韓流ラブストーリー完全ガイド 愛の炎号 (COSMIC MOOK) | |
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シンは、ウンタクの屈託の無い笑顔を見た瞬間、自分の死の瞬間を思い出しました。その時自分に降り注ぐ日の光と同じだったのかもしれません。
そして、その時、決心したのです。
迷いが生じる前に、この世を去ろうと。
ウンタクをこれ以上愛する前に、幸せを感じる前に、それによって生に執着する前に・・・。
ウンタクに対して自分ができるのは、それだと思ったのです。
ウンタクは、突然不機嫌に黙り込んだシンが気になりました。自分が何か言った所為なのか、何か気に入らない事をした所為なのか。
とぼとぼとホテルに帰るウンタクの前に、幽霊が現れました。まだ若い、学生の女の子です。
頼みがあると言いました。
死んだ理由は分かりませんが、とにかく、お葬式を終えた母親が、初めて自分が住んでいた部屋に来る事になってる・・・と言いました。その時、部屋の冷蔵庫が空なのを見たら、絶対に母が悲しむから、冷蔵庫を一杯にしてほしい・・・とね。
そんなお金持っていませんよね、ウンタク。
でも、良い事を思いつきました。スイートルームの冷蔵庫です。
割高なのを知ってるから、利用しないでいた冷蔵庫の中身を、そっくり女の子の部屋に持ち込んだのです。
母親はそれを見て、泣きましたが、もっと苦しめる事は防げました。幽霊は、ウンタクにお礼を言いました。
でもね、そのつけが回って来ましたよ。莫大な額の請求書が出たんですよ。
ウンタクの世話をしてるドクファも、カードを取り挙げられてる手前、支払う事が出来ません。
もう、シンに頼るしかありません。来て支払ってくれるまで、呼びだそうと、ろうそくをたくさん灯しました。
ところが、吹き消す前にシンが現れたのです。
突然、一緒に住もうと言いました。君はトッケビの花嫁だから・・・と。
ウンタクが聞きました、私を愛してる?・・・と。
シンは、いっさい笑顔を見せず、真っ直ぐウンタクを見つめて冷たく言いました。
「必要なら、愛する。・・・愛してる。」
義務のような何の感情もこもらない言葉に、ウンタクは、泣きそうになりました。
その時、雨が降り出しました。シンが悲しい時、降る雨が・・・。
土砂降りの雨を見たウンタクは、シンがそれほどまでに自分を嫌っているんだと思いました。辛かったでしょう。
それでも、シンの胸に刺さった剣を抜く事が務めだからと自分に言い聞かせたウンタク。
一緒に住む事を了承しました。
そして、この時初めてシンの名前を知ったのです。キム・シンだと。
トッケビと死神、そして人間の女の子という何とも奇妙な3人の共同生活が始まりました。
人間じゃ無い二人の生活とは一変しました。
自分に見せていた渋い姿とは別人のようなシンの姿も見る事になったウンタク。呆れながらも、臆することなく、きわめて自然な生活でした。
シンは、これ以上ウンタクに惹かれていかないように、一線を引こうとするのですが、なかなか・・・ね。
ウンタクと死神が親しくなって行くのを見ると、嫉妬しちゃうし。
それとなくウンタクの行動を見張ってるくせに、自分は“ぜ~んぜん冷静で大人よ”的な態度を取ろうとするし。まるで子供ですよ。好きな子の周囲を探り回るなんて。
一方、死神は、サニーと再会しました。
これがまた笑えます。
なにせ、携帯も持たない、人との付き合い方も知らない・・・これまで興味が無かった死神ですから。
全てにおいてちぐはぐで、会話の仕方も知らなければ、女性に対する態度も知らない。サニーにしてみれば、これまで会った事の無いタイプの男性ですよ。
だから余計に気になる相手でもあるのです。
名前を聞いた途端、逃げ出そうとするなんて・・・ね。
死神には名前はありません。
だから、名前を聞かれても、答えようがないのです。
女性が好みそうな名前って?・・・とウンタクに正直に聞きました。
「ヒョンビン、ウォンビン、キム・ウビンね。」
なんて、冗談交じりにウンタクは答えたものの、それを真に受けて選んでしまいそうなのが、少々不安に思うウンタクでした。
ま、それはともかく、ウンタクとの同居が始まって、初めて携帯電話と言う者を、ドクファに買ってもらったシンと死神でした。
慣れるまでの様々な経緯は、これまた爆笑もんです
シンは、ウンタクに、剣を抜いてくれと何度も頼みました。
でも、ウンタクは、しばし保留すると言いました。なぜなら、抜いたら自分の役目は終わりとなって、追い出されてしまいそうだから・・・と。
夢はラジオPDだと言うウンタク。
その為には、絶対に大学に合格しなきゃいけないので、勉強に集中したいとね。
「だから500万Wで手を打てば良かったのに。」
と、ウンタク。
決して法外な金額じゃありません。それではソウルで部屋を借りる事も出来ない・・・とシン。
それは、彼女が大学に行くまでの生活費、大学の入学費用等々から算出したが額だったのです。ウンタクはやはりズルイ子じゃないのです。
金儲けしようなんて考えてはいないのです。
ウンタクは、サニーに結婚について質問しました。
若くしての結婚をどう思いますか?・・・と。
相手についてあれこれ聞いたサニー。
必要とされています・・・と答えたウンタク。
でも、お互い、愛し合っているわけじゃない・・・と。
「愛がないのに、なぜ結婚するの?」
と、サニー。
そうだよな・・・とウンタクは、落ち込みました。
愛されているわけでは無く、自分は剣を抜く為だけに必要とされているんだと悲しくなったウンタクは、シンに冷たくしてやれ・・・と思いました。
で、わざと死神と親しくし、シンの話は全てスルー。
シンはあっさりとその作戦に引っ掛かりました。嫉妬したんです。
ま、ウンタクは嫉妬させるためにした事じゃありませんけどね。単に腹いせってことです。
だけど、口げんかのようになっちゃって、その勢いでシンが口走っちゃった。
「君の彼氏は私だ」
その瞬間、何とも言えない気まずい空気が二人の間に・・・。
思わず自分の部屋に飛び込んでしまった二人でした。
でもね、ちょっと嬉しかったのも事実です、二人とも。
ただ、死神は、不機嫌になりました。
自分が名前のことでこんなに悩んでいるのに、なんだ・・・って感じ?
痴話げんかですもんね。
翌日、気まずい気持ちを正直に打ち明けたウンタクとシン。
仲直りのため、またカナダのレストランに。
ところがその時、シンは見てしまったのです。
10年後のウンタクの姿を。
自分はその時傍にいない事も・・・。
大人のウンタクは、自信に満ちて輝いていました。幸せそうでした。でも、自分は一緒じゃ無い・・・。
使命を果たしてもらったんだとシンは感じました。
涙が一筋彼のほほを流れました。
現代のウンタクが、その様子を不思議そうに、不安そうに見つめていました。
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