い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

八十九番

2021-11-11 | 順番
障子越しのシルエットが平坦な街並みを写す
ぶつかることのない風の呻きが渦を巻く

歩ける距離にひしめき合うのは
ほんの数歩の顕示欲
アリの配列を追い越す歩幅で
消え去りそうな見栄を張る

己を知るのは難しすぎて
知りたい部分を取り出してみる
知らない何かは知らないままに
余白ばかりのため息をつく