D・マリノフ、マイク・ハットン/130分)


 実話が元ネタだそうです。

 1962年のアメリカ、ニューヨーク。
 ブロンクスで暮らすイタリア系アメリカ人のトニーはナイトクラブ「コパカバーナ」で用心棒をしていたが、店が改装の為に数か月閉店することになりその間無職になった。店の担当者が探してくれた仕事はカーネギーホールの上階に住む天才黒人ピアニスト、ドクター・ドン・シャーリーのツアーの運転手だった。ブロンクスの親戚仲間と同じくトニーも黒人を毛嫌いしていたが、仕事となれば割り切れる彼は自分の希望を全てのませてその仕事を獲得した。
 ツアーは中西部を出発してディープサウス(深南部)の各州を8週間をかけて廻るモノで、ロシア人のチェロとベースを加えたトリオ編成だった。現在よりも黒人差別の激しい南部アメリカでのツアーはトニーの予想通り危険と隣り合わせのものだった・・・。

*

 人種差別を批判する映画ですが、それよりも正反対の生き方をする男同士にだんだんと相手に対するリスペクトが生まれ、最後には友情で繋がるようになるまでが落ち着いた語り口で綴られた作品でした。
 ロード・ムーヴィーであり、序盤は二人の人生観の違いからくる軋轢が軽く描かれ、ツアーが南部に入るにしたがってトニーが知らなかった黒人差別の実態が段々と露わになっていく構成が秀逸です。
 トニーが愛妻に頼まれて旅先で書く手紙のエピソードがエピローグ(クリスマス・イヴ!)に効いてきてウルウルしてしまいました。

 「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のヴィゴ・モーテンセンがちょっぴり太めの体型に変貌して、がさつだけど人情に篤いイタリアンを演じて各賞で主演男優賞にノミネートされております。
 品位を尊重するピアニストを演じたマハーシャラ・アリはアカデミー賞で助演男優賞を受賞したそうです。

 尚、タイトルの「グリーンブック」とは黒人が利用できる施設を記した旅行ガイドブックのことだそうです。





・お薦め度【★★★★=友達にも薦めて】テアトル十瑠

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