5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

それみたことか

2015-09-04 22:35:36 |  経済・政治・国際
「それみたことか」と哂いたい気分になった。

「政府が主導した《ゆう活》は働き方の改善に必ずしもつながらず」という民放のニュースを見たからだ。

安倍政府が、省庁の長時間労働解消を目指してこの夏に導入した早朝シフト勤務について、9月を迎えてその実施状況を振り返ってみれば、役人の働き方の改善には必ずしもつながっていないことが分かったというのだ。

公務員制度担当相などは「結果的に労働強化につながりかねず」などと、当事者、責任者として、慌てた内心が見えるようなエクスキューズ。「精緻な調査が必要」だと言う。本当に精緻な調査をするのかしら。

8月末調べでは、《ゆう活》対象者のうち、シフト時間分を早めに退庁できた割合は65%だったという。半数以上が定時退庁出来でいるのなら結構なことだとも思うが、政府として見栄を切って始めたことであれば、残業が増えた35%の方が問題だと云わざるを得ないのだろう。

インタビューされた若い役人は「時間を見ても、こんな時間なら未だ働けるという気持ちになってしまう」と正直にコメント。かくして、期間を通じて長時間働く者の割合が徐々に増えていった実態も明らかになったとある。組織で働くものの心理をよく表しているではないか。

ニュースでは指摘されていないが、職場の上長や管理職たちはどういう働きかたをしたのだろう。彼らがつくる職場の空気は、通常勤務体制でも残業増の原因であったはずだ。伊達に《ゆう活》だと洒落てみても、日本人の働き方に大きな変化をもたらすほどのインパクトはないのだ。

《ゆう活》導入については、行政迎合の企業もたんとあったようだが、こうした私企業の実績報告も聞いてみたいものだ。

暑さ最盛の午後4時に退庁していったいどうしろというのか。日本人たちは働いていたいのだ。

官房長官がコメントを求められて「私はできなかった」と答えたと別のニュースにはあった。24/7であるべき官房長官のいう科白ではない。



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