悲しいニュースが入ってきた。
映画「ベルリン・天使の詩」で知られるスイス出身の俳優ブルーノ・ガンツ氏が
チューリヒの自宅で亡くなったことが分かった。77歳だった。
ガンツ氏は昨夏に結腸がんと診断されていた。
ガンツ氏は1960年代から俳優として活動。
87年、ヴィム・ヴェンダース監督の映画「ベルリン・天使の詩」では人間の女性に恋をする
天使ダミエル役を演じ、高い評価を受けた。
像の上からモノクロのベルリンの街を見降ろす天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)の
耳には人々の声が聞こえてくる。しかし人間から姿は見えない。
そんな彼が、美しい空中ブランコ乗りに恋をした。
天使は人間に恋をすると死んでしまうのだが。
ベンダースが10年ぶりに故国に戻って撮った傑作で、日本ではそれまでの
単館公開記録を塗り替えて社会現象になった。
自分も東京の単館ロードショーで見ていて印象に残っている。
ほかにテオ・アンゲロプロス監督の「永遠と一日」、日本映画「バルトの楽園」など
多くの映画に多彩な役柄で出演。
04年「ヒトラー~最期の12日間~」では
アドルフ・ヒトラー役を演じ、あまりにも似ていることで話題となった。
15年公開の映画「ハイジ アルプスの物語」ではハイジの祖父、アルムおんじ役を好演。
昨年もラース・フォン・トリアー監督「ザ・ハウス・ザット・ジャック・ビルト」などに出演していた。
安らかに眠ってください。
天使になって下界を見下ろしているかもしれない。