我が家の超高齢者が夏風邪の様相を示して気がかりだ。今日は予定するディサービスを中止させて静かに休ませた。ちょっとした体調変化で呼吸器全体に影響がおよぶようで放ってはおけない。風邪薬はたくさんあるがけっこうキツい成分が含有されているようで、普通成人のように簡単には投薬できない。
今日のBBCポッドキャストの中に『風邪に罹らないようにする方法が見つかった』というニュースがあった。
3千4百万人の英国人が年に一度は風邪に罹っている計算だという。インフルエンザではない普通の風邪は、一般的にライノウイルスが原因だとされているが、これには160もの変種があり、しかも簡単に変異するから、目まぐるしく起こる変異に対応できる風邪薬を開発するのは所詮無理なことだった。
ウイルスはそれ自体では生きられない(昨日書いた)パラサイトだ。狙われるのは人体というホストで、ウイルスはホストの器官の一部をハイジャックながら生きていく。
カリフォルニア大サンフランシスコ校とスタンフォード大の協同研究チームの研究では、風邪ウイルスの栄養となる細胞内のタンパク質を特定するのに成功したのだという。すでに、動物実験から人体実験に進む段階にあって、鼻にスプレーする抗ウイルス薬として商品化を目指しているのだそうだが、これが成功すれば「ノーベル医学賞」はまちがいなしだと思う。
ウイルスというパラサイトが狙うホストはなにも人間だけではない。昨年9月以来、愛知県や岐阜県で拡がった豚コレラもこのウイルスの仕業だ。今でも養豚が死ぬ事件が間歇的に報告され、豚コレラの制圧は未だ終わってはいない。
そして関東地方でも初めてのコレラで死んだ豚が発見されたのだという。パラサイトは何らかの方法で東に飛んだということだ。養豚業者の多い関東地方では愈々来たかという覚悟を決めたのだろうか。
中日夕刊の〈夕歩道〉には、ウイルスの運び役とされる野生イノシシの感染は一日最速420メートルのペースで同心円状に拡大しており、関東に届くのは年明けにという当初の予想だったのが、大きく外れ、半年以上速かったとある。
「今年は豚の年、幸運と富の象徴だというのに困ったこと。災厄を封じる知恵はないものか」と〈夕歩道〉氏は嘆く。豚コレラと風邪とではウイルスの種が違うのだろうが、ここはひとつ、英米研究チームにアドバイスを貰うという手もあるのではないだろうか。