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「民の心は天の心だと申します。民を捨てて王座を守れますか?」
と、チンソン大君。
でもね、チンソン大君が正論を吐けば吐くほど、燕山君は頑なになりました。
すぐさま、チンソン大君を牢に入れました。
チンソン大君も牢で幾分冷静になりました。燕山君の前で、自分が感情的になり、いつもは決して口にしないような諫言をしてしまったことに気が付きました。
会いに来た母チャスン大妃に言いました。
この事から目を逸らして逃げたら、恥ずかしくて友には一生顔向けできない・・・それだけを考えていたと。
チャスン大妃は、それがチェギョンとソノのことだと察しました。
チャン・ノクスとイム・サホンは、この機にチンソン大君を亡きモノにしてしまおうと考えていました。
チンソン大君さえ死んでしまえば、成宗の密旨が見つかったとしても、どうしようもありませんから。
チャン・ノクスは、燕山君の性格を利用しました。
周囲から、チンソン大君の嘆願書を上奏させたのです。そうすれば、反対にチンソン大君を殺そうとするだろうから・・・と読んでいました。
チェギョンは、父からチンソン大君が牢に入れられたと聞き、じっとしてはいられませんでした。
口を挟むなと、父からキツク言われていたけど、チンソン大君を助けたいという思いは強く、王妃である叔母のシン氏を頼って王に頼みこむしかないと思ったのです。
ところが、王宮殿でチェギョンがぶつかったのは、村で偶然会った“兄”。
つまり、燕山君。
この時、チェギョンは“兄”の正体を知ったのです。
そして、燕山君も、あの時の“弟”がシン・スグンの娘だったと言う事を知ったのです。
思いがけない再会に、表情がほころびそうになった燕山君。
ところが、チェギョンがその場でひれ伏したのです。チンソン大君を許してくれと。
その現場を、遠くからシン・スグンが見ていました。
遅かった・・・。そう言う表情でした。
娘が家を出て行ったと知り、性格を考えると、ここしかないと後を追って来たのですが・・・。
チェギョンは、燕山君と向かい合い、この問題が彼女が思うよりもっと複雑な事情が入り混じっている事に気が付きました。
燕山君が、弟を如何に愛していて、家族として仲良くしていきたいと思っているかを知っています。
だから、許してほしいと言いました。
それを裏切ったのはチンソン大君の方だ・・・と燕山君。
ならば、自分も罰を受ける・・・とチェギョン。チンソン大君の罰を半分受ける・・・と。
以前会った時、命を助けてくれた礼に、一度だけ願いを聞き届けると書いた手紙を残してきていた燕山君。それをチェギョンは差し出しました。
何故チンソン大君を許せと言わない・・・と燕山君。
「分かっていますから、無理だと。王様も辛く苦しいのが手に取るように分かるのに、簡単なことではないのに。私が罰を分けて受ければチンソン大君の恐怖心も減り、王様の苦しみも半減します。」
チェギョンの言葉に、感銘を受けた燕山君。
と同時に、哀れに思いました。
と言うのは、既に燕山君の手元に、チェギョンが首謀者でチンソン大君は濡れ衣を着せられただけだという上奏文が届いていたからです。
チンソン大君の上奏文ということでしたが、それはチャスン大妃の仕組んだモノでした。
そうでもしなければ、息子を救う事は出来ないと思ったのです。
これが真実だったら、チェギョンだけじゃなく、両親、家族全てが処刑されることになる・・・と燕山君は言いました。
呆然とするチェギョン。
そこに、チンソン大君が現れました。
チェギョンが居るのを見て、チンソン大君は決心しました。
チェギョンを助ける為に、チェギョンと別れることを。
上奏文の通りで、チェギョンが首謀者で自分に罪は無いと叫びました。
チェギョンは、その瞬間まで上奏文を書いたのはチンソン大君じゃないと思っていました。でも、大君の芝居を信じてしまったのです。
呆然としながら、大殿を下がるチェギョンでした。
チンソン大君が現れたのは、訳がありました。
シン・スグンから、上奏文のことを聞かされたのです。
母をはじめとした自分を推す者たちが、全ての罪をチェギョンになすりつけようとしていると知った大君は、なんとしてもチェギョンを救いたいと思ったのです。
チェギョンが下がった後、チンソン大君は跪いて燕山君に願いました。
「大君の爵位と全ての特恵を返上します。廃庶人になります。命だけはお助けください。」
一人で罪をかぶるのか?・・・と燕山君。全てお見通しなんです、燕山君には。
「信じろと?」
「ここまでは、この瞬間までは信じてください。」
重臣たちが集まる会議の場に、チンソン大君とチェギョンが呼ばれました。
イム・サホンが問いました。
「全ての首謀者はシン・チェギョンだと上奏文に書かれている。事実か?」
チェギョンは迷いました。
自分がそうだと認めたら、家族一同死ぬ運命になります。だからと言って、大君に罪を着せるのは・・・。
その時チェギョンの頭に、チンソン大君が自分を裏切るような発言を燕山君にしたことが過ぎりました。その失望感は大きいものでした。
で、自棄になったように言ってしまったのです。
「私は知りません。」
その瞬間、燕山君もチンソン大君も、ほっとしたようなショックを受けた様な表情を浮かべました。きっと複雑な感情だったでしょう。
重臣たちは、チンソン大君の運命が決まったと思ったでしょうね。勝負ありと。
「私が一人でやりました。罰は甘んじて受けます。」
覚悟したようにチンソン大君が言いました。
その時、チェギョンはこれまでの酷い言葉が、全て嘘だったと気付いたのです。自分を助ける為の芝居だったと・・・。
父に手を取られ、下がって行く時、チェギョンが叫びました。
「違うじゃない。何故嘘をつくの」
もう事は決着してしまいました。
チェギョンは気付きました。
燕山君も大君も、そして父も皆、真実を知っていて、大君に全てをかぶせた・・・と。芝居だったと。
「私の息子を死なせ、そなた一人助かろうとするなんて決してこの恨み、忘れませんよ
」
チャスン大妃の言葉が、チェギョンの胸に刺さりました。チンソン大君が自分の言葉によって死に追いやられるのだと言う事実が。
チャスン大妃は、燕山君に縋りました。
静かに暮らさせる故、命だけは・・・と。
燕山君にチンソン大君を殺す意志は無かったのです。なのに、チャスン大妃は自分をそんな無慈悲な王だと考えていたわけです。
仮にも自分を育ててくれたチャスン大妃ですので、燕山君は養母として敬って来たようです。他の誰より自分のことを分かってくれていると期待もしていました。
しかし、やはりチンソン大君だけの母親だった・・・と失望しました。
ここで、そんな事は無い、お前も私の息子だと、否定してほしかったようです。だけど、チャスン大妃はそう言いませんでした。
「生かします。その代わり、ここまでの縁だったようです。母と子、兄と弟というのではなく、今後は王としてのみ生きて行きます。」
イム・サホンとチャン・ノクスがチンソン大君の死刑を進言しましたが、燕山君はそれを聞き入れることはありませんでした。
チンソン大君が、この瞬間までは信じてくれと言ったその言葉を信じたのです。
チンソン大君は大君の爵位を返上し、身一つになって地方に送られて行きました。
道中、民は皆、大君の事を憐れみました。
自分たちの為にこうなったんだと、皆、感動していたのです。
チェギョンは見送りに行くのも止められていました。
でも、どーにか屋敷を抜け出し、道なき道を駆け、山の斜面を駆け下りて来ました。チェギョンらしいです。
大君の指の指輪を撫でながら、チェギョンは言いました。
約束の証だから、待っていると言う・・・。
大君は以前、街の露店で取り合った山椒魚の硯の水差しをあげると言いました。文机の引き出しに入っているから・・・と。
必ず帰って来ると約束した二人でした。
水差しを取りに大君の部屋に行ったチェギョン。
そこで燕山君と会いました。
自分と同じように弟との別れを心から悲しんでいることが分かったチェギョンは、燕山君に言いました。
「私が役目を果たします。大君が帰って来るまで。私が王様の弟となり友達にもなり、家族にもなります。だから、一緒に待ちましょう、私たち。」
燕山君、泣きだしそうでした。
ところがですよ。
地方に行くチンソン大君の行列が何者かの襲撃を受けたのです。もち、イム・サホンの指示でしょう。
そこで、重傷を負った大君。
遺体で発見されました。
燕山君も、チェギョンも大きなショックを受けました。
でもね、生きていたのです。
5年後、無事な姿を見せましたよ。
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