5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

鉛害のはなし

2016-06-23 22:37:48 | 環境
CBSのポッドキャストはシカゴのニュース。

住宅に使われるペンキに許容量以上の鉛が含まれていることが判り、日常的に接触のある子供たちの健康被害が危惧されると伝えていた。鉛害と云えば、ミシガン州フリントの浄水パイプの鉛汚染問題。やはり子供を中心にした健康被害も増えていて、大統領も乗り出すなど国家的な問題に発展している。

アメリカでは、どうやら水道管のつなぎには昔のまま古い鉛管を使うケースが依然として多いらしい。古い居住区域であれば水道管も古いわけで、鉛が溶け出す可能性が否定できない。古いアパートには低所得層が多く入居するのだから、健康被害もこうした生活弱者に多くなる。

デトロイト近郊のフリントという街も行政予算は潤沢ではないことから、ライフラインの改善が後手後手だったところでこの事件だ。公衆衛生には神経質なほどだった昔のアメリカはいったいどこへ行ったのか。最近ではこうした古いインフラが原因となる社会問題が目立つのだ。

鉛被害は最近の日本にはなさそうで良かったなあと思いながらポッドキャストを聴いたのだが、どうやらそうでもないのかもしれない。今日のNHKニュースにこんなものを見つけた。

「リニア工事現場で基準値超え鉛」

今月から着手された名古屋城に近い三の丸区域でのリニア中央新幹線の建設工事現場。本格的な掘削工事を前に行った土壌のサンプル調査で国の基準比1.8倍から2.5倍の鉛や鉛化合物が発見されたというのである。名古屋市ではJR東海に指示をして汚染範囲を明らかにするなど詳しい調査を求め、健康への被害が出る恐れはないと発表したという。はたして安全だという根拠はあるのだろうか。

JR東海側は詳細調査を速やかに実施して汚染土壌を取り除く予定だという。当然ではあるが、局部的に汚染土壌が取り除かれ、JR側の責任は終わるとしても、汚染原因が明確にされなければ、また違った場所で汚染土壌が見つかるなどということ、無きにしも非ずではないのか。

フリントのように飲料水が汚染されるというのではないにしても、重金属による都市土壌汚染は我々が思っている以上の広範囲に広がっているのかもしれないと思うと不気味ではないか。コンクリートで覆われた土地の下側にはいったいどんな毒が沁み込んでいるのやら。アメリカが笑えない。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿