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イム・サホンがほくそ笑むのを見て、シン・スグンはこれが彼の策略だとすぐに察しました。
でも、シン・スグンはチンソン大君から既に対抗策を告げられていたのです。
‘タニシ姫’のアジトが質店だけじゃないと訴えたのです。自分は他にもアジトがあるのではないかと探っている途中であって、決して燕山君に事実を隠していたわけではないと。
自分を陥れる輩に注意を払わなかったのは手落ちだっただが・・・とね。
そして、チンソン大君が偽のアジトを作り、そこにイム・サホンの不正を調べていた証拠物件を残しておいたんですね。
で、実際にシン・スグンが調べていたアジトと思われる場所から、そういう不正の証拠が出たんじゃ、イム・サホンとすると、必死に抗議しますわな。藪蛇ってことで。
結局、今回は、シン・スグンをただちに処罰することはせず、今後も捜査を続けさせるということで燕山君は事を収めるしかありませんでした。
シン・スグンは、チェギョンに言いました。
このままただちにチンソン大君と都を離れろ・・・と。そして、今後はチンソン大君に従い、自分たちとは親子の縁を切る覚悟でいろ・・・とね。
何があっても、帰って来るな・・・とシン・スグンは言いました。
チェギョンは泣いて拒みましたが、シン・スグンは覚悟を決めたようです。
チンソン大君と娘を守るために事もあろうか燕山君に嘘をついたわけで。臣下として最もしてはいけない過ちを犯したわけです。
元来、真面目で忠誠心篤いシン・スグンには、自分が許せなかったでしょう。
だから、今後は今まで以上に心を尽くして燕山君を支えて行こうと決心したのです。イム・サホンのような不忠の輩から一刻も早く切り離して、真っ当な政治を行ってもらいたいと心から考えているのです。
チェギョンも、チンソン大君と幸せになるためには、そして燕山君も幸せになるためには、心を鬼にして都を出るしかないと思いました。
燕山君は、精神がいっそう混乱していきました。
チェギョンを失った悲しみ、父王が自分を信頼していなかったことの証の密旨・・・。
内官が密旨の事を噂などしようものなら、その場で殺してしまいましたよ。
そして、自分の実母が廃妃になったことが、そもそもの原因だと思うようになったのです。で、廃妃にする過程で関係があった者は、大臣であろうと殺してしまい、既に死んでいる者は、墓を暴いてでも処刑したようです。
イム・サホンは反対派を一挙に消せると喜々としてその命令に従っています。
殺伐とした雰囲気が漂いはじめました。
それは、街でも同じでした。
‘タニシ姫’と関わった者は、民であっても処刑されたのです。
でも、関わったと言っても、お米を貰ったというだけです。なのに、有無を言わさずしょっ引いて行ったのです。
ソノたちは、激怒。
でも、何も出来ません。
首謀者が出てくるまで、これは続けると貼り紙には書かれていました。
これを、チンソン大君とチェギョンが聞いちゃった。
旅の途中で、都から来た旅人の噂話を聞いたのです。
チンソン大君が、今すぐにでも、飛んで帰りたい気持ちでいるのを、チェギョンは良く分かっていました。
でも、敢えてそれを止めたのです。自分たちの幸せのためには、このまま田舎に行く事だ・・・と。心を鬼にして言いました。
「何も言わないで。絶対にいけません。国事は王様や役人の仕事なのです。口をはさめません。私だけを信じてついて来てください。」
父の覚悟を知り、チェギョンも覚悟したのです。
でもね、やっぱりチンソン大君の気持ちを無視することは出来ませんでした。
仲間たちとの生き方とチェギョンとの道との、どちらか一つしか選択出来なかったわけですが、そのどちらも同じくらい大切なものでした。
それが分かるだけに、チェギョンは今はチンソン大君の心のままに行動させたあげたいと思ったのでしょう。
ただ、自分も一緒に行くと言いました。
絶対に離れないと。
その頃、‘タニシ姫’の首長だと言って自首した者がいました。
ソノです。
この惨事を見てはいられなかったのです。自分が首長として死ねば、民も仲間も生きられます。
父のようには死にたくないから・・・とソノは思っていました。
そして、機会があったら燕山君を殺したいと思ったのです。
でも、やはり無理でした。護衛兵がたくさんいるからね。
処刑場で、ソノは自分が首長だと叫びました。そして、その場にいる他の者たちは、全く関係の無い人たちだと。だから釈放しろと。
他に仲間は?・・・と聞かれても、ソノは、自分一人だと言いました。
シン・スグンは、ソノの言葉の意味をちゃんと理解していました。
ソノ以外の者たちをその場で釈放しました。
でも、だからこそ、ソノを処刑しなくてはならなかったのです。
ソノは喜んで死んで行きました。
彼の脳裏には、チンソン大君やチェギョン、仲間たちとの愉快で楽しい日々が浮かんでいました。
最後に覚えて行きたいのは、ミョンへの笑顔だ・・・と以前、ミョンへに言っていました。
ミョンへは泣きながら必死に笑顔を作りました。
チンソン大君とチェギョンが必死に駆け付けたその前で、ソノの処刑は行われたのです。
チェギョンは執行を告げるのが父だと知り、信じられない思いで見つめました。
チンソン大君は、怒りを抑えることは出来ませんでした。
そのまま燕山君の前に駆けこんで行きました。
激怒して聞きました。何が望みなのですか?・・・と。
言えばくれるのか?・・・と燕山君。
「王様が仰せになるものは、きっと私が渡せぬものです。手に入れてはならぬものです。ゆえに、渡せません。」
「だったら、余が与えたら?」
何を?・・・とチンソン大君は問いました。
「王座だ。」
燕山君は、このままチンソン大君を外に行かせることは出来ないと言いました。
なぜなら、傍にいないと、チンソン大君を苦しませる事ができないからだ・・・と。
今も、このように苦しんで刀まで持って暴れてくれるそなたを見るのが楽しい・・・などと。
そう言ったかと思うと、燕山君は、チンソン大君が持ってる刀を握り、そのまま自分に突き刺しちゃったーっ
「謀反だ」
イム・サホンが叫びました。
「チンソン大君が王様を殺すぞ」
その場でチンソン大君は兵に抑え込まれてしまいました。
燕山君、自分の命をかけても、チンソン大君を殺したいと思っていたの
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